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『ブラックミラー:バンダースナッチ』は、テレビ業界の新たな時代の幕明け

【出典】 2018/12/28

https://mashable.com/article/black-mirror-bandersnatch-review/?utm_cid=a-seealso#WMUmVIUDqPqqPicture1

ストーリーを自分自身で選択できる双方向型のNetflixスペシャル 『ブラックミラー:バンダースナッチ』のレビュー。

奇抜で固定概念を覆す本作では、George Orwellの小説『1984年』やホラー/タイムトラベル作品、『ブレードランナー』の原作者Philip K Dick、 『The Good Place』以降で私たちが感じてきた重要な哲学など複数の作品が下敷きになっているのである。

しかし、それ以上に本作が新しいのは長い間私たちが待ち焦がれていたインタラクティブドラマを成功させたという点だ。

 

自分自身の失敗は自分自身で選択する

過去には、インタラクティブドラマが全く無かったというわけではない。Netflix が2017年から『長靴をはいたネコ』のような子供向け作品で試みたインタラクティブストーリーや10年以上前にDVDがリリースされた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』でも提供しようとしていたことは事実である。しかし、安っぽいCGIやパッとしないプロット、ドラマへの没入感を損なうストーリー選択などの欠点が見られ、新時代の娯楽には相応しくなかったと言えるだろう。

これらの失敗は、『ファイティング・ファンタジー』や『ソーサリー』を例として挙げられるゲームブックの熱狂的なファンにとっては、不可解だろう。息を呑みながら本のページを捲ったことがある人であればインタラクティブストーリーの力がわかるはずだ。誰もが自分で選択するという行為を通して得られるスリルを感じたことがあるだろう。

やり直すことのスリルをあなたも理解できるだろう

なぜ視覚的なメディアではインタラクティブストーリーがうまくいかなかったのか?何がテレビとゲームの明暗を分けたのだろうか?

朝食のシリアルを選択する

本作品のクリエーターでもあり、ゲーム雑誌の出版会社で働いていたオタク気質のCharlie Brooker氏は、インタラクティブストーリーを上手く成立させた。 どのように成立させたか?それはそのテンポ良く進む物語、そして朝食ではどこのシリアルを食べるのか、はたまた何の音楽を聞くのかなどの現実的な選択が続くのである。(テレビゲームのように、その時は取るに足らないと思えた選択が後々に大きな影響を与える。)

主人公の青年ステファンが「きみならどうする?」のようなゲームブックをゲーム化しようとする話だ。

視聴者によって行われるキャラクターの自由を制約する選択は、登場するゲームデザイナーによってゲームキャラクターに反映されていく。主人公のステファンは作中で視聴者によって選ばれた選択によって導かれ、5つのエンディングが用意されている。

Stefanがゲーム化しようとしているのはバンダースナッチと呼ばれる宇宙に関する本だ。

音楽やManic Miner!!などのコンピューターゲーム、シリアルのFrosties!、コミックシリーズの『2000AD』 などは1980年代に流行ったものが多く使われており、イギリス人にとっては『ストレンジャー・シングス』よりもノスタルジックな気持ちに浸れるのだ。

新たな手法を駆使して、未来のテレビ業界で出来ること

双方向型の物語がどれほど未来のテレビ番組に影響を与えるかを想像してみてほしい。例えば、事件の解決があなたの選択に委ねられている犯罪ドラマであったり、あなたが3シーズン前にした選択により、あなたとあなたの親友との間で展開が全く異なっている『ゲーム・オブ・スローンズ』などである。

あなたの熱狂的なファンの為に何度も鑑賞/体験してあなたの好きなキャラクターにとって最適なエンディングが見つけることができたらどうか?そして広告主には言及するまでもないが、どれほどTV製作陣がそれを好むかを想像してみてほしい。

Netflixがインタラクティブストーリーをテレビ番組のメインストリームにできればすぐに、選択の冒険は無限大になるだろう。

Yoobic社、小売業の店舗での販促キャンペーン管理を助けるアプリ開発のため、2500万ドルを調達

https://techcrunch.com/2018/06/28/yoobic-retail-therapy/Picture1

コマースの世界で目にしてきたイノベーションの多くは、ビジネスの最先端とも言える次のことに焦点が当てられてきた。それは、「オンライン・オフラインの両方において、顧客体験をより良くし、最終的にはより多くを購入してもらうために、どのようにデジタルツールを利用するか」ということだ。しかし今日は、売り手そのものを助けるアプリを作ってきた新事業への出資についてのニュースを紹介する。Yoobicは、SaaS(Software as a Service)のプラットフォームを使い、販売スタッフが本社とやり取りをして、コンピュータビジョンのようなテクノロジーを活用した販売・マーケティングキャンペーンを企画、実行できるようにする事業を行なっている。これによって、店舗でのオフラインの体験を、オンラインと同じように素早いものにできるのだ、とCEO兼共同創業者は語る。この会社は、資金調達で2500万ドルを集めた。この資金はロンドンやヨーロッパといった本拠地の市場を越え、アメリカにまで事業を広げるために使われる予定である。

この資金調達は、現在特に勢いのある多作の投資ファンド、Insight Venture Partnersによって主導されている。

Yoobicの力強い成長に続くように、資金は集まっている。収益は、2016年から2017年の間に143%増加し、製品は現在100の小売業者と、彼らが持つ幅広い範囲の、44か国20万店舗にて取り扱われている。毎月10万ほどの業務がアプリを利用して完了されており、これは2017年から250%の増加である。顧客には、多くの高級ブランド、Lacoste、the Casino Group、Aldi UK(アメリカでも営業しているドイツのディスカウントチェーン、Aldi Sudの一部である。Aldi Nordは別会社であり、Trader Joe’sを所有している。)、PeugeotやCitroenのような自動車会社などがある。

Yoobicは、テクノロジーの力で、小売業界の難しい問題にピンポイントで対処している。ブランドそのものが商品を売るにしろ小売業者が売るにしろ、企業が商品を複数の場所に渡って販売するとき、それらを一貫した方法で売るのは難しくなる。

セールや、何かのキャンペーン、あるいは単に商品レイアウトの独自のやり方などはすべて、様々な販売員を擁する際に、一貫してかつ効率的に行うことが難しい事柄である。小売販売員の入れ替わりの平均は年に50%であり、尚上昇している。本社や、直接関われる距離にいない人物から、彼らにコミュニケーションをとる必要が生まれている。

Yoobicによる解決策は、モバイルアプリで使えるプラットフォームだ。あるいは、大多数の販売員は机に座ることはないためモバイル端末を使用しているが、コンピュータでも使用できる。このアプリでは、どのように商品を見せるかの指示とともに、様々なキャンペーンに関する相談を行える。

「大事なことだが、この使い方は大変シンプルだ。従業員の入れ替わりが激しいからというだけではなく、キャンペーンやセール、商品レイアウトの変更は一日中起きる可能性があるものだからこそ、シンプルなものが必要なのである。」と、YoobicのCEOかつ共同創業者のFabrice Haïat氏は話した。「相談するために、電車に乗って会いに行く暇などはないでしょう。」

離れたところにいる販売員たちは、端末のカメラを使って店内のレイアウトを撮影し、与えられた指示と照らし合わせて確認することができる。そして、アプリのアルゴリズムがこれらを自動でチェックし、変更が必要かもしれない箇所を提示してくれる。すべて指示と一致しているときは、本社のマネージャーに通知が送信され、レイアウトが完了したと報告してくれる。

将来的には、在庫確認、店舗の来店数の更新、その他店舗にいない際見ておくことが難しい詳細な事柄に対し、同じシステムを使うことができる可能性がある。「今はまだ表面を擦っているだけにすぎない。」と、Haïat氏は語った。

Haïat氏は、「かつてなら会社は、マネージャーの評価、またはちゃんと問題なく運営されているか店舗で直接見て確認したものを、信頼しなければならなかったであろう。しかしこれらは一貫性がなく、あるいはきちんと行うにはコストがかかる。同様に、メッセージのやり取りは毎回遅くて煩わしい。」と付け加えた。「店舗と本社の連絡手段は今までeメールをベースとしてきた。この製品は、スマートなタスク管理の解決策によって、eメールの存在から取って代わるものである。」

Yoobicの躍進―実際そのデビューを果たしたのはTechCrunchのイベントDisruptのステージだが―は、小売産業が業務の効率化・有益化のためにどのようにテクノロジーの進歩を利用しようとしてきたか、その発展をまさに反映している。この発展は、単に顧客体験を改善するためだけでなく、ブリックアンドモルタルが、オンラインセールスやAmazonなどその巨大企業が持っているであろうあらゆる強みについていけるようにするためである。

しばらくすれば、商売の活動に人間が一切介入しなくなる時が訪れるであろう。Amazonのような企業がすでに試している、大詰めの段階だ。しかしそれまでに、顧客に合うと思われるもの、顧客が店で買いたいものの見つけ方、より効率的な勘定のフローや、購買とユーザーのネット閲覧方法との強固な繋がりなどを理解しようとすることによる、より良い顧客体験のようなイノベーションを目の当たりにしている。現在それらはすべてデジタル化され、顧客のデジタルプロフィールを精密に組み立てた、膨大なデータを作り上げている。

Yoobicは顧客体験と直接結びついているわけではないものの、それが成す仕事は膨大なデータ要素を確実に活用し、より大きなマーケティング戦略の達成に貢献している。「例えば、店頭のシステムから、コーラの売上が落ちているとデータを得たが、同時に間もなく猛暑が訪れることも分かっているとしよう。」とHaïat氏は説明する。「売り手はYoobicを用いて、コーラの販売を促進するディスプレイを展開し、その過程で潜在的な需要を満たしてコーラの売上を押し上げることができる。」

「さらに、Yoobicはこのサービスを他のシステムと統合できるAPIも提供している。現に、すでにWorkplaceとSlackは統合されている。」と、Haïat氏は語った。つまり、Yoobic自体は、基本的なメッセージ・チャットサービスや、単なる小売・マーケティング・販売ビジネスのためには使用されていないということだ。

「YOOBICのチームは最高クラスの製品を作り上げた。我々は、社の未来と米国での拡大に取り組むことを心待ちにしている。」と、Insight Venture Partnersの専務取締役であるJeff Lieberman氏は、文書の中で述べた。「我々は、このような解決策は小売業にとって必須になること、またYOOBICはそのカテゴリーにおいてリーダーとなる機会と可能性を持っていることを確信している。」

興味深いことに、Yoobicの創業者であるFabrice、Avi、Gilles Haïat兄弟は、シリアルアントレプレナーである。彼らが前回創業したVizeliaは、Schneider Electricに売却された。そこには、彼らがYoobicで作り上げたものとの面白い共通点がある。それは、Vizeliaはビルのエネルギーモニタリングの解決策であったということだ。「当初我々はエネルギーをモニタリングしていたが、現在では小売業のモニタリングをしている。」とFabriceは話す。「概念的には、そこには繋がりがあるのだ。」

Pelotonが、新たな音楽ビジネスNeurotic Mediaを買収

https://techcrunch.com/2018/06/27/peloton-acquires-music-startup-neurotic-media/Picture1

ストリーミング配信されている授業をユーザーが受けられるという、エアロバイクのビジネスを展開するPelotonが、初めて買収を行なったと発表した。当社が買収したのはNeurotic Mediaという、楽曲の収集とストリーミングサービスを行うBtoB企業である。

アトランタに拠点を構えるNeurotic Mediaは、2001年にShachar “Shac” Oren氏によって創業された。彼は、Pelotonの副社長になり、Pelotonの音楽部門の部長Paul DeGooyer氏の下で働くことになる。Neurotic Mediaの社員とオフィス全体はアトランタに留まり、サードパーティーのクライアントに対応する独立子会社として営業を続ける。

Neurotic Mediaは、流通とマーケティングのホワイトラベルプラットフォームで、人気の音楽を通して、ブランドが顧客を動かし、引き込むのを手助けする会社だ。元々当社は、ブランドと、そのブランドの使命に沿った人気の楽曲を繋げるという仕事をしている。

ここにあるのは、音楽は運動に不可欠だというアイデアだ。Pelotonが、ユーザーの自宅の落ち着いた環境(やスタジオの一つ)にハイクオリティなエクササイズを取り入れることにフォーカスしているうえで、音楽は大きな役割を果たす。しかし、大抵は1)経験もしくは2)十分な資金がなければ、音楽産業に手を出そうとはしない。

以下は、DeGooyer氏が、用意された声明の中で述べた言葉だ。

「私たちの顧客は、音楽というものをPelotonでの顧客体験の中心として抱き続け、一貫してブランドの最重要の側面として位置付けている。Shacと彼の素晴らしいチームがPelotonに加わることで、顧客が気に入るだろうと思われるユニークなイノベーションの数々とともに、彼らが求めていると分かっている新しい楽曲を急速に発展させることができるだろう。」

Pelotonは現在変化のさなかにある。当社はPeloton Digitalという拡張されたiOSアプリを開始し、秋からはイギリスとカナダにまで広げる計画を発表した。さらに、Pelotonは新たなエアロバイクスタジオをニューヨークシティにオープンしたが、来年にはマンハッタン西部に巨大なマルチスタジオスペースもオープンする計画である。

Peloton2012年に創設され、合計44470万ドルの売上を上げてきた。取引条件は公開されなかった。

ソニー、ハプティック・フィードバックと指フィンガー・トラッキングを使ったVRモーションコントローラーの特許申請

https://www.engadget.com/2018/01/29/sony-patents-detail-vr-motion-controller-concepts/Picture1

ソニー・インタラクティブ・エンターテイメントが2種類の特許申請を行った。新しいモーションコントローラーの可能性もあるが、新しいPlayStation VR向けだと考えるのはまだ判断が早いかもしれない。だがMoveコントローラの発売からもう8年が経ったことを考えると、ソニーが将来的に考えているVR向けのコントローラーのコンセプトなのかもしれない。

1つ目の特許申請の図を見ると、垂直型の棒型コントローラーで、サムスティックが上部、その周りにボタンが配置されている。そしてトリガーボタンは人指し部分に位置しており、ハンドストラップも記載されている。しかしこのコントローラーで特筆すべきなのは、コントローラーを握る「グリップ部分」にタプティック(触覚)・センサーが内蔵されており、申請書には「ユーザー触覚を感じることができる」と記載されている。

もう一つの申請内容にはヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使って、一本一本の指の動きをトラックする技術について記載されている。現在のプレイステーションVRではカメラを使ってMoveコントローラーをトラックしているので、この技術を使用するためには新しいHMDが必要となるだろう。

これらの技術がソニーの将来のVRに採用されるかはわからない。しかしPSVRはすでに200万台以上も販売されており、同社がVR市場を主導している。