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2019予測:来年の映画、テレビ、音楽業界はどうなるだろうか

【出典】12/12/18
https://variety.com/2018/biz/features/variety-film-tv-music-predictions-2019-1203087313/Picture1

メディアの大規模な合併からハリウッド著名人によって発表された反セクシャルハラスメント運動、「タイムズ・アップ」が発足するなど、2018年は紆余曲折のある年となった。CBSのCEOであったレズリー・ムーンズ氏は先日、セクシャルハラスメントの疑いで退陣を余儀無くされた。AT&Tのタイム・ワーナー買収に先立ち、ディズニーはフォックスを買収し、最新作「ブラック・パンサー」は新たに興行収入記録を塗り替えた。これらの起きた事を考慮すると、2019年はますます混乱した一年になりそうだ。ここで我々は、新年開始と同時に起きることが予想される10個のトピックを集めた。

アップルのソニーピクチャーズ買収の可能性

シリコンバレーの大企業たちは、ネットフリックスとアマゾンが提供するストリーミングサービスに対抗すべく、ハリウッドの専門技術を使い始めるだろう。アップルがソニーピクチャーズを買収することで、映画「スパイダーマン」の制作権だけでなく、「メン・イン・ブラック」、「ブレイキング・バッド」、「ジュマンジ」などの映画にアクセスできる権利を持つことになるだろう。これによりアップルがさらに躍進することは確かだ。そしてスタジオを購入することは、企業価値1兆ドルもあるアップルにとっては誤算程度に過ぎないだろう。

ロバート・ダウニー・Jr.氏、ついにアイアンマンに別れを告げるだろう

ダウニー氏が今まで主演した10作にも及ぶマーベル映画の中で、彼は「アベンジャーズ」の一員として需要な役割を果たしてきた。しかしそんなスーパーヒーローでさえ、世界を救うことに疲れてしまうことだってあるのだ。来年の夏公開予定の 「アベンジャーズ」では、彼のキャリアを復活させたフランチャイズへ別れを告げ、俳優として第二の道を歩む予定だ。ダウニー氏の引退により、映画「ブラックパンサー」で主演を演じた、チャドウィック・ボーズマン氏が現時点で事実上、世界で最も重要なスーパーヒーローのメンバーになったことは確かだ。

従来のテレビコマーシャルが終わりを告げるかもしれない

NBCユニバーサルとフォックスは、従来のテレビコマーシャルを変える新たな方法を試みている。若い世代の多くがストリーミング配信に慣れており、彼らが広告を目にする機会は減っている。もしこのような現状が続けば、今後スポンサーの名前付きテレビコマーシャルを見ることは確実に減って行くだろう。

   ウェブメディア企業は合併により「デジタル・メディアの危機」を乗り越えるだろう ウェブメディア企業である「BuzzFeed」、「Vice Media」、「Vox Media」、「Refinery29」、「Awesomeness」、「Mitu」にとって厳しい日々が続いている。これらの企業では、ネットの広告収入が減ることが予想され、近くに大規模なリストラが行われる予定だ。今年の11月には、ニュース・スタートアップ会社である「マイク」が、「Bustle Digital Group」に買収され、編集チームほぼ全員のリストラが行われた。BuzzFeedのCEOであるジョナ・ペレッティ氏は、フェイスブックやグーグルからより多くの広告報酬を得るべく、最近のニューヨーク・タイムズのインタビューでM&Aに従事することを語った。 

戦いが再び始まる:各スタジオは大規模な戦いに備えるだろう

ディズニーがフォックスを買収すると発表した後、劇場公開日の数週間以内に映画をオンデマンドでリースする契約が各主要スタジオで交渉された。これにより、映画を配信する劇場の利益カットが見込まれている。ワーナー・ブラザーズとユニバーサルは、映画を早期にオンデマンドで配信する事を発表する予定だが、これには映画館のオーナーたちからの非難が予想されている。 

大手タレント・エージェンシーの新たな動きが生じるだろう

アメリカの大手タレント・エージェンシーである「CAA」の代理店の所有権構造に対する不満はこれからますます高まっていくだろう。今年すでにアメリカの投資ファンドである「TPG」がCAA株式の全て、または一部をジョン・マローン氏の「リバティー・メディア」に売却することに対し、各所で議論が起こった。その他大手タレント・エージェンシーの「WME」と「IMG」では親会社である「エンデバー」の経営方針に合わせるため、内部管理の改新が予想されている。

ネットフリックスのサブスクリプション料金値上げが反発を生むだろう

ネットフリックスはサブスクリプション率が一時的低下した事を受け、2017年の第4四半期の最後に会員費を引き上げた。2019年の後半にも、ネットフリックスは債務を通して得たコンテンツの支払いをすべく、米国などのより成熟した市場で値上げを行う予定だ。理由はともあれ、この値上げは多くの怒りと反発を生じるだろう。しかし、ウォールストリートによると、現在ネットフリックスはサブスクリプション費を安全に引き上げられる立場にいるという。実際ネットフリックスで一番人気のプランは月額10.99ドルであり、ライバル社、「フールー」の月額11.99ドルプラン(広告なし)よりも安い。ネットフリックスのプロダクトオフィサーであるグレッグ・ピーターズ氏は、「我々のサービスが顧客の期待に応え続けている限り、価格を少しでも上げる権利がある」と語った。

 ストリーミング配信サービス競争がさらに加速するだろう

ディズニーとAT&Tによる、「ワーナーメディア」が新たに、ネットフリックス、アマゾン、フールー、「ESPN +」と競合することによりストリーミングサービスに関する戦いはさらに加速する見込みだ。また「Sling」や「Direct TV Now」などといった有料ケーブルテレビ企業の参入も予想されている。競争に伴い、消費者の購買意欲を沸かせる広告が増えることだろう。

トラヴィス・スコットのキャリアにおける長期戦法とその成功

【出典】12/3/2018

https://www.complex.com/music/2018/12/how-travis-scott-played-the-long-game-and-wonPicture1

ラッパーのトラヴィス・スコットの「Sicko Mode (feat. Drake) 」が遂にビルボードHot100チャートの1位の座を勝ち取り、自身初のナンバー1シングルとなった。「Sicko mode(無敵な気分)になるような楽曲をつくるのが製作時の目的だった…ナンバーワン以外何が”sicko mode”だっていうんだ!?」と、トラヴィスはビルボード誌に

語った(Sickoはスラングで、ドレイクの仲間たちをさす)。 これをきっかけに8月にリリースされた彼のアルバム『ASTROWORLD』はビルボードTop 200チャートの1位に返り咲き、シングルの1位獲得は時期的に最高のタイミングだった。リリースから暫く経った後に両チャートトップを飾るのは少し無理な話にも聞こえるが、よく考えてみると、トラヴィスは初めから長期戦を見込んでいたのだ。

アリアナ・グランデが過去の恋愛を歌う大人気シングル「thank u, next」がリリース以来3週連続で首位をキープし続けるなかで、トラヴィスの「Sicko Mode」がトップに躍り出るのはなかなか難しいように思えた。(懐かしい映画へのオマージュで話題を呼ぶアリアナの「thank u, next」のミュージックビデオが最近公開されたことで、トラヴィスは首位をキープし続けられないかもしれないが、それはまた別の話である。)

 

8月リリース時、『ASTROWORLD』はビルボードTop 200で首位デビューを果たし、2週間その座をキープした。最近の首位返り咲きは、業界のシステムを上手く操り、より多くの獲物を引っかけるという彼の態度に起因していると言える。その戦略の一つは、多くのファンが欲しがるグッズをアルバムとセットで販売することだ。8月のアルバムリリースの際と、今回の2回に分けてこれが行われた。ビルボードによると、リリース以降17週連続トップ10をキープした同アルバムが1位の座についたのは、自身のグッズ販売サイトでサイバーマンデーのキャンペーンを行ったのが理由の一つである様だ。それはキーチェーン、キャップ、Tシャツ、パーカーなど全てのアイテム購入の際『ASTROWORLD』のデジタルコピーが付いてくるというものだ。

 

同じくラッパーのニッキー・ミナージュはラジオ番組「Queen Radio」において、8月末にトラヴィスのアルバムの売り方に対する不満を語った。「オートチューンで声を変え、パーカーと一緒にアルバムを売った様な人に、誇らしくアルバム50万枚を売り上げたとなんて言わせない。」ミナージュに反論することもなく、トラヴィスは彼の販売戦略を突き通し、彼のキャリアの絶頂期に突入したのだ。Picture1Picture1

ニッキー・ミナージュのツイート訳「トラヴィスはこれを50万枚以上売り上げた。アルバムを買わさせずに!ツアーの発表もなし。私は彼と話たけど、彼自身ナンバー1アルバムでは無いと思っている。私はアルバムを全米ナンバー1にしてくれるファンを愛してる!これについては#QueenRadioで話すわ。アルバム4作、86カ国でナンバーワン❤️」

トラヴィスはファンのおかげで自身のキャリアが成り立っている事をもちろん理解しており、全身全霊でお返しをしようと、ファン達が一生忘れない様な体験を届けている。ASTROWORLDツアーが11月8日にボルチモアで開始したが、その直前にトラヴィスはComplex誌に対し、ツアーで最も楽しみにしている事を明かした。「やっと全てのアイデアを頭の中で一つにすることができた。会場内ではファン達が強烈な熱気を放ち、十分に暴れられる。」

ツアー最初の会場であるマディソンスクエアガーデンの公演は、チケット販売開始直後に完売になった事を受け、追加公演が発表されたほどだ。初日公演時、トラヴィスは「Sicko Mode」で締めたが、その際のMCで彼はこの曲で1位を狙っている事を話した。まさにその次の日にはスクリレックスによるリミックスがリリースされ、それが原曲のストリーミング再生回数の急増に繋がったとビルボードが報じた。

予測不能なツイートや、思いつきの様だがアツいステージ上でのスピーチなど、トラヴィスの自由奔放さは、実は全て彼の計算の内である。彼は慎重に自身のキャリアを積んできたのだ。

ASTROWORLDツアー本拠地を彼の故郷ヒューストンに置いたことは、とても勇気のいる行動だ。11月中旬に行われたトラヴィスの初の試みであるAstroworldフェスティバルに出演し、ヒューストン出身のラッパーで最も讃えられると言われるヒップホップデュオUGKのBun Bは、彼と一年前にたった一度だけしかあったことがないと言う。Bunはトラヴィスについて、「以前トヨタセンターで彼がライブをおこなった時初めて、ゆっくり座って話をした。とても謙虚なやつだよ。彼が成功することは間違いないと感じた」と話した。

2000年代初期の音楽業界に突如頭角を現したSlim Thugや、Mike jones、Paul Wall、Chamillionaire もAstroworldフェスティバルに出演した。Slim Thugは、トラヴィスのコラボレーターとしての強みが彼のキャリアに大きく影響していると言う。「ヒューストン育ちの人々の多くは独立的なので、世界中の注目を浴びることはないだろう。同時に、我々がヒューストンに帰って来て皆で何かムーブメントを起こせば、人々はとても理解的なのだ。私はヒューストンが一丸となる時が大好きだ。」

UGKがヒューストン・ヒップホップというジャンル復興のきっかけを作ってから数十年、そしてそのジャンルが全国的に広まってから数年経った今、ASTROWORLDのアルバムとフェスティバルは地域再興に繋がった。Fat Pat, Big Hawk, Big Moe, そしてScrewed Up Clickの創設者 DJ Screwなど、伝説的アーティストらを取り入れたこのアルバムは、トラヴィスのファンが今日の彼を作り上げるアーティストを知るきっかけとなる作品なのだ。「DJ Screwが魂のような存在なのと同じ様に、トラヴィスは今この街の心臓の様な存在だ。彼のおかげでこの街が存在する様なものだよ。」と、街を代表するアーティストとしてのトラヴィスをBun Bは大絶賛していた。

2018年トラヴィス・スコットに注目し、彼の名誉がこれ以上高まることはないだろうと考えている人がいれば、それは間違いだ。

【調査結果】音楽の好みは10代で形成

好きな曲がリリースされた時の平均年齢、男性は14歳で女性は13歳

https://www.theverge.com/2018/2/12/17003076/spotify-data-shows-songs-teens-adult-taste-musicPicture1

Spotifyのデータをニューヨーク・タイムズが分析したところ、10代で聴いた曲が、成人になった時の音楽の好みを形成することがわかった。

男性の場合、音楽の嗜好性を形成する最も重要な時期は、13歳から16歳の間だ。男性は平均して、14歳の時にお気に入りの曲がリリースされる。女性に関しては、最も重要な時期は11歳から14歳で、13歳の時が、好きな曲が発表される最も可能性の高い年齢だ。また、 男性よりも女性の方が幼児期の影響を受けやすい 傾向があり、嗜好性形成の重要なキーとなる年は思春期の終わりに結びついていることがわかった。

ニューヨーク・タイムズは、1960年から2000年の間にリリースされたすべてのビルボードの上位チャートの曲を分析した。同紙はRadioheadの「Creep」を例に挙げ、この歌が38歳の男性の中で最も人気のある曲であることを発見した。これらの男性は1993年に歌がリリースされた時点で約14歳だっただろう。 「Creep」は、前後10年間に生まれた人の中ではトップ300曲にも含まれていない。また、The Cureの 「Just Like Heaven」は1987年にリリースされた曲で41歳の女性に人気があり、曲のリリース時に11歳だった。

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図:ニューヨークタイムズ
音楽と年齢の関係
成人の音楽嗜好性はいつ決定するのか?女性は13歳、男性はそれより少し遅い14歳だ

このデータは確かに信憑性がありそうだ。私の好きな曲は、Stereophonicの 「Dakota」とArctic Monkeysの「505」だ。私はいまだに高校時代に聞いていたGreen DayとLinkin Parkを聞いている。また、20代前半に聞いた音楽は10代で聴いた音楽に比べ、嗜好性の決定に半分の影響しか与えない、ということも興味深い。

さらにここで言及しておきたいことは、ニューヨーク・タイムズが報じたバレンタインデーに聞きたい人気ソングは、30歳にとってはBeyonceの 「Crazy in Love」、45歳ではVan Halenの 「It’s Love」、60代ではMarvin Gayeの「Let’s Get It On」であることだ。