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日本映画の新時代が始まる

【出典】2019/05/15

https://variety.com/2019/film/global/cannes-japan-toho-studio-ghibli-1203215689/

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日本で新時代を迎えるにつれて国内映画産業は復興の道を辿っているものの、長期にわたる衰退を経てデジタル時代は新たな課題を抱えている。4月30日の明仁天皇の退位により、日本は新時代を迎えた。1989年の明仁様の即位により平成が始まり、2019年5月1日に明仁様のご子息徳にあたる仁様の即位で令和の時代が開始した。

日本最古の映画雑誌キネマ旬報で平成と昭和(1926-1989)の日本映画を振り返る特集が組まれた。1960年代初頭に始まるテレビブームをきっかけに、1989年に日本の映画産業は長期衰退を迎えていた。1957年には戦後最大の10億9,900万人の年間入場者数を記録したが1989年には1億4,350万人まで下落した。そして日本映画製作者連盟によると国内映画のシェアは1970年の78.3%から46.6%へと下降。

平成初期の映画産業は、復興よりも衰退が呼称として適当であったが、人気アニメに夢中になった子供を除き多くの子供がハリウッド作品に夢中となった。予算は限られ、日本の商業映画は苦しい状況に陥った。

30年という年月でどのような変化がもたらされたのだろうか。2018年には入場者数が1億6,900万人まで伸長。日本映画は55%のマーケットシェアを獲得しており、11年連続で海外の競合を打ち破っている。また、新作映画が613本公開され、スクリーン数は3,561スクリーンまで増加。1989年の公開本数は255本、スクリーン数は1,912スクリーンであった。今年の国内興行収入ランキングでは『映画ドラえもん のび太の月面探査機』『マスカレード・ホテル』『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』などの国内映画が上位を占めており、ハリウッド映画への対抗心を燃やす。

ベテラン・アナリストオオタカヒロオ氏は、日本映画の復興についてこう解説する。

「1993年のシネマ・コンプレックスが復興の鍵となった。映画館という言葉がシネマコンプレックスを意味する時代に我々は生きている。」

現行の多種多様の映画が公開されているシステムはファンの熱い支持、特に若年層の心を掴んだとオオタカ氏は指摘する。また、日本の映画スタジオが系列のシアターチェーンに対し自社映画を強引に公開させる手法も終焉を迎えるだろう。観客の需要に上映スケジュールを適応させるマルチプレックスの柔軟性は、ブーム前に比べヒット映画が稼ぎやすい環境をもたらした。そして、日本の映画産業もヒット映画の生み出し方を学んでいた。

業界大手の東宝を中心に大手スタジオは、ヒットした漫画や小説,テレビドラマを原作とした映画を余すことなく製作、公開している。

今日では、多くの映画でメディア企業がリスクと利益を共有する製作委員会方式が採られている。製作委員会方式は1970年代に開始。フジテレビと東宝がタッグを組み人気テレビシリーズの踊る大走査線の映画化が行われ、主演の織田裕二が湾岸署の警官役を演じた。2003年の2作目『踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN2』は、興行収入150億円を突破し、未だ破られることのない実写映画の最高記録を打ち立てた。もう一つの大きな存在として、1985年に宮崎駿監督と高畑勲監督、プロデューサーの鈴木敏夫氏の3名により設立されたアニメーションスタジオ スタジオジブリが挙げられる。1989年のスマッシュヒット『魔女の宅急便』を皮切りに、ジブリは老若男女に受け入れられ、かつ興行的な成功を収める映画を数々生み出しアニメーション業界の常識を覆した。

20年以上に渡り、ジブリ映画は国内外共に存在感を示してきた。2001年の『千と千尋の神隠し』では興行収入2.75億ドルを記録。日本での興行収入ランキングで堂々の1位を獲得しており、現在もその記録は破られていない。宮崎駿監督の才能がジブリの成功に欠かせなかったことは言うまでもないが、鈴木氏の抜け目のないマーケティングと日本テレビ系列との提携も大きく寄与した。平成を振り返る際には、ゴジラシリーズも忘れてはならないだろう。1985年に10年の歳月を経て公開された『ゴジラ』を1作目として平成ゴジラシリーズが始まる。

アメリカに拠点を置きゴジラシリーズを大々的に取り上げたFangoria magazineのNorman England氏は、平成ゴジラシリーズは以前のシリーズと比較すると大人向けの映画に仕上がっており、日本は大人に受け入れられる作品を作る国として世界トップレベルであると賛辞を贈る。大人向けという方針が功を奏し、年間の国内興行成績のトップ10には必ずランクインされる人気を誇った。

その後に1999年から2004年までにミレニアムシリーズと呼ばれる6本を製作したものの、最後の『ゴジラ FINAL WARS』が失敗に終わり、ゴジラシリーズは12年間の凍結期間を迎えた。

庵野秀明総監督と樋口真嗣監督のタッグで実現した12年ぶりのゴジラシリーズ『シン・ゴジラ』は、造形物の中に人が入って演じるという従来の撮影方法に囚われることはなかった。全てCGで映像化されたゴジラや官僚や科学者,自衛隊などの登場人物が受け、今までのゴジラシリーズ28作品全てを上回る7,400万ドルを稼ぎ出した。

映画業界の復活に貢献した同作だが、令和の時代も引き続き復興の時代となるだろうか。

東京国際映画祭でフェスティバル・ディレクターを務める久松猛郎氏は、取り組む必要のある問題を把握している。

久松氏は今後の日本映画について次のように述べる。

「私たちは日々の生活でデジタル技術に取り囲まれており、映画製作も乗り遅れてはいけない。優れた原作も数が限られているためオリジナル脚本を宣伝する必要性も生じてくるのに加え、海外市場に向け海外パートナーも増やしていくべきである。最終的には若手クリエイターのスキルを向上させ新しいチャレンジができるようにサポートしなければいけない。」

しかしながら、新たな構想は現時点では出て来ていない。

「ゴジラ」法廷闘争でプロデューサーの弁護士がLegendary は立場が弱いと発言

【出典】06/03/2014

http://www.deadline.com/2014/06/legendary-vulnerable-godzilla-lawsuit-producers-lawyer-says/

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1年も前ではないが、Legendary PicturesはプロデューサーのRoy Lee氏とDan Lin氏、Doug Davison氏によって、作品 “Godzilla” から不当に解雇されたとして訴訟を起こされた。調停にて決着が着かず、スタジオがプロデューサー側の訴訟における詐欺のクレームを取り消すべく先週申立書を提出したが、プロデューサー側が応じなかった。「思うに、Legendary Picturesはとても立場が弱いようである。」と、ロサンゼルスにあるLiner Grode Stein Yankelevitz Sunshine Regenstreif & Taylor の Stanton L. Stein氏(プロデューサー側の弁護士)は述べる。「この裁判を遅らせるためなら、過去にも同じような失敗をした通り何だってするだろう。スタジオ側は権利を必要としており、我々を使って手に入れようとしている。スタジオは130万ドルとFirst-Dollar Gross、そしてプロデューサークレジットを提示している。」また、彼のクライアントがGodzillaの大画面での再公開を成功させるためにスタジオと契約を結んでいると付け加えた。「スタジオ側は約束をするだけして、果たさなかった。」と。

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Legendary Picturesは、先週提出した申立書をもとに、攻撃的な態度を取った。「申し立てによると、JashniとLegendary Picturesは2009年と2010年の頭に取り付けられた約束、訴訟内容にある作品に関わる上で良い待遇を与え、プロデューサーにも信頼と保障を与えるという意図の約束ではなかったと主張している。」とKinsella Weitzman Iser Kump & Aldisert LLPのLegendary Picturesの顧問弁護士は妨訴抗弁でこう語った。このようないい待遇はエグゼクティブの役割であると宣言しているメールが送られたという主張に対して、Legendary Pictures が6月31日の聴取で求めた。訴訟額が100万ドルにのぼる問題になる可能性があるため、彼らの裁判は2015年5月17日に決着が着く予定だ。全ての法律闘争が行われている中、Godzillaは5月16日に公開され、世界で3億7500万ドル以上の利益を得た。

2013年1月9日、Legendary Pictures は 2万5千ドルでこのメガモンスター映画からLin氏とLee氏、そしてDavison氏を解雇するとして告訴した。Legendary Picturesによると、この少額の支払いはプロデューサーとThomas Tull氏のスタジオの間では2011年のプロデューサーのローン合意が期日だったようだ。会社側が告訴したプロデューサーは、映画に対する仮の差止命令を発令しようとしており、昨年の1月17日の逆告訴の際の契約違反として申し立てをし、反撃に出た。3名は賠償請求として数百万ドルと、スクリーンクレジット、映画Godzillaへの参加、もしくは日本企業である東宝からのキャラクターをその他のリメイク版Godzillaにて使用するという権限を要求している。

裁判所命令の調停から数ヶ月経過した今年の3月4日に、カリフォルニア州の控訴はLegendary Picturesの調停における全てを世間の目から遠ざけたいというもくろみを否定し、公判の日程が決定した。現在、Legendary Picturesはプロデューサー側の裁判を終わらせるため、裁判における理由の内の4つを狙い撃ちしたい考えだ。

「JachniとLegendary Picturesは、3年後にはGodzillaのプロデューサーとしての裁判を棄却するだろうと2009年と2010の初めに考えていたが、長い協定書の提出以後、プロデューサーとして映画に参加する旨がプレスリリースで発表されており、裁判の棄却は全くの詭弁となった。」と、1年にも及ぶ裁判を起こしたプロデューサー側に対してLegendary Picturesは最新の申立書にてコメントした。「この要求は裁判によって生まれたJashniに対する敵意でしかない。彼らの動機が何にせよ、この詐欺の要求は効果的な特徴として弁護されることはなく、退けられるべきである。」と。

翌月末に何が起こるか見守る必要がある。

『ゴジラ』から学ぶ4つのヒット要因

【出典】2014/5/19

http://variety.com/2014/film/news/godzilla-4-box-office-takeaways-from-a-monster-opening-1201186375/

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『ゴジラ』が公開された週末興行収入は米国内で9320万ドル、全世界興行収入は1.34億ドルを記録し、他作品を寄せ付けない勢いで幕を開けた。

誰もが知るモンスター作品のリメイクの記録的なオープニングは業界人をも驚かせた。成功の要因として、手の込んだマーケティング手法、無名監督の任命、高い口コミ効果があると言われている。

「リアリティーの追及、作品のトーン、より広い年齢層が共感できるストーリー作りがこのような結果を生んだ」とLegendary Picturesの社長兼Chief Creative OfficerのJon Jashniは言う。

公開後の週末興行収入は6500万ドル〜7000万ドルだと言われていたが、週末に突入すると一気に「ゴジラ」に対する関心度高まり、それが興行収入に反映された。

「記憶に残る良質な映画は期待通りの結果を出す。「ゴジラ」は誰が見ても楽しめる要素が詰め込まれた映画だった。」とWarner Bros.社の米国内配給のPresidentは述べた。「暴力的描写が少ない作品なため、家族をはじめ、どのターゲットでも楽しめる内容になっている。」

当然ながら既に水面下では続編の計画が進んでいる。しかし、「ゴジラ」作品はヒットが元から約束されていたわけではない。悪評だった1998年版のリメイクで監督を務めたRoland Emmerich氏に聞いてみるといい。

ここで改めて最新の『ゴジラ』が成功した5つの本質的要素を述べてみた。

マーケティング、マーケティング、マーケティング

『ゴジラ』の予告編やポスターは、最初ゴジラの怪獣がメインであった。しかし、ブライアン・クランストン(Bryan Cranston)や渡辺謙、サリー・ホーキンス(Sally Hawkins)などベテラン俳優の折衷的なキャストも重要だった。特にクランストンは、彼が主演する超ヒットテレビ番組『ブレイキング・バッド』が最終回を迎えたばかりのため、名残惜しい国民は彼との再会に目を輝かせたに違いない。

「プロデューサー陣は素晴らしい仕事をした。コアなファンをただ集めるだけではなく、ブライアン・クリンストンや『ブレイキング・バッド』に興味を持っていたかもしれない幅広いオーディエンスを魅了したのだ。」とB. Riley & Coのメディア・エンターテインメントアナリスト、Eric Wold氏は言う。

準備された宣材は、この映画が恋人、親子、夫婦、それぞれが互いを守り、必死で生き抜こうとする姿を描いている怪獣映画であることがわかるようになっている。

MKMパートナーズのメディア・エンターテインメントアナリストであるEric Handlerは以下のように述べた。「彼らは、単なる怪獣が出る映画以上のものを作った。予告編では、共感できるキャラクターの成長物語が描かれており、単なるCG祭りではないことが明らかだ」

映画のレビューは非常に好評で、映画評論家の映画レビューをまとめたサイトRotten Tomatoesでは、73%が「新鮮」と高い評価を付けている。そしてWarner Bros.社とLegendary社共に、ソーシャルメディア上の反応は大半がポジティブな発言だと述べている。

Warner Bros.社のFellman氏は「この作品が今春に開催されたCinemaConで期待を遥かに超える作品のできに関係者やファンの度肝を抜き、映画の人気を不動のものにさせた」と話す。

「CinemaConに集まる関係者は比較的年配の男性が多かったのだが、反応が素晴らしかった。作品のヒットを確信し、一気にマーケティング活動を強化した」とFellmanは言う。

監督Gareth Edwardsは一流映画監督の仲間入りを果たした

もし『ゴジラ』の監督が温めているパッションプロジェクトがあるのだとすれば、明るみに出す日が来たかも知れない。街中のスタジオが彼と仕事をすることを望んでいる。

ゴジラの監督に大抜擢されたEdwards監督はインディーズ系のホラー映画『Monsters』の監督として知られていたが、50万ドルで制作したその映画の予算は、1.6億ドルで制作した『ゴジラ』のベーグル費にも満たないであろう。しかし彼は関係者のハートを射止めたのだ。Edwards氏は怪獣が圧倒的な力で街を破壊する姿を描きながら、スター俳優陣が演じる家族愛を見事に描いている。求められているシーンを正確に描くIQが高い監督である。

プレミアム配信フォーマット

Imaxと3Dでの上映は、予想以上に好調でファンたちは群がった。観客は、より大きなスクリーンで、より良質なサウンドシステムを求めて米国内のImaxだけで141万ドルの興行収入を得ている。昨年の夏に『マン・オブ・スチール』以来の快挙だ。全世界でImaxは216万ドルの興行収入に貢献している。

『ゴジラ』はImaxを意識して制作された作品だ。作り手の本当の意図を感じたいのであればImaxで観るほかない。それは『ゼロ・グラビティ』やクリストファーノーラン監督作品にも同じことが言える。

シャンパンボトルを掲げて喜んでいたのはImax系の映画館だけではない。近年3D上映の興行収入が減少している。『ゼロ・グラビティ』を機にまだ客入りの順調に増え始め『ゴジラ』ではついに3D上映が米国内興行収入の51%を占める割合になった。また除々に3D映画体験の素晴らしさやその可能性に気付き始めているようだ。

スーパーヒーローものから必要だった息抜き

1954年に初代作品が公開されて以来何度もリメイクされてきた『ゴジラ』が独創的な作品だと表現する者はいないだろう。しかし、近年のマーベル社に観るようなスーパーヒーローアクション映画とはまた一味も二味も違った楽しみ方を提供してくれる作品であることは間違いない。

何度もリメイクされた映画を新鮮と表現するのも不思議だが、確実に目新しいものとして捉えられ、観客の足が動いたように見受けられる。BoxOffice.comのVice PresidentでChief AnalystのPhil Contrino氏は言う。「スーパーヒーロー映画は成功しているが、毎週観に行こうと思う人は少ない。時には違った刺激を与えてくれるアクション映画を観客は求めている。」

『ゴジラ』、早くも続編が決定

【出典】2014/5/18

http://www.deadline.com/2014/05/godzilla-2-sequel-warner-bros-legendary-gareth-edwards/

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公開後の週末興行収入が全世界で1.03億ドルを突破した『ゴジラ』は2014年の公開作品の中で最大のオープニングを記録した。この速報を受けてLegendary Pictures社とWarner Bros.社が既に続編の計画を開始したということが確認できた。

 イギリス出身の監督Gareth Edwards氏は、スターウォーズやスティーヴン・スピルバーグ作品を見て育った37歳の若い監督だ。60年間の歴史の中でゴジラは何度も映画化されている。1954年に公開された初代作品は着ぐるみを着た人間がゴジラに扮して暴れるというものだったが、国や言葉問わず世界中の観客を魅了した。またハリウッドでは1988年にプロデューサー兼脚本家のDean Devlin氏と監督Roland Emmerich氏によってリメイクされたが興行収入は公開後、週末興行収入が4400万ドル、最終的には国内で1.36億ドル、そして全世界で3.79億ドルを売り上げた。今年公開されたゴジラはその倍を稼ぐ勢いを見せている。

Edwards監督は続編について、第一段と同じような構成を考えていると言う。スピルバーグ作品にあるように、前編にモンスターは登場することはなく、その存在や恐怖について語り実際の登場シーンまでテンションを少しずつ上げて行く。Edwards氏はLegendaryのプロデューサーThomas Tull氏に感謝しているという。彼は、ゴジラを手掛ける前は、実績がたった興行収入200万ドルのMonsterの無名監督であったEdwards氏を信用し、作品ゴジラを任せたのであった。

作品公開前から続編の可能性が囁かれていたが初日の興行収入結果で確定となった。なんせ、Edwards氏が制作した前作の最終興行収入を初日の全国一公演で越えたのだった。脚本はMax Borenstein氏がDavid Callahamのストーリーを元に仕上げた。Legendary社のAlex Garcia氏も監督や脚本家のサポート役として大きく貢献したと言われている。

同作品のマーケティングPRも素晴らしかった。Legendary Pictures社内のPRチーム(Emily Castel氏、Barnaby Legg氏、Matthew Marolda氏、Peter Stone氏)がWarner Bros社と緊密に協力し、Trailer Park社やIgnition社が制作する予告編からプリント、そしてアウトドアメディアのクリエイティブ管理や戦略構築を行った。複数展開を行った予告編はどれも素晴らしく、Legendary社と共に全体管理を行ったGene Garlock氏には敬意を表したい。

改めてゴジラが初日から打ち立てた記録について触れたい。特別試写として一般に全国で上映された木曜夜の一公演で930万ドルの興行収入から始まり、その勢いは週末を通して衰えることはなかった。IMAXの興行収入1410万ドル(米国内興行収入の15%)は2014年で最大である。また全世界でIMAXから得た興行収入は全体の51%とこれも非常に高い数字を打ち立てた。

『ゴジラ』の監督、リメイクが成功するように心がけた8つのこと

【出典】2014/5/14

http://www.wired.com/2014/05/godzilla-director-gareth-edwards/

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ゴジラの戦いぶりはタフであると感じるであろうか? ゴジラという映画について考えてみよう。

巨大怪獣ものの文化はいくつもの世代を跨いで同じように続いてきたのではなく、東宝の映画のように非常に良くできたものもあれば、Roland Emmerichの映画のような駄作も産み出されてきた。もしあなたがGareth Edwardsのように若いイギリスの映画監督ならば、周りの人々が「私はゴジラが大好きだ。台無しにするなよ。」と囁き、ゴジラの存在は完全な善であるのだ、という高圧的な圧力が襲い掛かってくるだろう。

「大作を任せられているプレッシャーは大きい。観客や撮影スタジオは容赦なく圧力をかけてくる。」EdwardsはSouth By Southwestにて、そう語った。一方で「だが、自分自身がかけた圧力に比べたら何でもない。こんな大作に監督として関われる機会はもう人生で一回切りだ。『ガレス、しくじるな。』と暗示をかけてるんだ。」とも語っている。

「納得した映画にするために、EdwardsはLegendary Pictures社のThomas Tull社長と共に練りに練った映画にしようとしているんだ。」過去にも、彼は1954年に核爆弾による広島での悲劇を再現しようとしていた。その映画は人類が自然をコントロールできると思い上がっていた頃の悲しい備忘録になった。

ゴジラは救世主なのか悪魔なのか。「それは、ハリケーンは善か悪かと問いているようなものだ。」Edwardsは言う。「それはただの自然現象なのだ。議題にあげるものでもない。」

WIREDはSXSWの際、彼に自分のビジョンと怪獣映画の歴史を上手く重ね合わせたゴジラ映画をどのようにして作り上げたのか。その点についてインタビューしてみた。

Edwardsは1954年の原作のゴジラのファンであるが、イギリス映画協会がそれをリリースする数年前まで見たことがなかったという。「ゴジラを見るまで、その映画がどれほど核心を突くものであるかはわからなかった。私は広島についての映画を作ったが、仮に当時の日本人が広島についての映画をつくることが出来たならば、私が作った映画以上の良作になったであろう。」「だが、当時は検閲も厳しく、第二次世界大戦の映画を作ることはできなかった。だから怪獣映画でそれを表現しようとしたんだ。ただ広島での悲劇についての映画であったのならば、未だに重々しく、暗いものであっただろう。そしてそれは時代を超えて受け継がれる映画になったはずだ。」同様のメッセージを伝えるためにゴジラを制作しているわけではないが、彼は感情的に同じ想いを訴えかけようとしている。

「原作に忠実なゴジラにしたいとは考えているが、それによって私たちが伝えたい想いが憚れることはない。この種の映画の重要な点は、全ての人々に訴えかける、ということだ。もともとのファンが楽しむことはもちろんだが、作品を通して、それまでゴジラに関心のなかった層に訴えかけることも従来のファンは望んでいるだろう。」

現代版ゴジラは、自然災害をモチーフに。

ゴジラの原作が戦後に誕生してはや60年。しかし、Max Borensteinの脚本やEdwardsの映画の中にその素晴らしさは受け継がれている。「我々の作った映画が何を意図しているのかは必ずしも重要ではなく、放射線を吐き出す化け物たちに注目していただきたい。」Edwardsは言う。「長年口を酸っぱくして言っているのは、『持つことが許されていないものを持ち、開発できない武器をも開発出来る。』ということだ。」と付け加える。「突然放射線を吐き出す生き物が現れ、街中をむちゃくちゃにし、我々は何とかしようと必死になっている。こんな状況が現実化したら一体どうなるだろうか。」

「上手くいけば、この映画を見に足を運び、何も考えずにただ、怪物映画として楽しんでもらえれば、多くのファンを獲得できるはずだ。しかし、私が愛する良質なSF,ファンタジー、お気に入りの怪物映画はおしなべて観客に重石を与える。我々はそのポイントを見つけ、映画の中に取り入れようとしているのだ。」

この映画が評価されるということはゴジラの怒りが優れているということ。

Edwardsにとって、ゴジラは単なる「自然現象の表れ」である。ゴジラは自然災害のようなもので、地球をボロボロにしてきたという人類の恐れの物理的形状の現れなのだ。「偉大なホラー映画や恐れている物を全て見たとしたら、まず罪悪感が襲ってくるだろう。だから映画の始めに自分たちのせいだと、我々が罪悪感を感じるような些細な事を盛り込んでみました。自分の行いが間違っていると気づいた時、恐怖心が襲い掛かってくるのだ。」

より怪獣らしさを加える。

最初のゴジラのトレイラ―が落ちた際に最も驚いたことは、他の怪獣の存在が判明したことだ。その存在はこの映画に不可欠であり、Edwardsがディレクターになる以前にその登場は決まっていたことだった。総合プロデューサーのトーマス・タルでさえ「我々がゴジラという映画を思いのままにすることは出来ないし、他の敵と戦わせることだって出来ない。」と言った。またこうも言った。「それは、ルール1である」と。

説得力のあるBreaking Badのスター。

映画、「ゴジラ」の大きな目玉の1つは「Breaking Bad」における「Walter White」として重要な役割を演じたばかりの大スター、Bryan Cranstonの登用であろう。Edwardsは「最初は出演を渋っていた彼も、台本を贈り、彼の配役を示し、怪物の特徴を説明すると、彼は首を縦に振ってくれた。」と述べた。「彼は、以前にゴジラのリメイクとしては駄作と呼ばれる映画もあったため、慎重になっていたのだろう。私はそんな映画を作る気は毛頭ないがね。」とも述べた。「我々がゴジラ映画を作る際に、それが正しいものなのかどうか誠心誠意努力した。我々のその慎重さを見て、映画に出演することを決めてくれたのだろう。彼の演技力は驚異的なものがあるから神に感謝しないとね。」と付け加えた。

ゴジラの産みの親、東宝からの援助

ゴジラは元々日本の映画会社、東宝が製作した映画である。東宝は今なお版権を所有し、積極的に保護し、Edwardsの映画にも一緒になって耳を傾けてくれた。 Edwardsは東京の東宝のスタジオにも足を運び、東宝はゴジラのオリジナルの轟音のオーディオファイルを彼らに渡し、そうすることで、彼らは「象徴的な鳴き声である、Dolby Atmos版の声を作成することができる。私が1番の楽しみはYoshimitsu Bannoに会うことだった。彼は「ゴジラVSヘドラ」を製作した人なんだ。」こう続ける。「彼に会った時、彼は誇らしげにこの本を見せてきた。私は彼は何故私にこの本を見せてくるのだろうか。そしてその映画は今まで作られた映画の中で最低のものであるようにみえた。しかし、彼は全く気にしていなかった。というのも彼はあの伝説の日本人監督、黒沢明の弟子であり、偉大な映画を数多く所有していたからである。

日本での成長を狙う。

東宝は「その映画には興奮を覚えるよ。是非応援させてくれ。」と言っているんだ、とEdwards。彼が最も望むことは彼が作ったゴジラを日本国内でも成功させたいということだ。「どの地域よりも日本で成功させたい。真の意味で『ゴジラ』と呼べるものにしたいからね。」

ゴジラは今作のみで十分なパフォーマンスが発揮できるように仕上げる。もっとも続編を製作する意思がないわけではない。

近年ハリウッドは全ての作品にフランチャイズを認める方向にシフトしているようだ。Edwardsは彼の映画についてはそのように考えたくはなかった。続編の準備はしてあるかと尋ねられれば、「そのような準備はしていない」という。彼は偉大な続編というのはその映画の権利が自分のもとになければならないと考えており、だから、次はどうしようか、などと考えることはない。ただ次のキャプチャーをどうしようかなどと考えることに焦点を置くのだ。「私はこの映画を完全に独立した一本の映画にしたかった。その映画が始まり、そして終わる。ただそれだけで完結されるのだ。良い作品を製作し、観客がそれを好きになる。そんな幸せなことがあれば、続編は作られる。我々がこの映画の中でたどり着くことができた道はたくさんある。我々はこの道を選んだ。それが原作であるからだ。しかし、いったん世界を作り上げたら、人々がどう反応するのかわからない。その反応を受け入れるしか他ないのだ。