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『シャザム』中規模予算スーパーヒーロー映画の力を証明

【出典】2019/04/08

https://variety.com/2019/film/box-office/shazam-proves-the-power-of-mid-budget-superhero-movies-1203182630/Picture1

北米興行収入が5,300万ドル、全世界で1.02億ドルの興行収入を突破、『Shazam』のヒットはDCコミックスによって良いニュースだろう。本作の制作予算は約1億ドル、オープニング興行収入だけで制作費を回収した。通常DCコミックスの実写製作予算は倍の2億ドルだ。

本作の成功によりヒーロー映画は高予算でなくとも観客を魅了できることを証明したのだ。製作費が6,000万ドルを下回る『デッドプール』を除くスーパーヒーロー映画では、可能な限り高予算で圧巻のVFXCGIで観客を惹きつけるのが常套手段となっている。

同じDCコミックスの『ジャスティスリーグ』や『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』は高予算をつぎ込んだが問題だらけであった。『ジャスティスリーグ』の世界興行収入成績は6.6億ドルだったが、製作費に3億ドル、撮影後の追加撮影に数千万ドルがかかり、それにはマーケティング費用は含まれておらず興行収入面では失敗だった。前作の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の興行収入成績は8.7億ドル、ギリギリ赤字を免れた結果となった。『Shazam!』の場合、製作費自体もそれほどかかっていないので、続編にゴーサインを出すための高い目標設定をしなくても良い。

Warner Bros Picturesグループの会長Toby Emmerich氏は「人々が映画館に訪れなくなった今日に、多くの人が映画館を訪れてくれたのは誇らしいだけでなく感動した」と語っている。

DCとしては『アクアマン』『ワンダーウーマン』『シャザム』と3作品続けてヒット作を生み出しライバルのMarvel Studiosの成功に対抗する結果となった。その中でも『シャザム』はスーパーヒーロー作品として意味のある作品だとDCでは捉えている。16歳の青年Asher Angel扮するBilly Batsonが大人のスーパーヒーローへと変身するというのが本作でのヒーローだ。本作はZack Snyder氏が監督を務めていた低迷期に比べ明るく、そしてコミカル色の強い作品に仕上がっている。

Emmerich氏は、次のように述べている。

Marvel映画に見劣りしないほど素晴らしい。今後、観客はスケールやスペクタクルさを求める様になるが、現在の状況を鑑みれば更に小規模のスーパーヒーロー映画を作る機会も訪れるだろう。

『シャザム』は、Marvelヒーロー含めスーパーヒーロー作品に食傷気味の観客からも受け入れられている。『キャプテンマーベル』の1ヶ月後に公開され、記録更新が期待されている『アベンジャーズ エンドゲーム』は『シャザム』の3週間後に公開される。当然ながら両作品に挟まれての公開にはリスクもあったが、チーム全体が2作品へのカウンターとして生き残れると信じていたとEmmerich氏は語っている。

DCにとって次なる試練である『Joker』(10月公開予定)ではJoaquin Phoenixが主演を務め、暗いテイストに仕上がる予定だ。今回も低予算で製作されており、報告によれば5,500万ドルだと言う。詳細はほとんど明らかになっていないが、トレーラーではスコセッシ映画を思わせるスリラー映画調だ。

ComscoreのシニアメディアアナリストPaul Dergarabedian氏はこのように語る。

「マーベルとDCは今までお互いをライバル視していたが、現在は自らのブランド価値を見直し独自路線を両社とも歩んでいる。これは両社にとって有益だ」

CinemaConから得た大きな教訓:多様性、Disney、Netflixの脅威

【出典】2019/3/4

https://variety.com/2019/film/news/cinemacon-takeaways-disney-streaming-netflix-1203180705/Picture1

ハリウッドの映画スタジオが劇場主や映画業界に向けて今後のラインナップをお披露目するCinemaConがラスベガスで開催された。しかし、高齢化する視聴者から、スマートフォンを大画面にすることを好む新世代まで、業界が取り組まなければならない本当の脅威もある。CinemaCon 2019で得た要点は次の通りである。

あまりにも大きすぎるDisneyとFoxの合併

ディズニーでさえ、21世紀フォックスの映画・テレビの資産の多くを713億ドルで買収したことで、その規模が大きくなったことに驚いているようだ。ディズニーの映画チーフであるAlan Horn氏はプレゼンテーションで出展者に、「まだ、これらの問題全てに悩まされており、どうにか解決しようとしているところである。」と語った。現在、20世紀フォックス、ブルースカイ、フォックスサーチライトのようなレーベルがピクサー、ルーカスフィルム、マーベルの仲間入りをしている。ディズニーのマーケットに対する支配力は、ますます強くなる方向に向かっている。ディズニーは国内の興行収入の半分近くを独占し、世界で最も人気のある映画のフランチャイズの大部分を占める。また『スターウォーズ』から『アバター』まですべてを網羅する。ディズニー・スタジオが提供できるものがあまりにも莫大な力を持っているため、他の全てのスタジオは矮小してまっているため、ディズニーはライバル達に対抗する必要がない。映画館主にとっての朗報は、これらの映画とその続編、そしてスピンオフにより、今後数年間は劇場が潤うことである。逆に悪い知らせは、ディズニーが望めば、興行収入とは違うところで利益をだせるということである。王になるのは良いことだ。

皆ストリーミングを脅威に感じている。

誰もこのタブーを認めたくはない。そんな中、このタブーを女優であるヘレン・ミレン氏が皆に変わり一括した。レジェンド女優であるミレン氏は彼女の映画、『The Good Liar』の公開試写会のステージ上で「Netflixは大好きだけど…糞食らえ!」と述べた。このミレン氏のコメントを機に始まった騒動は、Netflixがメディアの展望を乱していることに対し、映画館オーナーたちがどれほど怒っているかをあらわにさせた。

映画館オーナーは、顧客に対し、ユニークで説得力のあるものを提供しているため、映画業界を支えているもののすべての変化に耐えられるだろうと信じる必要がある。2018年に興行収入があがった一方、彼らは不確かな未来を眺めているのである。Netflixはまだ成長を続けている。メディア企業は独自のストリーミングサービスを構築するためにより多くのリソースを投資している。Disney、Apple、WarnerMediaは今後数カ月のうちにストリーミングサービスを開始し、Comcastも2020年に独自のプラットフォームをデビューさせることになったため、このストリーミングサービスに関する議論は今後も拡大すると言っても過言でない。ヘレン女王でさえそれを認めなければならないであろう。

敏感なテーマであるサウジアラビア

2018年、サウジアラビアは成長の機会を待っていた映画業界において、次にくるビッグチャンスとみられていた。映画を禁止してから35年の年月を得て、ようやく解禁された後、初めてリヤドに映画館がオープンした。当時、王国は比較的短期間で10億ドルの映画市場になるという予測があった。サウジアラビアは王子であるMohammed bin Salman氏のもと、映画・メディア事業への投資を望んでおり、莫大な支援金をもってスタジオが国内で映画の撮影が行われることを願っている。

10月にジャーナリストであるJamal Khashoggi氏がサウジアラビア政府のエージェントに殺害されたことにより、サウジアラビアとハリウッドの関係は脅かされた。CIAは後でビン・サルマン氏が彼の暗殺を命じたと結論を下した。このような背景があり、サウジアラビアの話は今年のCinemaConではあまり話題に上がらなかった。AMCのチーフ、Adam Aron氏は、Khashoggi氏殺人事件で会社は動揺したと語ったが、最終的には国内に最大40の劇場を建設する計画を進めることにした。

Aron氏はVarietyの取材に対し「この事件は私たちに正しいことが何かについて何度も深く考えさせられた。」と述べた。「多くのことを考えた結果、私たちは人々の利益のためにその国で事業を展開すると結論を下した。この国には3300万人の人々がおり、そのうちの70%が30歳未満であり、その若者達は映画が好んでいる。」

それは、AMCだけではない。他の3つのチェーンもサウジアラビアで劇場を開く許可を得ようとしている、とFithian氏は記者会見で語った。また、サウジアラビア政府は2020年までに350億ドルを劇場に投資する計画を発表した。Aron氏同様、Fithian氏は自由なアートの力について指摘した。

「映画は長い間にわたり自由の刀であった」と彼は報道陣に語った。それは本当かもしれないが、Khashoggi氏の衝撃的な死は、いくつかの会社にとって中東進出を警戒させるものであった。

人種、性別を超えて

『ブラックパンサー』、『ワンダーウーマン』、『Us』、『キャプテンマーベル』、および『クレイジー・リッチ!』は、観客が自分自身をスクリーンに映し出し、自身と登場人物を重ねて観ることを好むことを証明した。白人以外の人種と女性を主役にした映画を作ることは、単に道徳的によいだけでなく、ビジネスにとっても良いことである。そして、前世紀における非白人男性の人口統計をほとんど無視したハリウッド映画はついに、人種や女性をテーマにした作品を作り始めた。フェスティバルのステージ上では、NATOのFithian氏、ワーナー・ブラザーズのチーフToby Emmerich氏、そしてUniversalのDonna Langley氏は、包容力を身につけ、人種や性別を超えた多様なキャストで作り上げられるプロジェクトを支援することを約束した。『ワンダーウーマン1984』のようなスタジオの大ヒット映画から、『Queen&Slim』のような犯罪ドラマまで,ますます多様化している観客と国を反映し始めている。

2019予測:来年の映画、テレビ、音楽業界はどうなるだろうか

【出典】12/12/18
https://variety.com/2018/biz/features/variety-film-tv-music-predictions-2019-1203087313/Picture1

メディアの大規模な合併からハリウッド著名人によって発表された反セクシャルハラスメント運動、「タイムズ・アップ」が発足するなど、2018年は紆余曲折のある年となった。CBSのCEOであったレズリー・ムーンズ氏は先日、セクシャルハラスメントの疑いで退陣を余儀無くされた。AT&Tのタイム・ワーナー買収に先立ち、ディズニーはフォックスを買収し、最新作「ブラック・パンサー」は新たに興行収入記録を塗り替えた。これらの起きた事を考慮すると、2019年はますます混乱した一年になりそうだ。ここで我々は、新年開始と同時に起きることが予想される10個のトピックを集めた。

アップルのソニーピクチャーズ買収の可能性

シリコンバレーの大企業たちは、ネットフリックスとアマゾンが提供するストリーミングサービスに対抗すべく、ハリウッドの専門技術を使い始めるだろう。アップルがソニーピクチャーズを買収することで、映画「スパイダーマン」の制作権だけでなく、「メン・イン・ブラック」、「ブレイキング・バッド」、「ジュマンジ」などの映画にアクセスできる権利を持つことになるだろう。これによりアップルがさらに躍進することは確かだ。そしてスタジオを購入することは、企業価値1兆ドルもあるアップルにとっては誤算程度に過ぎないだろう。

ロバート・ダウニー・Jr.氏、ついにアイアンマンに別れを告げるだろう

ダウニー氏が今まで主演した10作にも及ぶマーベル映画の中で、彼は「アベンジャーズ」の一員として需要な役割を果たしてきた。しかしそんなスーパーヒーローでさえ、世界を救うことに疲れてしまうことだってあるのだ。来年の夏公開予定の 「アベンジャーズ」では、彼のキャリアを復活させたフランチャイズへ別れを告げ、俳優として第二の道を歩む予定だ。ダウニー氏の引退により、映画「ブラックパンサー」で主演を演じた、チャドウィック・ボーズマン氏が現時点で事実上、世界で最も重要なスーパーヒーローのメンバーになったことは確かだ。

従来のテレビコマーシャルが終わりを告げるかもしれない

NBCユニバーサルとフォックスは、従来のテレビコマーシャルを変える新たな方法を試みている。若い世代の多くがストリーミング配信に慣れており、彼らが広告を目にする機会は減っている。もしこのような現状が続けば、今後スポンサーの名前付きテレビコマーシャルを見ることは確実に減って行くだろう。

   ウェブメディア企業は合併により「デジタル・メディアの危機」を乗り越えるだろう ウェブメディア企業である「BuzzFeed」、「Vice Media」、「Vox Media」、「Refinery29」、「Awesomeness」、「Mitu」にとって厳しい日々が続いている。これらの企業では、ネットの広告収入が減ることが予想され、近くに大規模なリストラが行われる予定だ。今年の11月には、ニュース・スタートアップ会社である「マイク」が、「Bustle Digital Group」に買収され、編集チームほぼ全員のリストラが行われた。BuzzFeedのCEOであるジョナ・ペレッティ氏は、フェイスブックやグーグルからより多くの広告報酬を得るべく、最近のニューヨーク・タイムズのインタビューでM&Aに従事することを語った。 

戦いが再び始まる:各スタジオは大規模な戦いに備えるだろう

ディズニーがフォックスを買収すると発表した後、劇場公開日の数週間以内に映画をオンデマンドでリースする契約が各主要スタジオで交渉された。これにより、映画を配信する劇場の利益カットが見込まれている。ワーナー・ブラザーズとユニバーサルは、映画を早期にオンデマンドで配信する事を発表する予定だが、これには映画館のオーナーたちからの非難が予想されている。 

大手タレント・エージェンシーの新たな動きが生じるだろう

アメリカの大手タレント・エージェンシーである「CAA」の代理店の所有権構造に対する不満はこれからますます高まっていくだろう。今年すでにアメリカの投資ファンドである「TPG」がCAA株式の全て、または一部をジョン・マローン氏の「リバティー・メディア」に売却することに対し、各所で議論が起こった。その他大手タレント・エージェンシーの「WME」と「IMG」では親会社である「エンデバー」の経営方針に合わせるため、内部管理の改新が予想されている。

ネットフリックスのサブスクリプション料金値上げが反発を生むだろう

ネットフリックスはサブスクリプション率が一時的低下した事を受け、2017年の第4四半期の最後に会員費を引き上げた。2019年の後半にも、ネットフリックスは債務を通して得たコンテンツの支払いをすべく、米国などのより成熟した市場で値上げを行う予定だ。理由はともあれ、この値上げは多くの怒りと反発を生じるだろう。しかし、ウォールストリートによると、現在ネットフリックスはサブスクリプション費を安全に引き上げられる立場にいるという。実際ネットフリックスで一番人気のプランは月額10.99ドルであり、ライバル社、「フールー」の月額11.99ドルプラン(広告なし)よりも安い。ネットフリックスのプロダクトオフィサーであるグレッグ・ピーターズ氏は、「我々のサービスが顧客の期待に応え続けている限り、価格を少しでも上げる権利がある」と語った。

 ストリーミング配信サービス競争がさらに加速するだろう

ディズニーとAT&Tによる、「ワーナーメディア」が新たに、ネットフリックス、アマゾン、フールー、「ESPN +」と競合することによりストリーミングサービスに関する戦いはさらに加速する見込みだ。また「Sling」や「Direct TV Now」などといった有料ケーブルテレビ企業の参入も予想されている。競争に伴い、消費者の購買意欲を沸かせる広告が増えることだろう。

ミッションインポッシブル:トム・クルーズの代わりの俳優を探すのはインポッシブル

https://variety.com/2018/film/box-office/mission-impossible-fallout-analysis-tom-cruise-1202889395/

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トム・クルーズが完全復活した。

2017年に公開された『バリー・シール/アメリカをはめた男』と『The Mummy(ザ・マミー)~呪われた砂漠の王女~』は興行収入的にあまり振るわなかったが、全米で7月末に公開された「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」はミッション・インポッシブルシリーズの中でも歴代1位のオープニング成績、トム・クルーズ主演作品の中でも「宇宙戦争」に続く歴代2位のオープニング成績だ。彼は今年で56歳を迎えたが未だ現在もハリウッドスターとして「稼げる」ことを証明した。

ハリウッドでスターパワーが徐々に弱くなる昨今、「ミッション・インポッシブル」の成功の要因はトム・クルーズというスターのキャスティングだろう。ハリソン・フォード、メル・ギブソン、ジュリア・ロバーツ、ジョニーデップ、そしてウィル・スミスなどのAリスト俳優は昔、彼らの名前だけで観客を集客することができた。しかし最近は難しくなり、「スターウォーズ」、「マーベル・シネマティックユニバース」、「ワイルドスピード」などは作品のブランド力に頼るしかない。

しかし「トム・クルーズ」と「ミッション・インポッシブル」は表裏一体だ。トム・クルーズのいない「ミッション・インポッシブル」を観客は想像できるだろうか?一時期、もっと若く出演費用の安いジェレミー・レナーがトムの代わりを引き継ぐと噂され、4作目の「ゴーストプロトコル」から分析官役として登場していた。しかし今作では登場していない。

観客はトム・クルーズが出演しなくなったら寂しがるだろう。20年以上前に「ミッション・インポッシブル」シリーズが始まって現在、数少ないアクションスターの一人となった。「フォールアウト」のスタントシーンで骨折をしたが、彼のスピードが落ちる兆候はない。映画レビューサイト「ロッテン・トマト」で「フォールアウト」はシリーズ史上そしてトム主演作品の中で最も高い98%のレビューを獲得。CinemaScoreによると同作品を鑑賞した観客もA評価を与えている。

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「トム・クルーズがイーサン・ハントであり、イーサン・ハントこそがトム・クルーズなのだ」と語るのはcomScoreの興行収入成績アナリストのPaul Dergarabedian氏。「ここまでキャラクター・フランチャイズそして主演俳優が密接にリンクしている作品は他に存在しない」と付け加える。

今作ではヘンリー・カヴィル、アンジェラ・バセット、アレック・ボールドウィンなど有名俳優が出演しているが、トムの決死のスタントに勝るものはない。トムが飛行機からHALOジャンプを行うシーンを成功させるため全部で100回以上ジャンプしたと言われている。他にもトムはトリッキーなヘリコプタースタントをするために操縦を習ったと言われている。

「トム・クルーズのスタントを代わり行えるのはトム以外誰もいないだろう」とDergarabedian氏は語る。

ユニバーサルの「ボーン・シリーズ」もキャラクターメインのアクション作品だ。マット・デーモン主演からジェレミー・レナーに主演が引き継がれた「ボーン・レガシー」は興行収入で振るわず、シリーズ最低成績となってしまった。

「ミッション・インポッシブル」シリーズはこれからも続くだろう、そして観客はトム・クルーズが次にどんなすごいスタントを見せてくれるのか楽しみにしている。

 

BAFTAロサンゼルス、ニューカマープログラムを諸外国向けに展開

https://variety.com/2018/film/global/bafta-los-angeles-newcomer-program-expanded-1202882103/Picture1

BAFTAロサンゼルスは、イギリス以外の国々からハリウッドにやってくる国際的なタレントを抱えるために、ニューカマープログラムを拡大しているところだ。このプログラムでは、キャリアを広げるためにロサンゼルスに移ってくるエンターテインメントのプロフェッショナルと、その分野の他の人達とを繋げている。

今日発表された文書には、英国映画テレビ芸術アカデミーは、イギリスに加え、オーストラリア、ポーランド、南アフリカ、イスラエル、韓国、フランス、トルコ、香港からの55名の参加者を援助するつもりであると書かれていた。2007年に開始された本プログラムは、キャリア形成のサポートや、ビジネス向け交流会、ロサンゼルスに移った人々とのマッチング、キュレートされた教育プログラム、BAFTAの説明会とインサイトシリーズを含む能力開発イベントのスケジュールへのアクセスなどを提供する。

この展開は、BAFTAロサンゼルスの使命を一歩先へと進め、異文化交流を促進しグローバルな関係を強化することになる。

「BAFTAがグローバルに援助を広げていく中、ロサンゼルスでイギリス人タレントを支援し成功してきて10年が経ち、現在ニューカマープログラムが国際タレントにまでその範囲を広げることに、私たちは胸を躍らせている。」と、新人(ニュータレント)委員会の会長であるSandro Monetti氏とPeter Morris氏は文書の中で語った。

今年選出された55名の参加者は、俳優19名、監督15名、プロデューサー9名、映画脚本家3名、アートディレクター2名、エグゼクティブ2名、作曲家2名、撮影監督1名、プロダクションデザイナー1名、エージェント1名、広報係1名で構成されている。彼らは3つのグループに分けられ、参加者はそれぞれプログラムの1,2,3年目に各グループに所属する。

United Talent Agency社が、eスポーツ会社Press XとEveryday Influencersを買収

https://variety.com/2018/gaming/news/uta-press-x-everyday-influencers-1202859594/

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アメリカの大手エージェンシーUnited Talent Agency (UTA)は、ビデオゲーム産業にまでその歩みを広げている。当社は、2社のeスポーツ会社、タレントエージェンシーのPress Xとマネジメント会社Everyday Influencersを買収したと、27日水曜日に発表した。

この買収により、90ものトップeスポーツアスリートや配信者がUTAのポートフォリオに加わることになる。中には、ゲーム『League of Legends』のスター、Aphromoo氏やsOAZ氏、また配信者のImaqtpie氏、Pokimane氏やDisguised Toast氏が含まれる。これによってUTAは、現在eスポーツタレントと配信者の双方、およびゲーム開発者を抱える、唯一のタレント・エンタメ会社になると伝えられている。

「このデジタル世界において、新たな流行を見つけ採用していく中、我々はPress XとEveryday Influencersの獲得が、先を見据えた成功のチャンスになるだろうと気付いた。」と、UTAのCEOである Jeremy Zimmer氏は述べた。「ゲーム部門の規模は、今年1350億ドルに達すると予想されており、eスポーツと配信は成長戦略において決定的な要素だ。UTAにとって、これらのカテゴリーはわが社の既存のゲーム関連業務やビジネス全体に対して補完的な役割を果たすのだ。」

UTAのゲーム部門は、出版取引、雇用契約、知的財産取引などを執り行う。Press XやEveryday Influencerの力を借り当部門はいまや、出版契約、講演といった幅広い機会をクライアントに提供することができるようになるだろう。クライアントには、『BioShock』のクリエイターKen Levine氏やBioWare社のゼネラルマネージャーCasey Hudson氏、Klei Entertainment社、Big Huge Games社、Panache Digital Games社、Moon Studios社、『Her Story』のクリエイターSam Barlow氏が含まれる。

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Press XとEveryday Influencersの共同創業者であるDamon Lau氏は、UTAの新たなeスポーツグループを率いることになると、UTA Gamesの社長Ophir Lupu氏(写真)とUTA Venturesの社長Sam Wick氏に報告する予定だ。UTAの弁護士には、エンターテインメントパートナーのDavid Eisman氏や、提携者であるSkadden, Arps, Slate, Meagher & Flomの Allison Hunter氏が含まれた。Manatt, Phelps & PhillipsのNed Sherman氏は、Press XとEveryday Influencersに代わって交渉した。

これがUTAの最新の拡大施策だ。以前UTAは、音楽、ニュース放送、ライブ演説に力を注いでいた。UTAは昨年秋に最も影響力のある演説者の事務所the Greater Talent Networkを買収した後、トップの電子音楽会社のひとつCircle Talent Agencyを今年の始めに買収した。

Everyday InfluencersとPress Xの弁護士・アドバイザーの中には、Manatt, Phelps & Phillipsの弁護士兼理事であるNed Sherman氏や、パートナーのSarah Chambless氏が含まれた。

ネットフリックスはディズニーの市場価値を上回り、第1位のメディアへ

【出典】2018/5/24

http://adage.com/article/ad-age-annual/netflix-tops-disney-market-1-media-stock/313644/

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Netflixは、映画・テレビ・テーマパークの大手メディア企業ウォルト・ディズニー社を市場価格で追い越し、市場第1位のメディア企業となった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、ネットフリックス株はニューヨークで2%増の351.48ドルとなり、同社の時価総額は1,500億ドルを超え、1.6%減のディズニーの値を上回った。

この成長は、世界最大の有料オンラインビデオサービスの将来に対する、投資家たちの厚い信頼を裏付けている。Netflixの価値は、2014年末に約200億ドルから急増し、なんと5月最終週は世界で最も強力なメディア大手のコムキャストとディズニーを上回った。

それでも、Netflixの収入は大手メディア企業の収入を大幅に下回っている。

コムキャストは米国最大のケーブル供給会社で、NBCユニバーサルの親会社であり、映画スタジオ、有料TVネットワーク、テーマパークを所有している。昨年のコムキャストの売上高は845億ドルだった。

ディズニーの2017年の収益は551億ドル、米国で最も有名なテレビネットワークの2つであるABCとESPNの所有に加え、ディズニーパークやディズニーリゾートを所有している。

アナリストの予想によると、アメリカ国外で多くの会員が増加する見込みのため、今年のNetflixの売上高は、38%増の161億ドルになるとされている。契約者数は3月31日現在で1億2500万人に達している。カリフォルニア州のLos Gatosにオフィスを持つ同社は、新しい視聴者を惹きつけるために何十億ドルもの番組を費やしており、一部のアナリストの間では懸念が生まれている。

Netflixは2018年に約80億ドルを映画&動画コンテンツに投入し、30億〜40億ドルのマイナスのキャッシュフローを予測している。そして同社は今年のS&P500種株価指数のトップパフォーマンス株であり、過去6年間で3つの指数をリードしている。

ディズニーは今年5.5%減、またComcastは21%減となった。投資家は、会社が成長し続ける限り、現金をロスすることも許可している。ディズニーは、ストリーミングサービスによってもたらされる脅威に対し、自社コンテンツをオンラインに移行することで対応する予定だ。

同社はWebベースのESPN会費サービスを導入しており、コンテンツの追加提供を予定している。Comcastはケーブルパッケージの一環としてNetflixサービスの販売を開始した。

 

革新的なジャンル映画は今年のオスカーレースを引っ張る

http://variety.com/2018/film/features/innovative-genre-movies-goose-oscar-race-get-out-shape-water-1202687793/Picture1

今年は珍しく「ジャンル映画」がオスカーに愛される、レアな年となるのだろうか?

確かに、今年の最優秀作品賞の多くがインディーフィルムのスピリットを持っていて、「ジャンル映画」のカテゴリーを超えている。そして映画を高める現代的な感性と重ね合わされている。

ホラーとコメディという、オスカーが特に嫌いな2つのジャンルを組み合わせた『ゲット・アウト』を考えてみよう。脚本兼監督のジョーダン・ピールは、この二つのジャンルを、人種という今最もホットな話題の1つに混ぜ込み、賞総なめ作品を作り上げた。

先に進む前に、用語を定義してみよう。言葉フランス語の「ジャンル」は芸術作品を分類しカテゴリ分けする方法を指すが、「ジャンル映画」というのは、キザな批評家達がが西部劇、SF映画、スポーツ物語、戦争物語、その他いくつかのカテゴリを呼ぶ軽蔑的な言葉だ。「まあ、これはただの西部劇だよ。」とは言わずにも、「これはジャンル映画だ。」といってしまうことで、ある映画を却下するようなものだ。

オスカーはSF映画やファンタジー映画にはほとんど賞賛しないが、ギリモ・デル・トロの心温まるモンスター映画『シェイプ・オブ・ウォーター』は、シンプルなSF映画の分類を超越する。この混合種間ロマンスと冷戦のスパイストーリーは、去年の秋に映画祭デビューして以来、賞賛され続けてきた。
このような作品はまだまだある。『ダンケルク』は戦争映画であり、革新的なストーリーテリング方法を使用して、一か八かのアクション作品を作り上げた。 『スリー・ビルボード』は復讐の話であるが、タフなヒロインと実は正しい心を持つ警官が対立するという設定だ。

このようなバリエーション豊かなジャンル映画は、伝統的なドラマ映画と、最後までギリギリの賞レースを行うだろう。

『君の名前で僕を呼んで』:これは 「同性愛」映画をアートハウスから、おそらく、主流に動かす。

『レディ・バード』:成人向けのジャンルは、オスカーの餌になることはなかった。

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』:『スポットライト』は別として、ジャーナリズム映画はめったに勝てない。

『ファントム・スレッド』:ディレクターとキャストの経歴にもかかわらず、結局はファッションとデザインに関する映画なのだ。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』:オスカーは確かに伝記映画を愛する。 『ビューティフル・マインド』『ブレイブハート』『アラビアのロレンス』『ラストエンペラー』『ガンジー』そしてかなり昔の『エミール・ゾラの生涯』『巨星ジーグフェルド』など、最優秀作品賞は伝記映画で溢れている。

叙事詩でない限り、ジャンル映画は最優秀作品賞のお気に入りではなかった。 『風と共に去りぬ』(1939年)から『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)まで、長編物語は12回以上最優秀作品賞に選ばれた。ミュージカルは、『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)『シカゴ』(2002年)、そして昨年惜しくも受賞を逃した『ラ・ラ・ランド』など、8回も受賞している。戦争映画は、『西部戦線異状なし』(1930年)から『ハート・ロッカー』(2008年)に至るまで、7つの最優秀作品賞を獲得した。その他のこととなると、アカデミーはジャンル映画に対して当たり前のように興味を示さなかった。

作品賞を受賞した純粋なアクション映画を挙げてみよう。最初の受賞作品であるサイレント映画『つばさ』(1927年)をアクション映画として数えない限り、何もない。

最優秀作品賞受賞者のこととなると、アカデミーは真面目なドラマ、特にベストセラーの本や長年続く演劇が映画化された作品、何と言っても実話に基づいたもの(過去10
受賞作品中5作品)を特に好む。

唯一のミステリー受賞作品はアルフレッド・ヒッチコックの『レベッカ』(1940年)だ。ホラー映画?ジョナサン・デミの「羊たちの沈黙」(1991年)をホラーとして数えるならば、それが一つだ。果たして『ゲット・アウト』が25世紀ぶりにオスカー像を獲得するホラー映画になるのだろうか?

その点では、何本のコメディ映画が受賞しただろうか? 『或る夜の出来事』(1934年)、『我が家の楽園』(1938年)、『アニー・ホール』(1977年)などのような作品以外を見つけるのは困難だろう。西部劇も同じである。 『シマロン』(1931年)、 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年); 「許されざる者」(1992年)のみだ。

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ギャングや犯罪映画は、若干人気がある。『ゴッドファーザー』シリーズの初2作品(1972年と1974年)『ディパーテッド』(2006年) 『フレンチ・コネクション』(1971年)が受賞している。こじつけだが、『ノーカントリー』(2007年)も含められるかもしれない。スポーツ? 『ロッキー』(1976年)、『炎のランナー』(1981年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)の他に受賞作品を探すのは難しいだろう。

あなたが俳優であれば、あなたがノミネートされたいジャンルは常に人気の伝記映画だ。ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを演じた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は本命だ。2000年以来、10人の主演男優賞と8人の主演女優賞受賞者が実在の人物を演じた。助男優賞も助演女優賞も、それぞれ6人が実在の人物を演じて受賞した事は言うまでもない。その点では、『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』で出版者のキャサリン・グラハムを演じたメリル・ストリープ、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』でトーニャ・ハーディングとその母を演じるマーゴット・ロビーとアリソン・ ジャニー、そしてより一般的なドラマ映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』でJ.ポール・ゲッティーを演じるクリストファー・プラマーが有力候補である。

ジャンル映画の監督らは、作品賞(クリント・イーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』、マーティン・スコセッシの『ディパーテッド』)でなくても(『グラビティ』でアルフォンソ・キュアロンが監督賞)受賞履歴がある。

アカデミーがSF、アクション、ファンタジー映画に敬意を示す唯一のカテゴリが技術分野だ。興行収入の低い『ブレードランナー 2049』は、技術部門において5つ(ロジャー・ディキンズの驚くほど素晴らしいシネマトグラフィーを含む)にノミネートされていて、それは批評家に人気の作品『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(1つ)や興行収入チャンピオンである『ワンダーウーマン』(ノミネート無し)よりもはるかに多い。

今年のノミネートは、非常に多くの監督が個人的なビジョンを追求する機会を得ている。 『シェイプ・オブ・ウォーター』は、イギリスのインディペンデント映画の熱烈な支持者サリー・ホーキンス、アメリカのインディー映画の象徴マイケル・シャノン、そして前年のオスカー候補(オクタビア・スペンサーとリチャード・ジェンキンス)を使用しているので、他のSF映画と違い却下しづらい作品だ。『スリー・ビルボード』は果たしてただの犯罪復讐映画だろうか?そうかもしれない、しかし、この映画が描く悲しい人道と、人生との不安な戦いが、『ノー・カントリー』よりも『ムーンライト』寄りなのかもしれない。

今年のアカデミー賞は、ジャンル映画に有利になるだろうか?
こう言おう:ジャンル映画ということを忘れてしまうような、このような素晴らしい映画をこれから作ろう。

リュック・ベンソンのヨーロッパ・コープがネットフリックスとの映画契約を協議中

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リュック・ベンソンのヨーロッパ・コープはネットフリックスと、ストリーミングプラットフォーム用の多数のオリジナルムービー制作を協議している。これは、このフランスのスタジオが2017年の『ヴァレリアン/千の惑星の救世主』制作における高額な制作費を回収できなかったことが原因だ。

『フィフス・エレメント』の監督であるベッソン氏は、ネットフリックス・オリジナルとしてブランド化された映画を監督し、約3,000万ドルで制作することもありうる。このシナリオでは、SVODサービスがヨーロッパ・コープのライブラリの株式を取得することも予想される。このライブラリには、『96時間』や『トランスポーター』のような貴重なタイトルが含まれる。

ネットフリックスは昨年8月、Kick-Ass、Kingsman、Old Man Loganなどのコミックを生み出したMark Millarによって設立された漫画出版社であるMillarworldを買収、ベッソン氏の会社を買収した場合これが2社目となる。
フランスの場合、ネットフリックスとヨーロッパ・コープの提携は、ある1つの大きな課題が存在する。同国には不可解な時間枠システムがあり、劇場公開後36ヶ月間はストリーミングでその映画を視聴することができない。

ネットフリックスの介入は、ヨーロッパ・コープにとって忙しい時に届いたニュースだ。ビベンディとワインスタイン・カンパニーの取締役であるフランス系チュニジア人の実業家タラク・ベン・アムマール氏は、ハーヴェイ・ワインスタインのスキャンダル渦中でワインスタイン・カンパニーの売却を手伝っていると報じられていて、ヨーロッパ・コープの買収を目論む人物の一人であった。Deadline紙は、彼が会社を買収する可能性は低いとしている。他にも複数のプレイヤーが、投資や特定のカタログ資産の取得など、ヨーロッパ・コープへの関心を表明している。

2〜2.1億ドルの制作費が投入されたベッソン氏監督SF映画『ヴァレリアン』やトム・ハンクス出演映画『ザ・サークル』、また歴史映画『人生はシネマティック!』などが興行収入的に不発に終わり、損失は、12月の6ヵ月決算で8300万ドルに上る、とスタジオは発表した。

オスカーの夜までにオスカー候補作品たちはどれだけの結果を残せるか?

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3月4日のオスカーの日まで、有力候補作品たちは現在も映画館で公開され、今年のノミネート作品が火曜(1/26)に発表されてから1億5000万ドルの興行収入を稼ぎ出している。

20世紀フォックスとフォックス・サーチライト・ピクチャーズが製作した作品2作を加えた5作品:『シェイプ・オブ・ウォーター』(13部門ノミネート)、『スリー・ビルボード』(7作品)、『グレイテスト・ショーマン』(1作品)、 『フェルディナンド』(1作品)、 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2作品)の興行収入はこの数字の65%に迫ろうとしている。

メディアは中規模の予算のドラマとコメディ作品はストリーミング配信に負けると頻繁に報道している。しかし、オスカーは私たちにまだ映画館に足を運ぶ人がいるということをいつも思い出させてくれる。主要な映画チェーンであるAMCシアターズ, リーガル・エンターテインメント・グループ、シネマーク・シアターズはオスカーにノミネートされた作品の今後5週間上映する計画で、映画ファンたちは作品賞にノミネートされた映画を全て見ることができる。

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大抵の場合、配給会社はオスカー候補決定のニュースを利用し、スクリーン数を増やすことによって、利益を出してきた。フォックス・サーチライト・ピクチャーズの『シェイプ・オブ・ウォーター』は全米1854ヶ所で拡大公開され、毎週ごとに売り上げを伸ばしている(+181% or $590万ドル)。『シェイプ・オブ・ウォーター』は今年最多のオスカー獲得が予想されている。サーチライトは9週間、賞候補の映画たちが同じ映画館で上映できるよう、長期に渡り予約しており、ギレルモ・デル・トロの海の怪物とラブストーリーは良い成績を収めている。

映画リサーチ会社 ComScore社のPostTrakによると、『シェイプ・オブ・ウォーター』は女性の間で高評価で84%のスコアを獲得し、そして全体の観客のスコアは80%と好意的だった。観客のうち25歳以上の女性が40%を占め、25歳以上男性が36%だった。しかし、このR指定映画は最初の2週間の上映では、25歳以下の若い男性(全ての映画ファンの12%を占める)からの高い支持は集められなかった。

しかしながら、興味深いことに、オスカーノミネート作品群の中で今季一番高い興行収入をあげると言われている20世紀フォックス製作の『グレイテスト・ショーマン』とドリームワークス、パーティシパント・メディア共同製作の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はオスカーのノミネーションが少なかった。

P・Tバーナムのオリジナル・ミュージカルの『グレイテスト・ショーマン』について言えば、この映画の成功はヒュー・ジャックマンとザック・エフロンの歌に熱狂してくれるファンたちにかかっている。Picture1

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はタイミングが非常に良く、スティーヴン・スピルバーグのスリラー・ストーリーテリング:ニクソン政権のベトナム戦争の陰謀を巡るワシントン・ポスト紙の戦いを描いた本作は現在の扇動的なトランプ政権に “フェイク・ニュース”と糾弾されているメディアを想起させ、多くの観客の心に届くだろう。これと似たような興行収入の現象は3年前の『アメリカン・スナイパー』で起きた。しかし、共和党支持の強い中部アメリカでは映画は成功した。このクリント・イーストウッドの監督した映画は作品賞を含む6つのオスカーノミネーションを受賞した;多くの人々がこの映画の愛国主義に感動し、アメリカ国内だけで3億5000万ドルを稼いだ。

フォックス・サーチライト・ピクチャーズは『スリー・ビルボード』の可能性を信じており、フランシス・マクドーマンド、ウディ・アレルソン、サム・ロックウェルらのタフなキャラクター達が、共和党と民主党両支持者にウケると狙い強力に宣伝している。マーティン・マクドナーが監督したこの女性の改革運動を描いたドラマは4度目の拡大公開を行い、1457ヶ所で公開、週末ごとに380万ドル売り上げ、収益は100%UP、アナリストはオスカーの夜までに4500万ドルを稼げるだろうと予測している。Picture1

タイミングのことについていえば、次の興行収入で成功しそうな冬季オリンピックの季節に合う映画はNeonと30WEST共同製作の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』だ。この映画は編集を含む3つのオスカーノミネーションを獲得した。マーゴット・ロビーは、2回オリンピックに出場し、さらに汚名を着せられたトーニャ・ハーディングを演じる。161館から960館、さらに現在は1500館にまで拡大公開した。このクレイグ・ガレスピーが監督した映画はNeonと30WESTが権利をTIFF(カナダ拠点の映画スタジオ)から500万ドルで獲得、オスカーの夜までに3000万ドル稼ぐと見られている。

A24製作の『レディ・バード』とフォーカス・フィーチャー製作の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見ていない人たちは疑いなく映画館に駆けつけ、映画は多くの観客を獲得するだろう。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、オスカーのノミネーションを6つ獲得し、ゲイリー・オールドマンの最優秀主演男優賞ノミネートで、第二次世界大戦でのイギリス首相ウィンストン・チャーチルを演じるオールドマンの演技が光り、作品賞にもノミネート、ジョー・ライト監督の作品の中で一番の興行成績を上げ、彼のオスカー受賞映画(作曲賞受賞)『つぐない』の興行収入を超えた。(興行収入5090万ドル)Picture1

しかしながら、いくつかの映画賞協会や評論家はフォーカス・フィーチャーズ製作でポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』が作品賞、最優秀男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、助演女優賞(レスリー・マンヴィル)、監督賞などの主要部門などのノミネートを受けて、オスカーの夜に躍進するのではないかと予想している。Deadlineのアナリストによると、この多数のノミネートは映画のチケットの売り上げを促進し、3月4日までに2000万ドルを超えることができるだろう。Picture1ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスの『君の名前で僕を読んで』の興行を酷評してきた。このゲイ・ロマンス映画はかなりの利益を生んだと考えられており、秋にはゴッサム・インディペンデント映画賞(ティモシー・シャラメがブレイクスルー俳優賞、そして作品賞をそれぞれ受賞)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞も受賞し名声を得た。ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスは拡大公開の時期が遅かったと判断している。
しかし、オスカーの後押しは全てがオーガニックではないということだ。配給会社はオスカー候補作品に平均約3000万ドルの広告宣伝費を出す。もしスタジオが1億ドル以上費やそうとしたら、彼らは4000万ドルを払うだろう。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスは昔から、費用対効果が高い作品にしか投資をしないことで知られている。彼らのオスカー受賞作品の中で1億ドルの大台を突破したのは18年も前の『グリーン・ディスティニー』の一作品だけだ(興行収入1億2800万ドル)
ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』(アメリカ国内興行成績約1億8800万ドルと8部門ノミネーション、作品賞含む)とユニバーサルとブラムハウス・プロダクションの『ゲット・アウト』(約1億7500万ドルと4ノミネーション、作品賞含む)が映画館で再上映されているが、両作品ともDVDがすでに発売されているのに総売上は少ない(ジョーダン・ピールのホラー映画はすでにHBOでも放映されている)。今回の彼らのオスカーのノミネーション効果ははホームビデオ市場に影響が出るだろう。『ゲット・アウト』は今週末で471館で公開し、16万5000ドルしか稼いでおらず、ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』は売り上げた額を公開していない。Picture1