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CinemaConから得た大きな教訓:多様性、Disney、Netflixの脅威

【出典】2019/3/4

https://variety.com/2019/film/news/cinemacon-takeaways-disney-streaming-netflix-1203180705/Picture1

ハリウッドの映画スタジオが劇場主や映画業界に向けて今後のラインナップをお披露目するCinemaConがラスベガスで開催された。しかし、高齢化する視聴者から、スマートフォンを大画面にすることを好む新世代まで、業界が取り組まなければならない本当の脅威もある。CinemaCon 2019で得た要点は次の通りである。

あまりにも大きすぎるDisneyとFoxの合併

ディズニーでさえ、21世紀フォックスの映画・テレビの資産の多くを713億ドルで買収したことで、その規模が大きくなったことに驚いているようだ。ディズニーの映画チーフであるAlan Horn氏はプレゼンテーションで出展者に、「まだ、これらの問題全てに悩まされており、どうにか解決しようとしているところである。」と語った。現在、20世紀フォックス、ブルースカイ、フォックスサーチライトのようなレーベルがピクサー、ルーカスフィルム、マーベルの仲間入りをしている。ディズニーのマーケットに対する支配力は、ますます強くなる方向に向かっている。ディズニーは国内の興行収入の半分近くを独占し、世界で最も人気のある映画のフランチャイズの大部分を占める。また『スターウォーズ』から『アバター』まですべてを網羅する。ディズニー・スタジオが提供できるものがあまりにも莫大な力を持っているため、他の全てのスタジオは矮小してまっているため、ディズニーはライバル達に対抗する必要がない。映画館主にとっての朗報は、これらの映画とその続編、そしてスピンオフにより、今後数年間は劇場が潤うことである。逆に悪い知らせは、ディズニーが望めば、興行収入とは違うところで利益をだせるということである。王になるのは良いことだ。

皆ストリーミングを脅威に感じている。

誰もこのタブーを認めたくはない。そんな中、このタブーを女優であるヘレン・ミレン氏が皆に変わり一括した。レジェンド女優であるミレン氏は彼女の映画、『The Good Liar』の公開試写会のステージ上で「Netflixは大好きだけど…糞食らえ!」と述べた。このミレン氏のコメントを機に始まった騒動は、Netflixがメディアの展望を乱していることに対し、映画館オーナーたちがどれほど怒っているかをあらわにさせた。

映画館オーナーは、顧客に対し、ユニークで説得力のあるものを提供しているため、映画業界を支えているもののすべての変化に耐えられるだろうと信じる必要がある。2018年に興行収入があがった一方、彼らは不確かな未来を眺めているのである。Netflixはまだ成長を続けている。メディア企業は独自のストリーミングサービスを構築するためにより多くのリソースを投資している。Disney、Apple、WarnerMediaは今後数カ月のうちにストリーミングサービスを開始し、Comcastも2020年に独自のプラットフォームをデビューさせることになったため、このストリーミングサービスに関する議論は今後も拡大すると言っても過言でない。ヘレン女王でさえそれを認めなければならないであろう。

敏感なテーマであるサウジアラビア

2018年、サウジアラビアは成長の機会を待っていた映画業界において、次にくるビッグチャンスとみられていた。映画を禁止してから35年の年月を得て、ようやく解禁された後、初めてリヤドに映画館がオープンした。当時、王国は比較的短期間で10億ドルの映画市場になるという予測があった。サウジアラビアは王子であるMohammed bin Salman氏のもと、映画・メディア事業への投資を望んでおり、莫大な支援金をもってスタジオが国内で映画の撮影が行われることを願っている。

10月にジャーナリストであるJamal Khashoggi氏がサウジアラビア政府のエージェントに殺害されたことにより、サウジアラビアとハリウッドの関係は脅かされた。CIAは後でビン・サルマン氏が彼の暗殺を命じたと結論を下した。このような背景があり、サウジアラビアの話は今年のCinemaConではあまり話題に上がらなかった。AMCのチーフ、Adam Aron氏は、Khashoggi氏殺人事件で会社は動揺したと語ったが、最終的には国内に最大40の劇場を建設する計画を進めることにした。

Aron氏はVarietyの取材に対し「この事件は私たちに正しいことが何かについて何度も深く考えさせられた。」と述べた。「多くのことを考えた結果、私たちは人々の利益のためにその国で事業を展開すると結論を下した。この国には3300万人の人々がおり、そのうちの70%が30歳未満であり、その若者達は映画が好んでいる。」

それは、AMCだけではない。他の3つのチェーンもサウジアラビアで劇場を開く許可を得ようとしている、とFithian氏は記者会見で語った。また、サウジアラビア政府は2020年までに350億ドルを劇場に投資する計画を発表した。Aron氏同様、Fithian氏は自由なアートの力について指摘した。

「映画は長い間にわたり自由の刀であった」と彼は報道陣に語った。それは本当かもしれないが、Khashoggi氏の衝撃的な死は、いくつかの会社にとって中東進出を警戒させるものであった。

人種、性別を超えて

『ブラックパンサー』、『ワンダーウーマン』、『Us』、『キャプテンマーベル』、および『クレイジー・リッチ!』は、観客が自分自身をスクリーンに映し出し、自身と登場人物を重ねて観ることを好むことを証明した。白人以外の人種と女性を主役にした映画を作ることは、単に道徳的によいだけでなく、ビジネスにとっても良いことである。そして、前世紀における非白人男性の人口統計をほとんど無視したハリウッド映画はついに、人種や女性をテーマにした作品を作り始めた。フェスティバルのステージ上では、NATOのFithian氏、ワーナー・ブラザーズのチーフToby Emmerich氏、そしてUniversalのDonna Langley氏は、包容力を身につけ、人種や性別を超えた多様なキャストで作り上げられるプロジェクトを支援することを約束した。『ワンダーウーマン1984』のようなスタジオの大ヒット映画から、『Queen&Slim』のような犯罪ドラマまで,ますます多様化している観客と国を反映し始めている。

20世紀フォックス:AIが映画の予告編からターゲットオーディエンスを予測可能に

https://www.engadget.com/2018/07/29/fox-ai-predicts-movie-viewing-based-on-trailers/

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昨今の映画の予告編はソーシャルメディアなどで拡散されやすいようにキャッチーで人々が興味を持つような内容に変化してきている。しかし今後映画の予告編はさらに進化するかもしれない。20世紀フォックス所属の研究者はディープラーニング技術を応用して、どのようなオーディエンスがどのジャンルの映画を見るか映画の予告編をベースに予測できるかもしれないと発表した。過去の映画予告編、そしてその映画の鑑賞データを使い、予告編の中で使われる動画素材(色・顔・風景・ライティング)と視聴者層がリンクしていることがわかった。温かみのある色やよく喋るキャラクターが多く出演する予告編と、大胆な配色で雄大な景色が広がる予告編では興味を持つ観客層が違う。

この研究では予告編からその映画の成功確率がある程度予測できることもわかった。しかしまだこのメソッドは確立されておらず予告編のテンポなどはデータとしてまだ取ることはできないとのこと。そして今後予告編に流れる文字情報(観客がストーリーを理解するために重要)も予測データとして収集できると理想だ。

この技術が確立されればAIがどの予告編がスタジオのターゲットオーディエンスに魅力的なのか予測できる。(カジュアルな映画ファン向けか、それとも映画オタク向けなのか)そしてどのような映像を予告編に組み込めばチケット販売数をさらに伸ばせるのかもわかるようになる。ストリーミングサービスの台頭で簡単に自宅で映画が見れるようになった今、このような技術が映画スタジオに重要になるのだ。

Fox、広告制限の計画に障害あり

【出典】2018/5/31

http://adage.com/article/special-report-tv-upfront/fox-s-limited-commercial-plans-roadblock/313690/

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バイヤーによると、セス・マクファーレンは出演中のFOXの番組「宇宙探査艦オーヴィル」の次のシーズンは広告制限されることを望んでいる。

Fox Networks Groupは今期、特に日曜の夜のアニメまたコメディーの枠から広告の数を減らすという大きな目標を掲げていた。今期の日曜夜の40%もの広告時間を減らすつもりだった。

しかし、思い通りにはいかなかった。

Foxは 『ジャズ』と呼ばれる1分間のコマーシャルをいまだに売っているが、今季はたったの3日の日曜夜の時間帯に入る予定だ。このことをよく知る人たちによると、それらの日程は10月14日と12日、11月11日だが、これは以前変更があり、今後もまた変わる可能性があるという。

Foxのスポークスパーソンはこのことについてノーコメントだ。

Foxは今月の 広告主への提案よりも前にも、コマーシャル時間短縮を発表していた。しかし事態は違う方向に向かっている。

「彼らはいつも新しい方法で広告枠の販売を提案してくる。』と、メディアバイヤーはいう。

バイヤーたちは、これは フォックスの関連会社やそのプログラミング部門が生み出した問題ではないか、と予想する。フォックスのコマーシャル部門代表のJoe Marchese氏は、地域ごとのコマーシャルを多数の日曜夜枠に移そう、と関連会社の者と話し合っていた。しかし、今後の交渉のための取引条件を年内に用意するようには見えない。

しかし、このコマーシャル時間短縮には俳優のセス・マクファーレンも興味を寄せている。Foxは火曜にシーズンの折り返し地点を迎えるマクファーレンが主役のSFドラマ「宇宙探査艦オーヴィル」の枠で、ジャズ広告枠を売ろうかと検討している。

FOX社、WWEの人気番組「スマックダウン・ライブ」の放映権獲得

http://www.adweek.com/tv-video/fox-reportedly-reaches-agreement-with-wwe-to-air-smackdown-live/

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フォックスは総合格闘技団体UFCの放映権を2012年に購入したが、その契約は先日UFCがスポーツTVネットワークESPNと750億円で新たに放映権を結んだことにより終焉を迎えた。そしてFOXはUFCのライバルでもあるプロレス団体WWEと放映権の契約を結ぶのではないかと言われている。

現在NBCユニバーサルが保有しているTVネットワーク、USAで放映されているWWEの人気番組「スマックダウン・ライブ」をFOXが放映権を入手したとのこと。

FOXでの放映は早くて2019年10月からスタート予定。

WWEとNBCユニバーサルは長い間パートナー関係であったが、WWE側が提示したスマックダウンの放映額に対しNBCユニバーサル側が拒否をした。今後はWWEが持つもう一つの看板番組WWE Monday Night Rawのみにフォーカスを絞り放映を行う予定だ。同番組はUSA ネットワークで1993年から放映されており、同局の視聴者層18歳〜49歳で一番視聴されている番組だ。そして全米で月曜日に放映される番組の中でも上記の視聴者層で一番人気がある。

スマックダウン・ライブの視聴者数は平均260万人、WWE Monday Night Rawは300万人だ。ウォルト・ディズニー社によるFOXの映画部門買収の発表後、FOX社はニュース番組とライブ・スポーツ番組を今後強化すると発表。ライブ中継が行われるスマックダウン・ライブは同社にとってぴったりなコンテンツとなる。

Fox サーチライトがテレビ部門を開始; デビッド・グリーンバウム氏、マシュー・グリーンフィールド氏が映画、テレビのプロダクション・プレジデントに就任

【出典】http://deadline.com/2018/04/fox-searchlight-television-division-hulu-david-greenbaum-matthew-greenfield-upped-to-production-presidents-for-film-tv-1202362441/Picture1

オスカーシーズンの驚異的な成功を踏まえて、FOXサーチライトピクチャーズ会長のナンシー・アトリー氏とスティーブ・ジルラ氏はテレビ事業を開始する。彼らはサーチライト・テレビジョンを立ち上げ、サーチライト社のバナーの下で制作される様々なプロジェクトを拡大する予定だ。 デイビッド・グリーンバーム氏とマシュー・グリーンフィールド氏は映画&テレビプロダクションのプレジデントに昇進した。彼らはサーチライト・テレビジョンも統括することとなる。二人は、『シェイプ・オブ・ウォーター』と『スリー・ビルボード』のオスカー成功の後、需要が高まっている新星だ。

この動きはフォックス社内でサーチライトが非常に評価されていることがわかる。

関係者によると、サーチライトが抱えるクリエーターをいくつかのシリーズプロジェクトに貸与することを計画しており、その一部は、もしフォックスとディズニーが合併した場合、ディズニーが大部分のオーナーとなるHuluストリーミングプラットフォームに提供される予定だ。新しいディズニーストリーミングプラットフォームもまた、配信先として考えられている。現在スタジオは経営幹部候補を探している。

サーチライト・テレビジョンはオリジナルコンテンツを制作するだけでなく、スタジオの豊富な映画ライブラリーを、テレビ、ケーブル、ストリーミング向けの映像化や、ミニシリーズ、ドキュメンタリーなどにも進出予定だ。

20世紀FoxフィルムのCEOで会長であるステイシー・スナイダー氏は、「サーチライトチームと彼らが抱えるクリエーターとの関係は非常に深いものである。これらの関係をテレビフォーマットに拡大するだけで、サーチライトはあらゆるプラットフォームで素晴らしいストーリーを伝えることができるだろう。」

20世紀FoxのプレジデントでFox ネットワークグループの会長兼CEOであるピーター・ライス氏は次のように語っている。「ストーリーテリングにとってエキサイティングなこの時期に、画期的で卓越したユニークなブランドをテレビ界に広げることで、すべてのFoxチャンネルとスタジオはサーチライトとのコラボレーションを楽しみにしている。」

グリーンフィールド氏とグリーンバウム氏は次のように述べている。「サーチライトは、常に世界中の観客にクリエイターのユニークなストーリーを届けることに専念してきた。今回の進歩は、私たちがその使命をさらに拡大可能とし、サーチライトの特徴である独創性を大切にするアプローチを維持しながら、あらゆる種類のフォーマットで新たなストーリーを展開することになるだろう。」

Foxのポートフォリオでは、サーチライトテレビジョンは20世紀フォックステレビの一部であるHulu、Fox 21 TV スタジオなど、ケーブルおよびストリーミングネットワークのプレミアム番組に焦点を当てた別のプロダクション部門に参加する予定だ。Foxは過去に、2014年に合併した2つのケーブル/ストリーミング制作ユニット、Fox 21とFox TV スタジオも所有していた。

グリーンバウム氏はフォックスサーチライトの上級執行役で8年間、グリーンフィールド氏は11年間勤務していた。彼らは、最優秀監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督作品『シェイプ・オブ・ウォーター』、フラン・マクドーマンドとサム・ロック、ウェズ・アンダーソン監督の『Isle of Dogs(原題)』を世に送り出した。彼らの過去のプロジェクトには、アレクサンダー・ペイン監督作品『ファミリー・ツリー』、ジャン・マルク・バリー監督作品の『私に会うまでの1600キロ』、ニコル・ホロフセナー監督作品『大人の恋には嘘がある』、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督作品『バトル・オブ・ザ・セクシーズ(原題)』などがある。今後は、Yorgos Lanthimosが監督したエマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、オリビア・コールマン出演『The Favorites(原題)』、メリッサ・マッカーシーの『Can You Ever Forgive Me (原題)』、デイヴィッド・ローリー監督によるロバート・レッドフォード、シシー・スペイセクとの『Old Man and The Gun(原題)』、そして『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』の監督ベン・ザイトリンによる『Wendy(原題)』などが控えている。

FOXニュース、スタンドアローンの動画配信サービス “Fox Nation”を開始

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FOXニュース・チャンネルはニュースの世界を超えた新分野にも手を伸ばし、Fox Nationという、ケーブルに加入していない人でも利用可能なスタンドアローンの動画配信サービスを開始する予定だ。このサービスは今年度末にローンチし、Fox News commentaryと共にブランド化する。Fox Nationはオリジナルの番組を配信し、FOXニュースの大黒柱であるショーン・ハニティーのような有名司会者やタレントを起用する計画だ。
FOXニュースは2月20日にこのニュースを公式に発表したが、値段については公表していない。Fox NationはFOX ニュース・チャンネルのニューヨーク本社に拠点を置く予定だ。
日曜の夜、ニューヨーク・タイムズが最初にこのOTTサービスの詳細について明かした後のプレスリリースにおいて、 FOXニュースの開発と制作部門のシニア・バイス・プレジデントJohn Finley氏は「我々が長年ケーブルテレビ史上最高の視聴率を稼いでいることと共に、FOXニュースに忠実でいたファンにこの報告が出来ることを嬉しく思う。」と語った。「このイニシアティブはケーブルテレビで一番裕福で、教養のある視聴者を代表する人々に専門特化した、場所も時間も選ばずに視聴することが出来るコンテンツで、成功を収めるだろう。」と同氏は続けた。
この新サービスはFOXニュースとその放送番組とは重複しない予定だ。お馴染みの顔ぶれも再登場するが、Fox Nation は新しいアンカーとコメンテーターを起用し、新たなプログラムも配信する。

ライアン・マーフィー、ネットフリックスと3億ドルと噂の契約を結ぶ

https://www.nytimes.com/2018/02/13/business/media/netflix-ryan-murphy.htmlPicture1

ストリーミングサービス大手のネットフリックスは、古くさいハリウッドからまた勝利を掴んだ。

ネットフリックスは、21世紀フォックスからヒット作品プロデューサーのライアン・マーフィーを奪取したと発表した。

匿名を条件に内密交渉について語った2人の関係者によると、5年契約で金額は3億ドルほどになり、これはテレビプロデューサーにとって今まで最大の取引の1つになる。

この契約は、マーフィー氏がキャリアの大部分を過ごした20世紀フォックスにとって失望的だが、12月に同社のほとんどを524億ドルで買収する契約を結んだウォルトディズニーカンパニーにも大打撃を与えた。

マーフィー氏のフォックスとの契約は今年の夏に切れ、7月にはネットフリックスへ異動となる。

『グリー』、 『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』、アンソロジーシリーズ 『アメリカン・クライム・ストーリー』、 『アメリカン・ホラー・ストーリー』を手がける大物プロデューサーのマーフィー氏は、拡大し続けるディズニー帝国のキーパーソンになるはずだったので、フォックス社の役員は数回にわたり彼を引き止めようと試みた。 アマゾンも彼との契約を真剣に検討していた結果、このインディアナポリス出身の52歳の作家、監督、プロデューサーの価格を引き上げる一理となった。

マーフィー氏は、「この瞬間は私の歴史にとって忘れられないものになるだろう」と述べた。 「私は55ドルの貯金を手に1989年にハリウッドに移住した、ただのインディアナ州出身のゲイの男の子だった。私の夢がこのような大きな形で実現したという事は感情的で圧倒的だ。」と語る。

マーフィー氏のストリーミングへの異動の道を開いたのは、ネットフリックスが8月に達した、ABCシリーズ『グレイズ・アナトミー』と『スキャンダル』のプロデューサー、ションダ・ライムスとの1億ドルの契約交渉だ。ライムス氏はディズニーのABCネットワークに10年勤めていたが、ディズニーがストリーミングサービスを拡大し、最終的にはネットフリックスから多くの作品を引き出すと発表した数日後にこの異動を決めた。

契約終了が近づいていたマーフィー氏にとってこの瞬間はピッタリであった。ハリウッド経済は急速に変化しており、今やテック企業たちが、サイレント映画の時代からマスエンターテイメントの頼もしい提供者であったスタジオの競争相手となった。

アップルとアマゾンは最近、ネットフリックスやHuluに習ってヘビー級のクリエイターやエンターテイナーとの契約に積極的であり、老舗企業は新生で潤沢な予算を持つライバル企業と戦わなければいけないという危険にさらされている。 2012年にオリジナル作品のプログラミングを開始したネットフリックスは、今年は最大80億ドルをオリジナルコンテンツに費やすとしており、アップルはオリジナルコンテンツ制作へ少なくとも10億ドルの出資を発表した。

結論は、実績のあるプロデューサーやビックスターがうらやましい交渉の地位にあるということだ。

マーフィー氏のネットフリックスへの参加決定の要因は、ディズニーとフォックスの間の合意によってもたらされた不確実性にある。彼は21世紀フォックス社プレジデントのPeter Rice氏や、フォックスのTVグループのチェアウーマンでマーフィー氏の子供たちの名付け親でもあるDana Walden氏、フォックス傘下のケーブルチャンネル、FXネットワークのチーフ・エグゼクティブであるJohn Landgraf氏らと親密な協力関係があった。

ディズニー・フォックス間の契約が政府の承認を得るのであれば、これらの役員が現地位にとどまるかは確実ではない。Rice氏は合併計画が成立した後も会社に残るかどうかは分からないと述べた。

さらに混乱を招くのは、コムキャストが21世紀フォックスの一部への入札を再検討しているという月曜日のレポートだ。

マーフィー氏が既にネットフリックスと協力関係にあったことが、彼の異動を円滑にした。フォックスは昨年9月に、ケン・キージーの小説に基づいたオスカー受賞映画『カッコーの巣の上で』の悪役である看護師ラチェッドが中心のネットフリックスドラマシリーズの2シーズン契約を、マーフィー氏に許可した。また先週マーフィー氏は、バーブラ・ストライサンドとグウィネス・パルトロー出演予定の別のプロジェクトにもサインした。両作ともフォックスのテレビスタジオが参加しているプロジェクトである。

ライムス氏との契約の他、デイヴ・シャペル、デイビット・レターマン、クリス・ロック、アダム・サンドラーらとも有利な契約を結んでいる。

マーフィー氏はフォックス社から束縛されていなかったので、挑戦的な作品を制作することができた。マーフィー氏がエグゼクティブプロデューサーとして務めたFXアンソロジーシリーズ 『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』のファーストシーズンは、批評家から大絶賛、九つのエミー賞を獲得。しかし、ネットフリックスの契約は、彼にもっと高額な予算を与える可能性があり、映画、テレビ、またはドキュメンタリーなど自由に手がけるだろう。

マーフィー氏は、火曜日の夕方の声明で、ネットフリックスのCEO、Reed Hastings氏、チーフ・コンテンツ・オフィサーのTed Sarandos氏、オリジナルコンテンツ担当副長Cindy Holland氏に対して感謝の意を表明した。

「女性、少数派、LGBTQのヒーローやヒロインを引き続き支持する私と私の会社の将来を信じてくれたTed Sarandos氏、Reed Hastings氏、Cindy Holland氏に感謝しきれない。また私の既存の番組でフォックスの友達や同僚とのパートナーシップを継続できることは光栄であり感謝している。」

Sarandos氏は、自身の声明で、「ライアン・マーフィーのシリーズは、世界の文化的時代精神に影響を与え、ジャンルを改革し、テレビの歴史を変えた。
少数派に発言の場を与えたり、ユニークな展望を見せたり、ただ私たちの心を震撼させたりする事への彼の卓越した才能は、ジャンルを超えた彼の業務に広く浸透している。」と語った。

マーフィー氏のフォックスで手がけている作品群は一晩で消えない。 『アメリカン・クライム・ストーリー』、 『アメリカン・ホラー・ストーリー』、『フュード/確執 ベティ vs ジョーン』のすべてのシーズンは引き続きFXで放送される。放映開始6週目にも関わらず長期ヒットを予測させる彼の刑事ドラマ『9-1-1』は、フォックスで引き続き放送される。そして、1980年代のニューヨークの流行シーンを描く彼の新ドラマ『ポーズ(原題)』は、トランスジェンダーのキャストを数多く起用し、FXで進行する。

マーフィー氏はテレビ作家として活躍する以前に、ジャーナリストとしてのキャリアを開始した。彼の最初のドラマシリーズ『Popular(原題)』はワーナー・ブラザースで長続きしなかったが、カルトヒットとなった。 FXの初期成功作品の1つである『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』は、マーフィー氏に初めてのヒットをもたらし、FXをベーシックなケーブル放送から最高のエンターテインメントの地へと変化させた。 また2009年マーフィー氏は、ブロードウェイの活力とはみ出し者の思春期たちへの愛を込めたフォックスのプライムタイムドラマ『グリー』によって、ショーランナーのトップランクに入った。

マーフィー氏は先月、ロサンゼルスのテレビ批評家協会のメディアイベントで、彼の将来についての不安を共有した。長年にわたり、彼は「Foxの敷地に埋葬される」と思っていたという。しかしルパート・マードックが会社を売却する決定を下した後はさほど確かでは無かったらしい。

彼はディズニーの最高経営責任者、ロバート・A・アイガーにアプローチし、買収に対する不快感を現す質問を投げかけた。
「私はミッキーマウスを『アメリカン・ホラー・ストーリー』に出演させなくてはいけなくなるのか?」

『スター・ウォーズ』を筆頭としたホリデー四半期、ディズニーがウォール・ストリートの期待を上回る

http://deadline.com/2018/02/disney-beats-wall-street-estimates-in-star-wars-led-holiday-quarter-1202279634/Picture1

ディズニーは、『スター・ウォーズ:最後のジェダイ』リリースと新しい連邦税法の好影響による16億ドルの追加収入により、2018年第1四半期のウォール・ストリートの期待を上回った。

株価は前年同期比22%増の1株当たり1.89ドルとなり、1株当たり1.61ドルというファクトセット社によるアナリスト達による合意をはるかに上回った。収益は155億ドルの見通しをわずかに下回ったが、前年の148億ドルから153億5千万ドルに増収した。

同社は21世紀フォックスが持つ524億ドルの資産の買収プロセスを始めたばかりで、2019年半ばに終了する見込みだ。

また、2つの独自ストリーミングサービスの取り組みも行っている。1つはESPNブランドのサービスで、スポーツネットワークの加入者損失を相殺するよう企てられている。もう1つは2019年に開始が予定される一般的なエンターテインメントサービスで、これがFoxとの取引を推進した。
『スター・ウォーズ』シリーズはスムーズにうまくいっているが、今夏リリース予定のスピンオフ『ハン・ソロ:スター・ウォーズ・ストーリー』は撮影中の監督交代などトラブルがあったが、ロン・ハワード監督が引き継ぎ安定化された。

同社に関する多くの質問は、今後もESPNの収益を頼りにするのかという点だ。四半期の広告収入が軟調した。平均視聴者数減収、視聴率減により広告インプレッションが低下、主な理由としてはカレッジ・フットボールのプレーオフシーズンの開催時期変更だと同社は説明している。

ABC、BAMTechおよびケーブルネットワークを含むメディアネットワーク部門は引き続き安定した利益を生み出している。今四半期は業績はケーブル部門の売上高は1%増の45億ドル、営業利益は1%減の9億ドルだった。

同社が持つHulu株の配当は5000万ドル、前年同期の1億1,900万ドルから半分に下がった。

Huluにおける収益減は、プログラミングおよび人件費の増加によるものであり、これは会員費および広告収入の伸びによって部分的に相殺された。

ディズニーのボブ・アイガー氏:自社の動画ストリーミングサイトは「量より質」

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ディズニー社CEOボブ・アイガー氏は20世紀フォックス社の買収完了後、2019年に動画ストリーミングサービスをスタートすると発表した。競合のネットフリックスと比べて「扱うタイトル数は少ないだろう」と語った。

同社がどのくらいのコンテンツ予算を配信サービスに充てるか明確にしていないが、今年80億ドルもの予算をコンテンツに投じるネットフリックスのような方針にはしないようだ。「コンテンツにかける予算を低くするつもりではなく、ディズニーが既に抱えるIP(スターウォーズやハイスクールミュージカルなど)を利用することにより低予算でシリーズを開発することができる。」とアイガー氏は語った。

同社はネットフリックへのコンテンツ提供を2018年末に終了すると発表、現在の一番の焦点はディズニー社がどのようなオリジナルコンテンツを配信サービス向けに制作するということだ。
コムキャスト社、ディズニー、フォックス社がそれぞれ30%株式を持つ。Hulu社に関してだが、関係者の見解によればディズニーは法的に手放すあるいは、自ら手放す選択をするかもしれないと言われている。(フォックスが持つHulu社の株式も買収の資産に含まれている)そしてフォックス社が20年以上にわたり得意としていた、映画製作における他企業との共同出資方法はなくなるとアイガー氏は述べた。
「フォックススタジオが締結したディールは尊重するが、買収が100%完了後見直す予定だ。ディズニーは共同出資を行わない。なぜならば、映画制作は毎回リスクであり、我々は過去5年間リスクを負うことにより成功してきた。」とアイガー氏は語った。

オスカーの夜までにオスカー候補作品たちはどれだけの結果を残せるか?

http://deadline.com/2018/01/the-shape-of-water-the-post-greatest-showman-oscar-nominees-box-office-boost-2018-1202268847/Picture1

3月4日のオスカーの日まで、有力候補作品たちは現在も映画館で公開され、今年のノミネート作品が火曜(1/26)に発表されてから1億5000万ドルの興行収入を稼ぎ出している。

20世紀フォックスとフォックス・サーチライト・ピクチャーズが製作した作品2作を加えた5作品:『シェイプ・オブ・ウォーター』(13部門ノミネート)、『スリー・ビルボード』(7作品)、『グレイテスト・ショーマン』(1作品)、 『フェルディナンド』(1作品)、 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2作品)の興行収入はこの数字の65%に迫ろうとしている。

メディアは中規模の予算のドラマとコメディ作品はストリーミング配信に負けると頻繁に報道している。しかし、オスカーは私たちにまだ映画館に足を運ぶ人がいるということをいつも思い出させてくれる。主要な映画チェーンであるAMCシアターズ, リーガル・エンターテインメント・グループ、シネマーク・シアターズはオスカーにノミネートされた作品の今後5週間上映する計画で、映画ファンたちは作品賞にノミネートされた映画を全て見ることができる。

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大抵の場合、配給会社はオスカー候補決定のニュースを利用し、スクリーン数を増やすことによって、利益を出してきた。フォックス・サーチライト・ピクチャーズの『シェイプ・オブ・ウォーター』は全米1854ヶ所で拡大公開され、毎週ごとに売り上げを伸ばしている(+181% or $590万ドル)。『シェイプ・オブ・ウォーター』は今年最多のオスカー獲得が予想されている。サーチライトは9週間、賞候補の映画たちが同じ映画館で上映できるよう、長期に渡り予約しており、ギレルモ・デル・トロの海の怪物とラブストーリーは良い成績を収めている。

映画リサーチ会社 ComScore社のPostTrakによると、『シェイプ・オブ・ウォーター』は女性の間で高評価で84%のスコアを獲得し、そして全体の観客のスコアは80%と好意的だった。観客のうち25歳以上の女性が40%を占め、25歳以上男性が36%だった。しかし、このR指定映画は最初の2週間の上映では、25歳以下の若い男性(全ての映画ファンの12%を占める)からの高い支持は集められなかった。

しかしながら、興味深いことに、オスカーノミネート作品群の中で今季一番高い興行収入をあげると言われている20世紀フォックス製作の『グレイテスト・ショーマン』とドリームワークス、パーティシパント・メディア共同製作の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はオスカーのノミネーションが少なかった。

P・Tバーナムのオリジナル・ミュージカルの『グレイテスト・ショーマン』について言えば、この映画の成功はヒュー・ジャックマンとザック・エフロンの歌に熱狂してくれるファンたちにかかっている。Picture1

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はタイミングが非常に良く、スティーヴン・スピルバーグのスリラー・ストーリーテリング:ニクソン政権のベトナム戦争の陰謀を巡るワシントン・ポスト紙の戦いを描いた本作は現在の扇動的なトランプ政権に “フェイク・ニュース”と糾弾されているメディアを想起させ、多くの観客の心に届くだろう。これと似たような興行収入の現象は3年前の『アメリカン・スナイパー』で起きた。しかし、共和党支持の強い中部アメリカでは映画は成功した。このクリント・イーストウッドの監督した映画は作品賞を含む6つのオスカーノミネーションを受賞した;多くの人々がこの映画の愛国主義に感動し、アメリカ国内だけで3億5000万ドルを稼いだ。

フォックス・サーチライト・ピクチャーズは『スリー・ビルボード』の可能性を信じており、フランシス・マクドーマンド、ウディ・アレルソン、サム・ロックウェルらのタフなキャラクター達が、共和党と民主党両支持者にウケると狙い強力に宣伝している。マーティン・マクドナーが監督したこの女性の改革運動を描いたドラマは4度目の拡大公開を行い、1457ヶ所で公開、週末ごとに380万ドル売り上げ、収益は100%UP、アナリストはオスカーの夜までに4500万ドルを稼げるだろうと予測している。Picture1

タイミングのことについていえば、次の興行収入で成功しそうな冬季オリンピックの季節に合う映画はNeonと30WEST共同製作の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』だ。この映画は編集を含む3つのオスカーノミネーションを獲得した。マーゴット・ロビーは、2回オリンピックに出場し、さらに汚名を着せられたトーニャ・ハーディングを演じる。161館から960館、さらに現在は1500館にまで拡大公開した。このクレイグ・ガレスピーが監督した映画はNeonと30WESTが権利をTIFF(カナダ拠点の映画スタジオ)から500万ドルで獲得、オスカーの夜までに3000万ドル稼ぐと見られている。

A24製作の『レディ・バード』とフォーカス・フィーチャー製作の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見ていない人たちは疑いなく映画館に駆けつけ、映画は多くの観客を獲得するだろう。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、オスカーのノミネーションを6つ獲得し、ゲイリー・オールドマンの最優秀主演男優賞ノミネートで、第二次世界大戦でのイギリス首相ウィンストン・チャーチルを演じるオールドマンの演技が光り、作品賞にもノミネート、ジョー・ライト監督の作品の中で一番の興行成績を上げ、彼のオスカー受賞映画(作曲賞受賞)『つぐない』の興行収入を超えた。(興行収入5090万ドル)Picture1

しかしながら、いくつかの映画賞協会や評論家はフォーカス・フィーチャーズ製作でポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』が作品賞、最優秀男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、助演女優賞(レスリー・マンヴィル)、監督賞などの主要部門などのノミネートを受けて、オスカーの夜に躍進するのではないかと予想している。Deadlineのアナリストによると、この多数のノミネートは映画のチケットの売り上げを促進し、3月4日までに2000万ドルを超えることができるだろう。Picture1ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスの『君の名前で僕を読んで』の興行を酷評してきた。このゲイ・ロマンス映画はかなりの利益を生んだと考えられており、秋にはゴッサム・インディペンデント映画賞(ティモシー・シャラメがブレイクスルー俳優賞、そして作品賞をそれぞれ受賞)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞も受賞し名声を得た。ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスは拡大公開の時期が遅かったと判断している。
しかし、オスカーの後押しは全てがオーガニックではないということだ。配給会社はオスカー候補作品に平均約3000万ドルの広告宣伝費を出す。もしスタジオが1億ドル以上費やそうとしたら、彼らは4000万ドルを払うだろう。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスは昔から、費用対効果が高い作品にしか投資をしないことで知られている。彼らのオスカー受賞作品の中で1億ドルの大台を突破したのは18年も前の『グリーン・ディスティニー』の一作品だけだ(興行収入1億2800万ドル)
ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』(アメリカ国内興行成績約1億8800万ドルと8部門ノミネーション、作品賞含む)とユニバーサルとブラムハウス・プロダクションの『ゲット・アウト』(約1億7500万ドルと4ノミネーション、作品賞含む)が映画館で再上映されているが、両作品ともDVDがすでに発売されているのに総売上は少ない(ジョーダン・ピールのホラー映画はすでにHBOでも放映されている)。今回の彼らのオスカーのノミネーション効果ははホームビデオ市場に影響が出るだろう。『ゲット・アウト』は今週末で471館で公開し、16万5000ドルしか稼いでおらず、ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』は売り上げた額を公開していない。Picture1