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スティーブン・スピルバーグ監督、ネットフリックス制作映画に対し苦言

【出典】2018/3/21
https://mashable.com/2018/03/23/spielberg-netflix-oscars/?utm_campaign=Mash-Prod-RSS-Feedburner-All-Partial&utm_cid=Mash-Prod-RSS-Feedburner-All-Partial&utm_source=feedly&utm_medium=webfeeds#1qfwdOGIxaql

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ネットフリックス制作・公開の映画はアカデミー賞にノミネートされるべきでないと、スティーブン・スピルバーグ監督は考えているようだ。ITV Newsによると、ネットフリックスが同社の作品をオスカーに選出されるよう必要な手続きをとっていたとしても、ネットフリックスの映画はエミー賞のTV映画部門で扱うべきだとのこと。

「映画館で1週間しか公開されないような作品を映画とは思えないし、アカデミー賞にノミネートされるのもおかしいと思う。」とスピルバーグ氏は語る。アカデミー賞にノミネートされるにはいくつかのガイドラインをクリアする必要があり、そのガイドラインは、

・7日間連続ロサンゼルスの映画館で公開されること

・1日最低3回上映されること

・1日の上映につき一回は6pm-1pmの間に上映されること

ネットフリックスが配信した「Beasts of No Nation」や「マッドバウンド哀しき友情」は上記の方法で行い、「マッドバウンド哀しき友情」はアカデミー賞に4部門ノミネートされた。ネットフリックスの登場により、上記の方法で劇場公開もしやすくなったが、この手口をあまりスピルバーグ監督は好んでいないようだ。

「多くのフィルムメーカーが大変な思いをせず資金を集め、サンダンス映画祭に出品し劇場公開しやすくなった」と」同氏は語る。

「そして多くの作品がこれからネットフリックスのようなストリーミングサービス企業によって出資されるだろう。たとえ1週間でも劇場公開されたとしても、ネットフリックスなどTVフォーマットで作られた作品はTV映画なのだ。そしてTV映画はエミー賞で扱うべきであって、オスカーではない」と同氏は続けた。

フランセス・マクドーマンドのオスカー受賞スピーチがインクルージョンライダーに対する興味をかき立てた

【出典】3/5/18

http://variety.com/2018/film/news/frances-mcdormand-oscars-inclusion-rider-1202718618/

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インクルージョンライダー(包摂条項) を支持している弁護士の一人、カルパナ・コタガル氏は、自分が数ヶ月間汗水流して取り組んだトピックがソーシャルメディアのトレンドになった瞬間を寝過ごしていた。

このイニシアチブはアカデミー賞の放送中、最優秀女優賞のフランセス・マクドーマンドが、観客と集まったハリウッドの著名人たちにスクリーン上の多様性を促進するために呼びかけるよう扇動した時に注目を浴びた 。これは、コンセプトを普及させるためにタレントエージェンシーやスタジオに対して働きかけてきたコタガル氏や他の弁護士にとって良いニュースだ。唯一の欠点は、マクドーマンド氏のスピーチが約4時間もある中継の終了間際だったことである。

「私はまさに丁度テレビの電源を切った時だった。」とコタガル氏。 「私には小さい子供がいて、早起きしなければならない。私にはそういった責任があったため、寝るべき時に寝た 。翌朝電話を手にとった時には、沢山のメッセージを受け取っていた。」

コーエン・ミルスタイン所属の弁護士であるコタガル氏は、マクドーマンド氏の発言がイニシアチブの普及を助けることを期待している。インクルージョンライダーとは、俳優、プロデューサー、ディレクターがある作品と契約を結ぶ際、マイノリティ、LGBTQの役者、女性を助演またはエキストラとしてキャスティングする事に力を注ぐよう要請することを言う。彼らはまた、一般スタッフの中にも多様性を求めることができる。

「このツールの背後にある考え方は、業界で権力を持つ人たち(主にストレートの白人男性)が、スタジオとの交渉の際に彼ら特有の交渉力を発揮することを要求することだ。」とコタガル氏は語った。 「彼らの影響力を使いたい。」

インクルージョン・ライダーは、USC Annenbergのコミュニケーション・ジャーナリスト・スクールの教授であり、メディアにおける女性とマイノリティの不足さを研究しているステイシー・L・スミス氏によって発案された。スミスは2014年に、多様化の必要性に関する多くの話題がほとんど変化をもたらさなかったことへの失望から、2014年の論説に初めてインクルージョンライダーという概念を持ち出したのだ。

「映画が私たちの住む本当の世界と違って見える理由がない。」とスミス氏は話す。

これは数字が表す現実と全く反対だ。 USCの調査によると、女性、ヒスパニック系、アジア系、アフリカ系アメリカ人、その他のマイノリティグループは、セリフのある役や主役、あるいは主役級の位置において、著しく不足している。スミス氏は、改善されるどころか起用レベルが本質的に落ちていると述べた。

他の研究にも同様に落胆させられる。 2017年、サンディエゴ州立大学のテレビ番組と映画における女性研究センターの最近の報告によると、100本の最高収入映画の主人公のわずか24%が女性であった。これは、前年から5パーセンとの低下である。『ワンダー・ウーマン』や『ガールズ・トリップ』などの女性が主人公の映画が興行収入を支配していたにも関わらず、数字は上昇ではなく悪化している。

スミス氏は、「私は喜んでこの業界を自主規制させたいところだが、それが不可能な話なのは明らかだ。」と述べた。 「人々はより多様性が必要だということに頷き同意するが、それが意味のある変化に繋がってはいない。」

スミス氏とコタガル氏は、William Morris Endeavor (WME)やPearl Street Filmsを初めとするいくつかの重要なエージェンシーから関心を得ることができたと語った。2人はまた、マクドーマンドやブリー・ラーソンのような著名スターにその理念を抱かせ、更にインクルージョンライダーは既に活用されていると主張する。

スタジオがこのような条項を受け入れるかどうかについては、関与する役者の交渉力に大きく依存する。

アイスナー・ジャフェ所属の弁護士、ジェレミア・レイノルズ氏は、「十分なタレントを揃えれば、人々は同意すると思う」と述べた。 「仮にトム・クルーズがインクルージョンライダーを取得しなければ映画をやらない、と言えば、誰かしら同意するだろう。」

もちろん、このようなコンセプトは挫折に直面する可能性がある。例えば、アファーマティブ・アクション(差別是正措置)は、逆差別に繋がるような割当システムの強制である、という反対の議論があり法的異議を申し立てられている。

Mitchell Silberberg&Knuppの雇用弁護士であるアダム・レヴィン氏は、「確かに興味深いアイデアで崇高な目標ではあるが、はじめの頃私はこの項目を、多様性を達成するための不器用で潜在的に違法な方法だと考えていた。」と話した。

インクルージョンライダーに同意したプロデューサーは、雇われていない白人の俳優からの訴訟に直面する可能性がある、と彼は言った。そのようなプロデューサーは、憲法修正第1項がキャスト選択の自由を保障していると主張できるだろう。レヴィン氏は『バチェラー』で白人の独身男性のみを使用したことで人種差別を指摘され訴えられたABCを擁護する事に成功した。プロデューサーの多様化目標が契約書に成文化されているとなると、擁護するのはもっと難しくなるかもしれない、と彼は述べた。

このような条項に同意した者は「将来悩まされ、非常に興味深い憲法に関する議論への参加を余儀なくされる」と述べた。

コタガル氏は、このような抗議行動の可能性に気付き、配当制度を課していないことを明確にする文面を構成したと語った。その契約本文は、製作チームが、必ず女性やマイノリティの一定割合を採用しなければならないわけではないが、それらのグループからの候補者のオーディションや面接を行う事に忠実に力を注がなくてはならない、と言う風に書かれている。もし契約に反した場合は、制作側は罰金を科され、そのお金は少数派の映画制作者を支援するための資金にされる。

「これは要するに、雇用決定を下す際の多様で幅広いプールを構築し、人々が雇用を行う際に多様性を念頭におくよう促す措置である。」とコタガル氏は述べた。 「以前やっていたことは成功に繋がらなかったので、私たちは前進するために何か違うことを試みる必要がある。」

 

ブランドは目立つために、プレミアTVイベント中にライブ広告を利用

ABCはサムスンとウォルマートをアカデミー賞に統合

【出典】3/4/2018

http://www.adweek.com/brand-marketing/to-stand-out-brands-are-using-live-ads-during-premier-tv-events/

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20世紀 Foxは、ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』を宣伝するためにFoxネットワーク上で生演奏を披露し、Kraftは最近のファミリー向けのスーパーボウルスポットにリアルタイムの要素を取り入れた。またハリウッドの華やかな夜、つまり日曜日のアカデミー賞では、サムスンがメリル、デンゼル、ジミーのような超有名人とライブ放送中に親睦を深め、世界で最も写真撮影に相応しい場でギャラクシーS9の新しい写真とビデオの特色を披露した。

これらは、CNNの大晦日のカウントダウン中に行われたMassMutualによる2分半のライブ広告や、昨年のNFL最大のショーケース中のスニッカーズとヒュンダイのライブ広告の影響である。ブランドにとってライブ広告は、ケーブル解約に悩まされテレビ放送局にとって、媒体費を稼ぎオンエア環境を盛り上げるための固い方法だ。

また、Vineのような6秒間の広告やスプリットスクリーン広告のような、実験的な広告フォーマットと同様に、ライブ広告はリニア型TV放送、特に大人気番組で消費者と繋がるための実用的な手段として注目を集めている。

グラミー賞にて最初のライブミュージックビデオ(グウェン・ステファニー&リテールストア、ターゲットによる)と第51回スーパーボウルのスニッカーズのライブ広告に携わったライブ制作・体験型マーケティング会社のRippleboxのエグゼクティブプロデューサーでありパートナーであるブレイク・モリソン氏は、次のように述べている。「ライブ広告がうまく実行されれば、称賛と感動がうまれる。それは、息をつく余地もないほどキュレーションされていると感じる何かよりも、ライブオーディエンスに向けての方がより効果的である。」

関連する戦略として、1950年代のテレビの黄金時代を生きてきたテレビ放送局は、TBSのコナンからNBCのトゥデイ・ショーまで、ライブ番組にブランドを統合する手法がますます増えている。しかし、昨年の唐突な商品デモやあからさまなピッチの代わりに、マーケティング担当者は番組のコンテンツ自体にメッセージを織り込んでいる。これはABCが今週のオスカー中継にサムスンの新商品を紹介したり、レッドカーペットの映像にウォルマートの青い郵送ボックスを写したケースに見られる。

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ディズニー・ABCテレビ・グループの販売・マーケティング担当ディレクター、デブラ・オコネル氏は、「これによりブランドはブランド自体や意味のある瞬間、そして30秒を超えるフォーマットでストーリーを伝える方法を得られる。それは広告主を体験と結びつけ、彼らをソーシャルな会話の一部にする。」

事実上これらは生の宣伝行為(時には他の何よりも台本通り)であり、従来の商業広告のように番組の邪魔をしないため、ライブ広告は視聴者の注意散漫を減らしてくれる。

調査では、視聴者がライブ広告に反応していることがわかっている。テレビ放送局によると、『グレイテスト・ショーマン』は、番組(『A Christmas Story』のライブ・ミュージカルバージョン)から観客を100%を獲得し、80%がポジティブな反応を見せた。iSpotによると、スニッカーズとアダム・ドライバー(「腹が減ってはライブのスーパーボウル広告を台無しにする」)は、8850万のテレビ広告のインプレッション、800万のオンライン視聴回数、3万のソーシャルアクションを生み、結果的には4300万人のインプレッションを生んだ。

それでも、ライブ広告だけでは十分ではない、とモリソン氏は話す。 「ライブ広告はキャンペーンの中心であってはならない。」と彼は言った。 スニッカーズの36時間にわたるスーパーボウル直前ライブストリームのように、視聴者を風変わりな取り組み参加させるためには、ライブ広告はより大きなキャンペーンの一部である必要がある。」

ABCのエグゼクティブは、そのアプローチを信じて、「ジミー・キンメル・ライブ」、「グッドモーニング・アメリカ」、「ダンス・ウィズ・ザ・スターズ」、「ザ・チュウ」などの複数のショーを通じて、単一のブランドやストーリーを紹介することを数多く行っている。サムスンは、アカデミー賞の通常のCM枠でのCM放送に加えて、月曜の「グッドモーニング・アメリカ」のオスカー後のエピソードにも登場する予定だ。ウォルマートは金曜日、女性の映画製作者向けプログラムを宣伝した。

ライブ広告は高価で複雑なものだが、モリソン氏は、テレビ視聴者の興味を維持できるのであれば、まだまだ製作されるだろう、と語る。 「生放送は何でもあり感がある」「ネットなしで歩いているように感じ、人々はそれを見たがる。」と話した。

映画業界で受け入れられ外国出身のタレントたち

【出典】2018/2//22
http://variety.com/2018/film/awards/hollywood-immigrants-get-the-job-done-1202706915/

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ハリウッドの映画業界を考える際、アメリカ以外で産まれた人たちの貢献を考えないことは不可能だ。多文化共生の概念は映画業界に長く受け入れられ、最近では様々な人種の人を受け入れようという動きが広がり、数々の映画祭、特にアカデミー賞で多くの人種を見ることが当たり前になった。2017年に制作された素晴らしい映画を作ったフィルムメーカーたちの名前を見れば、多くの賞にノミネートされた外国出身のアーティストたちがいることがわかる。

「私は映画とテレビドラマをアートとして見ている。そしてアートは国境と国籍を越えると信じている。」とDDA Talentの社長のBill Dispoto氏は語った。「ビジネスはそこにこそあるのだ。良いビジネスマンは才能のある人をチームに入れることが成功の秘訣だと知っている。映画やテレビシリーズを制作するには経験豊かなアーティストと職人たちのとてつもない労力を必要とする。ビジネス的に見ても、外国出身のタレントに投資することは理にかなっている。」と同氏は続けた。

1928年の8月22日のバラエティー紙の記事  “30ヶ国からのタレント”には 「外国出身で、スタジオで働き、活動的にハリウッドで映画を制作している人は全体で189人:15人はプロデューサーか重役、36人は監督、14人は脚本家、7人は技術系、78人は俳優、39人は女優で、ハワイを除くと27ヶ国を代表していた。」 と書かれている。そしてほぼ1世紀近くに渡って、業界の進歩的な “門戸開放” の政策は、才能、意欲、熱意のある者は誰でも彼らの夢を叶えることができると気付かされる。

「ドアを常にオープンにしておくことは我々にとってとても重要だ。」とアメリカ大手エージェンシー、ユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)のリック・クルベック氏は語った。「国際的な脚本家と監督はかなり独特のスタイルを持っていて、しかもアメリカの評論家と観客から評価されている。世界からのアーティストたち(俳優や技術系の人々も含む)の影響力と参加がなかったら、私たちの業界は今頃停滞していたことだろう。」と続けた。

去年、UTAは大胆なことをした。UTAの声明によると、伝統的なオスカーのパーティーをキャンセルし、「クリエィティブなコミュニティがアメリカ国内の移民排斥感情に関心を持っているということを示すため」に25万ドルもの金額をアメリカ自由人権協会と国際救済委員会(IRC)に寄付したのだ。

「エージェンシーとして、我々のクライアントであるイラン出身 のアスガル・ファルハーディー監督(『セールスマン』で第89回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。抗議のためアカデミー賞授賞式を欠席)にも影響した、トランプ政権の入国制限令への対抗として、去年この決定を下したことに誇りを持っている。」と述べた。

今年はギレルモ・デル・トロ監督(メキシコ出身)とクリストファー・ノーラン監督(イギリス出身)がオスカー像を家に持ち帰る有力候補だ。デル・トロ監督の詩的でエモーショナルな作品『シェイプ・オブ・ウォーター』は彼のキャリアの中で一番の好評を持って迎えられている。ノーラン監督はヒット作を連発し(『ダークナイト』トリロジー、『インセプション』『インターステラー』など)、批評家からも好評だ。

チャンスが与えられた時、素晴らしい才能がある人は見つけてもらえるものだ。

「世界中からの優秀なタレントを長年代理してきたエージェンシーとして、将来性のあるクライアントの評価は平等に行う。- どこで産まれたかではなく、彼らの代表作を見て、ユニークな視点を持っているか、彼らのキャリアに良い影響を及ぼす見込みがあるかを判断するのです。」と大手エージェンシー、Sandra Marsh & Associates の社長のロコ・ヒンドマン 氏は語った。同氏はオスカーにノミネートされた経験のある撮影監督のダン・ローステン(『シェイプ・オブ・ウォーター』・『クリムゾン・ピーク』等を撮影)など多くのトップ・アーティストたちを代理している。「印象的な作品はたいてい国境を超えることが出来る。」と述べた。

業界にクリエイティブなインパクトを与えることが出来るタレントを探すことはチャレンジでもあり、報酬でもある。「私たちは時間をかけてユニークな世界観と、強くてオリジナリティを持ったアーティストを探している。」とUTAのクルベック氏は語った。 「国際的なコミュニティはそのために最適な場所なのだ。決まった一つのクロスオーバーのポテンシャルを持った映画制作や語り口のスタイルはない。私たちは最初から最後まで観客を熱狂させることのできる映画を作れる人と出会いたい。」と続けた。

俳優でコメディアンのクメイル・ナンジアニはパキスタンから18才の時にアメリカに移住し、妻であるエミリー・V・ゴードンと共に執筆した『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(彼らの出会いを描いた作品)の脚本はオスカーにノミネートされた。この脚本は彼らの実際の体験に基づいて書かれたので、ある程度の信憑性があり、他の誰にも書くことのできないユニークさがある。

アメリカ移民たちの人生経験が社会からの期待に挑戦するための人種の多様性の拡充に新たな面を追加することによって、彼らの芸術性を活気づけ初めているという確実な例だ。マーティン・マクドナー(イギリスとアイルランド両方の国籍をもつ)監督の『スリー・ビルボード』もアメリカの小さな田舎町を扱った映画で、アカデミー脚本賞にノミネートされた。往々にして、外国出身のアーティストたちは彼らのストーリーテリングの方向性を決める際に有利な位置にいる。なぜなら時として、彼らの “外人性”が思わぬ形でアメリカ社会全体を浮き彫りにするからだ。

「エンタメ業界の素晴らしいところは、毎日グローバル市場で働いているということだ。」とAgency for the Performing Arts(APA)のバイスプレジデントで同社のプロダクション部門の共同代表のMatt Birch氏は語った。「我々は世界中の全てのカテゴリーを代理しており、昔はプロダクションが世界のどこをベースにしていても、タレントを外国からわざわざ呼ばないといけなかったが、今はプロジェクトに応じてタレントをすぐに見つけることができる。」と述べた。

オスカーの俳優部門は大西洋から来た俳優が多く、ダニエル・デイ・ルイス(ポール・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』主演男優賞ノミネート);ゲイリー・オールドマン(ジョー・ライト監督の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で主演男優賞ノミネート); ダニエル・カルーヤ(ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』で主演男優賞ノミネート; レスリー・マンヴィル 『ファントム・スレッド』助演女優賞;サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)は全員イギリス出身、シアーシャ・ローナンはアイルランド出身で、グレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』に主演しノミネートされた ;オーストラリア人のマーゴット・ロビー(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』に主演しノミネートされた)も忘れてはならない。

オスカーの主要5部門以外の賞は長年、外国生まれの人たちが輝ける場所となってきた。撮影監督賞にはデンマーク出身のローステンや、イギリス出身のロジャー・ディーキンス(『ブレードランナー 2049』)、フランス出身のブリュノ・デルボネル(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)、スイス出身のホイテ・ヴァン・ホイテマ(『ダンケルク』)が今年ノミネートしている。作曲家でドイツ出身のハンス・ジマー(『ダンケルク』の音楽を担当)、フランス出身のアレクサンドル・デスプラ(『シェイプ・オブ・ウォーター』の音楽を担当)もそれぞれ作曲賞にノミネートしている。

「私はいつも外国出身者か、アメリカ人か関係なく、二つの重要な特性を持っている人を探している: 才能と堅実な労働倫理だ。」と 大手エージェンシーではないGSK TalentのIvana Savic氏は語った。「外国出身者は新しいアイデアとストーリーを語る方法を持ってきてくれる。非常に多くの場合、彼らの文化が人生の見方にユニークさをもたらし、さらに母国での経験が映像的に新鮮で驚くべきものとして映画に昇華されるのだ。」と述べた。

本年度アカデミー賞の作品賞候補は過去6年で最低収入

【出典】2/20/2018
http://variety.com/2018/film/box-office/best-picture-nominees-lowest-grosses-1202705662/

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興行収入の事となると、アカデミー賞は人気コンテストではない。

今年の多くの作品賞にノミネートされた作品は、批評家からの熱烈な賞賛を受け多くの賞を受賞している。しかし、その大部分が興行収入の成功に繋がっていない。 『ゲット・アウト』と『ダンケルク』だけが国内興行収入で1億ドルを突破し、疑いなく大ヒット作と言える。今のところ、作品賞候補作品において2011年以来最低の興行収入だ。

「オスカーはますます多くのニッチな映画に賞を与える傾向にある。」と、Exhibitor Relations社の興行収入アナリスト、ジェフ・ボック氏は語る。 「ソーシャルメディアの話題やポップカルチャーの影響はなかなか反映されない。」

公平のために言えば、これら映画のほとんどは、決して利益目的として制作されていない。 『シェイプ・オブ・ウォーター』、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 、『レディ・バード』を含む9作品候補のうち7作品がプラットフォームリリース(数週間から数ヶ月と拡大公開する前に適度な数の劇場で上映される、比較的小規模なインディー映画を呼ぶ業界用語)である。アカデミー会員がスーパーヒーロー映画に対する嫌悪感を捨て、『ワンダーウーマン』や『ローガン』を選出していれば話は別だったかもしれない。だが、「ワンダーウーマン」は完全にシャットアウトされ、フォックスの『ウルヴァリン』の続編は脚本賞候補に留まった。

映画芸術科学アカデミーが2009年に作品賞候補者リストを5作品のみから10作品までに拡大した際、アカデミー有権者がハリウッド大作を選出することを期待されていた。作品賞受賞に関わらず視聴者が実際に見たことのある映画が候補に選ばれるための意図に反し、アカデミー賞の有権者が『ダークナイト』を冷たくあしらったことに対し、会員たちは失望した。

しかし、comScoreの上級アナリスト、ポール・ダーガレベディアンは、『ダークナイト』効果は実際には決して起こらなかった。」と指摘した。 『アバター』、『オデッセイ』などの大作がオスカーにノミネートされたことはあるが、コミック実写化映画は未だに作品賞へのノミネートがない。ますます、アカデミー賞とインディペンデント・スピリット賞との間に差が無くなってきた。

アカデミー賞は以前、メジャー¥スタジオによって制作された映画が主役であった。 10年以上前は、『グラディエーター』や『タイタニック』などの人気作品が作品賞のトロフィーを持ち帰ることができた。しかしこれらのスタジオがアメコミヒーローに執着するにつれて、オスカーの有権者は、インディー映画に親近感を示し始めた。昨年の作品賞受賞作品である『ムーンライト』は、歴代2番目に低い興行収入の作品賞受賞作品だった。 最後に興行収入で1億ドルを上回り作品賞を受賞したのは、2012年の『アルゴ』である。

オスカーにノミネートされる事は、映画の商業的見通しを晴らす。『シェイプ・オブ・ウォーター』は、作品賞候補に選ばれた結果興行収入が181%増、『スリー・ビルボード』は81%、『レディ・バード』は61%の増収となった。それだけではない。受賞することはまた、劇場上映期間からしばらく経った後にも映画の価値を高めるのに役立つ。 「映画レンタルやケーブルTV放映などは今後数年収入を上げることができる」とボック氏は述べた。

革新的なジャンル映画は今年のオスカーレースを引っ張る

http://variety.com/2018/film/features/innovative-genre-movies-goose-oscar-race-get-out-shape-water-1202687793/Picture1

今年は珍しく「ジャンル映画」がオスカーに愛される、レアな年となるのだろうか?

確かに、今年の最優秀作品賞の多くがインディーフィルムのスピリットを持っていて、「ジャンル映画」のカテゴリーを超えている。そして映画を高める現代的な感性と重ね合わされている。

ホラーとコメディという、オスカーが特に嫌いな2つのジャンルを組み合わせた『ゲット・アウト』を考えてみよう。脚本兼監督のジョーダン・ピールは、この二つのジャンルを、人種という今最もホットな話題の1つに混ぜ込み、賞総なめ作品を作り上げた。

先に進む前に、用語を定義してみよう。言葉フランス語の「ジャンル」は芸術作品を分類しカテゴリ分けする方法を指すが、「ジャンル映画」というのは、キザな批評家達がが西部劇、SF映画、スポーツ物語、戦争物語、その他いくつかのカテゴリを呼ぶ軽蔑的な言葉だ。「まあ、これはただの西部劇だよ。」とは言わずにも、「これはジャンル映画だ。」といってしまうことで、ある映画を却下するようなものだ。

オスカーはSF映画やファンタジー映画にはほとんど賞賛しないが、ギリモ・デル・トロの心温まるモンスター映画『シェイプ・オブ・ウォーター』は、シンプルなSF映画の分類を超越する。この混合種間ロマンスと冷戦のスパイストーリーは、去年の秋に映画祭デビューして以来、賞賛され続けてきた。
このような作品はまだまだある。『ダンケルク』は戦争映画であり、革新的なストーリーテリング方法を使用して、一か八かのアクション作品を作り上げた。 『スリー・ビルボード』は復讐の話であるが、タフなヒロインと実は正しい心を持つ警官が対立するという設定だ。

このようなバリエーション豊かなジャンル映画は、伝統的なドラマ映画と、最後までギリギリの賞レースを行うだろう。

『君の名前で僕を呼んで』:これは 「同性愛」映画をアートハウスから、おそらく、主流に動かす。

『レディ・バード』:成人向けのジャンルは、オスカーの餌になることはなかった。

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』:『スポットライト』は別として、ジャーナリズム映画はめったに勝てない。

『ファントム・スレッド』:ディレクターとキャストの経歴にもかかわらず、結局はファッションとデザインに関する映画なのだ。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』:オスカーは確かに伝記映画を愛する。 『ビューティフル・マインド』『ブレイブハート』『アラビアのロレンス』『ラストエンペラー』『ガンジー』そしてかなり昔の『エミール・ゾラの生涯』『巨星ジーグフェルド』など、最優秀作品賞は伝記映画で溢れている。

叙事詩でない限り、ジャンル映画は最優秀作品賞のお気に入りではなかった。 『風と共に去りぬ』(1939年)から『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)まで、長編物語は12回以上最優秀作品賞に選ばれた。ミュージカルは、『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)『シカゴ』(2002年)、そして昨年惜しくも受賞を逃した『ラ・ラ・ランド』など、8回も受賞している。戦争映画は、『西部戦線異状なし』(1930年)から『ハート・ロッカー』(2008年)に至るまで、7つの最優秀作品賞を獲得した。その他のこととなると、アカデミーはジャンル映画に対して当たり前のように興味を示さなかった。

作品賞を受賞した純粋なアクション映画を挙げてみよう。最初の受賞作品であるサイレント映画『つばさ』(1927年)をアクション映画として数えない限り、何もない。

最優秀作品賞受賞者のこととなると、アカデミーは真面目なドラマ、特にベストセラーの本や長年続く演劇が映画化された作品、何と言っても実話に基づいたもの(過去10
受賞作品中5作品)を特に好む。

唯一のミステリー受賞作品はアルフレッド・ヒッチコックの『レベッカ』(1940年)だ。ホラー映画?ジョナサン・デミの「羊たちの沈黙」(1991年)をホラーとして数えるならば、それが一つだ。果たして『ゲット・アウト』が25世紀ぶりにオスカー像を獲得するホラー映画になるのだろうか?

その点では、何本のコメディ映画が受賞しただろうか? 『或る夜の出来事』(1934年)、『我が家の楽園』(1938年)、『アニー・ホール』(1977年)などのような作品以外を見つけるのは困難だろう。西部劇も同じである。 『シマロン』(1931年)、 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年); 「許されざる者」(1992年)のみだ。

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ギャングや犯罪映画は、若干人気がある。『ゴッドファーザー』シリーズの初2作品(1972年と1974年)『ディパーテッド』(2006年) 『フレンチ・コネクション』(1971年)が受賞している。こじつけだが、『ノーカントリー』(2007年)も含められるかもしれない。スポーツ? 『ロッキー』(1976年)、『炎のランナー』(1981年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)の他に受賞作品を探すのは難しいだろう。

あなたが俳優であれば、あなたがノミネートされたいジャンルは常に人気の伝記映画だ。ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを演じた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は本命だ。2000年以来、10人の主演男優賞と8人の主演女優賞受賞者が実在の人物を演じた。助男優賞も助演女優賞も、それぞれ6人が実在の人物を演じて受賞した事は言うまでもない。その点では、『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』で出版者のキャサリン・グラハムを演じたメリル・ストリープ、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』でトーニャ・ハーディングとその母を演じるマーゴット・ロビーとアリソン・ ジャニー、そしてより一般的なドラマ映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』でJ.ポール・ゲッティーを演じるクリストファー・プラマーが有力候補である。

ジャンル映画の監督らは、作品賞(クリント・イーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』、マーティン・スコセッシの『ディパーテッド』)でなくても(『グラビティ』でアルフォンソ・キュアロンが監督賞)受賞履歴がある。

アカデミーがSF、アクション、ファンタジー映画に敬意を示す唯一のカテゴリが技術分野だ。興行収入の低い『ブレードランナー 2049』は、技術部門において5つ(ロジャー・ディキンズの驚くほど素晴らしいシネマトグラフィーを含む)にノミネートされていて、それは批評家に人気の作品『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(1つ)や興行収入チャンピオンである『ワンダーウーマン』(ノミネート無し)よりもはるかに多い。

今年のノミネートは、非常に多くの監督が個人的なビジョンを追求する機会を得ている。 『シェイプ・オブ・ウォーター』は、イギリスのインディペンデント映画の熱烈な支持者サリー・ホーキンス、アメリカのインディー映画の象徴マイケル・シャノン、そして前年のオスカー候補(オクタビア・スペンサーとリチャード・ジェンキンス)を使用しているので、他のSF映画と違い却下しづらい作品だ。『スリー・ビルボード』は果たしてただの犯罪復讐映画だろうか?そうかもしれない、しかし、この映画が描く悲しい人道と、人生との不安な戦いが、『ノー・カントリー』よりも『ムーンライト』寄りなのかもしれない。

今年のアカデミー賞は、ジャンル映画に有利になるだろうか?
こう言おう:ジャンル映画ということを忘れてしまうような、このような素晴らしい映画をこれから作ろう。

オスカーの夜までにオスカー候補作品たちはどれだけの結果を残せるか?

http://deadline.com/2018/01/the-shape-of-water-the-post-greatest-showman-oscar-nominees-box-office-boost-2018-1202268847/Picture1

3月4日のオスカーの日まで、有力候補作品たちは現在も映画館で公開され、今年のノミネート作品が火曜(1/26)に発表されてから1億5000万ドルの興行収入を稼ぎ出している。

20世紀フォックスとフォックス・サーチライト・ピクチャーズが製作した作品2作を加えた5作品:『シェイプ・オブ・ウォーター』(13部門ノミネート)、『スリー・ビルボード』(7作品)、『グレイテスト・ショーマン』(1作品)、 『フェルディナンド』(1作品)、 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2作品)の興行収入はこの数字の65%に迫ろうとしている。

メディアは中規模の予算のドラマとコメディ作品はストリーミング配信に負けると頻繁に報道している。しかし、オスカーは私たちにまだ映画館に足を運ぶ人がいるということをいつも思い出させてくれる。主要な映画チェーンであるAMCシアターズ, リーガル・エンターテインメント・グループ、シネマーク・シアターズはオスカーにノミネートされた作品の今後5週間上映する計画で、映画ファンたちは作品賞にノミネートされた映画を全て見ることができる。

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大抵の場合、配給会社はオスカー候補決定のニュースを利用し、スクリーン数を増やすことによって、利益を出してきた。フォックス・サーチライト・ピクチャーズの『シェイプ・オブ・ウォーター』は全米1854ヶ所で拡大公開され、毎週ごとに売り上げを伸ばしている(+181% or $590万ドル)。『シェイプ・オブ・ウォーター』は今年最多のオスカー獲得が予想されている。サーチライトは9週間、賞候補の映画たちが同じ映画館で上映できるよう、長期に渡り予約しており、ギレルモ・デル・トロの海の怪物とラブストーリーは良い成績を収めている。

映画リサーチ会社 ComScore社のPostTrakによると、『シェイプ・オブ・ウォーター』は女性の間で高評価で84%のスコアを獲得し、そして全体の観客のスコアは80%と好意的だった。観客のうち25歳以上の女性が40%を占め、25歳以上男性が36%だった。しかし、このR指定映画は最初の2週間の上映では、25歳以下の若い男性(全ての映画ファンの12%を占める)からの高い支持は集められなかった。

しかしながら、興味深いことに、オスカーノミネート作品群の中で今季一番高い興行収入をあげると言われている20世紀フォックス製作の『グレイテスト・ショーマン』とドリームワークス、パーティシパント・メディア共同製作の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はオスカーのノミネーションが少なかった。

P・Tバーナムのオリジナル・ミュージカルの『グレイテスト・ショーマン』について言えば、この映画の成功はヒュー・ジャックマンとザック・エフロンの歌に熱狂してくれるファンたちにかかっている。Picture1

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はタイミングが非常に良く、スティーヴン・スピルバーグのスリラー・ストーリーテリング:ニクソン政権のベトナム戦争の陰謀を巡るワシントン・ポスト紙の戦いを描いた本作は現在の扇動的なトランプ政権に “フェイク・ニュース”と糾弾されているメディアを想起させ、多くの観客の心に届くだろう。これと似たような興行収入の現象は3年前の『アメリカン・スナイパー』で起きた。しかし、共和党支持の強い中部アメリカでは映画は成功した。このクリント・イーストウッドの監督した映画は作品賞を含む6つのオスカーノミネーションを受賞した;多くの人々がこの映画の愛国主義に感動し、アメリカ国内だけで3億5000万ドルを稼いだ。

フォックス・サーチライト・ピクチャーズは『スリー・ビルボード』の可能性を信じており、フランシス・マクドーマンド、ウディ・アレルソン、サム・ロックウェルらのタフなキャラクター達が、共和党と民主党両支持者にウケると狙い強力に宣伝している。マーティン・マクドナーが監督したこの女性の改革運動を描いたドラマは4度目の拡大公開を行い、1457ヶ所で公開、週末ごとに380万ドル売り上げ、収益は100%UP、アナリストはオスカーの夜までに4500万ドルを稼げるだろうと予測している。Picture1

タイミングのことについていえば、次の興行収入で成功しそうな冬季オリンピックの季節に合う映画はNeonと30WEST共同製作の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』だ。この映画は編集を含む3つのオスカーノミネーションを獲得した。マーゴット・ロビーは、2回オリンピックに出場し、さらに汚名を着せられたトーニャ・ハーディングを演じる。161館から960館、さらに現在は1500館にまで拡大公開した。このクレイグ・ガレスピーが監督した映画はNeonと30WESTが権利をTIFF(カナダ拠点の映画スタジオ)から500万ドルで獲得、オスカーの夜までに3000万ドル稼ぐと見られている。

A24製作の『レディ・バード』とフォーカス・フィーチャー製作の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見ていない人たちは疑いなく映画館に駆けつけ、映画は多くの観客を獲得するだろう。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、オスカーのノミネーションを6つ獲得し、ゲイリー・オールドマンの最優秀主演男優賞ノミネートで、第二次世界大戦でのイギリス首相ウィンストン・チャーチルを演じるオールドマンの演技が光り、作品賞にもノミネート、ジョー・ライト監督の作品の中で一番の興行成績を上げ、彼のオスカー受賞映画(作曲賞受賞)『つぐない』の興行収入を超えた。(興行収入5090万ドル)Picture1

しかしながら、いくつかの映画賞協会や評論家はフォーカス・フィーチャーズ製作でポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』が作品賞、最優秀男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、助演女優賞(レスリー・マンヴィル)、監督賞などの主要部門などのノミネートを受けて、オスカーの夜に躍進するのではないかと予想している。Deadlineのアナリストによると、この多数のノミネートは映画のチケットの売り上げを促進し、3月4日までに2000万ドルを超えることができるだろう。Picture1ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスの『君の名前で僕を読んで』の興行を酷評してきた。このゲイ・ロマンス映画はかなりの利益を生んだと考えられており、秋にはゴッサム・インディペンデント映画賞(ティモシー・シャラメがブレイクスルー俳優賞、そして作品賞をそれぞれ受賞)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞も受賞し名声を得た。ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスは拡大公開の時期が遅かったと判断している。
しかし、オスカーの後押しは全てがオーガニックではないということだ。配給会社はオスカー候補作品に平均約3000万ドルの広告宣伝費を出す。もしスタジオが1億ドル以上費やそうとしたら、彼らは4000万ドルを払うだろう。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスは昔から、費用対効果が高い作品にしか投資をしないことで知られている。彼らのオスカー受賞作品の中で1億ドルの大台を突破したのは18年も前の『グリーン・ディスティニー』の一作品だけだ(興行収入1億2800万ドル)
ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』(アメリカ国内興行成績約1億8800万ドルと8部門ノミネーション、作品賞含む)とユニバーサルとブラムハウス・プロダクションの『ゲット・アウト』(約1億7500万ドルと4ノミネーション、作品賞含む)が映画館で再上映されているが、両作品ともDVDがすでに発売されているのに総売上は少ない(ジョーダン・ピールのホラー映画はすでにHBOでも放映されている)。今回の彼らのオスカーのノミネーション効果ははホームビデオ市場に影響が出るだろう。『ゲット・アウト』は今週末で471館で公開し、16万5000ドルしか稼いでおらず、ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』は売り上げた額を公開していない。Picture1

米アカデミー協会:ネットフリックスのアカデミー賞ノミネート資格の有無などを協議

http://deadline.com/2017/10/oscars-academy-netflix-eligibility-in-question-membership-meeting-1202180576/

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第90回アカデミー賞の準備が始まり、映画芸術科学アカデミーは、ストリーミングサービスの台頭から賞レースキャンペーンの規制まで、全面的な業界の変化に対して、全体的にイライラモードのようだ。これらの懸念はアカデミーの長い歴史の中で2回目の会員限定ミーティングに集まった、約300人のメンバーから浮かび上がった。

かつて伝統に縛られていた組織が多様性と新しい透明化を目指し、新しく募集された候補者775人のメンバーを選考する協議が行われた。その中で会員は、緊急事案になってきた重要な課題を明らかにしていった。 「何が映画なのか、それを明確にする必要がある」と一人の会員は述べ、それは、一般的なストリーミングサービス、特にNetflixの映画業界参入に関するメンバーの懸念を反映した発言だった。

一部の会員は、 最低でも1週間劇場公開したNetflixの映画は、従来の映画と同じように扱うべきかどうか、という点に関して言及した。アカデミー委員会は、同じ年にエミー賞とオスカー賞の両方を獲得する映画の可能性に重点を置いて、この問題に取り組んでいる 。1人の著名なオスカー会員は、Netflixが「オスカーの価値を下げるもの」になりえる、と意見した。

そして多くの会員が多様性に関して、組織の閉鎖性に対する苛立ちをあらわし、「我々は映画を製作しない、 映画を称賛する」と1人の理事(17支部から各3人、合計で54人の理事がいる)は言った。

「Oscar-so-whiteはうんざりする作り話だ」と別の理事が言い、 いくつかのアウトリーチ活動の成功を指摘した。(第87回、第88回のアカデミー賞を振り返り、オスカーにノミネートされ、受賞されるのは白人ばかり、という批判があった。だがオスカー側は、オスカーで黒人俳優がノミネートされないのは、黒人俳優が出演する映画があまり製作されていないためで、 問題の根源は、アカデミーよりも、映画の製作決定権を持つハリウッドのスタジオ側の問題である、ということを指摘している。)

複数の会員は、昨年、アカデミーが「emeritus status(名誉ステータス)」メンバーの審査の際、古くからいる会員が新会員に「emeritus status」を譲らなかったことを指摘し、彼らは新しい会員のために道を譲らなければならないと主張した(投票権を失った人はごくわずかだった)。会員の会談では、オスカー賞をより厳しく管理する方向に強い支持を示し、「実際に映画を見ることなく賄賂次第で投票する会員もまだまだいる。」と、1人の会員は発言した。

オスカーの共同プロデューサーJennifer Todd氏とMichael de Luca氏は、オスカー授賞式の新たな展開を考えていて、食べ物を配ったり、観光バスの使用など新しくて大胆な事を考案しようとしている。また、クラシック映画の利用についても計画が進んでいる。作品賞の受賞作を誤って伝えた失敗があるにもかかわらずPricewaterhouseCoopers社はまた投票数の集計を担当する予定であるため、万一に備えて、今回は会計士を1名追加する。

会員はまた、アカデミーの雄弁な新代表で優秀な映画撮影技師であり、熱心な映画歴史家であるJohn Bailey氏のゆるぎない支持を口にした。アカデミーCEOのBailey氏とDawn Hudson氏の両氏は、 新しい透明化と多くの新会員の歓迎の意を示し、会員ミーティングを締めくくった。

ミーティング前のレセプションでは、何人かの若い会員が、この新体制移行のタイミングに好印象を示した。消費者が従来のメディアからストリーミングサービスに移行した為、13の主要メディア企業の株価が9月に3.5%低下した。Comcast社だけでも、第3四半期に15万人ものビデオ加入者を失うことが予想され、すでにコード・カッティング(ケーブルテレビの契約を止めてインターネット経由の動画視聴を選択すること)やハリケーンの為にComcastの株価は6%、Viacomは4%下落した。

「地面は私達の足下で変形していっている。継続性と伝統がある組織の一員であることは良いことだ。」とある新会員は述べた。

NetflixとAmazon、ついにアカデミー賞を受賞

【出典】2017/2/27

http://mashable.com/2017/02/27/amazon-studios-netflix-oscars-salesman-white-helmets/

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ハリウッド業界はようやくストリーミングサービスに敬意を表す気になったようだ。というのも、ついにストリーミングサービスの作品がアカデミー賞を受賞したのだ。

NetflixとAmazonは両社共史上初めてのアカデミー賞を受賞した。

Amazonがアメリカで配信していたイラン作品「The Salesman」が外国映画賞を、Netflixのドキュメンタリー作品「The White Helmets」が短編ドキュメンタリー映画賞をそれぞれ受賞したのだ。さらに、AmazonとAttractionの作品「Manchester by the Sea」がオリジナル脚本賞(Kenneth Lonergan)と主演男優賞(Casey Affleck)を受賞している。

これは、エンタメ業界でストリーミングサービスが破壊者ではなく業界の一部であると認められたことを示しており、記念すべき事柄であると言える。

こうした人気のあるストリーミングサービスプラットフォームは、メジャーな映画祭への出展や著名なタレントの起用、奇抜なオリジナル作品でのバズ作り等、成功するために数々の努力を積み重ねており、ようやく彼らの努力が報われたと言えるだろう。

昨年もNetflixが積極的に「Beasts of No Nation」のキャンペーンを行なっていたが、これはアカデミー賞のノミネートは得ることができなかった。

Netflxのドキュメンタリー部門も、常に強力であったと言えるだろう。Netflixは2014年にドキュメンタリー作品「The Square」でアカデミー賞にノミネートされており、その2年後には「What Happened, Miss Simone?」と「Winter on Fire: Ukraine’s Fight for Freedom」で長編ドキュメンタリー映画賞でノミネートを果たしている。

Amazon Studiosも、2015年にSpike Leeを監督に起用し、初の長編フィクション作品「Chi-Raq」をリリースしたが、賞レースには登場しなかった。

今年のアカデミー賞では、Amazon Studiosの「Manchester by the Sea」が作品賞を含む6部門でノミネートを果たし、アカデミー賞で初めてストリーミングサービス業界からの競合としての地位を確率させた。

AmazonもNetflixも、これでようやくこれまでの努力が報われたと言えるだろう。

さらに、アカデミー賞の最中にもAmazonは「The Salesman」でアカデミー賞史上初の出来事を起こした。

「The Salesman」により2度目のアカデミー賞受賞を果たした監督Asghar Farhadiは、トランプ大統領の大統領令を非難しこの受賞を辞退したのだ。

「今回2度目となりますが、素晴らしく価値のある受賞を光栄に思います」とイラン系アメリカ人のエンジニアAnousheh AnsariはFarhadiの受賞スピーチでこう声明を読み上げた。「今夜、会場に同席することができず、申し訳ありません。私の不在は、私の国やその他6カ国を侮辱し、アメリカへの入国を禁止しようとしている人々に対する抗議です」と。

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また、その直後、Orlando von EinsiedelとJoanna Natasegaraが、シリア民間防衛隊というボランティア救助活動グループの日々の活動を追った短編ドキュメンタリー作品「The White Helmets」でアカデミー賞を受賞している。

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この映画で撮影監督を務めたKhaled Khateebは、金曜日にアメリカへの入国を拒否されている。

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受賞スピーチでLonerganとAffleckは、AmazonとRoadside Attractionsに感謝の意を表している。

アカデミー賞のノミネートがあろうとなかろうと、AmazonとNetflixは勝ち組である

【出典】2016/1/14

http://mashable.com/2016/01/14/amazon-netflix-oscars/

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ロサンゼルスーNetflixは、ドキュメンタリー映画「The Square」が2014年にアカデミー賞にノミネートされて以来、エンターテイメント業界に多大な影響を与える企業へと成長してきた。

Los Gatosに本拠地を置く巨大ストリーミングサービス企業として知られるNetflixは、「House of Cards」などのオリジナルテレビ番組がエミー賞を受賞したことによってテレビ業界でもその名を知らしめている。しかし、長編映画の分野では未だ劇場での上映が基本とされている傾向にあるようだ。

今年になり、Netflixは、またもドキュメンタリー長編映画部門で「What Happened, Miss Simone?」と「Winter on Fire: Ukraine’s Fight for Freedom」がノミネートされた。

ストリーミングサービス企業がこのような快挙にも関わらず、巷で話題になっているのはドキュメンタリー長編映画以外で初めてストリーミング業界からノミネートされると囁かれていた「Beasts of No Nation」がノミネートされなかったことである。同じく、Amazon StudiosもSpike Lee監督作品「Chi-Raq」が注目を集めたが、アカデミー賞にはノミネートされなかった。

しかし、AmazonもNetflixも今回は勝負の前のウォーミングアップであり、これからが勝負だと考えているようだ。

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こういった人気のあるストリーミングサービスプラットホームは、有名な映画祭に出品したり有能なクリエイターを起用したりユニークなオリジナル作品で注目を浴びたりすることに多額の費用をつぎ込んでいる。

また、彼らはハリウッド業界で核となる制作会社を把握し、他業界の企業とともにパーティを企画したりしている(例:Netflix-Weinstein Co.によるゴールデングローブ賞パーティ)。さらに、共和党ディベート大会の間のCMで俳優のFrank Underwoodが素晴らしい登場を見せたことからしても、ユニークなコンテンツの制作方法等も熟知しているようだ。

そんな中でも、彼らは視聴データを基本的に秘密にしており、より多くのユーザーを勧誘したい時のみストリーミングユーザー数を公表しているようだ。例えば、「Man In The High Castle」はAmazonで最も視聴されているコンテンツであるが、実際に視聴した人数は不明なのだ。

時代の流れや噂に便乗することで、NetflixやAmazonは長期的な成功を視野に入れている。しかも、この野望を包み隠さずさらけ出しているのだ。

「我々は、アカデミー賞受賞を目標にしている」とAmazonのCEOを務めるJeff Bezos氏は12月にドイツの新聞でコメントを残した。「Amazonはすでにゴールデングローブ賞とエミー賞を受賞している。また、我々は現在1年に16作の映画を制作することを目標にしている」と。

Amazonは、今週の頭に第二弾目の映画「Paterson」がJim Jarmusch監督(「Coffee and Cigarettes」)Adam Driver主演(「Star Wars」)で制作すると発表した。また、小説「ドン・キホーテ」をTerry Gilliam監督で映画化する計画も進行中である。Terry Gilliamはこの映画化を10年以上試みていたようだ。

Netflixも視聴できるコンテンツを着実に増やしている。

「これから数年間、毎年オリジナルコンテンツの量は2倍ずつ増えていくだろうと考えられる」とNetflixのチーフコンテンツオフィサーを務めるNeil Hunt氏はCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でMashableにこう述べた。「これは特筆すべきことである。世界中から様々なコンテンツが集まることで、世界中のオーディエンスを魅了することができるのだ」と。

クリエイターにとっても、コンテンツ制作がより自由にできるようになったと言える。こういったストリーミングサービスの大企業が様々なクリエイターの話を映像化するために多額の資金をつぎ込んでおり、多くのオーディエンスから注目を集めるようなコンテンツをあまり制約がない環境で制作することができる環境が整っている。

6900万もの加入者を誇るNetflixは、たった12ドルでCary Fukunaga監督Idris ElbaとAbraham Attah出演作品「Beasts of No Nation」を世界中に配信する権利を得た。

この映画はアカデミー賞にはノミネートされなかったが、全米映画俳優組合賞やゴールデングローブ賞、英国映画テレビ芸術アカデミー賞、インディペンデント・スピリット賞では様々な部門でノミネート・受賞を果たしている。

Netflixは、10月にアメリカでリリースされてから11日間ですでに300万回もの視聴回数を記録していると報じた。BoxOfficeMojoによると、アメリカ国内の劇場リリースですでに興行収入が90,999ドルに達しているらしい。

大物タレントが関わっているコンテンツでも、ストリーミングサービス以外のプラットホームは、あまりリリースに積極的ではないというのが実情である。

LeeはThe Hollywood Reporterに対し、喜劇「女の平和」の映画化作品「Chi-Raq」がAmazonから配信された理由について、「ストリーミングサービス企業は素晴らしいし、他の企業がリリースを断ったから」と述べた。

こういった様々な要因が現在のストリーミングサービスを成功へと導いていると言える。アカデミー賞がこうしたストリーミングサービス企業の功績を認める日も近いのかもしれない。