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ネットフリックス:ハリウッドのエジプシャンシアターを買収か?

【出典】4/9/2019

https://variety.com/2019/film/news/netflix-egyptian-theatre-american-cinematheque-1203184419/Picture1

ネットフリックスがハリウッドにある老舗映画館エジプシャンシアターを買収するかもしれない。

買収内容によると、平日の夜はネットフリックスのコンテンツを上映、週末は現在同映画館を保有するNPO団体Cinemathequeがホストする上映会、レクチャーや映画祭を行うとのこと。同団体が保有するサンタモニカのインデペンデントシアターAeroシアターは買収内容に含まれない模様。

もし買収が成功すればネットフリックスは同社の作品を映画館で上映することが可能になる。今年のアカデミー賞にノミネートされたネットフリックス制作の作品「ローマ」が果たしてアカデミー賞にノミネートされるべきなのか問題になった。映画監督のスティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーランはアカデミー賞の選考対象になるためだけに映画館で自社作品を公開するネットフリックスをアカデミー賞から締め出そうとしたことが記憶に新しい。そして現在エジプシャンシアターを運営しているCinemathequeは財政難に陥っており、今回の買収がうまくいけば歴史ある映画館を救ったネットフリックスとしてアカデミー協会に対し好印象を与えるだろう。そして他にもネットフリックスはシネコンチェーンであるLandmarkシアターを買収するのではないかと噂されている。

『シャザム』中規模予算スーパーヒーロー映画の力を証明

【出典】2019/04/08

https://variety.com/2019/film/box-office/shazam-proves-the-power-of-mid-budget-superhero-movies-1203182630/Picture1

北米興行収入が5,300万ドル、全世界で1.02億ドルの興行収入を突破、『Shazam』のヒットはDCコミックスによって良いニュースだろう。本作の制作予算は約1億ドル、オープニング興行収入だけで制作費を回収した。通常DCコミックスの実写製作予算は倍の2億ドルだ。

本作の成功によりヒーロー映画は高予算でなくとも観客を魅了できることを証明したのだ。製作費が6,000万ドルを下回る『デッドプール』を除くスーパーヒーロー映画では、可能な限り高予算で圧巻のVFXCGIで観客を惹きつけるのが常套手段となっている。

同じDCコミックスの『ジャスティスリーグ』や『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』は高予算をつぎ込んだが問題だらけであった。『ジャスティスリーグ』の世界興行収入成績は6.6億ドルだったが、製作費に3億ドル、撮影後の追加撮影に数千万ドルがかかり、それにはマーケティング費用は含まれておらず興行収入面では失敗だった。前作の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の興行収入成績は8.7億ドル、ギリギリ赤字を免れた結果となった。『Shazam!』の場合、製作費自体もそれほどかかっていないので、続編にゴーサインを出すための高い目標設定をしなくても良い。

Warner Bros Picturesグループの会長Toby Emmerich氏は「人々が映画館に訪れなくなった今日に、多くの人が映画館を訪れてくれたのは誇らしいだけでなく感動した」と語っている。

DCとしては『アクアマン』『ワンダーウーマン』『シャザム』と3作品続けてヒット作を生み出しライバルのMarvel Studiosの成功に対抗する結果となった。その中でも『シャザム』はスーパーヒーロー作品として意味のある作品だとDCでは捉えている。16歳の青年Asher Angel扮するBilly Batsonが大人のスーパーヒーローへと変身するというのが本作でのヒーローだ。本作はZack Snyder氏が監督を務めていた低迷期に比べ明るく、そしてコミカル色の強い作品に仕上がっている。

Emmerich氏は、次のように述べている。

Marvel映画に見劣りしないほど素晴らしい。今後、観客はスケールやスペクタクルさを求める様になるが、現在の状況を鑑みれば更に小規模のスーパーヒーロー映画を作る機会も訪れるだろう。

『シャザム』は、Marvelヒーロー含めスーパーヒーロー作品に食傷気味の観客からも受け入れられている。『キャプテンマーベル』の1ヶ月後に公開され、記録更新が期待されている『アベンジャーズ エンドゲーム』は『シャザム』の3週間後に公開される。当然ながら両作品に挟まれての公開にはリスクもあったが、チーム全体が2作品へのカウンターとして生き残れると信じていたとEmmerich氏は語っている。

DCにとって次なる試練である『Joker』(10月公開予定)ではJoaquin Phoenixが主演を務め、暗いテイストに仕上がる予定だ。今回も低予算で製作されており、報告によれば5,500万ドルだと言う。詳細はほとんど明らかになっていないが、トレーラーではスコセッシ映画を思わせるスリラー映画調だ。

ComscoreのシニアメディアアナリストPaul Dergarabedian氏はこのように語る。

「マーベルとDCは今までお互いをライバル視していたが、現在は自らのブランド価値を見直し独自路線を両社とも歩んでいる。これは両社にとって有益だ」

『グリーンブック』全世界興行収入3億ドルを突破

 

【出典】2019/04/01

https://variety.com/2019/film/news/green-book-box-office-300-million-1203177747/

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『グリーン・ブック』の全世界興行収入がアカデミー 作品賞の受賞と中国でのヒットが後押しし、3億ドルを突破した。Universal Picturesのロード・トリップ作品である本作は国内興行収入が8,440万ドル、62ヶ国で2.196億ドルであり、全体では3.04億ドルを記録。

作品賞だけではなく、ジャズピアニストのDon Shirleyを演じたMahershala Aliが助演男優賞をそして脚本賞も獲得している。中国では7,000万ドルを突破したが、『タイタニック』を超えて中国で最も売れた映画となった。

Participant MediaDream Worksによって製作された本作だが、中国だけでなくフランスでも過去最高の興行収入を叩き出しており、2ヶ国で合計1,400万ドルを記録。ドイツでは1,350万ドル、日本では1,460万ドル、英国では1,290万ドルという好調ぶりを見せている。

37日には早々と2億ドルを突破。昨年の作品賞『シェイプ・オブ・ウォーター』の世界興収が1.95億ドルだが、『グリーンブック』のヒットぶりが歴然となる。2017年に作品賞を受賞した『ムーンライト』は6,500万ドル、2016年の作品賞『スポットライト 世紀のスクープ』は世界興収9,800万ドルで幕を閉じている。

Jordan Peele監督の新作『Us』オープニング興収7,000万ドルを記録

【出典】2019/3/24
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成功の後には、成功前よりも求められるものが多くなるだろう。

Jordan Peele監督の2作目『Us』が好調なスタートを見せている。本作は北米の3,741館で公開され、週末興行収入7,000万ドルを記録。『キャプテン・マーベル』が1.53億ドルで首位を獲得しており『Us』は2位につけている。公開前の予測オープニング興収は3,800〜4,500万ドルだった。

本作は2018年に公開された『クワイエット・プレイス』を凌ぐ週末興収を稼ぎ出しており、オリジナルのホラー映画としては最大のロケットスタートとなった。さらに、R指定映画という括りでは『テッド』に次ぐ成功を収めている。

世界では47の地域で公開され興行収入1,670万ドル、全世界で8,695万ドルに達した。UniversalJordan Peel監督のプロダクションMonkeypawは本作の制作費として2,000万ドルを投じており、1週間も経たないうちに予算の4倍以上の売り上げを叩き出した。

サウス・バイ・サウスウェストで初公開されてから熱狂的な口コミを獲得し続けている本作だが、ホラー映画としては珍しくRotten Tomatoes94%という高評価を獲得。Jordan Peele監督の能力の高さが感じられ、観客に考えることを促す作品に仕上がっている。Lupita Nyong’oWinston Dukeが夫婦役として主演を務める。

2019年は記録的なペースでヒット作が生まれた2018年と比べると興行収入は伸び悩んでいるにも関わらずUniversalではヒット作が続く。2019年のオープニング興行収入ランキングの2、3、4番目にUniversal作品がランクインしており、『Us』($7,000万)『ヒックとドラゴン3』($5,500万)『ミスター・ガラス』($4,000万)と続く。

『パシフィック・リム:アップライジング』が北米でオープニング興収トップに輝いた2018年の同時期と比べると、『Us』の想定以上のスタートにより15%以上も国内チケット売上が伸長している状況だ。業界全体では昨年比のチケット売上が17%ダウンしている状況だが、『キャプテン・マーベル』と『Us』の成功が市場を改善させるだろうと市場分析を行うComscoreは評している。

Us』の公開を見越し敢えて同タイミングで公開するスタジオが無かったため、国内興収チャートはおとなしかった。Paramount Pictureのアニメーション映画『Wonder Park』は3位を獲得しているが若い映画ファンからの受けは良くなく、コスト回収に向けて子供の観客を獲得する必要に迫られている。

 

嚢胞性線維症を患う10代の男女が恋に落ちる映画『Five Feet Apart』のチケット売上は850万ドル。本作はオープニング興収から34%ダウンしたが、トータルで2,600万ドルを稼ぎ出し制作費が700万ドルということを考えれば大きな収を得たと言えるだろう。

5位にはUniversalDreamWorksの『ヒックとドラゴン3』がランクイン。5週目には650万ドルを稼ぎ、国内での興行収入は1.45億ドルに達した。評論家達が本作に賞賛を送る中、2010年と2014年に公開された前作/前々作と比較するとわずかに遅れをとっている。

Bleecker Streetの『Hotel Mumbai』はニューヨークとロサンゼルスの4つの映画館で公開され興行収入89,492ドルを記録。一館あたり21,623ドルを稼ぎ出している計算だ。Dev PatelArmie Hammerが主演を務めインドのTaj Mahal Palace Hotel2008年に起きたテロの生存者を追った内容となっておりニュージーランドでは315日に起こったクライストチャーチ銃乱射事件が発生したことが原因で公開の中止が取り決められた。

海外市場に委ねられた『アリータ:バトル・エンジェル』

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映画『アリータ:バトル・エンジェル』が米国での興行収入2,700万ドルを達成し、想定よりも幸先の良いスタートを切った。しかし、成功には程遠く、商業的な成功は遂げられない結末が濃厚である。

制作費1.7億ドルに加え宣伝費などで数千万ドル掛かると言われており、赤字から抜け出すには興行収入5億ドルは達成する必要があるだろうと競合スタジオの幹部は語る。一方でFox関係者は、損益分岐点は3.5億ドルだと明かしている。本作の業績判断をするには時期尚早だが、全世界興行収入が1.3億ドルを突破している現状を鑑みても、達成は難しいという見方が強い。

ComscoreのアナリストPaul Dergarabedian氏は、SFで大々的に挑戦するには莫大なコストが付き物であり、続編や原作が有名でない限り北米の観客たちを呼び込むのは困難と述べている。興行収入は週末にかけて2,200万ドル、公開日から5日で3,000万ドルを突破するという予想が調査会社により立てられていた。Fox関係者は、公開日とプレジデント・デーが重なったことにより幸先の良いスタートが切れたと発表している。本来、クリスマス期間での公開予定が最終的には2ヶ月後に上映する決定がなされたことで、『アクアマン』『メリー・ポピンズリターンズ』『バンブルビー』などのブロックバスター映画との競合を避けられたという点では、正しかった選択と言えるのではないだろうか。制作陣の選択が功を奏し米国では少しばかりの余裕は見られるが、海外市場という前途多難な道が待ち受けている。

本作にとって日本と中国は重要な市場であり、競合作品ひしめき合う環境を乗り越える必要があるだろう。(本記事の執筆時点では日本と中国では未公開)前年比でチケット売上が20%ダウン、今年に入り未だ大きなヒットが見られない北米とは異なり、アジアは活況を呈している。中国では中国映画史上最大規模のSF作品である『The Wandering Earth』が、興行収入6.06億ドルという記録を叩き出したのに加え、『Crazy Alien』『Pegasus』といった作品への反響も大きい。ちなみに、『アクアマン』と『ヴェノム』の公開時期はそれらの作品と同じ公開時期ではなかった。

プロデューサーとして参加するジェームズ・キャメロンが本作をグローバルヒットへつなげたいと願っているのはもちろん、同映画の成功は海外市場にかかっている。

日本の漫画家木城ゆきとの『銃夢』を原作として制作されていることを考えれば海外の観客に受け入れられることは驚くことではない。関係者は米国での興行収入は8,000万〜1億ドルで着地するだろうと予測する。海外市場での成功が必須となった今、日本と中国が本作にとっての命綱になるだろう。

海外市場は多くの映画にとって生命線であり、北米だけが主要市場ではないことを意味するとDergarabedian氏は語る。

今回、Foxは『アバター』の時と同様の宣伝戦略を取っている。大きなスクリーン、そして通常より価格が高い3Dでの視聴をプロモーションしている。結果3Dでのチケット売上は大きな収益をもたらし、本作はIMAXデジタルシアターで国内収益の15%以上を売り上げている。批評家からの評価は高くないが、シネマスコアは『アクアマン』や『バンブルビー』と同じA-を獲得しており、映画ファンからの評価は上々だ。

2019年サンダンス映画祭から注目すべき5つのトピック

【出典】1/29/2019

https://variety.com/2019/film/news/sundance-film-festival-2019-takeaways-highlights-1203121715/Picture1

映画スタジオの代表らは、小切手を握りしめてサンダンス映画祭に臨んだ。映画祭が行われた週末は、驚異的な量の契約が一気に結ばれ、次にヒットするインディー映画を手に入れるためにハリウッドのやり手達は驚愕の金額を投げ込んだ。ユタ州パークシティで5日間にわたって行われた映画祭から注目すべき5つのトピックを見てみよう。

1.大型案件時代の再来

映画業界は今や売り手市場だ。ミンディ・カリングのコメディ『Late Night(原題)』のアメリカ配給権は1億3千万ドル、アダム・ドライバーの政治スリラー映画『The Report(原題)』は1億4千万ドルでグローバル市場契約を締結、ブルース・スプリングスティーンの楽曲に基づいた映画『Blinded by the Light (原題)』は1億5千万ドルで同じくグローバル市場契約を締結。サンダンスで大波に乗るも、劇場公開の際に大失敗に終わった『国民の創生』や『パティ・ケイク$』などを受けて、スタジオは近年控えめな動きを見せていたので、このような仰天の契約は意外であった。

. 戻ってきたアマゾン

『Late Night (原題)』と『The Report (原題)』に大成功の可能性を見たストリーミングサービスの強豪アマゾンは、大胆な映画契約に踏み切った。『Blinded by the Light (原題)』とオークワフィナのコメディ映画『The Farewell(原題)』とも配給契約を結んだ同スタジオは、トロント国際映画祭やカンヌでなかなか動きを見せなかったにも関わらず、今回強気な姿勢を見せた。前NBCエンタテイメント社長のジェニファー・サルケがアマゾンスタジオのトップに就いた際、業界では彼女がテレビシリーズに力を入れるだろうと予測されていたが、どうやら間違っていたようだ。

. 女性監督の飛躍

今年のサンダンスは女性の飛躍が目立った。ニーシャ・ガナトラ監督作品『Late Night(原題)』、グリンダ・チャーダ監督による『Blinded by the Light (原題)』、そしてルル・ワン監督による『The Farewell(原題)』など、バズった作品はどれも女性が製作した作品であった。更に、2018年の興行収入トップ100作品のうち女性監督作品はたった4本であったが、今年サンダンス出展作品の45%は女性によって監督されている。ハリウッドはこれを覚えておくべきだ。 

. ロバート・レッドフォードの引退

サンダンスの開催初日のプレスカンファレンスで、主宰者であるロバート・レッドフォードが映画ビジネスについて長々と語るのが通例であったが、今年は開会式の言葉を短くまとめて終わった。「そろそろ私がサンダンスを離れても良い時だと思う。」と、俳優引退宣言をした82歳のレッドフォード氏はサンダンスでの役目も終えたようだ。

. ドキュメンタリーの活気

『Late Night(原題)』と『Blinded by the Light (原題)』が最高契約額を得た作品ではあるが、波風を立てたのは政治界の黒幕を扱う暴露系ドキュメンタリー『Where’s My Roy Cohn?(原題)』、セックスセラピストについてのドキュメンタリー『Ask Dr. Ruth (原題)』、そしてマイケル・ジャクソンのドキュメンタリー『Leaving Neverland原題)』であった。

 

ハリウッド関係者が語る、映画業界多様化の試みとその長い道のり

【出典】11/13/18

https://variety.com/2018/voices/columns/hollywood-diversity-efforts-erwin-more-1203027859/

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私はハリウッドで働く白人だ。生まれ育ったのは20世紀フォックスとMGMのスタジオに隣接したロスの一角にあるビバリーウッドという街で、住人の多くがユダヤ系で白人だらけ、特に私の小学校には黒人の生徒は一人しか居なかったほどだ。

ハリウッドにおいて多様性というと、出演者や舞台裏の雇用機会均等化だけでなく、個性的で多種多様のストーリーを語ることにも関係する。タレントマネージャーである私自身、少数派の苦労や、長い間無縁で最近やっと垣間みえてきた機会をめぐる役者の戦いを、この目で見てきた。また多様性について私は、自分と異なる人種の人々から学んだ。こういった境遇もあって、私はハリウッドにおける多様性について書かずにはいられないのだ。

私はUCLAの学生であった18歳の時、『All in the Family』『Good Times』『Sanford and Son』『The Jeffersons』などの70、80年代のコメディードラマの制作会社TAT Communicationsや、Norman Lear氏とBud Yorkin氏によるTandem Productionでバイトをするという素晴らしい経験をした。それはまるでクリエイティビティの天国に招き入れられたようだった。UCLAに通学してはいたが、私にとって本当の教育とはTandemやTATで過ごした5年半で得た経験だ。Norman氏とBud氏の仕事ぶりを間近で見れたこと、エンタメ業界で最も洗練されたエグゼクティブと出会い、仕事を観察する機会を持てたのは幸運なことだった。Disneyの現社長Alan Horn氏やユニバーサルケーブルプロダクション プログラミング部門の現ヘッドJeanie Bradley氏らと共に働いたこともあった。二人とも親切心と知識に溢れた人物であり、私は彼らに生涯感謝するだろう。

あの環境は「クリエイティビティの工場」と呼べるような魅力的な環境で、多様性溢れる独特な文化を持つ場所であった。女性のエグゼクティブが昇格したり、脚本家が人種多様性や文化同士の衝突などをトピックとして扱うことで、テレビ番組の歴史を変えて行くのを、目の当たりにしたものだ。

大学と共にTandem/TATを卒業後、私はLarry A. Thompson Organizationでタレントマネージャーとしてのキャリアを開始した。Larryは現在でも偉大なTVパーソナリティで、私がエンタメビジネスの一員として学び成長するきっかけを与えてくれた人物である。また偶然にもクライアントの一人であったアカデミー賞・エミー賞受賞女優のシシリー・タイソンに、私は魅了された。威厳のある彼女は、以前の私には想像もつかなかった方法で役作りに励む情熱の持ち主であった。長い間私はタレントエージェントとして彼女の信頼を預かっていたが、その頃は「多様性」という言葉はハリウッドにまだ浸透していなかった頃で、マイノリティへの過小評価と不公平な雇用機会は話題にもならなかった。

彼女のような才能、名誉、受賞歴の持ち主であっても、黒人女性が役に就くことは極めて稀だということは、彼女と働き始めてすぐ学んだ。彼女の長年のキャリアの間には、仕事不足に悩む時期も多々あった。うまくいけば人種や文化の壁を破ることができるかもしれない様な機会を追求し続けること、そして威厳を保つことの重要性を彼女は教えてくれた。しかしこういった苦難を公に口にすることはなかった。代わりに、様々な目線から描かれる黒人女性の役(『サウンダー』、『ジェーン・ピットマン/ある黒人の生涯』『南部の風・南軍兵士の妻が語る100年の物語』『フライド・グリーン・トマト』『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』)を演じることによって、人種差別を世界に訴え、多くの人に影響を与えた。そんな彼女は私を、黒人関係者が多く集まるイベントにも招いてくれた。

何年も前の月曜日、偶然にもキング牧師記念日であったその日オフィスにいた私に、彼女から電話があった。「キング牧師記念日になんて働いてはいけません。私と一緒に来なさい」と言って私を連れて来たロスのサウスセントラル地区にあるその場所では、ローザ・パークス氏の大統領自由勲章授与式が行われていた。当時の大統領ビル・クリントン氏とシークレットサービス以外で白人なのは私とほんの数人のみであった。大統領だけでなく、小柄ながらにも精力にあふれたパークス氏と面会するという、大変恵まれた機会であった。

シシリー・タイソンと過ごした時間の中で、私はアフリカ系アメリカ人の文化に少しだけ触れることができた。多くの場合私がイベント参加者唯一の白人だったので、よく人生についての話を全く違う角度から聞き学んだものだった。

そんな経験から、私は様々な文化に対する独特の見解を授かった。会話や観察を通して不正義や不寛容さについて学んだ。残念ながら現在でも人種差別について見聞きする。沢山のユニークな経験や見解を共有してくれる、人種多様なクライアントたちの寛容さに私は大いに感動している。

気づけば私は様々な人種の才能溢れたクライアントに囲まれていた。映画製作者で女優のサリー・リチャードソンやソーニャ・ソーン、脚本家のTrey Ellis、俳優のReno Wilsonやダニエル・ヘニー、女優のCarla Quevedoや女優兼若手脚本家Joyful Drakeなど、多様な素晴らしいタレント達の代理人であることは非常に喜ばしいことである。アメリカでマイノリティとして生きることの複雑さは衝撃的だ。しかし人種差別は確かにこの国に存在し、私のクライアントのような勇敢なタレントらは、変化と状況改善のために戦い続けている。私は彼らとのこういった関係があるからこそ、差別社会の闇に気づくことができているのだ。

そういえば、90年代中頃のある日ニューヨークシティホテルにて、私はシシリー・タイソンと旧Premire誌の記者とのミーティングを設定したことがある。その記者は映画界においてマイノリティの立場がいかに改善されているかについて聞きたがっていた。その日の天候は嵐で、タイソンは雨に濡れた状態でホテルに到着した。郵便物を送るためホテルのフロントに向かった彼女は、発言する間も無く「配達は裏口へ回れ。」と告げられた。つまり彼女の濡れた服装と小包を見たフロントスタッフは、彼女をホテル客ではなく郵便配達人と捉え違えたのだ。威厳を持ち直した彼女はそのままホテルのダイニングルームに向かい、改善とは程遠い人種差別の現状についてインタビューに応えたのであった。

人種差別解決への道のりは険しいものだということに気づかされる彼女との経験は、リマインダーとして私の心に刻まれている。

 

ハリウッドの新しいリーダー2018:クリエイティブたち

【出典】2018/10/17

https://variety.com/2018/film/spotlight/hollywoods-new-leaders-the-creatives-1202982501/

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毎年、「バラエティ」のニューリーダー特集は、エンターテイメント業界で最も著名な新しい顔を紹介している。今年の業界を判断するために、「バラエティ」は、テレビ、デジタル、音楽、映画、法律と財政、コンテンツクリエイターに至る一連の分野中での各分野で新たな顔となる人々を選び抜いた。彼らは一緒に仕事をして数々の経験を共にして来た上司や同僚によってノミネートされた。

候補者数の年齢は全体を含め40歳以下であり、「バラエティ」はそれぞれの候補者のキャリアの方向性と進歩状況を元に判断した。果たして彼らは今後キャリアに伴うリスクを捉えているのか? 果たして彼らはどの早さで才能を開花させたのか?

彼らは革新的で、創造性にまつわる問題に対して解決策を持ち合わせているのか?

ジョン・M・チュウ氏(Jon M. Chu)

映画監督 年齢38歳

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2016年の#OscarsSoWhiteの論争時、チュウ氏は自分がスクリーン上の多様性に対し何ができるか考えた。2018年の初めに、チュウ氏の作品、「クレイジー・リッチ!」は、ロマンチック・コメディ映画部門で10年ぶりに映画の最高興行収入額を更新した。

「私はこの業界に10年間いるが、この結果は38歳の人間にとって力強く感じる」とチュウ氏は話した。「私はいつもラッキーでこの業界にいると感じていた。しかしある時、いや、私は努力したからこそこの場所にいられるのだと改めて思った。だから誰かが必ずしも作れないものを作ろうと思った」と彼は語った。

彼は現在「イン・ザ・ハイツ」ミュージカルを映画化するためにリン・マヌエル・ミランダ氏とチームを組む予定だ。チュウ氏曰くそれは「移民達の物語を祝う」ためであると言う。チュウ氏は、ハリウッドは若いクリエイターたちを「これまで以上に」必要としていると語る。この瞬間はあなたのためにある。我々は今まで以上に映画、ストーリーをこれまで伝える機会がなかった人々から聞くことを必要としている。」とチュウ氏は述べた。

リズ・メリウェザー氏 (Liz Meriwether

作家、プロデューサー 年齢 36歳

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3つパイロットTVをプロデュースしただけでは物足りないメリウェザー氏は「ニューガール」に別れを告げ、J.Jフィルビン氏と共同制作である、ABCの「シングル・ペアレント」の制作を立ち上げた。「偉大な女性クリエイターやディレクター、また俳優たちと仕事ができたのは本当に面白かった」とメリウェザー氏は話した。「ニューガールで7年を過ごした後、何か新しいことを始めるチャンスを得ることができると言うのは楽しいことだ」とメリウェザー氏はこう振り返り語った。

ヒロ・ムライ氏 (Hiro Murai

映画監督 年齢 35歳

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ムライ氏はFXの作品 「アトランタ」の制作の舵を取り、現在はHBOの 「バリー」のシーズン2を撮影中である。以前は、ドナルド・グローヴァー、通称、「チャイルディッシュ・ガンビーノ」の「アトランタ」のクリエイターとスターを含む様々なアーティストのミュージックビデオを制作していた。

ムライ氏はルールを破ることに何の問題も抵抗もないと話す。なぜなら、「わたしは守られているはずのルールさえ知らなかったからだ」と語った。彼とグローバーは真面目に、そしてステレオタイプではないアフリカ系アメリカ人のキャラクターを作り上げることに専念したと言う。

彼らのアプローチは、基本的に「もしテレビの逆をしたらどうなる?」ということから来ているとムライ氏は言う。「これらの物語は私たちにとってユニークであるが、私たちにとって正しいと感じられる方法で伝えられることが、一番実は私たちにとって本当に重要であった」と彼は話す。
マイケル・D・ラトナー氏 (Michael D. Ratner
ディレクター/プロデューサー兼CEO

OBB ピクチャー 年齢 29歳

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ラトナー氏はデジタルに特化したオリジナルコンテンツ制作会社「OBB ピクチャー」を立ち上げた。 OBBは、ジェフ・ロス氏主演、Netflix作品「Historical Roasts」、ケビン・ハート氏の「Cold as balls」、ESPNでのショーンペン氏主演の「30 for 30」と「Derby at Gonzo at the Derby」の制作を行った。

ジョン・クラシンスキー氏(John Krasinski

俳優、作家、監督 年齢 38歳

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クラシンスキー氏はNBCの 「ジ・オフィス」でジム役として有名になり、インターネットでも人気になったが、彼の監督デビュー作「クワイエット・プレス」が今年初めに3億3,200万ドルの興行収入を叩き出しハリウッドでの地位を確立した。

「今続編は計画段階にある。 作品「クワイエット・プレス」の制作を指揮していたことは確かに私の人生を大きく変えた。それは本当に特別なことであった」とクラシンスキー氏は話した。

しかし、彼は俳優として引き続き活躍中だ。彼は、シーズン2に向けてリニューアルされたばかりのアマゾンの「Tom Clancy’s Jack Ryan」に出演中だ。「もし一つ死んでもやりたいと思うことは、舞台に復帰することだね」とクラシンスキー氏は述べた。

 

マリエル・ヘラー氏(Marielle Heller

映画監督 年齢39歳

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ヘラー氏の最新作「Can You Ever Forgive Me?」は、トロント映画祭でヒットし、ヘラー氏はまたトム・ハンクス主演の「You Are My Friend」を製作中だ。女性ディレクターとして、ヘルラー氏は彼女の以前の女性作家たちと今後作家になることを夢にこの業界に入る人たちに感謝したいと述べた。

「女性たちが変わったのではありません。」とヘルラー氏は言う。

「世の中が少し変わりつつある、だんだん周りも気づいてきた」と彼女は続けて話した。

ハリウッドには今まで、素晴らしい映画とストーリーを語って来た偉大な女性監督たちがいた」とヘルラー氏は述べた。

 

ハリウッドタレント、大作出演にむけて東へ

【出典】9/25/2018

https://variety.com/2018/film/festivals/hollywood-talent-drawn-east-to-big-projects-1202942999/

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中国の映画業界が拡大し続ける中、より多くのハリウッドの俳優たちは中国の映画界で主演を演じることに意欲的だ。 しかし、これまでのところ、これらの大ヒット作のアンサンブル・キャストに参加しているトップハリウッドスターのほとんど全てが男性である。ハリウッド女優の中国での機会は、必要とされる役と限られたジャンルの欠如によって、ほとんど需要がない。しかしミラ・ジョボビッチは、次回作のアクションスリラー『The Rookies』で重要な役割を担っている。 2月にCAA中国の責任者を以前務めたJonah, Greenberg氏によると、Salty Picturesと呼ばれる北京に拠点を置くプロダクション会社を立ち上げた当初、当局は元々男性だった役をジョボビッチに与えるために手助けをしたと言う。西洋の女優に重要な役を与えるために、このような役の性別を変えたのは中国映画業界で初めてのケースだ。Alan, Yuen氏によって書かれ、監督されたこの映画は、「New Classics Media」、「Emperor Motion Pictures」、「Wanda Pictures」、「Huaxia Film Distribution」などの中国本土と香港の企業によって共同制作された。 12月21日に中国本土でリリース予定だ。 「西洋の俳優を含む中国の映画のジャンルは、戦争映画、武道映画、アクション映画であるため、通常は男性の強さを強調した役が好まれると」Greenberg氏は語る。 「観客と映画関係者は、常識を覆すことを期待している。そのため、映画の役で性別の転換が起きることは新しく、創造的で新たな突破口になる」とも語った。Yan Geling氏の『The Secret Talker』を取り上げようとしているイタリアの監督兼プロデューサーのCristiano, Bortone氏は、「中国市場は急速に発展している」と述べている。「最初はとてもランダムだったが、最近はもっと組織化されてきている。より多くの共同制作と買収、そしてロサンゼルスのエージェントやスタジオからの中国映画制作への参加が増えれば、今後数年でより多くの交流が生まれるだろう」とBortone氏は語った。 夏に公開された『アニマル・ワールド』と今後上映予定の『Unbreakable Sprit』が、中国のプロダクションにいるハリウッドタレントにスポットライトをあてている。オスカー賞を受賞したマイケル・ダグラスが主演するアクションファンタジー・スリラー映画の『アニマル・ワールド』は、6月下旬の公開から8月27日までで5億1000万元(7,500万ドル)を記録した。 一方、第二次世界大戦の叙事詩を元に制作された、『Unbreakable Sprit』は、10月26日に中国全土で公開予定だ。この映画はブルース・ウィリスとアドリアン・ブロディをアンサンブル・キャストとして起用していることが売りの一つだ。この映画はすでに金融的苦境に陥っている−映画の元々の投資会社の一つである、上海河北フィルム&テレビインベストメント(Shanghai Hehe Film&Television Investment Co)が逃げ出し、同社の親会社である上海九龍インベストグループ社の元トップであったShi Jianxiang氏が国外へ逃亡した。さらに、 2016年3月に『Ip Man 3』を取り巻く興行収入詐欺スキャンダルと関連して、Jianxiang氏は中国の国際指名手配リストに入っている。この映画はまた、「陰陽契約」スキャンダル(タレントが課税所得を逃れるために二重契約をしたとされる)に関与しているとされているが、同社はそのような主張を否定した。 2001年にフォン・シャガオン監督の風刺的なコメディアで、中国で撮影された『ハッピー・フューネラル』中でハリウッドヘルマー役を演じたドナルド・サザーランドは、中国映画の大作に初めて出演したハリウッドスターの一人である。この後、ハリウッドの他の俳優たちが、サザーランドの後を追って中国映画に出演したのはのちの10年後となる。

ケビン・スペイシーは2011年に心理コメディードラマ、『Inseparable』に出演した。ヒュー・ジャックマンはウェイン・ワン監督とウェンディ・マードックが共同制作した歴史ドラマ『雪花と秘文字の扇』で中国人キャストと共に参加した。クリスチャンベールは、チャン・イーモウ監督の戦争の映画、『金陵十三釵』の司祭役で登場した。チャン監督はまたファンタジー叙事詩である映画、『グレートウォール』(2016年)でマット・デイモンとウィレム・ダフォーを中国に連れ、PRを行なった。この中国と米国の共同プロダクションは中国国内では、好評を博したが、米国では4550万ドルの収益しか上げることができず、結局満足する結果には至らなかった。

2002年の『戦場のピアニスト』のオスカー受賞者のブロディは、おそらく中国で最も親しみ深いハリウッド俳優だ。彼はフォン・シャガオン監督の歴史ドラマ『Back to 1942』(2012)、また後者ではジャッキー・チャンとアクションファンタジー映画の『ドラゴン・ブレイド』(2015)に登場した。彼はまた、2014年に中国の財政的支援を受けて、プロダクション会社Fable Houseを立ち上げた。ティム・ロビンズも『Back to 1942』に登場した。ジョン・キューザックはゴン・リーと『シャンハイ」(2010)に出演し、その後中国に戻り『ドラゴン・ブレイド』を撮影した。 アクション満載の愛国ドラマ『Wolf Warrior 2』のダブル主役を演じたフランク・グリッロは、「中国映画で初めて演じた役は、その映画が中国最大の興行収入を樹立した後、私のキャリアを大きく変えた」と語った。オスカー賞を受賞したことのある、俳優のニコラス・ケイジも、『アウトキャスト』で中国市場への進出を試みたが、2014年にリリースされたその映画はわずか1日で上映が取り止めになった。公開は6ヶ月後に延期されたが、思ったようには行かなかった。 上海を拠点とする批評家ボノ・リー氏は、「ハリウッドブランドは国内の制作スケールを高め、プロデューサーは、制作が「国際的」であり、より魅力的なものだと投資家に主張できるようになった」と話す。最新のトレンドは、制作量が増えれば増えるほど、関係する投資家とプロダクション数が増える。事実、「Wolf Warrior 2」だけで約20社が参加した。 ハリウッドタレントの流入が増えている、とBortone氏は言う。今のところ、大作の大部分は、男性が主演のアクションかファンタジー、また男性の俳優の需要が高まってきている。「しかし中国では、将来何かが起きるだろう」と彼は述べた。

加速するストリーム配信競争:一体なにが起きているのか

【出典】2018/9/6

https://variety.com/2018/digital/features/ott-streaming-wars-accelerate-whats-working-and-why-1202926702/

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CREDIT: CBS

去年のアップル、ディズニー、そしてウォルマートの参入が、会員制のオンラインビデオ配信市場に与えた影響は計り知れない。これらの会社の参入が従来のケーブルテレビに対してどのような影響をもたらしたかを、我々が一概に把握することは簡単ではないだろう。しかし、その市場の成長を支えているか何であるのか、という答えは見つけることができるかもしれない。

我々はあらかじめ、9月6日にビバリーヒルズでVariety主催の「エンターテイメントとテクノロジーサミット」に向けて、質問を事前に用意した。そのイベントでは、従来のケーブルテレビや衛星放送以外での方法での映像配信を、市場最先端の視点であらゆる角度から切り込む予定だ。

ハリウッドは長くからこの新たな映像配信市場に目を付けてきた。市場に対する期待も大きい。先日ボストン・コンサルティング・グループは、市場の利益が2022年までのこの先5年間で30億ドルに達する見込みとの発表をした。そのため、大手のショービジネスもこの市場の成長に目を付けている。

「我々は今成長加速過程にいる。」とTony Goncavles氏は語った。Tony氏はサミットのスピーカーであり、またAT&T-が保有するアニメを中心とした映像配信を行っている会社Otter Media のCEOでもある。従来の消費者向けのビジネスを超えてディズニーなどの急速に台頭する映像配信サービスを売りの一つにしている。「毎日新しいアイディアが思いつくのだ。」とTony氏は加えて語った。

ダラスを拠点にするParks Associatesによる市場調査によると、現在約200社を超える映像配信会社が存在しており、「例え会社が、ニーズに適した独自の映像配信サービスを保有していたとしても、会員を集められずに停滞する場合が多く存在する。」とHunter, Sappington氏は語った。

専門家たちは、他にはないコンテンツを配信することが、数多くの会社が存在する中で埋もれずに積極的に会員を獲得することに繋がる、と語る。それゆえ、Netflixや Huluといった大手映像配信会社は、自社のコンテンツに多額の投資をしている。またアップルはReese Witherspoon氏、 Jennifer Aniston氏やスティーヴン・スピルバーグ氏といった大物と共に、大きなプロジェクトを進めることを検討中だ。

CBSは現在、テレビ放送から図書館などのすべての配信ツールで視聴可能である新たなプログラムの作成に取り掛かっている。エミー賞を獲得した作品、『The Good Fight』や『The Good Wife』がオリジナルコンテンツとして18ヶ月に前配信された。また『Star Trek』の最新作と共に、Jordan, Peele氏による『The Twilight Zone』のリブート版を制作中だ。最新作、『One Dollar』は題名通り一ドル札とRust Beltの殺人事件が関連付けられていて、またプレミアムケーブルの番組っぽい物語調である。CBS の代表取締役、Marc DeBevoise氏は「我々は市場のトップに立つため、従来と異なった方法を駆使して、ナンバー1のプレミアムサービスを確立するつもりだ。」と述べた。

CBS All Access は今現時点で250万の会員がおり、今年の末にはオリジナルコンテンツを7つも配信する予定だ。DeBevoise氏によると、今年はすでに前年比の二倍以上の会員の獲得に成功しており、2022年までには会員数が800万人に達する見込みだという 。

「競争率が非常に高いと感じている。ここは簡単に一人独り占めできる市場ではないからだ。」と彼は言う。

確かにアメリカ国内では、約5600万人の会員を保有するNetflixの明らかな一人勝ちだと見える一方、消費者の多くは複数のオンライン映像配信サービスとの契約を結ぶことに前向きな姿勢を見せている。Parks Associates社によると、若い世代の約4分の1が3つ以上のオンライン映像配信サービスとの契約を結んでおり、そのうちの半数が少なくとも2つ以上の会社との契約を結んでいる。アメリカ全体では、オンライン映像配信サービスに加入している会員の17%が3社以上と契約しており、約69%もの人が少なくとも1社に加入している。

「NBCUniversal」のように視聴者のターゲットをあまり広くせずに映像を配信する方法を駆使すれば、ニーズに適した市場がまだまだ存在するようだ。Otter Mediaはゲームやアニメのファンを中心とした会員が2万人おり、彼らを通じてイベントや商品の展開を行っている。「我々は独自の市場を開拓している。誰かにとっての“すべて”になりたい。」とGoncalves氏は語る。

またViacomは、同社のNickelodeon cable TVと低学年の子供達をターゲットにしているストリーミングサービスNogginとの組み合わせが、非常に良いシナジーを生むことを発見している。「とってもうまくいっている。」とViacomのビジネス開発副担当でサミットのスピーカーでもあるTom  Gorke氏はそう語った。「両親たちは幅広いコンテンツを求めている。」と彼は話す。また彼は、ビジネスモデルを増強する要素として、確立されたブランドは配信プラットフォームと影響を与え続けるだろうと考えている。「私がこの複数の配信プラットフォームを持つことに賛成である理由の一つとして、消費者に幅広い選択肢を与えるだけでなく、彼らが好む方法で映像を視聴できることが魅力的だ。」と彼は話した。