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女子サッカー界を支援するブランド:男女平等に真摯に向き合うブランドが報われる

【出典】4/9/2019

https://www.thedrum.com/opinion/2019/04/09/brands-women-s-football-those-who-genuinely-care-about-the-agenda-will-be

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女子サッカーは現在、普及率と関心の観点から、今日最も急成長している女性スポーツの1つである。女子サッカー界は今、2019年のフランスでのワールドカップを見据えている。

 

バークレイズと女子のスーパーリーグとの数百万ポンドにもおよぶ三年間の契約や、Boots’ UKが女子イギリス代表、アイルランド代表と結んだスポンサーシップに関する最近のニュースから、確かに商業的およびマーケティングの観点から女子サッカー界が大きな注目を浴び始めている事がわかる。

 

これらのスポンサーシップは、女性のサッカー、または一般的に女性のスポーツをスポンサーすることがあなたのブランドを美しく見せるための安価な選択肢であるという誤った考えを払拭する。男性のスポーツが競技だけでなく、競技外でも選手について取り上げているように、女性スポーツも同じ熱量をもって取り上げられるべきであり、今ようやくそうされはじめている。女子スポーツとの提携は、ブランドにとってそれほど魅力的ではないにしてもその機会は等しく、スポンサーシップ業界として私たちは、その恩恵と価値についてブランドに伝え続ける義務を負っている。Visaは男子・女子両方のスポーツに対し同額のサポートを行っている。

 

女子サッカーは、男子サッカーと比較すると、規模、価値、アクセス性に優れ、まだ未開拓なフィールドであるため、従来の典型的なやり方、考えで固まってしまっている環境の中でブランドにとって爽快で非常にエキサイティングな機会を提供する。チャンスは目の前にあり、マーケティングと文化の観点から、功績を上げるためのプラットフォームとして女子サッカーが提供することができる価値を活用するためのオープンな目標と熱心なメディアがある。現役のスポンサー、権利保持者、メディア所有者、そしてタレントは、女子サッカーが持つ観客へのエンゲージメントの実証や、認識やマーケティング/ビジネス目標における主要なポイントをシフトするために協力し続ける必要がある。

成長

 

2015年にカナダ開催された、FIFA女子ワールドカップでのスリリングな試合は世界中を魅了した。スタジアムの観客数はトータルで135万人以上に達し、全世界におけるテレビ視聴者の数は188の国と地域で、7億500万人という記録的な数字をたたき出した。(2015年のラグビー男子ワールドカップの観戦者数より多い)日本対アメリカの決勝戦は、これまでにアメリカで最も注目されたサッカーの試合であった。

 

2017年のUEFA女子ユーロは史上最も注目された大会で、視聴者数から5000万人以上。公式のトーナメントのソーシャルメディアプラットフォームで55万件を超えるインタラクションが報告されている一方、#WEURO2017のFacebookアカウントとInstagramアカウントでの動画の観覧数は440万件にのぼった。スタジアム動員数も前回大会を上回り、オランダは史上初すべての試合のチケットが完売した。今年のワールドカップはさらに壮大な大会になるであろう。

国内の様子

 

イギリス国内のレベルでは、テレビとメディアの間での女子サッカーに関する報道が増加している。英国TVに1190万人の視聴者をもたらした、2015年のカナダでのワールドカップでの女子イギリス代表の功績により、FAとクラブはメディアへの露出の機会を得ることができ、メディア戦略を構築しはじめた。BBCのようなテレビ局はこのブームにのり、女子サッカーの報道を拡大し、さらに全国的にスポーツの発展を後押しするであろうバークレイズやBoots’ UKが結んだ長期間に及ぶスポンサーシップをもたらした。次の鍵となるステップは、FAの女子スーパーリーグの国内放送プラットフォームを開発することである。国内放送を開始する事によって、試合を定期的に放映し、スロットを獲得し、そしてシーズンを通して定期的に女子サッカーへの注目や関心を集めるための最高のメディア露出を保つことができるようになる。

 

着実に成長を遂げていてはいるものの、女子サッカーは世界および地元のスポンサーから広く支持され始めたばかりであるである。しかし、多くの人はまだ女子サッカーのもつ可能性に対し懐疑的で、女子サッカーは商業的に価値があるものではないと考えている。女性のサッカーだけでなく、あらゆるスポーツやスポーツ全般にわたって、その環境、情景は変化し、向上し続けている。特に女子サッカーに焦点を当てると、その進歩と発展をさらに深めるために、改善すべき事が三つある。第一に、世界的なサッカーの運営組織は、女子の大会の成功を活用し、男子の試合とは別にサッカー界の商業的機会をさらに探求する必要がある。ただ、スポンサーシップパッケージに追加するだけの方法とは決別しなくてはいけない。第二に、ブランドは女子サッカーの試合においてもっと多く露出をし、女性が今日における象徴てきな経済価値であることを認め、Visa、Barclays、Bootsなどのブランドから学び、インスピレーションを得る必要がある。最後に、コートのピッチの質は、全国的に、地域的にそして世界的に一貫したサポートを得て継続的に改善し続けなくてはならない。

女性アスリートの力

男女平等を推進することは、私たちの時代の最も強い動きのひとつである。女性の消費者は社会において最も経済的に強力なセグメントの1つであるであるため、この男女平等についての問題に対し真摯に向き合っているブランドは女性からの支持を得ることで売り上げをふやすことができるであろう。特に5人に1人の女性が一家の担い手であるため、ブランドにとって女子サッカーのスポンサーになることは、非常に有益なケースである。この急成長する女性経済は、女性の経済的安定性と購買力が大幅に向上したことを意味する。

市場で成功しているブランドの多くが、女性のロールモデルを促進することの価値を認識している。Nike、Adidas、Under Armorなどのスポーツブランドの大手が、最初に経済における女性の可能性を見いだし、それを活用し始めた。Nikeは1992年にアメリカの女子サッカー代表チームを支援し、Brandi Chastain氏のような有名選手とスポンサー契約を結び、他のブランドの先駆けとなった。Nikeはまた、オランダの女子チームによる女子ユーロリーグでの大胆な動きを支持し、より多くの女子サッカー選手が誕生する様にと願い、雌ライオンの紋章が描かれたユニフォームを発表した。アメリカでは、女子チームのシャツの男性用サイズでの販売をはじめた。これに続き、EA Sportsは女性のゲーマーからの要望もあり、女子サッカー選手をFifaビデオゲームシリーズに登場させた。

未来

2026年までに、FIFAは各年代における女子サッカーの人口を世界的に6,000万人増加させることを目指している。他のサッカー組織も『Together we play strong一緒にサッカーをして強くなろう』キャンペーンをはじめた欧州サッカー連盟、UEFAとの支援を約束している。将来のサッカープレイヤーのための投資は、直接ピッチ上での成功につながり、同時に更なるビジネスチャンスの可能性と、将来の試合に投資するための多くの資金へと変わる。

もっと多くのブランドが女子スポーツが持つ可能性や価値に気づく必要がある。一方で、女子サッカー界は、革新性と創造性を一番に大事にしているブランドを探し、商業的可能性の探求に焦点を当てた専任チームを結成することに専念し、世界規模のキャンペーンを活用する必要がある。スポーツの知名度だけでなく、試合にでている女子選手の知名度をあげること、また女子選手達のピッチ上やピッチ外での人柄や魅力を披露する事は、すべての事業出資者に利益をもたらす。これは女性のサッカー、スポンサー、そして女子サッカー界のスターにとってわくわくする未来の始まりに過ぎない。現代世界の文化的変化を推進し、そして今後の女子サッカー界の全体的な成長とスポンサーのためのマーケティングチャンスのために、ブランドと女子サッカー界の間のコミュニティをより密接に結びつけるであろう。

Adidasとビヨンセ氏の契約はブランドにとってどんな意味があるのか?

【出典】2019/3/4

https://www.complex.com/sneakers/2019/04/what-does-adidas-signing-beyonce-mean-for-brand

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Adidasはエイプリルフールに「4月4日に新たな始まりがあるであろう」と発表したが、嘘ではなかった。中にはポケモンとのコラボコレクションの発表であるだろうと予想した人もいた。Adidasの熱狂的なファンは、AdidasがZXキャンペーンを再開するのであろうという予想について様々な議論がなされた。更には、イングランドのサッカープレミアムリーグのチーム、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズのためのスエードスニーカーの発表であろうという、情報に欠けた結論をももたらすなど、世間では様々な憶測が飛び交った。しかし、この実際のアナウンスは、黄色い背景に黒の三つのストライプの画像と共に投稿されており、今振り返ってみれば、蜂、もしくはビヨンセ氏の愛称のBeyをモチーフにしたデザインであったとわかる。

 

このビヨンセ氏とAdidasとの提携は、AdidasのInstagramでの投稿ビデオにより、4月4日公式に発表された。CNBCの記者Jess Golden氏は、「Adidasとビヨンセ氏の双方は4月4日マルチレイヤー・パートナーシップを結んだ事を発表した。ビヨンセ氏は、ブランドのクリエイティブなパートナーとなり、新たに優れたフットウェアとアパレルを生み出し、そして彼女の手がけるブランド、Ivy ParkをAdidasとの提携をもって再起動させるであろう。」と語った。

 

プレスリリースにおいて、ビヨンセ氏は、「これは私にとって一生のパートナーシップである。Adidasはクリエイティブの境界を広げることに多大なる成功をおさめてきた。私たちは、創造性、成長、そして社会的責任を果たす事がビジネスにおいて一番大事な事であるという哲学的考えを共通して持っている。多大なる実績をもち、ダイナミックな業界のリーダーと共に、Ivy Parkを再起動させ、世界規模で拡大することを楽しみにしている。」と語った。

 

Adidas側も今回の提携においてビヨンセ氏と同じ考えをもっている。Adidasのグローバルブランド担当エグゼクティブボードメンバーであるEric Liedtke氏は、「クリエーター・スポーツブランドとして、Adidasは現状に挑戦し、そのオープンソースアプローチを通して創造性の限界を押し広げる。」とのべた。「ビヨンセは象徴的なクリエイターであると同時に、既に功績が認められているビジネスリーダーでもある。この二つが一緒になる事で、私たちは変化を引き起こし、次世代のクリエイターに力を与えることができる。」

 

それはAdidasにとって大きな動きであり、特に女性はこの話題にとても注目している。ここ数年の間、カイリー・ジェンナー氏、ケンダル・ジェンナー氏姉妹との間でブランド・アンバサダーとしての契約を結んでいる。そしてカイリー氏とコラボしたスニーカーAdidas Falconを発売している。しかし、ジェンナー姉妹はスニーカーのコラボのみで自身のラインはローンチしていない。彼らはブランドのために商品を実際に着て外出したり、キャンペーンに出演、インスタグラムにブランドに関する投稿する以外で特に目立った活動はしなかった。Picture1

Adidas Yeezy BoostsのZebraを履くカイリー・ジェンナー氏。インスタグラムより。

 

ビヨンセとアディダスのディールはジェンナー姉妹との提携よりはるかに大きい。彼女は自分のスニーカー、服を着て、そしてAdidasのサポートのもとで彼女のIvy Parkのスポーツブランドを再起動する。

 

去年はIvy Parkにとって激動の年であった。TopshopのオーナーであるPhilip Green氏は、2016年にビヨンセと提携を結び、Ivy Parkを立ち上げた。しかし、2019年にGreen氏は人種差別、セクシャルハラスメントで告発され、会社から退いた。その後、ビヨンセ氏はIvy Parkの所有権を取得した。

 

自身のファッションブランドを独自に経営する事は難しく、またAdidasのインフラストラクチャと技術を使用することはIvey Parkで使われる素材の品質を向上させることができる。さらにIvey Parkブランドの生産、品質管理はAdidasによってより向上することができる。

 

ビヨンセ氏がスニーカーコミュニティの中では大きな力を持っていなが、それは対して問題ではない。彼女の名前は十分な重みをもつ。とにかく、人びとは彼女の着ているものにこだわる。ビヨンセは世界で4番目に裕福な歌手としてランクされており、その純資産は約5億ドルだ。この純資産は今後、このAdidasとの契約でさらに上がることは間違いないであろう。

 

Adidasは近年、女性の市場を近年より積極的に取り入れようとしている。Adidasは3月、女性専用Instagramを立ち上げた。女性向けの靴を製造することになると、女性の消費者はフットウェアブランド特有の、男性用商品のサイズを小さくし、ピンクに塗り替えるだけというアプローチに不満を抱くことがよくあるが、ビヨンセのような人はそれをも変えうる。たとえ、ビヨンセがアディダスのスニーカー「スーパースター」よりヒールを普段履いていることで知られていたとしても、女性達が尊敬する理想的な人物によってデザインされた、あるいは少なくとも承認された女性スニーカーと服を販売し提供することは、女性達の購買意欲を刺激し、ブランドの繁栄につながる。

 

Adidasの大きな成功の1つは、有名人とのコラボだ。1986年にこのブランドがRun-DMCと提携し始めてから、カニエ・ウェスト、ファレル・ウィリアムス、ミッシー・エリオット、プシャ・Tなどのアーティストがコラボした。カニエ・ウェスト氏のYeezyラインは、2014年に提携して以来、今やブランドビジネスの一部として成長している。

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JAY-ZのPumaのスニーカーを履くビヨンセ氏。ビヨンセ氏のHPより。

ビヨンセ氏の夫JAY-Z氏がPuma Basketballのクリエイティブディレクターを務めているということをここで触れるのはタブーである。彼が保有するRoc Nationレーベルとスポーツ・エージェンシーもプーマとの継続的なパートナーシップを持っており、そして彼の長年の友人でありビジネスパートナーであるEmory Jones氏も9年間Pumaとの契約をむすんでいる。何故、ビヨンセがPumaと契約せず、同社の操業依頼からのライバルであるAdidasと契約したのか。おそらく、金銭面の問題か、ただ単に契約が上手くいかなかったのか。

ビヨンセ氏とAdidasがパートナーシップを結んだことは、やはり興味深い。彼女の夫と最高の関係を築いていたカニエ・ウェストのラインYeezyは大人気、Adidasがブランド力を取り戻すことに大きな貢献をしたと賛評されている。ビヨンセ氏はカニエ・ウェスト氏の妻、キム・カーダシアンと長年の親交をもっている。彼らが同じスポーツウェアブランドと提携を結んでいると考えると興味深い。

カニエ・ウェストとビヨンセが同じ政治的意見を共有していないことも興味深いことの一つである。ドナルド・トランプ大統領と会い、Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大に)の帽子かぶったこと、保守系の専門家であるCandace Owens氏を支持したことで知られている。ビヨンセ氏とは政治的意見ではでは反対の立場である。彼女は米国上院議員に立候補したBeto O’Rourke氏を支持したが、彼はそれを共和党の現職のTed Cruz氏に負けてしまった。さらには、彼女と彼女の旦那はバラク・オバマ前大統領とミシェル・オバマ氏とも親交がある。

Adidasがカニエ・ウェスト氏の保守的な考えがブランドのイメージとして、結びつかないようにするためにバランスを取ろうとしたならば、今回のビヨンセを契約相手として選んだ事は正しかった。プレスリリースの場で使われた、「社会的責任」という言葉をみると、次のことが汲み取れる。洋服やスニーカーはあらゆる人々によって意味を持って身に着けられている。Adidasは今回のビヨンセ氏との提携には隠れた左翼的な政治的考えを持つ人びとに向けたメッセージがあり、彼らを取り入れようとしている。ビヨンセは政治的な行動を起こし、そのときにAdidasとのコラボ洋服を着ていくであろう。政治的見方、世論の見方からみても、Adidasにとっていいマーケーティングである。

純粋にスニーカーが好きな熱狂的なファンの一部は、お気に入りのブランドの主要アンバサダーにビヨンセ氏がなることに眉をひそめているだろうが、この提携は彼らのための物ではない。大衆向けのものである。スニーカーオタクではない人々をブランドに結びつけるために創られている。ビヨンセ氏の音楽を好んで流している人びとは、それに合ったスニーカーも好むであろう。Reebokは最近Cardi B氏と契約した。この力強い動向は、Adidasが世間の注目を集めスニーカーを売り出すためだけでなく、彼らが真剣なブランド戦略を持ち、Nikeよりも進んだブランドである事を証明するためのものである。