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女子サッカー・ワールドカップ:スポンサー&広告キャンペーン例

【出典】2019/6/3

https://www.thedrum.com/news/2019/06/03/the-standout-womens-world-cup-sponsorships-and-ad-campaigns

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近年、女子サッカー界の関心・注目度が高くなってきている。フランスでのW杯を直前に控え、メジャーなブランドらが女子サッカーチームをサポートするべく、その力を発揮している。それにより、ここ最近のスポーツ界でも一番重要な意味を持つスポンサーシップへの投資やクリエイティブな広告キャンペーンが生み出されている。

女子サッカーは、ピッチ外でも成長を遂げている。ヨーロッパサッカー連盟のUefaは、『チーム・フォー・アクション』キャンペーンを開始し、5年間で女子サッカーの認知度を倍増すると約束した。さらに、#WePlayStrongというコンテンツシリーズを運営し、スポーツ界を盛り上げるべく、選手のインタビューや有名人が特別出演する動画、またレッスン動画を掲載している。

女子サッカーの試合の人気が向上しているという事実をマーケーターは無視できないだろう。2017年には化粧品会社Avonが女子サッカーチームのリヴァプールとスポンサーシップを結んだ。これは業界内で女子サッカーへの関心が高まっていることを示した最初のアクションであった。男子サッカーを長くサポートしている金融業界において最近VisaやBarclaysといったブランドから女子サッカーへの大規模な投資が実施された。女子サッカーW杯のフル・パートナーシップをVisaが結んだ一方で、Barclaysは女子スーパーリーグとの三年間のスポンサー契約を締結。女子サッカーリーグがブランドと結んだ初のスポンサー契約となった。

しかし、なぜ女子サッカーがマーケーターからこれ程多くの商業的関心を集めているのか。コーズ・マーケティングにますます固執するブランドの世界では、それは女性スポーツをサポートすることはブランドの進歩的でインクルーシブな理念や考えをアピールするためには、完璧なプラットフォームであることに間違いない。しかしそれ以上にビジネス上の意味がある。

Nikeの財務担当責任者であるAndrew Campion氏は、「世界的に、女性の下着やアパレルマーケットは、男性のマーケットの1.5倍の規模である。」と最近の決算発表で説明した。しかし、同氏は続けて「女性消費者による売上額は、全体の4分の1未満である。」とも述べた。これが、スポーツウェアブランドが、より積極的に女性消費者を取り込もうとしている理由である。女性マーケットの規模の方が大きいのにも関わらず、女性に向けた販売戦略を怠るのは商業的に愚かな話である。

現在、女子サッカーチームの世界ランキングで第3位にランクインしているイングランドは、2019年のW杯での活躍が大いに期待されている。スリーライオンズ(チームの愛称)は、女子サッカーでのマーケティング効果を期待している多様なブランドからサポートを受けている。

こういったスポンサーの中一つがLucozade Sportである。今年の夏に開かれるワールドカップに向け、女子サッカーの認知度を高めるために、この飲料水のブランドはイングランドチームのメンバーを起用した特別版ボトルを発売した。ボトルのラベルにはチームのキャプテンでディフェンスのSteph Houghton選手、フォワードのNikita Parris選手が描かれている。

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Lucozadeはこれまでもアスリートやスポーツ界を多く支援してきたが、女子スポーツ界への本格的な進出はこれが初めてだ。これまで、イングランドサッカー代表のキャプテン、スティーヴン・ジェラード選手やハリー・ケイン選手とのスポンサーシップを結んでいたが、現在はイギリスのボクサーであるAnthony Joshua氏とのスポンサーキャンペーンも進行している。

ワールドカップのすべての試合の放送権を獲得したBBCは、2019年、女性スポーツの夏を迎えるにあたり「Change the Game」キャンペーンを開始した。この広告には多数の有名サッカー選手、主にイングランド代表チームのスターが登場する。

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ロンドンのラッパーMs.Banks氏の音楽を起用した番組はクリエイティブかつインスピレーションを与えものであり、サッカーについて取り上げたエピソードでテレビデビューを果たした。

その他にも、ヘアケアブランドのHead&Shouldersもイングランドサッカー女子代表のサポーターとして名乗りをあげた。テレビ番組司会者、Claudia Winkleman氏を起用した広告で、このシャンプーブランドはファンに三匹のライオンをモチーフにしたシャツを着て、三本のラインを取り入れた愛国心溢れるヘアスタイルでイングランド女子代表を応援しようと推奨している。イングランドのトップサッカー選手Beth Mead選手とKeira Walsh選手もそのモデルとして、動画内でこのヘアスタイルをしている。

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さらには、イングランド代表チームはアメリカのビールブランドBudweiserとのスポンサー契約を結んだ。イングランド代表オフィシャルビールとして販売される見込みだ。

Boots UKはイギリスとアイルランドの代表チームとのスポンサーを結んだ。これは過去に事例のないことで、この業界では初のスポンサー契約である。女子サッカーをめぐる情熱は国際的に広まっている。ドイツ代表チームは女子ワールドカップで2回のチャンピオン、そしてヨーロッパで8回チャンピオンに輝いており、大会の優勝候補として沢山のサポートを企業から受けている。

ドイツの企業Commerzbankは男子、女子代表の両方のスポンサーであり、そのことに誇りを持っている。女子代表と共同し、Commerzbankは、女子サッカーチームが直面している男子チームと比べ差別があることを訴え、それに取り組むクリエイティブなスポットを発表した「私たちは自分の名前さえ知らない国のためにプレーします」という題名の広告は、全国的なチームプレーヤーを特徴とし、差別のレベル、報酬の欠如、および彼女らの功績に対する評価の低さを示している。

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この作品は挑戦的で、感動的であり、男女平等を強く呼びかけている。

米国では、女子サッカーは男子サッカーよりはるかに人気がある。アメリカ代表はワールドカップのディフェンディングチャンピオンであり、これまでに3回、W杯での優勝を果たし、4つのオリンピック金メダルをも獲得している。その結果、大きな国民的支持を得た。この輝かしい功績にもかかわらず、米国の女子チームは未だに男女差別を受けており、男子選手と同等の賃金を求め今年初めにアメリカサッカー協会を訴えた。

その多くの功績により、米国女性サッカー代表チームは注目を集めるような多くのスポンサーシップ取引を獲得した。そのうちの一つとして、今年の初めにはFoxが名乗りをあげている。放送局は、「ゴリアテ」という名前のこの30秒のスポットを含む、女性チームをフィーチャーした一連の広告を掲載した。この作品はワイデン+ケネディ(W+K)とのコラボレーションで制作された。

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この夏のサッカー女子W杯のため、アメリカ女子代表チームはNikeとの契約を結び、女子サッカーへの関心を高めるため、『Dream with us(夢を一緒に)』という名のスポットを発信した。アカデミー賞、エミー賞、トニー賞などの受賞歴がある女優のヴィオラ・デイヴィス氏は「この広告作品は、若い女性を巻き込み、サッカーだけでなくスポーツ全般にこの活動の広がりを起こすためのもの。」と語った。

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この他にも、Nikeは夢を追う女子サッカー選手の卵達を応援するクリエイティブな広告動画を配信した。ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツの音楽にのせ、10歳の女の子、Makena Cookちゃんの夢を描いた広告動画である。動画内でMakenaちゃんはオーストラリアのSam Kerr選手やオランダのLieke Martens選手を含む女子サッカー会で最も有名な選手達と一緒にプレイする。

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Nikeはその素晴らしい実績と最近の政治的なマーケティングへの取り組みの反面、女子アスリートが妊娠をしたとき、スポンサーシップ契約を保留し、報酬の支払いを一時停止するというポリシーが公になった。Nikeはこの方針を改善すると述べているが、このナイキの行いは、ブランドが女子スポーツ界の問題について世間に発信していくことではなく、実際にブランドが女子選手に対して何をしているのかが問題であるということを再認識させてくれた。

女子サッカー界を支援するブランド:男女平等に真摯に向き合うブランドが報われる

【出典】4/9/2019

https://www.thedrum.com/opinion/2019/04/09/brands-women-s-football-those-who-genuinely-care-about-the-agenda-will-be

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女子サッカーは現在、普及率と関心の観点から、今日最も急成長している女性スポーツの1つである。女子サッカー界は今、2019年のフランスでのワールドカップを見据えている。

 

バークレイズと女子のスーパーリーグとの数百万ポンドにもおよぶ三年間の契約や、Boots’ UKが女子イギリス代表、アイルランド代表と結んだスポンサーシップに関する最近のニュースから、確かに商業的およびマーケティングの観点から女子サッカー界が大きな注目を浴び始めている事がわかる。

 

これらのスポンサーシップは、女性のサッカー、または一般的に女性のスポーツをスポンサーすることがあなたのブランドを美しく見せるための安価な選択肢であるという誤った考えを払拭する。男性のスポーツが競技だけでなく、競技外でも選手について取り上げているように、女性スポーツも同じ熱量をもって取り上げられるべきであり、今ようやくそうされはじめている。女子スポーツとの提携は、ブランドにとってそれほど魅力的ではないにしてもその機会は等しく、スポンサーシップ業界として私たちは、その恩恵と価値についてブランドに伝え続ける義務を負っている。Visaは男子・女子両方のスポーツに対し同額のサポートを行っている。

 

女子サッカーは、男子サッカーと比較すると、規模、価値、アクセス性に優れ、まだ未開拓なフィールドであるため、従来の典型的なやり方、考えで固まってしまっている環境の中でブランドにとって爽快で非常にエキサイティングな機会を提供する。チャンスは目の前にあり、マーケティングと文化の観点から、功績を上げるためのプラットフォームとして女子サッカーが提供することができる価値を活用するためのオープンな目標と熱心なメディアがある。現役のスポンサー、権利保持者、メディア所有者、そしてタレントは、女子サッカーが持つ観客へのエンゲージメントの実証や、認識やマーケティング/ビジネス目標における主要なポイントをシフトするために協力し続ける必要がある。

成長

 

2015年にカナダ開催された、FIFA女子ワールドカップでのスリリングな試合は世界中を魅了した。スタジアムの観客数はトータルで135万人以上に達し、全世界におけるテレビ視聴者の数は188の国と地域で、7億500万人という記録的な数字をたたき出した。(2015年のラグビー男子ワールドカップの観戦者数より多い)日本対アメリカの決勝戦は、これまでにアメリカで最も注目されたサッカーの試合であった。

 

2017年のUEFA女子ユーロは史上最も注目された大会で、視聴者数から5000万人以上。公式のトーナメントのソーシャルメディアプラットフォームで55万件を超えるインタラクションが報告されている一方、#WEURO2017のFacebookアカウントとInstagramアカウントでの動画の観覧数は440万件にのぼった。スタジアム動員数も前回大会を上回り、オランダは史上初すべての試合のチケットが完売した。今年のワールドカップはさらに壮大な大会になるであろう。

国内の様子

 

イギリス国内のレベルでは、テレビとメディアの間での女子サッカーに関する報道が増加している。英国TVに1190万人の視聴者をもたらした、2015年のカナダでのワールドカップでの女子イギリス代表の功績により、FAとクラブはメディアへの露出の機会を得ることができ、メディア戦略を構築しはじめた。BBCのようなテレビ局はこのブームにのり、女子サッカーの報道を拡大し、さらに全国的にスポーツの発展を後押しするであろうバークレイズやBoots’ UKが結んだ長期間に及ぶスポンサーシップをもたらした。次の鍵となるステップは、FAの女子スーパーリーグの国内放送プラットフォームを開発することである。国内放送を開始する事によって、試合を定期的に放映し、スロットを獲得し、そしてシーズンを通して定期的に女子サッカーへの注目や関心を集めるための最高のメディア露出を保つことができるようになる。

 

着実に成長を遂げていてはいるものの、女子サッカーは世界および地元のスポンサーから広く支持され始めたばかりであるである。しかし、多くの人はまだ女子サッカーのもつ可能性に対し懐疑的で、女子サッカーは商業的に価値があるものではないと考えている。女性のサッカーだけでなく、あらゆるスポーツやスポーツ全般にわたって、その環境、情景は変化し、向上し続けている。特に女子サッカーに焦点を当てると、その進歩と発展をさらに深めるために、改善すべき事が三つある。第一に、世界的なサッカーの運営組織は、女子の大会の成功を活用し、男子の試合とは別にサッカー界の商業的機会をさらに探求する必要がある。ただ、スポンサーシップパッケージに追加するだけの方法とは決別しなくてはいけない。第二に、ブランドは女子サッカーの試合においてもっと多く露出をし、女性が今日における象徴てきな経済価値であることを認め、Visa、Barclays、Bootsなどのブランドから学び、インスピレーションを得る必要がある。最後に、コートのピッチの質は、全国的に、地域的にそして世界的に一貫したサポートを得て継続的に改善し続けなくてはならない。

女性アスリートの力

男女平等を推進することは、私たちの時代の最も強い動きのひとつである。女性の消費者は社会において最も経済的に強力なセグメントの1つであるであるため、この男女平等についての問題に対し真摯に向き合っているブランドは女性からの支持を得ることで売り上げをふやすことができるであろう。特に5人に1人の女性が一家の担い手であるため、ブランドにとって女子サッカーのスポンサーになることは、非常に有益なケースである。この急成長する女性経済は、女性の経済的安定性と購買力が大幅に向上したことを意味する。

市場で成功しているブランドの多くが、女性のロールモデルを促進することの価値を認識している。Nike、Adidas、Under Armorなどのスポーツブランドの大手が、最初に経済における女性の可能性を見いだし、それを活用し始めた。Nikeは1992年にアメリカの女子サッカー代表チームを支援し、Brandi Chastain氏のような有名選手とスポンサー契約を結び、他のブランドの先駆けとなった。Nikeはまた、オランダの女子チームによる女子ユーロリーグでの大胆な動きを支持し、より多くの女子サッカー選手が誕生する様にと願い、雌ライオンの紋章が描かれたユニフォームを発表した。アメリカでは、女子チームのシャツの男性用サイズでの販売をはじめた。これに続き、EA Sportsは女性のゲーマーからの要望もあり、女子サッカー選手をFifaビデオゲームシリーズに登場させた。

未来

2026年までに、FIFAは各年代における女子サッカーの人口を世界的に6,000万人増加させることを目指している。他のサッカー組織も『Together we play strong一緒にサッカーをして強くなろう』キャンペーンをはじめた欧州サッカー連盟、UEFAとの支援を約束している。将来のサッカープレイヤーのための投資は、直接ピッチ上での成功につながり、同時に更なるビジネスチャンスの可能性と、将来の試合に投資するための多くの資金へと変わる。

もっと多くのブランドが女子スポーツが持つ可能性や価値に気づく必要がある。一方で、女子サッカー界は、革新性と創造性を一番に大事にしているブランドを探し、商業的可能性の探求に焦点を当てた専任チームを結成することに専念し、世界規模のキャンペーンを活用する必要がある。スポーツの知名度だけでなく、試合にでている女子選手の知名度をあげること、また女子選手達のピッチ上やピッチ外での人柄や魅力を披露する事は、すべての事業出資者に利益をもたらす。これは女性のサッカー、スポンサー、そして女子サッカー界のスターにとってわくわくする未来の始まりに過ぎない。現代世界の文化的変化を推進し、そして今後の女子サッカー界の全体的な成長とスポンサーのためのマーケティングチャンスのために、ブランドと女子サッカー界の間のコミュニティをより密接に結びつけるであろう。