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作品賞を逃したNetflix、ハリウッドとの戦いは始まったばかり

「ROMA ローマ」が作品賞を受賞できなかったということではなく、Netflixが今後長い間私たちに関わって行くような新しいビジネスモデルを作り上げてきたということが重要だ

https://www.nbcnews.com/news/all/netflix-lost-best-picture-battle-its-war-hollywood-just-getting-n975841Picture1

第91回アカデミー賞に至るまでの数日間、ハリウッドに昔からいる人たちは、そのストリーミング会社がオスカーの作品賞を獲得するのを見ることができるかもしれず、伝統的な映画業界の習わしが終わりを遂げるのに胸を躍らせていた。

ホストがいないセレモニーは、ショーの長尺化、複数年に渡る視聴率低迷などと合わせて既に多くのメディアで取り沙汰され論争を生んできた。「ROMA ローマ」におけるNetflixとアルフォンソ・キュアロンの大きな勝利は、確立されたスタジオとマルチプレックスチェーンに対して、より問題を悪化させたかもしれない。

あるハリウッドのエンターテインメントにおけるエグゼクティブは、月曜日の朝にNBCニュースに語った。プロモーションのキャンペーンで「2500万ドルから3000万ドルを費やしたにもかかわらず、視聴率は崩壊したようには見えず、Netflixは作品賞を受賞することはできなかった。」

ユニバーサルによって配給された「グリーンブック」は、大きな変化を起こさせず、トップカテゴリーで勝利を収め、Netflixにとって歴史を作るチャンスを与えなかった−少なくとも今のところは。テレビ放送のプロデューサーは、最近の視聴率の低迷を覆し、約2960万人の視聴者を集めた。(ユニバーサル・ピクチャーはNBC Newsの親会社であるNBCUniversalが所有している。)

およそ20年の間に、Netflixは通信販売のDVDサービスから、時代をリードする世界的なエンターテインメントを作り上げた。それはマーケティングにおけるゲームではあるが、間違いなくエンターテインメントの中で最も強力なマーケティングスペースを所有している:それは、Netflixのホーム・スクリーンである。

言い換えれば、ハリウッドの「幸福感」とはすべて相対的なものだ。

ラットの実験を思い出してください。長期にわたる電気ショックを与えられない場合、ネズミは多幸感と同じ神経学的状態を経験する、とそのエグゼクティブは語った。「視聴率は下がり、Netflixの攻撃はノンストップの電気ショックと等しい」。

Netflixはオスカーで監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3つの主要な賞を表彰され、ドキュメンタリー映画の短編映画の第4位に輝いている。しかしさらに重要なことは、Netflixやその他の主要なストリーミングプラットフォーム(AmazonやHulu、さらにはDisneyやWarnerMediaなどの革新を模索するオールドスクールの巨大企業)は、依然として古くからあるビジネスモデルに対する脅威と戦っている。

デジタルビデオレコーダーの会社TiVoの元最高経営責任者であるトム・ロジャーズ氏は、次のように述べた。「Netflixは今後長い間私たちに関わって行くような、新しいビジネスモデルを作り上げてきた。」

オスカーにスタント賞が追加される時は来るのか?

https://variety.com/2019/film/production/academy-stunt-work-1203143269/Picture1

今年の米国アカデミー賞で作品賞にノミネートされた8作品の共通点として、全作品でスタント・コーディネーターを起用しているという事が挙げられる。しかし、その内の誰1人としてアカデミー賞で受賞する機会すら与えられていない。

現行の体制では、ストーリーや映像のダイナミックスさに寄与した職種の部門が設けられている。スタント・コーディネーターに受賞機会が与えられていないのは、スタントという存在が誤解されているからではないだろうか。スタント・コーディネーターで2007年からアカデミー会員であるMelissa T. Stubbs氏は今まで類を見ない危険なスタントをシークエンスとしてただ残したいだけだと語っている。そんな彼女がキャリアを開始した時には、スタントへはただのアドレナリン中毒者だと冷たい視線が向けられていたと言う。

制作費がかさむデジタルエフェクトが台頭してきた今日ではできるだけ低コストに、そして安全で再現性の高いパフォーマンスを実現させ、スタント自身の存在意義を業界へと提示している。

Stubbs氏は、監督が俳優の感情表現に責任を持っているとすれば、私達はストーリーのアクション部分の責任を担っていると語る。『デッドプール』や『バリー・シール/アメリカをはめた男』でスタント・コーディネーターを務めたRobert Alonzo氏によると、良いスタントとはストーリーを進め、カメラアングルやプロットをうまく利用しつつ、制作チームと一体感を持ち続けることだ。

スタントワークの進化により、スタント・コーディネーター自身はアクション・デザイナーと呼ばれることを好んでいる。それは、役割への責任感とクリエイティブの過程の表れだろう。Stubbs氏曰く、従来のスタント・コーディネーターは登場人物のアクションを創造的にデザインする人ではなく、安全面を担保する側面が強かったと言う。

『猿の惑星:聖戦記』でスタント・コーディネーターとして参加したJohn Stoneham Jr.は、コーディネーターは安全性を確保するためほぼ全ての部門との協力が必要不可欠だと指摘する。もし人が投げ出されるシーンであれば十分なエリアが確保できているのかを確認して建設作業を進める。そして、衣装へのパッドの詰め込みや、ウィッグの下に小さなヘルメットを装着することもあると述べる。

脚本に「戦いが続く」としか書かれてないのであればスクリーンに映し出される動きは、アクション・デザイナー次第であり、ストーリーポイントに気を配る必要がある。記憶に残る印象的なシークエンスを作るために環境がどのように作用するかを考慮しなければならず、作品への高い理解が求められるとAlonzo氏は語る。現に本記事に登場した3人はアクション・コーディネータはとしてだけではなく、セカンド・ユニット・ディレクターとしても作品に参加している。

アクション・デザイナーの一部が垣間見えたことでアカデミー賞への疑問は強まるばかりだ。アカデミー賞は才能のある作り手を祝い、認めることを好んでいるが彼らにとって我々の仕事は映画制作ではないのだろうとStubbs氏は意見を述べる。

スタント部門にとってのもう1つの課題は、全てのシーンで俳優自身が演技をしているわけではないという事実をプロダクションが認めたがらないことだろう。俳優がプロダクションなどの周囲からのプレッシャーに負けてしまいスタントダブルである事を隠すことも珍しくなく、後にスタントへ謝罪の手紙を送ることも事例も見られる。映画『Buffalo Boys』の俳優であるYoshi Sudarsoは、「脚本で言語化されているアクションに関しては自分で演じるがそれ以外のスタントワークはプロに任す。その方が安全だから」と述べている。

優れたアクション・デザイナーは著名なコーディネーターの下でスタントとしてスキルを磨いており、アクション映画だけでなく多様なスタントを経験している。例えば、『ローマ』はアクション英ではなくドラマ作品だが、コーディネーターのGerardo Moreno氏は15人のスタントを抱えていた。スタントに映画のジャンルは関係ないのだ。

アカデミー賞の視聴率が低下している状況で、スタントのための賞が設けられ関連した映像が放映されるとなれば、視聴率も改善するかもしれない。

Stubbs氏は、アクション・コーディネーターは映画制作者であるし、アカデミー側もそれを認めた。

海外市場に委ねられた『アリータ:バトル・エンジェル』

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映画『アリータ:バトル・エンジェル』が米国での興行収入2,700万ドルを達成し、想定よりも幸先の良いスタートを切った。しかし、成功には程遠く、商業的な成功は遂げられない結末が濃厚である。

制作費1.7億ドルに加え宣伝費などで数千万ドル掛かると言われており、赤字から抜け出すには興行収入5億ドルは達成する必要があるだろうと競合スタジオの幹部は語る。一方でFox関係者は、損益分岐点は3.5億ドルだと明かしている。本作の業績判断をするには時期尚早だが、全世界興行収入が1.3億ドルを突破している現状を鑑みても、達成は難しいという見方が強い。

ComscoreのアナリストPaul Dergarabedian氏は、SFで大々的に挑戦するには莫大なコストが付き物であり、続編や原作が有名でない限り北米の観客たちを呼び込むのは困難と述べている。興行収入は週末にかけて2,200万ドル、公開日から5日で3,000万ドルを突破するという予想が調査会社により立てられていた。Fox関係者は、公開日とプレジデント・デーが重なったことにより幸先の良いスタートが切れたと発表している。本来、クリスマス期間での公開予定が最終的には2ヶ月後に上映する決定がなされたことで、『アクアマン』『メリー・ポピンズリターンズ』『バンブルビー』などのブロックバスター映画との競合を避けられたという点では、正しかった選択と言えるのではないだろうか。制作陣の選択が功を奏し米国では少しばかりの余裕は見られるが、海外市場という前途多難な道が待ち受けている。

本作にとって日本と中国は重要な市場であり、競合作品ひしめき合う環境を乗り越える必要があるだろう。(本記事の執筆時点では日本と中国では未公開)前年比でチケット売上が20%ダウン、今年に入り未だ大きなヒットが見られない北米とは異なり、アジアは活況を呈している。中国では中国映画史上最大規模のSF作品である『The Wandering Earth』が、興行収入6.06億ドルという記録を叩き出したのに加え、『Crazy Alien』『Pegasus』といった作品への反響も大きい。ちなみに、『アクアマン』と『ヴェノム』の公開時期はそれらの作品と同じ公開時期ではなかった。

プロデューサーとして参加するジェームズ・キャメロンが本作をグローバルヒットへつなげたいと願っているのはもちろん、同映画の成功は海外市場にかかっている。

日本の漫画家木城ゆきとの『銃夢』を原作として制作されていることを考えれば海外の観客に受け入れられることは驚くことではない。関係者は米国での興行収入は8,000万〜1億ドルで着地するだろうと予測する。海外市場での成功が必須となった今、日本と中国が本作にとっての命綱になるだろう。

海外市場は多くの映画にとって生命線であり、北米だけが主要市場ではないことを意味するとDergarabedian氏は語る。

今回、Foxは『アバター』の時と同様の宣伝戦略を取っている。大きなスクリーン、そして通常より価格が高い3Dでの視聴をプロモーションしている。結果3Dでのチケット売上は大きな収益をもたらし、本作はIMAXデジタルシアターで国内収益の15%以上を売り上げている。批評家からの評価は高くないが、シネマスコアは『アクアマン』や『バンブルビー』と同じA-を獲得しており、映画ファンからの評価は上々だ。

大ヒット映画『The Wandering Earth』は、中国の映画業界を変えるのか

https://www.cnn.com/2019/02/13/asia/china-wandering-earth-film-intl/index.htmlPicture1

『The Wandering Earth』は、年末年始にリリースされた中国のSF映画で、中国内を席巻している。

北京と上海が現代中国映画史上初めて”破壊”されたため、中国の旧正月の週に、何百万もの映画ファンが息を切らしてその映画を鑑賞した。これは、中国の新しいSF映画『The Wandering Earth』が国内を席巻している理由の1つだ。

この映画は、小説家のLiu Cixinによる作品に基づいた作品で、それは消滅しかけながら急速に拡大化している太陽から地球を救うために動く、中国の宇宙飛行士のグループの物語である。2月5日に公開したこの映画は、中国で最初の1週間で約4億5000万ドル(27億元)を記録し、国内で最も成功した映画となる見通しだ。

その観客の反応は驚くべきものだった。中国の映画レビューサイトDouban.comのトップコメントの1つは、「中国がこのような大規模なSF映画を作れるとは思わなかった」と述べている。また、国営通信社の新華社通信は「中国のSF映画製作の新たな黎明期」と語った。

https://www.youtube.com/watch?v=0LW6smaU3Xw

Guo Fan監督は、「『The Wandering Earth』は、人の感情を核にしているので非常に人気を得ている。私は私の父の記憶を元に(Wu Jingが演じた)主役の役割を考えた。」とCNNに語った。「それは、典型的な中国人の父親の愛の物語である。それは常に忍耐強く、あまり多くの言葉はないが、それは非常にパワフルなものだ。それが、父親の愛に対する私の理解である。」

他のユニークな魅力の一つが、中国当局が北京と上海の破壊を描写することを許可したということだ。これは、中国が制作した映画史上初である。

「すごく若い時から、SF映画を観るのが好きだった。監督になりたかった主な理由の1つは、SF映画を作りたかったからである。この映画は、私の夢を実現するプロセスだ」とGuo監督は追加した。

Pictureキャプション:上海と北京は『The Wandering Earth』で、現代中国映画史上初めて破壊された。

中国映画の未来

業界関係者によると、中国は今後数年間で世界最大の映画市場になる可能性があるという。主に大規模でますます裕福になる国内の視聴者のために、毎年何百もの映画を毎年制作する、数十億ドル規模の強固な映画産業がある。

しかし、この国最大の最近の大ヒット作のいくつかは、過度に民族主義的で、事実上政府の宣伝として機能していると批判されている。その2つの最も成功した興行的なヒット作 『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』と『オペレーション・レッド・シー』は、強い親北京の要素を含んでいると考えられている。Guo監督の努力は、しかしながら、その型を破る。「『The Wandering Earth』では、国家的な演出がほとんどない」と、中国の映画評論家Raymond Zhou氏はCNNに述べた。

Picture1他の中国の映画は、予算の大きい米国の作品と比較して、クオリティが低いと批判されてきた。

2018年に、1,200万ドルを費やされた大作『阿修羅』は映画館で上映中止に追い込まれた。酷いレビューが続出したためである。

しかしZhow氏は、前向きなレビューを受けている『The Wandering Earth』の成功が、中国の映画制作の「新しい人気ジャンル」を生み出す可能性があると考えている。

実際、中国の視聴者は今後、より多くのSF映画を期待することができるだろう。マカオ大学の映画専門家Tan See Kam氏は、「『The Wandering Earth』は旧正月のリリースのトレンド、すなわちほとんど全てがコメディーとアクション映画であったトレンドを打ち破った」と述べている。

『The Wandering Earth』の成功により、多くのSFプロジェクトが進行中だ。大規模なエイリアンの侵入についての『Shanghai Fortress(原題)』、銀河系間の冒険『athfinder(原題)』はどちらも2019年にリリースされる予定だ。

「『The Wandering Earth』は中国の映画業界で伝説になりつつある。」とTan氏は言った。

ソフトパワーが勝つ?

国内では壁を越えたが、海外での成功は保証されていない。中国本土の映画産業は歴史的に、国際的な視聴者の共感を生む大ヒット映画を生み出すのに苦労してきた。2016年には、『人魚姫』が中国で最も成功した映画の1つになり、中国では何億ドルもの収益を上げている。ただし米国での結果は、かろうじて300万ドルである。

それに比べて、アメリカの映画は中国でよく上演されている。『ワイルド・スピードICE BREAK』は、国内で6番目に興行が良い映画となり、約3億8000万ドルを記録した。

香港の中国大学教授、パン・ライクワン氏は、次のように述べている。「デジタル効果に関しては、中国のプロダクションは(米国)レベルに達していない。そして途方もない量の検閲があるので、フィルムメーカーが言うことができることは非常に少ないのだ。」

映画の専門家Tan氏は、中国政府関係者、映画製作者、評論家は、『The Wandering Earth』が海外のトレンドになっているかどうかを確かめるために、注意深く見ている可能性が高いと述べた。「中国政府がなぜこの種の映画を奨励したくないのか分からない。この映画が海外でどれだけ上映されているかを見るのは面白い。」と彼は言った。

Guo監督は、中国がアメリカのスタジオと国際的に競争できるようになるまでには、まだ道のりがあると考えている。

「(しかしこの映画は)より多くの投資家に、彼らが利益を上げることができるという中国映画の可能性を示しているようだ。そして、ますます多くの投資家がこれらの映画を信じるだろう。」

Zhang Yimou監督作品『One Second』ベルリン映画祭での上映が中止に

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Zhang Yimou監督の最新作『One Second』がヴェルリン国際映画祭のコンペティション部門への出品が中止となった。公式サイトでは技術的な理由で中止されたことが発表され、代わりに2002年に公開された同監督の『HERO』が公開された。

技術的な理由という言葉は、中国政府からの承認を得なければ映画が完成しない現状を物語っている。ベテランであろうが、評価された監督やプロデューサーであっても権限は持っておらず、中国政府に委ねられている状況だ。

本作では毛沢東が主導した文化大革命をテーマとして扱っており、それが問題として抵触した可能性が考えられる。文化大革命は経済や社会に大きな混乱をもたらした出来事であり、非常にセンシティブなテーマなのである。

今回、問題なのは直前で映画祭への出品が中止された事だ。脚本に目を通す第一段階の時点で歴史的背景とストーリーを中国政府も認識していたはずだが、なぜ今回のような事が起きたのだろうか。

考えられる理由の1つとしては、管理上の問題である。国内の検閲が十分に機能していない可能性が考えられる。更に海外の映画祭に出展する場合必ず追加の許可を得なければならず、一度承認されてしまえば上映時間の変更や新たなプロデューサーや出資者が参加することはできない。

先述の決まりは、中国の映画産業振興法の一部として2017年に公表されたものであるが、今年から厳密に適用されるようになった。そのような状況のなか、Wang Quan監督作で、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門作品でもある『Ondog』とプレミア上映予定Wang Xiaoshuai監督の『So Long, My Son』の両作品は、許可を得られたと考えられる。しかし、『One Second』に至っては、許可を得られていたのかは未だ不明だ。

もう1つの理由としては政治的な理由が挙げられる。昨年から中国の娯楽部門の管轄が、国務院から共産党のプロバガンダ部門に移り、イデオロギーの監視強化の影響が出ている。暴動や崩壊、殺人を描いた婁イエ監督作の『The Shadow Play』は正式な許可を得るまで2年ほどの時間を要したことを監督自身が明かしており苦労の末、本作はパノラマ部門で上映される事が決まっている。

以前よりチャン・イーモウ監督と婁イエ監督は規制当局より問題児と扱われてきた過去があり、1994年公開のチャン・イーモウ監督作『活きる』がカンヌ映画祭で審査員大賞と主演男優賞をW受賞と高い評価を得たが、中国国内での上映は禁止となっている。『HERO』では、欧米人はメッセージを理解出来ないかもしれないが、同作品は共産党を支持しているのではないかと一部から批判されている。

2008年に開催された北京オリンピックの開会式と閉会式をチャン・イーモウ監督が演出したことにより規制当局と彼との関係性を修復した。2015年には一人っ子政策に反対していたことが発覚したことにより100万ドル以上の支払いが命じられたものの、翌年には政府より正式に取り消しの声明が発表された。

もしチャン・イーモウ監督が問題であるならば、なぜ前作『影』がヴェネチア映画祭とトロント映画祭で上映することができたのか?

『One Second』だけでなく、青春映画『Better Days』も出品中止となることが決定しており、関係者によれば検閲に関わることが理由とのことで、今回の映画祭では2本の中国映画の出品中止という事実が残る。

映画祭メンバーは今後中国映画を選出する際、不測の事態に備えておくべきだろう。なぜならば、どのような作品が禁止されるかは中国政府のみしか知らない。

2018年の世界映画興行収入は歴代最高 ディズニーが圧倒

【出典】1/2/2019

https://variety.com/2019/film/news/box-office-record-disney-dominates-1203098075/Picture1

2018年、映画業界の興行収入は世界最高となり、北米で11億9千万ドル、世界全体では41億7千万ドルを記録した。ディズニースタジオズ作品がその5分の1を占める。

調査会社コムスコアは2018年総合興行収入を発表し、ディズニーが世界全体で73億3千万ドルの興収を算出したことを明らかにした。これはスタジオ単独収入において2番目に高い数値で、これを上回るのは同じくディズニーによる76億1千万ドル(2016年)だ。米国内では、 2016年のスタジオ市場記録30億ドルを上回る30億9千万ドルの興収を記録し、映画業界史を塗り替えている。同スタジオ作品『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『インクレディブル・ファミリー』はどれも6億ドル以上の興収を収めた。また、世界全体ではディズニー史上2番目の42億3千万ドルの興収となった。

2018年に14作品を公開した同スタジオの米国内市場シェアが26.1%ということを踏まえると、米国内4人に1人の劇場鑑賞客がディズニー作品に出費したことになる。

スタジオ会長アラン・ホルン氏は、「世界中のディズニー、ピクサー、マーベルスタジオズ、ルーカスフィルムファンのお陰で、昨年はウォルト・ディズニー・スタジオズにとって最大の年となった。『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で社会現象を起こし、創立以来10年間輝かしい成績を収め続けるマーベル・スタジオを特に称賛したい。」と声明を出した。

世界全体の劇場集客数は2.7%の伸びを見せ、北米のみでは2017年と比べ7%上昇した。10億ドル以上の興行収入を収めた昨年公開作品は、『ブラックパンサー』(13億5千万ドル)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(20億5千万ドル)、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(ユニバーサル・スタジオ、13億ドル)、『インクレディブル・ファミリー』(12億4千万ドル)の4本。ソニー・ピクチャーズによる『ヴェノム』は8億5500万ドルで5位、パラマウントによる『ミッション:インポッシブル フォールアウト』は7億9100ドルで6位の興収であった。

北米スタジオ別興行収入ランキングは以下の通り:ユニバーサル・スタジオが19億6千万ドルで2位、ワーナーブラザーズが19億3千万ドルで3位、ソニーが12億8千万ドルで4位、フォックスが12億4千万ドルで5位、パラマウントが7億5700万ドルで6位。ライオンズゲートは前年比1.5倍越えの3億8900万ドル、STXエンターテイメントが2億6960万ドル、MGMが1億6400万ドルとなった。

2017年は、ストリーミングサービスの普及による劇場集客数2.3%減少などにより米国映画ビジネスは低迷を見せたが、2018年はそれを挽回した。コムスコアのシニア・メディア・アナリスト Paul Dergarabedian氏によれば、米主要スタジオは観客が好む映画を見極めたことがこの成功に繋がると話した。

さらに、「2018年は、映画史上最大興行収入だけでなく集客数の前年比増加といった意味でも記録的な年だった」と付け加えた。「劇場公開作品ラインナップの多様さ、劇場体験の人気、そして人々の現実逃避欲が2018年の特徴であったが、それは2019年も続く見通しだ。3連休に公開される『ミスター・ガラス』は1月公開作品史上最高の興収になると予想される。」

2019年には『ライオン・キング』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『トイ・ストーリー4』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』『スター・ウォーズ/エピソード9』などが公開予定だ。

Dergarabedian氏は「2019年は公開予定作品ヒットパレードとなり、業界が前年以上の成功を収めるだろう。」と言う。

ネットフリックスは映画館を殺していない

【出典】12/21/2018

https://variety.com/2018/film/news/streaming-netflix-movie-theaters-1203090899/Picture1

映画館チェーンにとってネットフリックスが脅威ではないことが、EYのリサーチでわかった。映画館に頻繁に通う人々はストリーミングサービスも他の人より多く消費していることがわかった。映画館チェーンは過去数年、ストリーミングサービスの台頭により来場者数が減少していると考えられていたが、どうやらそうではないようだ。

映画館とストリーミングサービス、この二つは敵対ではなく共存が可能ということだ。リサーチ結果によると、過去12ヶ月の間、映画館に9回以上足を運んでいるリサーチ対象者は映画館に年1〜2回しか行かない人たちよりも、より多くのストリーミングサービスを消費していることがわかった。映画館に9回以上足を運ぶ人たちは週平均11時間ストリーミングサービスを利用し、映画館に1〜2回しか行かない人は週平均7時間だった。

2500人を対象とした今回のリサーチでは、そのうち80%が過去1年以内に映画館で最低1本観たと回答。そしてこのリサーチの依頼者はNational Association of Theatre Owners(全米映画館オーナー協会=NATO)であり、ネットフリックスなどストリーミングサービスを敵対視してきた組織だ。

「リサーチで明らかになったことは、映画館とストリーミングは対立する関係ではないことだ。動画コンテンツを好きな人はどのプラットフォームであれ、視聴するのだ」とNATOのメディア&リサーチディレクター、Phil Contrino氏は語る。

事実、映画館に行かない人はストリーミングサービスを使って動画をあまり観ないこともわかった。過去1年の間に1回も映画館に行っていない人はストリーミングサービスを全く使っていなかったことがわかった。1年間に1回も映画館に行ったことのない人のうちわずか18%が週平均8時間以上ストリーミングサービスを利用していた。

年代別に見ると13〜17歳のグループは1年間平均7.3本の映画を映画館で視聴、週9.2時間ストリーミング視聴をしている。(これは他の年齢グループと比べ最も高い)18〜37歳は平均6本で週8.6時間ストリーミング視聴をしていた。

しかしアメリカ人の娯楽費が無限にあるとは限らない。多くの人々がストリーミングサービスにサブスクライブすることにより、他の娯楽費を削ることになる。今回のデータによるとコストの削減先はケーブルTVだ。2018年は3300万人の人々がケーブルTVを解約したとのこと。ストリーミング台頭の影響がもっと出ているのはケーブルTVなどのホームメディアなのだ。

映画チケットがついに$50へ:世界の映画チケット値段事情

【出典】12/21/2018

https://variety.com/2018/film/news/movie-ticket-prices-around-the-world-1203094187/Picture1

ロンドンが世界で最も物価の高い都市の一つということは一般常だが、ロンドンの中心地レスター・スクウェアに新しくオープンした映画館オデオンの映画チケットがあまりにも高すぎると話題になっている。

1年以上のリノベーションの末新しく生まれ変わった同映画館はドルビーシネマテクノロジーなど新しい技術を導入、チケット価格はなんと40ポンドだ。(日本円5613円)

その見返りとして、観客はスクリーンが見やすい良い場所のテーブル付きリクライニングチェアに座ることができる。もちろん飲み物・スナックは別料金だ。

ネット上ではあまりの高価格に「最低」「頭がおかしい」など炎上しているが、同社は「観る映画、時間帯、座席の場所により価格も変わり、一番安くて10ポンド(1400円)からだ」と同社の価格設定を擁護している。

バラエティ紙の調べによると、映画館のチケットで最も高いのはダントツのロンドンで、その次がニューヨークだ。下記の価格はチケット代のみで2D上映(北京とメキシコシティ以外)、飲み物・スナックは含まれない。

ロンドン
40ポンド(日本円5613円):オデオン・レスター・スクウェア(ドルビーシネマ・リクライニングチェア&テーブル付き)

ニューヨーク
26.5ドル(2926円):AMCリンカーン・スクウェア(ドルビーシネマ・リクライニングチェア付き)

ロサンゼルス
21.99ドル(2430円):AMCセンチュリー・シティ(ドルビーシネマ・リクライニングチェア付き)

ドバイ
75ディルハム(2255円):リールシネマズ・ドバイ・マリナ・モール(ドルビーシネマ・リクライニングチェア付き)

東京
1800円:TOHOシネマズ六本木ヒルズ

パリ
15フラン(1677円):): Pathé Beaugrenelle(ドルビーシネマ)

北京
75元(1200円):ステラーインターナショナル・シネプレックス(4D)

ローマ
8.5ユーロ(1070円):シネマ・アンドロメダ(ドルビーアトモス)

メキシコシティ
181ペソ(1005円):シネポリス・フォーラム・ブエナビスタ(4D)

『クレイジーリッチ!』中国映画市場で伸び悩む

【出典】12/3/2018

https://variety.com/2018/film/asia/crazy-rich-asians-flops-in-china-box-office-debut-1203071333/Picture1

今夏大ヒットしたハリウッド映画『クレイジーリッチ!』が中国で公開されたが、公開初週の国内収益が100万ドル以下に留まりそうだ。

公開初日、このロマコメ映画は中国市場で4位スタートとなった。初日金曜日の夕方には、中国の主要観客層は映画にほとんど関心がないことが明らかとなり、土曜日には映画館がその他の作品を優先的に上映するという動きが見られた。

地元ソースによると、同作は週末の時点で8位終了と伸び悩みが予想されており、中国映画『無名之輩』や『ヴェノム』の人気に追いつくのは難しそうだ。『クレイジーリッチ!』は公開初日に41万ドル、翌日には40万ドルの収入に終わった。

全キャストがアジア系であったことによりアメリカで前代未聞のヒットとなった同作だが、そのキャスト陣は中国では注目を浴びない。また同作は世界各国よりも数ヶ月遅れの公開であった。意外な収入の伸び悩みを受け、映画館は上映本数の極端な削減開始に踏み出し、公開初日の32,000回から翌日には18,700回の減少が見られた。観客層の多くはすでに外国で同作を鑑賞済みか、オンラインで海賊版を視聴済みであり、またその他の人々はアジア文化に対する固定観念の極端な描写に対して疑問を抱いている様だ。

映画レビューサイトDoubanで『クレイジーリッチ!』は、数ヶ月前に鑑賞済みのユーザーらから6.2/10点と評価されており、あるユーザーは「良いストーリーだし、高い制作クオリティーだが、鑑賞中に少し吐き気をもよおした。」と記した。「欧米人にとって中国人は派閥主義で、派手派手しく上流気取りな、古い慣習にとらわれた人々だと思われているの?」

他のレビューはそれを否定し、この作品は中国の文化を全く履き違えながらもアメリカの人種や均等雇用の話題にうまく乗り込む目的で作られたのだと評価した。「まあ、アメリカ人は見ていていい気分になるのだろう。」

同作は北米で8月に公開され、1億7,400万ドルの収益を収める記録的大ヒットとなった。東アジアでも9月に公開され、映画の主な舞台となったシンガポールでは5百万ドルを収めた。

しかし、同作の中国でのレベニューシェア獲得に手こずったワーナー・ブラザースの努力が腑に落ちるかもしれない。中国で8月に公開され収益602,000ドルに終わった『マンマミーア!ヒア・ウィー・ゴー』や、9月に公開され収益206,000ドルに終わったエイミー・シューマー主演の『アイ・フィール・プリティー!人生最高のハプニング』などの作品は、同スタジオに過小評価されながらも逆に成功した。

それでも、プロデューサーにとって中国での公開は大変重要なことであった。続編の『China Rich Girlfriend』の一部が上海での撮影予定であり、中国プロダクションとの共同制作を望んでいるからだ。

シュガーラッシュが物語の鍵となる役をeBayに無償提供

【出典】 2018/11/21

https://adage.com/article/cmo-strategy/wreck-ralph-ebay-starring-role/315748/Picture1

映画の主人公であるラルフとその親友ヴァネロペだけがシュガーラッシュの最新作となる『シュガーラッシュ:オンライン』の中心人物ではない。

ネットオークションサイトであるeBayも物語の重要な鍵を握っている。同社によるとこの二社の統合には金銭的なやり取りは発生していないが、現在、統合による恩恵を享受していると述べる。「マーケターにとってこの現象は偉大と呼べるだろう」とサンノゼに本社を構えるeBayのCMOであるSuzy Deering氏は語る。

映画において、eBayは重要な役割を果たしている。

なぜなら、登場人物が日常生活を取り戻すために必要なアイテムを入手するためにはeBayを使う必要があるからだ。

ディズニー映画では、eBayのキャラクターをeBoyと名付けて紹介している。彼は定期的にラルフとヴァネロペに入札金額の不足に伴う購入キャンセルまでに現金を支払う時間がどれくらい残っているかを伝える役割を果たしている。

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一方で、eBayの強力なライバルであるアマゾンは、映画の中のインターネット世界ではぼんやりとしか映っていない。Deering氏はディズニー社が今年の初めにeBayに映画の協力を求めてきたと述べる。この2つのブランドは11月の映画公開に先駆けて、第三四半期にマーケティングキャンペーンやと商品の販売を共同で行っている。

ディズニー社がeBay内に広告を出してもらうことにより恩恵を受けている。

例えば、eBayは30秒間のTVCMで映画における同社の役割の重要性を披露している。それは映画の話題性を呼び、さらに映画専用の商品サイトを設けている。同社はイギリスにおいて、eBayは同作品とコラボした野外広告を実施している。

映画に関連するマーケティング出資額についての発言を控えたDeering氏は、この統合はeBayの社会的注目を持続するのに役立ち、それは近頃、同社が行っている”It’s Happening”のマーケティングキャンペーンの要素となっている。

また、eBayの代理店である72andSunnyはキャンペーンのサポートをしている。

eBayは以前、いくつかの映画のスポンサーとして費用を出資しているが、『ブラックパンサー』や『Oceans 8』を含む多くの映画では費用は支払われていない。

毎年恒例、年末商戦のはじまりかつ最大の山場となるブラックフライデーやサイバーマンデーに対して、シュガーラッシュの関連事業がどれくらいの盛り上がりをみせるかは予測不可能である。

ツイッターユーザーはeBayの働きに感謝を示しているように思われる。Picture1