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トラヴィス・スコットのキャリアにおける長期戦法とその成功

【出典】12/3/2018

https://www.complex.com/music/2018/12/how-travis-scott-played-the-long-game-and-wonPicture1

ラッパーのトラヴィス・スコットの「Sicko Mode (feat. Drake) 」が遂にビルボードHot100チャートの1位の座を勝ち取り、自身初のナンバー1シングルとなった。「Sicko mode(無敵な気分)になるような楽曲をつくるのが製作時の目的だった…ナンバーワン以外何が”sicko mode”だっていうんだ!?」と、トラヴィスはビルボード誌に

語った(Sickoはスラングで、ドレイクの仲間たちをさす)。 これをきっかけに8月にリリースされた彼のアルバム『ASTROWORLD』はビルボードTop 200チャートの1位に返り咲き、シングルの1位獲得は時期的に最高のタイミングだった。リリースから暫く経った後に両チャートトップを飾るのは少し無理な話にも聞こえるが、よく考えてみると、トラヴィスは初めから長期戦を見込んでいたのだ。

アリアナ・グランデが過去の恋愛を歌う大人気シングル「thank u, next」がリリース以来3週連続で首位をキープし続けるなかで、トラヴィスの「Sicko Mode」がトップに躍り出るのはなかなか難しいように思えた。(懐かしい映画へのオマージュで話題を呼ぶアリアナの「thank u, next」のミュージックビデオが最近公開されたことで、トラヴィスは首位をキープし続けられないかもしれないが、それはまた別の話である。)

 

8月リリース時、『ASTROWORLD』はビルボードTop 200で首位デビューを果たし、2週間その座をキープした。最近の首位返り咲きは、業界のシステムを上手く操り、より多くの獲物を引っかけるという彼の態度に起因していると言える。その戦略の一つは、多くのファンが欲しがるグッズをアルバムとセットで販売することだ。8月のアルバムリリースの際と、今回の2回に分けてこれが行われた。ビルボードによると、リリース以降17週連続トップ10をキープした同アルバムが1位の座についたのは、自身のグッズ販売サイトでサイバーマンデーのキャンペーンを行ったのが理由の一つである様だ。それはキーチェーン、キャップ、Tシャツ、パーカーなど全てのアイテム購入の際『ASTROWORLD』のデジタルコピーが付いてくるというものだ。

 

同じくラッパーのニッキー・ミナージュはラジオ番組「Queen Radio」において、8月末にトラヴィスのアルバムの売り方に対する不満を語った。「オートチューンで声を変え、パーカーと一緒にアルバムを売った様な人に、誇らしくアルバム50万枚を売り上げたとなんて言わせない。」ミナージュに反論することもなく、トラヴィスは彼の販売戦略を突き通し、彼のキャリアの絶頂期に突入したのだ。Picture1Picture1

ニッキー・ミナージュのツイート訳「トラヴィスはこれを50万枚以上売り上げた。アルバムを買わさせずに!ツアーの発表もなし。私は彼と話たけど、彼自身ナンバー1アルバムでは無いと思っている。私はアルバムを全米ナンバー1にしてくれるファンを愛してる!これについては#QueenRadioで話すわ。アルバム4作、86カ国でナンバーワン❤️」

トラヴィスはファンのおかげで自身のキャリアが成り立っている事をもちろん理解しており、全身全霊でお返しをしようと、ファン達が一生忘れない様な体験を届けている。ASTROWORLDツアーが11月8日にボルチモアで開始したが、その直前にトラヴィスはComplex誌に対し、ツアーで最も楽しみにしている事を明かした。「やっと全てのアイデアを頭の中で一つにすることができた。会場内ではファン達が強烈な熱気を放ち、十分に暴れられる。」

ツアー最初の会場であるマディソンスクエアガーデンの公演は、チケット販売開始直後に完売になった事を受け、追加公演が発表されたほどだ。初日公演時、トラヴィスは「Sicko Mode」で締めたが、その際のMCで彼はこの曲で1位を狙っている事を話した。まさにその次の日にはスクリレックスによるリミックスがリリースされ、それが原曲のストリーミング再生回数の急増に繋がったとビルボードが報じた。

予測不能なツイートや、思いつきの様だがアツいステージ上でのスピーチなど、トラヴィスの自由奔放さは、実は全て彼の計算の内である。彼は慎重に自身のキャリアを積んできたのだ。

ASTROWORLDツアー本拠地を彼の故郷ヒューストンに置いたことは、とても勇気のいる行動だ。11月中旬に行われたトラヴィスの初の試みであるAstroworldフェスティバルに出演し、ヒューストン出身のラッパーで最も讃えられると言われるヒップホップデュオUGKのBun Bは、彼と一年前にたった一度だけしかあったことがないと言う。Bunはトラヴィスについて、「以前トヨタセンターで彼がライブをおこなった時初めて、ゆっくり座って話をした。とても謙虚なやつだよ。彼が成功することは間違いないと感じた」と話した。

2000年代初期の音楽業界に突如頭角を現したSlim Thugや、Mike jones、Paul Wall、Chamillionaire もAstroworldフェスティバルに出演した。Slim Thugは、トラヴィスのコラボレーターとしての強みが彼のキャリアに大きく影響していると言う。「ヒューストン育ちの人々の多くは独立的なので、世界中の注目を浴びることはないだろう。同時に、我々がヒューストンに帰って来て皆で何かムーブメントを起こせば、人々はとても理解的なのだ。私はヒューストンが一丸となる時が大好きだ。」

UGKがヒューストン・ヒップホップというジャンル復興のきっかけを作ってから数十年、そしてそのジャンルが全国的に広まってから数年経った今、ASTROWORLDのアルバムとフェスティバルは地域再興に繋がった。Fat Pat, Big Hawk, Big Moe, そしてScrewed Up Clickの創設者 DJ Screwなど、伝説的アーティストらを取り入れたこのアルバムは、トラヴィスのファンが今日の彼を作り上げるアーティストを知るきっかけとなる作品なのだ。「DJ Screwが魂のような存在なのと同じ様に、トラヴィスは今この街の心臓の様な存在だ。彼のおかげでこの街が存在する様なものだよ。」と、街を代表するアーティストとしてのトラヴィスをBun Bは大絶賛していた。

2018年トラヴィス・スコットに注目し、彼の名誉がこれ以上高まることはないだろうと考えている人がいれば、それは間違いだ。

マーティン・ガリックスが3年連続トップDJに選出

22歳のガリックスは、今回を含め3回DJ MagのトップDJに選ばれ、同じくオランダのアーミン・ヴァン・ブーレンとティエストに並んだ。

【出典】10/22/2018

https://variety.com/2018/music/news/martin-garrix-top-dj-mag-100-1202988652/

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3年連続オランダ出身のDJ、マーティン・ガリックスは、音楽情報サイトDJ Magの 「トップDJリスト100」の一位を獲得した。22歳の彼は、オランダのアーミン・ヴァン・ブーレンとティエストに並び記録を打ち立てた。ガリックスは2016年に最年少DJとして第1位を獲得し、2017年にも一位となり、連続受賞となった。ガリックスはアムステルダム・ダンス・イベントで行われたアムステルダム・アリーナでDJ Magのマネージング・ディレクター、マーティン・カルヴェル氏からトロフィーを受け取った。

ガリックスは、2013年に「Animals」でDJとしての名を轟かせた。このEDMトラックは世界的にチャート化され、エレクトロニック・ミュージックサイト「ビートポート」で一位を獲得した史上最年少のプロデューサーになった。このオランダのアーティストはアフロジャックやデヴィッド・ゲッタのようなEDMアーティストの他、2015年にはアッシャーの「Don’t Look Down」、Bebe Rexhaの「In the Name of Love」(2016年)などの主流のポップアーティストとも仕事をしている。

もともとスピニン・レコードに署名したガリックスはソニーと契約し、また自身のレーベルである「STMPD RCRDS」を設立。最近、彼は今年6月にリリースされた「Ocean」では歌手のカリッド、デヴィット・ゲッタ、ジャスティン・マイロのようなDJとコラボレーションを行った。彼はまた、2018年に韓国で開催された冬季オリンピックの閉会式でも登場。また現在ではカルバン・ハリス、デヴィッド・ゲッタ、ディプロなどのアーティストに加え、リアーナの最新アルバムに参加すると言われている。

 

 

Pelotonが、新たな音楽ビジネスNeurotic Mediaを買収

https://techcrunch.com/2018/06/27/peloton-acquires-music-startup-neurotic-media/Picture1

ストリーミング配信されている授業をユーザーが受けられるという、エアロバイクのビジネスを展開するPelotonが、初めて買収を行なったと発表した。当社が買収したのはNeurotic Mediaという、楽曲の収集とストリーミングサービスを行うBtoB企業である。

アトランタに拠点を構えるNeurotic Mediaは、2001年にShachar “Shac” Oren氏によって創業された。彼は、Pelotonの副社長になり、Pelotonの音楽部門の部長Paul DeGooyer氏の下で働くことになる。Neurotic Mediaの社員とオフィス全体はアトランタに留まり、サードパーティーのクライアントに対応する独立子会社として営業を続ける。

Neurotic Mediaは、流通とマーケティングのホワイトラベルプラットフォームで、人気の音楽を通して、ブランドが顧客を動かし、引き込むのを手助けする会社だ。元々当社は、ブランドと、そのブランドの使命に沿った人気の楽曲を繋げるという仕事をしている。

ここにあるのは、音楽は運動に不可欠だというアイデアだ。Pelotonが、ユーザーの自宅の落ち着いた環境(やスタジオの一つ)にハイクオリティなエクササイズを取り入れることにフォーカスしているうえで、音楽は大きな役割を果たす。しかし、大抵は1)経験もしくは2)十分な資金がなければ、音楽産業に手を出そうとはしない。

以下は、DeGooyer氏が、用意された声明の中で述べた言葉だ。

「私たちの顧客は、音楽というものをPelotonでの顧客体験の中心として抱き続け、一貫してブランドの最重要の側面として位置付けている。Shacと彼の素晴らしいチームがPelotonに加わることで、顧客が気に入るだろうと思われるユニークなイノベーションの数々とともに、彼らが求めていると分かっている新しい楽曲を急速に発展させることができるだろう。」

Pelotonは現在変化のさなかにある。当社はPeloton Digitalという拡張されたiOSアプリを開始し、秋からはイギリスとカナダにまで広げる計画を発表した。さらに、Pelotonは新たなエアロバイクスタジオをニューヨークシティにオープンしたが、来年にはマンハッタン西部に巨大なマルチスタジオスペースもオープンする計画である。

Peloton2012年に創設され、合計44470万ドルの売上を上げてきた。取引条件は公開されなかった。

【調査結果】音楽の好みは10代で形成

好きな曲がリリースされた時の平均年齢、男性は14歳で女性は13歳

https://www.theverge.com/2018/2/12/17003076/spotify-data-shows-songs-teens-adult-taste-musicPicture1

Spotifyのデータをニューヨーク・タイムズが分析したところ、10代で聴いた曲が、成人になった時の音楽の好みを形成することがわかった。

男性の場合、音楽の嗜好性を形成する最も重要な時期は、13歳から16歳の間だ。男性は平均して、14歳の時にお気に入りの曲がリリースされる。女性に関しては、最も重要な時期は11歳から14歳で、13歳の時が、好きな曲が発表される最も可能性の高い年齢だ。また、 男性よりも女性の方が幼児期の影響を受けやすい 傾向があり、嗜好性形成の重要なキーとなる年は思春期の終わりに結びついていることがわかった。

ニューヨーク・タイムズは、1960年から2000年の間にリリースされたすべてのビルボードの上位チャートの曲を分析した。同紙はRadioheadの「Creep」を例に挙げ、この歌が38歳の男性の中で最も人気のある曲であることを発見した。これらの男性は1993年に歌がリリースされた時点で約14歳だっただろう。 「Creep」は、前後10年間に生まれた人の中ではトップ300曲にも含まれていない。また、The Cureの 「Just Like Heaven」は1987年にリリースされた曲で41歳の女性に人気があり、曲のリリース時に11歳だった。

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図:ニューヨークタイムズ
音楽と年齢の関係
成人の音楽嗜好性はいつ決定するのか?女性は13歳、男性はそれより少し遅い14歳だ

このデータは確かに信憑性がありそうだ。私の好きな曲は、Stereophonicの 「Dakota」とArctic Monkeysの「505」だ。私はいまだに高校時代に聞いていたGreen DayとLinkin Parkを聞いている。また、20代前半に聞いた音楽は10代で聴いた音楽に比べ、嗜好性の決定に半分の影響しか与えない、ということも興味深い。

さらにここで言及しておきたいことは、ニューヨーク・タイムズが報じたバレンタインデーに聞きたい人気ソングは、30歳にとってはBeyonceの 「Crazy in Love」、45歳ではVan Halenの 「It’s Love」、60代ではMarvin Gayeの「Let’s Get It On」であることだ。

Spotify、ヴィジュアル・ポッドキャスト戦略を開始し、新たな音楽改革を目指す。

http://variety.com/2018/digital/news/spotify-podcast-strategy-spotlight-1202668136/

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Spotifyはポッドキャストにさらに深く進出: Spotlightというビジュアル重視の音声プログラムで会員はニュース、政治、スポーツ、そしてエンタメサービスにアクセスできる。

Spotifyは音声コンテンツのパートナーとして下記の企業が存在する。 BuzzFeed News, Cheddar, Crooked Media, Lena Dunham and Jenni Konner’s Lenny Letter, Gimlet Media, Genius, the Minefield Girl, Refinery29 and LeBron James’ Uninterruptedなどだ。さらにSpotlightはSpotifyのオリジナルシリーズである“RISE”、 “Secret Genius” 、“Spotify Singles” 、そして“Viva Latino” ポッドキャストのコンテンツを導入することを予定している。

Spotlightはブログ上において、今回の動きはSpotifyスタジオとビデオ部門VP兼部長のCourtney Holt氏(元Maker Studios社ヘッド)の元で行われたと発表した。

同社によると、Spotlightはポッドキャストとオーディオブックに写真、動画、テキストを使用し、顧客の視聴体験を増強させる “visual layers”を搭載する予定だという。

Spotlightは今のところアメリカ国内でのみ利用可能予定だ。

Holt氏は「様々なコンテントカテゴリーのプレイリストからストーリー、ニュース、情報やオピニオンなどをビジュアル・エレメントと融合することができるSpotlightを開始できて光栄に思う。」と語った。

Spotifyは2018年第一四半期にIPOを予定している。Spotlightが新規加入者を惹きつけるかどうか、新たな利益をもたらすか、そしてどのような変化をもたらすのかは未だ未知数だ。

Holt氏のポッドキャスティングとビジュアルに橋をかけるという試みは同社のオリジナルビデオコンテンツを作るという考えからきたものだ。しかし、計画に弾みがついたことはない。同社は今のところオリジナルビデオコンテンツに関しては保留としている。

 

AirBnb社ライブミュージック事業に本格進出か

http://variety.com/2017/digital/news/airbnb-music-events-living-room-concerts-1202605344/

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AirBnB社は音楽ビジネス進出に向け、新たな賭けに出ようとしている。宿泊・民宿施設を貸し出すウェブサイトAirBnB社は同社のサービスを「音楽体験とコンサートを探すための最高のプラットフォーム」に変えることができる人材を現在募集中だ。この情報は同社が出稿している音楽事業の人材募集ページで確認できる。どうやら同社は世界中にいるホストのリビングルームをコンサート会場として使用したいようだ。

同社はホテル宿泊の代わりとして、ホストが持つ空室のアパートやスペアルームを旅行者に貸し出す事業を行うことで知られている。そしてさらなる大きな野望を持つ同社は昨年、『Trips』と呼ばれる新たなサービスを開始した。このサービスは旅行者が宿泊先を予約できるだけではなく様々なアクティビティ(ガイド付きの市内観光・ガーデニングのレッスン・陶芸のクラスなど)を予約することができる。

音楽というジャンルはこの『Trips』のサービスの一環として最初はスタートした。この3月同社が新たに『音楽体験』というサービスを開始した頃からすでに、この事業に関して大きなプランを抱いていたのかもしれない。

「音楽は人と人を繋げる素晴らしい方法だ」と同社のCEOであるBrian Cheskyは述べた。そして同氏はさらに、「我々は音楽体験を提供することで、人々が質の高い、夢中になれるような音楽イベントに参加できることになる。小規模のライブパフォーマンス、特別なライブイベント、アングラなミュージックセッションなどを通してローカルアーティストやパフォーマーと出会うことができる」と語った。

同社はこのような音楽体験サービスを、ロンドン、ロサンゼルス、サンフランシスコ、バルセロナ、東京など13都市で最初に開始した。開始当時のサービス名は「リビングルーム・コンサート」と呼ばれ、AirBnbに登録されているホストの家で小規模のライブコンサートが開催された。そして現在はこのサービスをさらに拡大展開する予定で、音楽事業の人材募集の業務内容欄には「リビングルーム・コンサートのグロバール展開業務」と記載されている。

同社は「リビングルーム・コンサート」のサービスをリチャード・ブランソン氏の投資先でもあるSofar Sounds社(音楽イベント系スタートアップ)との協同で開始していた。しかしこのパートナーシップはすでに終了している。今後AirBnb社は同社の持つホストや音楽業界関係者に直接介入しながら運営していくようだ。

音楽業界も今後関わっていく証拠として、ナッシュビルのアーティストCharlie Worsham氏は彼の最新アルバムのプロモーションのためAirBnbリビングルームコンサートを11月末にロンドンで開催する予定だ。

AirBnb社及びSofar Sounds社は我々の問い合わせに対しコメントを控えた。