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「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」監督が語る:Netflixとマーベルが変えた視聴習慣

http://variety.com/2018/film/news/avengers-infinity-war-joe-russo-netflix-marvel-storytelling-1202797754/

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ジョン・ファヴロー監督がマーベル・シネマティックユニバース1作目の「アイアンマン」を世に送り出してから10年がたった。この映画がきっかけとなり映画業界は大きく変わった。今までに19のマーベルシネマティックユニバース作品が制作され、ついに「アベンジャーズ/インフィニティウォー」が先日公開、歴代最高のオープニング成績を残した。

ルッソ兄弟(アンソニーとジョー)はこのマーベル作品の中心人物で、キャプテンアメリカの続編である「ウィンター・ソルジャー」と「シビル・ウォー」そして「インフィニティ・ウォー」の監督を行なっている。

「もし自分たちでIP(知的財産)を持っている人が、マーベルのように偉業を達成しようと苦労していたら、どのようなアドバイスをするか?」

という質問に対して、ジョー・ルッソは、

「止めた方がいい。全てのコンテンツがシネマティック・ユニバースでうまくいくとは限らない」

と語る。臆病な回答に聞こえるかもしれないが事実であることは確かだ。マーベススタジオの10年間にわたる努力の集大成が「インフィニティ・ウォー」なのだ。

しかしルッソ兄弟にとって今回の成功に背景は観客の視聴習慣の変化が大きいと語る。「Netflixやマーベル、そしてスターウォーズフランチャイズがエンタメ業界を席巻している理由は、観客が新しいフォーマットのストーリーテリングを求めているからだ」と兄弟は語る。「過去100年間は約2時間の2Dのストーリーが受け入れられていたが、今後10〜15年でストーリーが語られる手法は大きく変わるだろう」と続ける。

Netflixが一気に10エピソードをリリースするのは新しいタイプの長編であり、観客は自分のペースで視聴することができる。だからこそ、多くの若い世代に受け入れられているのだ。

このような構成だとストーリーを予想することも難しくなる。ルッソ兄弟は「最近の観客は公開前からストーリーを予想することが上手になってきているので、我々は意図的に予告編の内容を本編とは違うものにしたり、違う情報を与えるなどして映画の秘密を隠そうとした」と語る。

ハリウッドは模倣文化であり、もし何か新しいことが成功すれば、全く同じことを複製するケースが増える。マーベルの大成功に習い、他スタジオも同じような道を辿ろうとしている。シネマティックユニバースを作り出そうとする、DCコミック(バットマンやスーパーマン)、ハズブロ、レゴ、ユニバーサルのユニバーサル・モンスターズ、そしてスターウォーズなどだ。しかしルッソ兄弟は、フォーマットにフォーカスするのではなく、ストーリーの世界観を広げていくにはどのような可能性があるのかにフォーカスすべきだと考えている。

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の成功により、公開予定作品に対する新戦略を余儀無くされる可能性

https://io9.gizmodo.com/thanks-to-infinity-war-marvel-may-need-a-new-strategy-1825787133

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もしあなたが「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を既に鑑賞していた場合、様々な感情が入り乱れていることだろう。

「何故このようなことが起きてしまったのか?」

「続編のアベンジャーズ4では一体何が起きるのだろうか?」

新しいアベンジャーズ4は北米で2019年5月に公開予定、その前に「キャプテンマーベル」が2019年3月に公開される。そしてアベンジャーズ4が公開された2ヶ月後に新しいスパイダーマン映画が公開される。「インフィニティ・ウォー」内で起きたことを考えるとちょっとしたパラドックスがここで発生するのだ。

 

〜〜〜「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に関するネタバレが下記に含まれる〜〜〜〜

ここからは「インフィニティ・ウォー」に関するネタバレが含まれるので注意。
劇中でスパイダーマン含め多くのメインキャラクターが死亡してしまった。しかしきっと次回のアベンジャーズ4で蘇って戻ってくるだろう。何故ならば、今後のマーベルユニバースを続けていく上で殺してしまうには勿体無いキャラクターばかりだからだ。(興行収入成績で大成功を収めたブラックパンサーも含む)

しかし一番の疑問は、現時点で死亡しているキャラクターの続編公開が控えている中、どのように次作品のネタバレをせずマーケティングやマーチャンタイズを行う予定なのだろうか?まずアベンジャーズ4では、既に死亡したキャラクター達はポスターや予告編、おもちゃ、トークショーに登場するのだろうか?それともディズニーは、既に死亡したキャラクターとみなして一切登場させないのか?死亡したキャラクターを演じる俳優は有名人ばかりだ。ベネディクト・カンバーバッチ、チャドウィック・ボーズマン、クリス・プラット、トム・ホランド、デイブ・バティスタ、アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタンなど。彼らは有名、観客から愛され、観客は彼ら見たさで映画館に集まるのだ。

この問題は「スパイダーマン:ホームカミング」の続編にも関係する。「アベンジャーズ4」の場合、生き残ったサノス、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ブラックウィドー、そして新しく登場する予定のキャプテンマーベルにフォーカスしたマーケティングができるかもしれない。しかしスパイダーマンの場合そのようなチョイスは用意されていない。現在彼は死亡したことになっており、2019年5月3日に公開される「アベンジャーズ4」まで蘇らない。しかし彼の続編は2ヶ月後の7月5日に公開予定だ。通常、映画のポスターや予告編は公開の6ヶ月〜10ヶ月前に登場する。もちろんスパイダーマンが主人公であるわけだから、公開前のマーケティングやマーチャンタイズに彼は「アベンジャーズ4」公開前に登場するだろう。しかし「アベンジャーズ4」公開前に彼がポスターや予告編に登場してしまったら、それは「彼が蘇る」という大きなネタバレになってしまう。

スパイダーマンを制作するソニー、アベンジャーズを制作するディズニー両社に本件について問い合わせを行なった。ソニー側の回答は「マーベル社とスパイダーマンのマーケティング戦略を立てている」、ディズニー側は、「アベンジャーズ4の前に2つのマーベル作品が公開されるので、そちらを注視してほしい」との回答だった。ディズニーの制作タイムラインは公開スケジュールの数ヶ月以上前から立てられているので、既にこのような問題については議論済みなのかもしれない。

ワーナー・ブラザースは2017年に似たようなジレンマを17年に公開された「ジャスティス・リーグ」で経験した。前作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で死亡したスーパーマンが次作品でも登場することは決まっていた。観客のほとんどはスーパーマンが蘇ることは鑑賞前から知っていた。しかしワーナーブラザースはマーケティングの段階からスーパーマンを完全に排除、映画にも登場しないような戦略を立てた。この戦略がうまくいったのかどうか数値化することはできないが、果たして映画史上最もアイコニックなキャラクターをあたかも登場しないようにする戦略は意味があったのだろうか。

ディズニーとソニーがすべきなのは「インフィニティ・ウォー」で起きた出来事は無視してマーケティング戦略を立てるべきだ。スパイダーマンやブラックパンサーをマーケティングで使わないのは非常にもったいない。「復活するのか?しないのか?」にフォーカスするのではなく、「どのような形で復活するのか」にフォーカスすべきなのだ。

このようなネタバレに怒りを感じるファンはいるかもしれない。しかしこのようなファンは、映画スタジオのマーケティング戦略に関わらず劇場に足を運ぶだろう。映画スタジオがマーケティングターゲットにすべき人々は、映画に対してあまり情報がない人、アクティブにウェブをチェックしない人、子供のためにマーベルのおもちゃを買う人々、そして有名でかっこいいスターを見るために映画を見るファミリー層なのだ。「インフィニティーウォー」でどれだけ有名なメインキャラクターが死んだとしてもマーケティング、マーチャンタイズには登場すべきなのだ。各スタジオが今後どのようにマーケティング戦略を立てるか楽しみだ。