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若い世代に効果的ではないコーズ・マーケティング

研究結果:社会貢献を掲げるだけでなく実行に移さなければ意味がない

【出典】5/8/2019

https://www.adweek.com/brand-marketing/cause-marketing-isnt-working-for-young-people/

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DoSomethingの調査によると、ナイキはどんな大義を掲げた広告キャペーンを施策しても、その大義に連想されたブランドの助成想起が60%にとどまり、人種差別撲滅がテーマのキャンペーンを行なってもたったの27%であることがわかった。若者はパーパス(存在意義)が明確なブランドを好みやすい、ということが最近のトレンドから分かる。何かに向かって闘うブランドならお金を費やしても良い、というのがZ世代のスタンスだ。

社会的影響専門のコンサルタント会社、DoSomething Strategic社が今月発表した研究によると、ブランドがコーズ・ マーケティング(社会貢献を通して企業イメージを向上させるマーケティング手法)を成功させるのに苦労している理由は、個々のキャンペーンに尽力するのみで、キャンペーン外でテーマを深掘りしていないからだ。

DoSomething Strategic社のマネージングパートナーMeredith Ferguson氏は「マーケター達はコーズ・マーケティングの正しいやり方を捉え違えており、うまく連結できていない。コーズ・マーケティングを行うなら、その深い意味を理解し、一つのキャンペーンのみで終わらせない必要がある」と話す。

この研究は、DoSomething.orgの登録者で13-25歳の1,908人に対し、88社のリテールやブランドの社会貢献度やプラットフォーム、問題についての調べをおこなったもので、3人に2人(66%)の若者が、社会貢献を謳うブランドに良いイメージを持つと回答した。さらに58%の人が、この好印象が購買意欲につながると回答した。

しかし、ダヴやパタゴニア、ナイキ、DSW(デザイナーシューズを扱うリテール)、アックスなど88のブランドの印象について、よく使用するブランドとそのブランドのコーズをすぐに思い出せると回答したのはたった12%だった。また、77%の人々がブランドの価値観や評判のみを元に購入判断をしたことがあると回答。常にブランドの価値観や評判元に購入する人は5人に2人程である。この結果は、コーズを掲げることが無意味だというわけではなく、コーズ・マーケティングがうまくいっていないのだ、とFerguson氏は話す。

社会的運動のイベントを扱うKindred社のCEO Ian Schafer氏は、多くのブランドが消費者とのコミュニケーションや掲げる目標達成努力をうまく行えていないことがこの研究から分かる、と言う。「TVCM内だけで社会問題や大義について扱っても、それらがブランドから切っても切れない関係になるわけではない。」とSchafer氏は述べた。(特にZ世代はTVCMを見る確率が非常に低い。)

Schafer氏はさらに、ブランドのパーパスと実際の行為が並行すれば、コーズ・マーケティングは成功する、と加えた。これを踏まえると、Z世代の3分の2が存在意義のあるブランドに好印象を持つと言うことは、社会貢献を口約束するだけでなく、顧客と従業員のために実際に行動に移すことが重要なのだ。

「達成目標に信ぴょう性があり、社会に広く浸透していればより効果的だ。」と同氏は述べた。「万が一のことがあっても、情報収拾の得意な若い消費者は、存在意義があれば自らの行動に保険を掛けることができるのだ。」ゼニスメディアのイノベーションヘッドTom Goodwin氏は、「パーパス・マーケティングは、方向性をはっきり定めなくても、目指すゴールを掲げるだけで社会貢献をしているように感じられると言う点で、とても曖昧なマーケティング戦略だ。」と言う。

Z世代インフルエンサーマネジメントのCB Projects社CEOでZ世代マーケターのConnor Blakely氏は、目的というのは主観的で、ブランドは目指す社会を実現させるのではなく、人々を喜ばせているだけだ、と話す。「今、生活における全てがパーソナライズ化されている。私達はブランドに合わせるのではなく、こちら側の需要を理解しているブランドを好む。」とBlakley氏は加えた。

成功しそうなところで努力するだけでなく、オーディエンスの感情、あるいはFerguson氏の言葉を用いれば心理状態まで満たすことが重要なのだ。

それでは、パーパスに重点を置くブランドにとってこれはどういうことなのか。

カンター社によるブランドとパーパスについての研究報告書「パーパス2020」によると、パーパス戦略を用いるブランドは、高次の社会的目的を掲げない企業の倍の速さで成長する。約3分の2のミレニアル世代とZ世代は、明確な目標があり何かをサポートするブランドを好む、ということも研究によって分かった。しかし、DoSomethingの研究によれば、ただ明確な目標があるだけでは十分でない。ブランドらは1度のキャンペーン企画で目標を掲げるのみではなく、しっかりとそれを行動に移すことが重要なのだ。

反・人種差別と社会的不公正を大々的に主張するアメリカンフットボール選手コリン・キャパニック氏を起用したナイキの広告を例にとってみよう。

DoSomethingの調査によると、「ナイキはどんな大義を掲げた広告キャペーンを行なっても助成想起が60%にとどまり、人種差別撲滅がテーマのキャンペーンを行なってもたったの27%である。」という。言い換えれば、たとえナイキのメンションやコメント数が以前と比べ1,678%増加、キャパニック氏のメンションが362,280%に急増 (4Cインサイト調べ)したとしても、それがナイキとコーズを結びつけたわけではない、ということだ。

しかしナイキはこの結果に不満はない。同社によればキャンペーンローンチの翌日、スニーカーの売り上げが31%上昇したそうだ。パタゴニアやノース・フェイスなどの企業は長年一つのコーズを掲げてきたが(この二つのブランドは環境保護を提唱)、突然コース・マーケティングに便乗した企業は、すぐに良い効果が見られるとは限らない。例えば、スポーツ用品店Dick’s Sports Goodsは2018年のパークランドでの銃撃事件を受けて、アサルトライフルの販売を中止し21歳以上の成人にのみ銃を販売する、と発表し賛否両論を受けたが、DoSomethingの調べでは同ブランドと銃による暴力撲滅をリンクしたのは回答者のたった11%であった。

Goodwin氏は、「人間は皆、自分を犠牲にしてまで地球を救う手伝いをしたがらない。悲しいことに、若者は学生ローンの返済や携帯電話中毒に悩むことでいっぱいなので、例えばこのブランドの商品を使用することでサブサハラアフリカに学校が建設できる、など考慮している暇はないのだ。」と言う。

ナイキの自動靴ひも調整機能がついたバスケスニーカーが2019年に$350で登

【出典】12/20/2018

https://www.engadget.com/2018/12/20/nike-self-lacing-basketball/Picture1

「バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2」で主人公のマーティ・マクフライが履いていたような自動で靴ひもを調節するバスケットボール・シューズが2019年に登場する。ナイキは自動靴ひも調節機能がついたバスケットボールシューズを$350で販売することを発表した。2016年に同社は$720で調節機能がついたスニーカー(写真上部)を販売したが、その時よりさらに軽く、安価ではき心地の良いバージョンがリリースされる。Picture1

今年の9月にジョーダン33が販売されたが、そのスニーカーには足をすぐフィッティングできるファストフィットテクノロジーが採用されている。 この技術は、アスリートの足元を素早くフィッティングできるように開発されたシステムで、靴ひもの結びなおすプロセスを大幅に減らす工夫が施されている。前足部のストラップを引っ張ることでスニーカー内部のケーブルを締め、かかとから足首まで360度固定ができる。来年販売されるスニーカーではこのテクノロジーを自動で行えるのではないかと推測されている。同社は商品に新技術を次々と取り入れており、2019年には今までで最もエアソールが分厚い「the 720」がリリースされる予定だ。

ブランドごとによって異なる消費者が持つ「価値」:ナイキのコリン・キャパニックのキャンペーンをアンダーアーマーが真似してもなぜ意味がないのか?

【出典】12/5/2018

https://marketingland.com/heres-why-nikes-colin-kaepernick-gamble-wouldnt-work-for-under-armour-253044Picture1

ナイキがアメフット選手コリン・キャパニックを起用したキャンペーンがデビューして2週間で同社のオンラインセールスは31%上昇、株価も6%アップした。キャパニックを起用したことで大きく成功したが、そこにリスクももちろん存在した。広告がデビューしてすぐ、ナイキのブランド価値は一気に下がった。株価は下がり、広告に反発した者はナイキ製のスニーカーを焼き、そのビデオは一気にバイラル。ナイキに対して不買運動も起きた。ナイキは半ばギャンブルとも言えるこのキャンペーンをいかに成功することができたのだろうか?

それは消費者と「直感的」にコネクトする方法をナイキが見つけたからだ。キャパニックのキャンペーンは同社のシューズや衣服の広告という枠を飛び越え、消費者が持つパーソナルな価値観を揺さぶったのだ。消費者行動を分析するResonate社によると、このようなキャンペーンを同じスポーツブランドのアンダーアーマーが行ったら失敗すると予想している。

 

シュワルツの価値理論

ナイキのオンライン売上が一気に上昇したという結果から、我々は最近ナイキのオンラインサイトで買い物をした消費者の価値観をリサーチした。今回のリサーチにはシュワルツの価値理論というセオリーを導入した。社会心理学者シャロム・シュワルツが開発したこの理論は人間が最も大切にしている「価値観」を10類に分類、この価値観は年齢・人種関係なく誰にも応用でき、消費者の購買行動を予想するときにも使われる。ナイキのオンラインカスタマーがもつ価値観とシュワルツが提示している価値観とどれくらい関連性があるか調べていくと、ナイキのキャンペーンはとても上手に消費者へメッセージを送っていることがわかった。

 

影響(Influence

この価値観は巨万の富を築くこと、そして影響力を持つことだ。このような価値観を持った人は巨万の富を得たいと願い自身のステータスやパワーを欲しがる。物質欲が最も最優先であり、彼らにとって人生とは金と社会的地位なのだ。

キャンペーン内で使われたメッセージ

  • 「地球上で最も優れたバスケットボール選手になるな。バスケットボールより大きな存在となれ」

 

想像力(Creativity)

この価値観は新しいスキル・知識を身につけたり、新しいアイデアを考える、クリエイティブでいることにフォーカスしている。この価値観を持った人は個人主義、適応力があり想像力がある。彼らにとって人生とは探検であり、新しいことを学びクリエイティブでいることが最も大切なのだ。

キャンペーン内で使われたメッセージ

  • 「自分の夢がクレイジーかもしれないと疑うな。自分が十分にクレイジーか疑え」

 

達成(Achievement)

この価値観は自身の能力を見せたい、そして人々から尊敬されたいという価値観にフォーカスしている。このような価値を持つ人物は、成功したいと思い皆から賞賛されたいと思っている。彼らにとって人生とは人よりも一足早く前に出て勝ち人々を感動させることである。

キャンペーン内で使われたメッセージ

  • 「学校や世界で一番早いランナーになりたいと思うな。歴史上最も早いランナーになりたいと思え」

 

独立(Independence)

この価値観は自由と自己決定による意思を重んじる。このような価値観を持った人々は自発的で独立的、他人を頼らず己自身で問題解決をする。彼らにとって人生とは自分でコントロールするものなのだ。

キャンペーン内で使われたメッセージ

  • 「あなたは誰かのようにならなければならない、なんてことはない。」

ナイキのキャンペーンに込められたメッセージとシュワルツの価値理論によって出されたナイキのオンラインカスタマーが大切にしている価値が非常にマッチしていることがわかる。過去6か月間で合計9400万人のアメリカ人がナイキのオンライン・実店舗全てを含めたチャンネルで買い物をしている。そして約1億5000万人のアメリカ人が上記4つのうち一つまたはそれ以上の価値観に同意している。そのことからわかる通りナイキは既存のナイキファンだけでなく、将来ナイキのファンになるかもしれない同社と同じ価値観を持った潜在顧客にもアプローチすることができたのだ。

そして同じキャンペーンをアンダーアーマーが行っても失敗する理由は下記だ。

アンダーアーマー顧客の大切にする価値観をリサーチするとナイキ顧客と全く異なることが明らかになった。多くのアンダーアーマーの顧客は自身に対する評判を大切にし、社会的に尊敬されたいと思っている。よってこれらの顧客に対して、「良い市民であること。不名誉を避けるここと」をメッセージ化した方が良い。そしてアンダーアーマーのオフライン消費者は伝統と自身で何かをやり遂げることに対し価値を見出している。よってナイキとアンダーアーマーで唯一共有できる価値観は「達成=Achievement」のみだ。

ナイキによるコリン・キャパニックの起用は間違いなく物議をかもすことはわかっていた。(国歌斉唱時の抗議)伝統と社会的尊敬を価値とするアンダーアーマーの顧客に対してアンダーアーマーが彼を起用したら間違いなく衝突が起こるだろう。すでに承知の事実であるが、昨今の消費者はブランドに対し商品・サービス以上の価値を求める。ナイキは自社の消費者のことをしっかり理解していたからこそ、今回賭けに出ることができたのだ。ナイキは顧客とエモーショナルな絆を今回のキャンペーンで築き上げ、多くのアメリカ人に同社が大切にする価値を共有することができたのだ。

異なるブランドが似たような商品を扱っているからといって、同じ顧客がサポートする訳でないことがわかった。だからこそブランドは自身の顧客がどんな価値を大切にしているかしっかりと理解する必要があるのだ。

 

 

新しいブランド構築の方法

【出典】 2018/10/12

https://www.adweek.com/digital/its-a-brand-new-world-when-it-comes-to-building-brands/

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なぜナイキのようなグローバル企業がリスクを負ってまで彼らの広告キャンペーンにコリン・キャパニックを起用したのか?そして企業として政治的スタンスを明確にすることで、批判をされることもわかっているのに、わざわざ表明したのだろうか?

答えは非常にシンプルだ。今までのブランド構築モデルはもう通用しないから、このような施策を行うのだ。

旧:ブランドイメージ
今:インテリジェンス(情報)

旧モデルはインサイトを生み出すことにフォーカスしていた。消費者の深い心の中に隠れているインサイトをいかにブランドとコネクトするか、そしてメッセージにし広告という形で消費者に伝えるかが大切だった。これは運任せに近い。しかしナイキは長年のパートナーであるワイデンアンドケネディと45年にも渡り、このモデルで成功し続けた。

しかしこのモデルはもう通用しない。

新しいモデルは全てデータに基づく。そして分析とテクノロジー。情報を駆使し全国的に話題を作り出し企業ブランドをうまく、その話題に活用するのだ。広告代理店の人々は自分たちのことを「マッドメン(広告マン)からマスメン(数学マン)に変わったのだ」という。

新しいモデルを活用するには、単純に商品やブランドの優れた面を訴えても無駄だ。消費者の生活や文化にフォーカスしなければならない。

新しいモデルの4つの特徴を今から紹介する:

消費者と直接つながること

全てのブランドは消費者と直接つながる必要がある。メリットは計り知れない。もっとも正しく、リアルタイムでパーソナライズされたコンテンツやコミュニケーションを生み出すことができ、ススにフィードバックが得られるからだ。

ナイキはこのモデルへの方向転換に時間がかかっていたが、2017年からようやく変化が訪れる。2018年、オンラインを使ったビジネスの売り上げは12%アップ、リテールでの売り上げは2%アップのみだった。

消費者を活用し、ブランドの価値を彼らの手で作り出してもらうこと

若者たちはなんでもすぐにシェアする。シェアは他の人たちにも影響を及ぼすことができる。近頃の消費者はブランドより他人を信用しがちだ。ユーザーが作り出したコンテンツの方がブランドのコンテンツより高いエンゲージメントを生み出すこともある。ナイキのコリン・キャパニックの広告動画はツイッターで8000万回視聴された。その結果ナイキはインスタグラムで新たに17万人のフォロワーを得ることができたのだ。

消費者の周りにインタラクション・フィールドを作り出すこと

インタラクション・フィールドとは、コミュニケーション・エンゲージメント・インフォーメーションが一体となり人々やステークホルダーの周りに存在する。

うまくインタラクション・フィールドを作り出せば、全てがブランドに引き寄せられるようになる。

ナイキの靴を履く履かない関係なく、全ての人々がナイキのコマーシャルに賛同するかしないか決断を迫られた。ナショナル・フットボール・リーグの選手やファンも巻き込み、さらにソーシャルアクティビストやナイキに対して反対運動も起きた。ナイキはアメリカが抱えている問題に切り込むことにより賛成派・反対派の両方を巻き込んだのだ。

様々な要素をミックスさせコネクテッド・コマースを作り出すこと

ナイキは「いいね」やネット上の話題だけでは足りないことを理解している。インフルエンサーマーケティング、コネクション、アーティスト、セレブリティとのコラボなど様々な要素をミックスさせ話題を生み出しセールスにつなげている。

 

どのようにナイキはただのスポンサー/スポーツブランド以上の存在になったのか

【出典】 2018/09/07

https://www.adweek.com/brand-marketing/how-nike-made-a-statement-and-became-more-than-simply-a-product-or-sponsor/

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ブランディングにおけるゴールとは何か?それは消費者がブランドに対しエモーショナルなコネクションを感じることで、特定のブランドに対し特別な価値を見出すことだ。消費者が、ブランドをただの商品ではなく、まるで生命を宿す存在までに感じることができたら、ブランディングとして究極の成功と言えるだろう。

機能的で便利な商品を生み出すブランドより、まるで人間のような特徴を備え、消費者が尊敬するようなブランドこそが素晴らしい。「最高のブランド=最高の人々」だと捉えるべきだ。そのようなブランドは明確で普遍的な価値を備えている。アップルのキャンペーンスローガンである「Think Different」でスティーブ・ジョブスがTVコマーシャルでこのようなナレーションを行ったが、素晴らしいブランディングの一例だ。

「彼らの言葉に心を打たれる人がいる」

「反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる」

「しかし 彼らを無視することは誰にも出来ない」

ナイキは“Just Do It”の20周年キャンペーンに元NFL選手でありソーシャルアクティビストのColin Kaepernick氏を起用した。キャパニック選手は2016年、アフリカ系米国人に対する警察の暴力に抗議し、国歌斉唱中に起立を拒否したことで有名。そんな彼を広告塔に起用したことにより、ある特定の人々はナイキの商品を燃やして反発、同社の顧客として戻ってくることは当分ないだろう。現在ナイキは全32チームあるNFLに対しアパレルを展開している。NFLにとって一刻も早く忘れたいトピックであるのにもかかわらず、彼を起用したナイキはどんなリスクも恐れないブランドだろう。

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ナイキのCM内でColin Kaepernick氏はナレーションを担当。夢を叶えるために困難に立ち向かう人々を鼓舞する内容となっており、「その夢が実現不可能で馬鹿げたものか?を問うのではなく、達成し甲斐のある十分に馬鹿げた夢か?を問うことだ」と無限に広がる可能性を信じる勇気をもたらすインスピレーショナルな作品に仕上がっている。Picture1

素晴らしいブランドはすでにわかっているかもしれないが、ブランド自身の信念を表明することは短期的に経済的な損失を得ることになる。しかし賢い選択だ。ナイキはトップアスリートとユニークなアプローチで信頼関係を得ることで有名だ。

Kaepernick氏をサポートすることにより、ナイキはアスリート達に「我々はスポンサー以上の存在であり、個々のアスリートが持つ信念をサポートする」と表明している。それはすなわち、

「ナイキの信念はアスリートの持つ信念と同じだ」ということ。

アディダスやアンダーアーマーなど様々な競合がいる中、ミレニアル世代のアスリートにとってナイキはただのスポーツブランドの一つにすぎない。その中、北米ナイキのブランド部門バイスプレジデントであるGino Fisanotti氏はこのキャンペーンを通し「ナイキの抱える“Just Do It”というスローガンを新しい世代に向け意味を再定義し、伝えたかった」と述べている。


ナイキのキャンペーンミッションは大成功だ。

多くのブランドはコンシューマーリサーチに基づき、#MeTooのメッセージをコピーした、ダイバーシティや女性の社会進出を応援するキャンペーンを積極的に打ち出している。もちろんこれらは重要な問題であり、ないがしろにすべきではない。しかし多くのブランドがこのアプローチを多用しすぎており、ブランドとして目立たないのだ。

ナイキは自身のブランドに対し誠実であり、ナイキ本来の価値をうまくメッセージ化することによりどんなソーシャルキャンペーンよりも優れたブランディングを行なったのだ。

きっとこのキャンペーンを考える中、社内の誰かが「我々ナイキが信じることをキャンペーンにしよう」と述べたに違いない。Picture1

極端なマーケティングは効果的な場合もあるが、間違った方法でやると恥をかき修復を要する

【出典】2018/5/31

https://www.adweek.com/brand-marketing/when-done-right-extreme-stunts-can-catapult-a-brand-into-the-public-eye/

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現在、広告やブランディングのメッセージなどのコンテンツがインターネットに溢れていて、各ブランドは、顧客の注目を集める方法を探っている。幾つかのブランドは、従来の枠にとらわれない方法を取っている。「エクストリーム(過激・極度な)マーケティング」というのは、危険で命を犯すようなことをするなど、人間の限界を挑戦することで顧客の目を引き、エンゲージングを試みるというものだ。

新しい発想といえば、Red Bullのフリーフォールジャンプは大変な人気を博した。視聴者数は5200万 に上り、イベントは世界記録を塗り越えた。レッドブルはすでにアイコニックなエナジードリンクであったが、このことは世界レベルでの認知へとつながった。

本記事では、失敗例も成功例も含む、エクストリームマーケティングを試みたブランドを紹介する。

テスラ
2018年2月1日、 スペースXとテスラのCEOであるイーロン・マスク氏が自社のロードスターをファルコンヘビーロケットに搭載し、初めて宇宙に車を送った。

 効果的であったか?

はい。広告資金はゼロであったが、この動画は230万の再生回数をYoutubeで記録し、メディアに大きく取り上げられ、SNSでも注目を集めた。ただロケットを発射するのではなくテスラを搭載し、窓から腕を出している人形を乗車させるというユーモアとブランドの特性を加えたことは、自動車界に変化をもたらした革新者、そして様々な個性を持つブランドとして、さらにテスラへの注目を集めた。

ポイント:個性を表現する

オーディエンスに自分のブランドに注目してもらいたかったら、広告の中で自身のブランドの特長をはっきりと示すことが大切である。このキャンペーンで、テスラはオーディエンスとつながり、彼らを笑顔にすることで、ブランドをより個性あふれるものにした。

ランドローバー

スポーツタイプのハイブリッド車の馬力を表現するため、ランドローバーはドラゴンチャレンジという二つの映画を製作した。映画の中では、中国天文山にある99つのカーブと999の階段をこの車で登る挑戦をしている。

 

効果的であったか?

はい。ランドローバーは世界で初めてこの挑戦に成功した。自社の商品が極限の状態にも耐えられることを証明し、芸術的にも美しい映画を作った。999個の階段を上る場面の最初の3秒は、非常に注目を引くような映像とナレーションだ 。6分間ずっと見続けざるを得ないような作りになっている。このビデオは300万回再生回数 、45,000の いいね、 そして2,000 のコメントを獲得した。

ポイントストーリーテリング

ただコマーシャルを作っても意味がない。自分たちにとって大切なことを観客にも伝えることが大切である。ランドローバーの挑戦はそれに成功し、観客を楽しませ、エンゲージすることができた。

ナイキ
男子マラソンの世界記録を塗り替えるために、ナイキは3人の長距離ランナーが長距離マラソンを2時間以内で走りきることを目指す『ブレーキング2』をいう生放送を行った。

効果的だったか?

驚いたことに、答えはYES、だ。世界記録は破れなかったものの(ケニヤ人Eliud Kipchoge 選手があと25秒及ばなかった)、世間の反応はとても良かった。Twitter では1310万人が生配信を視聴し、Facebook、YouTubeでは一番ピーク時で50万の視聴数となった。さらに放送が終了してからの二日間で、ソーシャルメディア上でのこの挑戦に関する投稿は84,459にも及んだ。

ポイント:創造力を発揮しよう

創造性が観客を楽しませる一番の鍵である。ランニング対するナイキの情熱と創造力はたくさんの注目を集めた。これを通してわかったことは、企画が面白ければ、たとえ挑戦に失敗したとしても、観客はそれを見てシェアしたいということだ。

スナップル
2005年にスナップルは『世界一大きいアイスキャンディー』として、ギネス世界記録登録に挑戦した。それは7.6 メートル 、17.5トンものキウイイチゴアイスだった。

効果的だったか?

いいえ。 イベントはニューヨークのタイムズスクエアで行われ、予想外に気温は26度にも上った。審査員が巨大なアイスキャンディーの大きさを測る前に、 道にドロドロと溶け出してしまったのだ。消防は道を封鎖し、歩行者、自転車や車の運転をしている人の心配を払拭する羽目になった。このスナップルの企画はPRの歴史上最悪というほど、散々な結果に終わったのだ。

ポイント: 予期せぬことにも準備しておこう

このような前例のないキャンペーンは上手くいかずに、失敗する場合がある。特に、予期せぬことが起こるかもしれないということを前もって考えなかった場合、だ。スナップルが、 巨大アイスを猛暑日に造り上げることは、企画段階で話し合われていなかったことは明らかである。この事態の結果として、「ニューヨーカーの大好きなジュースブランド」から、「ニューヨーク中をピンクの洪水にしたあの会社」に格落ちしたのだ。

あなたの会社もエクストリームマーケティングに取り込むべきか

マーケティングの結果が自身のブランドをよく表すもので、オーディエンスとブランドが同じ価値観を持っているならば、取り込んでみる価値はある。(そしてそれなりの予算があるのならば)。しかし、このマーケティング方法は高いリスクが伴っている。 特に、イベントが生配信で行われている場合は、観客は見たものよく覚えている。そこで想起したイメージを彼らは何十年も持ち続けるのだ。

ブランドはエクストリームキャンペーンを導入するとき、いい結果と悪い結果の両方の可能性を予想し備えておくことが重要である。テスラ、ランドローバー、そしてナイキが教えてくれたことは、高いリスクを取ることは高い価値につながる、ということ。それを取りに行くかどうかはあなた次第なのだ。

アドエイジ誌、クリエイティビティアワード2018の優勝者を発表

http://adage.com/article/news/creativity-awards-winners-2018/313140/

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4月19日ニューク、アドエイジ誌が主催する年に一度のクリエイティビティアワード第二回が開催された。マーケティングやテック業界における素晴らしい仕事、極めて優れた人々、そしてクリエイティブ企業を評価し紹介する。業界の輝かしい大物たちが審査し、受賞作を選出した。

(編集注釈:本翻訳では、「Work」部門を紹介します。クリエイティブや動画は出典リンクよりご覧になれます。)

 WORK部門

【コンテンツマーケティング賞 受賞】

Breaking2

ナイキ、 ワイデン+ケネディ ポートランド、Dirty Robber ・Mindshare

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2017年5月、ワイデン+ケネディ、Mindshareと制作会社Dirty Robberは、ナイキの3人のアスリートが参加する、マラソンを2時間以内に完走する挑戦を発表した。ソーシャルメディアで発信され、後にドキュメンタリー映像としてまとめられた。野心的なBreaking2(2時間を破る)イベントは、ブランドに対するかなりの数の注目を集めた。最終的に誰も2時間の壁を破ることはできなかったにも関わらず、だ。Eliud Kipchogeが2時間25秒でレースに勝利した。

 

【体験型キャンペーン賞 受賞】

Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、マッキャン ニューヨーク

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女性のエンパワーメントの新しい時代の到来を告げる、「Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)」—ウォール・ストリートの象徴である「チャージング・ブル」の前に立てられた銅像—は、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズによって制作され、現代的なアイコンとなり、2017年のカンヌで多くの金賞を受賞した。この像はマッキャンニューヨークの2人組 Tali Gumbiner氏とLizzie Wilson氏のアイディアだ。

【テクノロジーアプリケーション賞 受賞】

Unsafety Check (不安全確認)

Black Lives Matter、ジェイ・ウォルター・トンプソン NY

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キング牧師記念日、トランプ大統領の就任の日の週、国際社会運動ブラック・ライブス・マターとJWTニューヨークは、アメリカに住む黒人に「安全ではないことの表明」をしてもらうためのアプリをリリースした。これは、フェイスブックの安全確認(セーフティ・チェック)という機能をひねったものだ。人々はこのアプリにフェイスブックやツイッターでログインし、ソーシャルメディア上で、「アメリカで黒人として生きていくことは、安全に感じない」という声明を発表することができる仕様になっていた。

 【クラフト賞 受賞】

Cook This Page(クック・ディスページ)」

イケア カナダ、レオ・バーネット、トロント

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イケアはカナダ中で、ストアマネージャーを求めていた。どのようにキッチンでクリエイティブ力を発揮するかを消費者に披露するためだ。そのため、代理店のレオ・バーネット・トロントは「Cook This Page(クック・ディスページ)」というキャンペーンを開発した。それは、クッキングシートにプリントされたレシピ集で、そこには可食性インクでイケアの食材を置く場所が描かれている。店舗ではイベントが催され、招待された人々は食材を紙の上におき、それを巻き、オーブンで焼いた。クッキングペーパーを広げると、食事が完成しているのだ。カナダ中の店舗で発売された各12,500冊のレシピ本は数時間で売り切れた。

Live Looper(ライブ・ルーパー)

ダウンタウン・レコード、BBDO ニューヨーク

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The Academicというアーティストのアメリカツアーを前に、新曲「Bear Claws」をプロモートするため、ダウンタウン・レコードとBBODニューヨークは、フェイスブックライブの音・映像の「遅れ」を活用したフェイスブック・ライブミュージック・ビデオを創り出した。このプロジェクトは、それぞれの楽器の音で構成されていて、フェイスブック・ライブの「遅れ」の長さにフィットしている。一つ一つ、それぞれのレイヤーが重なっていくのだ。米メディアRedditのトップページに掲載され、オンラインで話題になった。

【ベスト・グッド賞】

Down Syndrome Answers(ダウン症の人々からの返事)

Canadian Down Syndrome Society, FCB Canada

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赤子がダウン症になる可能性があるかもしれないと伝えられた時、多くの両親がどうするべきかの答えをインターネットで検索する。そのため、カナダのダウン症協会は、ビデオシリーズを制作した。そのビデオでは、ダウン症の人々がグーグルで最も一般的な質問のいくつかに回答している。それらのビデオはFCBカナダによって制作れたもので、「ダウン症の子はどのくらい生きられるのか」「何歳で会話ができるのか」「読むことができるのか」「スポーツをしたり、自転車に乗れるのか」といったなかなか厳しい質問に言及している。このキャンペーンは、あなたがダウン症の子供をもつ両親に何を言うべきかを示すシリーズとして続いた。

【ショートフォーム賞 受賞】

Ikea’s Response to Balenciaga (イケアのバレンシアガへの返答)

Ikea, Acne

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バレンシアガが、イケアで販売している青のトートバックのそっくり商品を発表した時、イケアはすぐにそれに反応し、ソーシャルメディア上で広告代理店Acneによる素晴らしいキャンペーンを行った。そのキャンペーンは、 オリジナルのイケアバッグと“偽物”を、どう区別するのかを消費者に説明した。「それは、揺れた時にカサカサなる。ホッケーの道具類を運ぶことができる。庭の小枝で簡単にキレイになる。99セントの値札がついている、バレンシアガの2,145ドルとくらべて。」

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【キャンペーン賞 受賞】

The Return of Colonel Sanders(コロ-ネル・サンダースの帰還)

KFC, Wieden & Kennedy Portland

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2015年、カーネル・サンダースをKFCのマーケティングに再起用したように、2017年、ワイデン+ケネディは未来でさえもキャンペーンに活用した。母の日に向けた熱いロマンス小説のヒーローのようにカーネルを主役に据え、彼をWWEのビデオゲームで使えるキャラクターとして登場させた。またおかしなバージョンのカーネルが、チキンを揚げるトレーニングをしているスタッフのためのVRの脱出ゲームルームに現れたりもした。代理店はまた、KFCの新しいチキンサンドイッチを宇宙の果てまで贈り、ツイッターでたったの11人しかフォローしない状況を作った:ハーブという名前の6人と、スパイス・ガールズの5人だ。誰かが気づくのかを試すように。(KFCのオリジナルチキンは、11種類のスパイスによって味付けされていると言われている)

Qアワード 受賞】

Care Counts(ケア・カウンツ)
Whirlpool、DigitasLBi、シカゴ

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Quantcastとのパートナーシップのもとに創設されたQアワードは、従来の智慧に疑問を呈す企業やサービスを表彰する。Whirlpoolの「Care Counts(ケア・買カウンツ)」はDigitasLBi主導で、アメリカ中の学校に洗濯機と乾燥機を設置した。何千人もの子どもたちが毎日学校に行かないのは、彼らが清潔な洋服を欠いているという事実を調査が示したからだ。このキャンペーンにより、2つの学校地区で、出席数と評価値の大きな向上に導いた。

Nike、TwitterのカスタマーケアでAppleやAdidasのようなブランドに打ち勝つ

【出典】2016/10/17

www.adweek.com/news/technology/how-nike-beating-brands-apple-and-adidas-twitter-customer-care-174101

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シアトルに拠点を置くデジタル広告代理店Rational Interactionは、Twitterのデイリーユーザー3.1億人の67%がカスタマーサービスプラットフォームを活用していることがわかったという内容の研究内容を先月発表した。同時に、ブランドの約93%がこのような質問に十分に応答していないことも判明した。

我々は、Rational Interactionに特定のブランドをもう少し少し深く掘り下げるようお願いした。以下が、真夏の7日間に及ぶ研究からわかったいくつかの興味深い点である。

AppleとAT&T、Adidas、Sephora lag

Rational Interactionが評価している間、@AppleSupportは調査中の他ブランドの平均より4-5倍も多くのサービスリクエストを受けていた。その内、Appleが対応するのはほんの58%であるようだ。

AT&TやAdidas、Sephoraのような他のグローバルブランドはTwitterのローカルアカウントすら持っていなかった。Rational Interaction曰く、こうしたブランドは世界中でもTwitterでのサービスリクエストの4%しか返事をしないようだ。

Nike、他のブランドに大きく差をつける

逆に、スウッシュのロゴマークでおなじみのNikeは、こういったサービスリクエストの96%に返事をしているようだ。Nike MagsスニーカーがTwitter上で注目を集める今、この数字はとても高いものであると言える。

ナイキ、史上最大規模の女性向けキャンペーンで、不可能を可能に

【出典】2015/04/14

http://www.adweek.com/adfreak/nike-turns-cant-can-its-largest-womens-campaign-ever-164059

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ナイキの最新のCMでは、ハーフマラソンのランナーやヨガの初心者といった女性たちが、周囲の女性のプロポーションの良さにうろたえてながらひたむきに頑張る心の声を描いている。

Wieden + Kennedy によって製作されたこの動画は、Nikeが自社史上最大規模の女性の運動奨励キャンペーン#betterforitの第一弾として公開された。このキャンペーンは、「サービスと製品の向上と、アスリートによる刺激を通して、女性たちが互いに意識を高め合う」ことを目標にしていると同社は述べている。

この動画はナイキのこれまでのCMと比べて全体的に軽快で楽しげな雰囲気であり、より多くの市民アスリートの共感を得る内容となっている。YouTubeのコメント欄を見てみると、「普段CMはあまり好きではないけれど、このCMは誰もが感じたことのある劣等感を描いた上で、それを克服できるのだと見た人を勇気づけてくれる。こういう、人の感情に訴える広告は滅多にないと思う」という意見も見られる。

このキャンペーンのCM第1弾「Inner Thoughts」は、日曜日の夜に開催されたMTV Movie Awardsで放送された。ナイキは「Better for it」は「Just do it」よりも落ち着いているが同じくらい励みになる言い方であると捉えているようだ。

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