タグ別アーカイブ: AdAge

Amazonがプライムデーにセレブリティー特集で稼ぐ

【出典】2019/07/15

https://adage.com/article/cmo-strategy/amazon-racks-celebrity-deals-prime-day/2183836

アマゾンが今までにないような著名な役者やアスリート、SNSを利用して夏のセール中バズを維持し続けた。

image22

ウィル・スミスが水を売り、Kobe Bryantが制汗剤を推している。Mark Wahlbergはプロテインを売り、大きくカラフルなリボンを身につけていることで有名な人気ユーチューバーのJoJo Siwaは、やはりその大きくカラフルなリボンを販売している。

今年で5年目のセールとなり、増え続ける競合企業と戦わなければならない中で、Amazon.com Inc.はプライムデーの夏のセール周辺でバズを維持するため、著名な役者、アスリート、SNSを利用している。

圧力鍋やガジェットの割引は、買い物客があちこちで多くのバーゲンセールを探せる時代に、もはや抜きに出るためには十分ではない。ウォールマートは日曜日に対抗するべく4日間のセールを開始した。ターゲットは、アマゾンでは買えないような限定の衣類や家庭用品のセールを強調した。Ebayは昨年のプライムデーのホームページを「クラッシュ・セール」と冷やかすように、スマートフォンや電子機器、ファッションのカテゴリで特別価格を提供した。さらに、これら全てはアマゾンのような有料メンバーシップへの加入が必要ないことを強調した。リサーチ会社RetailMeNotによると、プライムデーとの競争のため、250に及ぶ小売店が自社でセールを設けた。これは、昨年の194店舗から増加している。

アマゾンは先週、この7月15日から始まる2日間のイベントをテイラー・スウィフトのコンサートとともに宣伝した。そして、ヘッドラインやSNSでプライムデーが盛り上がるように、セレブリティーが関わる商品をあらゆる層をターゲットとして推した。今のとこと、効果はあるようだ。

エンターテイメントマーケティングエージェンシーHollywood Brandedを経営するStacy Jones氏によると、金曜日現在でこのセールはTVやオンラインコンテンツなどのメディアで120億に及ぶインプレッションを生んだ。これはH&MがNetflixと共同して大ヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス』をイメージした80年代スタイルファッションで大注目を生んだ時とほぼ同値だ。

Coresight Researchによると、二日間に及び、買い物客はアマゾンで5.8billionドルも消費する予定だ。これは1時間単位に換算して、昨年の36時間セールから11%増加している。「アマゾンはセレブリティーに自身のブランドを非常に強力なプラットフォームで販売する機会を与えている。」

このセレブリティーに集中した姿勢はチーフエグゼクティブ役員のJeff Bezos氏がセレブリティーによる宣伝の価値について、どれだけ自身の考え方を変えたかを示している。アマゾンは元々、有名な100万ドルを稼ぐようなスターを用いて宣伝するというよりも、費用のかからないカスタマーレビュー頼りだった。

転換点はBezos 氏が世間にEchoスピーカーを受け入れてもらおうと熱心だった2016年に訪れた。これによって、アマゾンのアレクサの音声認識が広く有名になった。Alec BaldwinとDan Marinoが出演したスーパーボウルの第一回のCMで宣伝をしたが、これにより大きなヒットとなり、セレブリティープロモーションにおいて、さらなる投資と実験を促した。

アマゾンの「セレブリティー・ストア」は昨年、テニス選手のSerena Williamsや、ハリウッドの憧れの的であるザック・エフロン、30以上の著名人が紹介する商品を取り扱うことで始まった。アマゾンですでにブラジャー販売しているHeidi Klumは「プロジェクト・ランウェイ」と呼ばれる、Amazon Videoで来年配信予定のファッション番組でホストを務める。

「方向性がこれだけ変わってきたのは、本当に素晴らしいことだ。」と、アマゾンの広告エグゼクティブで『Brand Currency』の著者であるSteve Susi氏は語る。「不確実でアマゾンらしくないからと、Bezos氏がセレブリティーの宣伝を拒んでいると私たちは言われてきた。」

自社のマーケティング技術によってメインストリームへ参入していくアマゾンは、成熟期に達しているという印でもある。2015年にアマゾンが新規プライム会員獲得のため、斬新な方法としてプライムデーを開始した。登録して月もしくは年間費用を払うことで、割引やその他動画配信などの特典を得られる。翌年にも大きな割引をEchoスピーカーやFire TVなどの自社のデバイスに対して提供し、イベントを活気あるものにし続けた。2017年にWhole Foodsを獲得してから、会員にもっと食品を買ってもらうため、アマゾンは食品カテゴリをプライムデーのプロモーションの一部とした。

今年は絶対に持っておきたいというようなアマゾンのガジェット、新商品カテゴリというものがない。そのため、アマゾンは$22.99のJoJo Siwaのヘアアクセサリ3点セットのような、限定セレブリティー商品を強調している。彼女はTargetなどの企業でブランド商品を売るため、長寿リアリティ番組『Dance Moms』でファンを獲得し、その後、YouTube上のファンへ転向させた。

新規プライム会員を獲得するよりも、新商品のカテゴリを検索したり音楽ストリーミング等のサービスに入会させたりすることで、既会員からどれだけ利益と注目を集めるかに移行するにつれて、アマゾンにとってはマーケティングの新しい段階に到達している。

アマゾンによると、プライム会員は世界に1億名以上いるが、アマゾンに取って最大の市場であるアメリカ国内における新規会員の伸び率は低下していると、リサーチ会社Consumer Intelligence Research Partnersが報告している。

「アマゾンは毎クオーター1000万人もの新規プライム会員を獲得することはできない。なぜなら、全員すでに会員になるか否か決断してしまっているからだ。」と、Consumer Intelligenceの共同創設者であるJosh Lowitz氏は話す。「これはどちらかというとセレブリティーによって動かされている、従来のマーケティングだと言える。」

 

プライド月間中にLGBTQをサポートするブランド

【出典】6/7/2019

https://adage.com/article/cmo-strategy/how-brands-are-showing-their-pride-month/2176256

image15

LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング・クイア)の権利拡大を訴える国際イベントの一つ「ワールドプライド」が今年初めてアメリカに上陸し、様々なブランドがサポートする姿勢を見せた。

プライド月間とLGBTQ+コミュニティの盛り上がりは、勢力をあげる一方だ。より多くのブランドが虹色やイコールの記号を取り入れたり、LGBTQ+サポート団体に募金を行ったり、プライドをテーマとしたイベントや新商品をローンチしたりして、この理念の支持者と繋がりを築いている。

ストーンウォールの反乱50周年の今年、「ワールドプライド」が初めてアメリカに上陸することもあり、ブランドの勢力がさらに増している。350万人が参加予定の6月30日のプライドパレードなど、プライド月間中に開催されるイベントに参加すべく、何百万人もの人々がニューヨークの街を訪れている。

豊富なプライドコレクション

毎年、ますます多くのブランドがTシャツや帽子、靴など、色とりどりのプライドコレクションを発売している。通常では、そのような商品の売り上げはLGBTQ+の権利拡大をサポートする非営利団体やコミュニティに寄付されるか、ブランドが事前に募金を行う。

プライドコレクションの発売がしっくりくるブランドもある。例えばMeUndiesはインクルージョンと自己表現の支持を掲げる下着ブランドで、プライドコレクションの発売と宣伝活動を行うのは今年で3年目となる。今年、同ブランドはEDMプロデューサー・DJでLGBTQ+コミュニティーの積極的支持者であるGRiZとコラボし、プライドコレクションを販売した。パンツ購入につき1ドルをマイリー・サイラスの非営利団体ハッピーヒッピー基金に募金するという。

J.Crew、ケネスコール、アンダーアーマー、Gap、カルバンクライン、アメリカンイーグル、ノードストローム、エクスプレス、DKNYらもプライドコレクションを発売した。トムズ、コンバース、リーボック、ナイキ、ドクター・マーテンスなどのシューズブランドも、LGBTQ+コミュニティーのカラーである虹色を取り入れた靴を販売した。インターネットラジオアプリのiHeartRadioが毎年主催するWango Tangoコンサートでは、パニック・アット・ザ・ディスコのブレンドン・ユーリーがDKNYの「100%プライド」Tシャツを着てテイラー・スウィフトとステージに立った。

image16

アパレルブランド以外もプライドをテーマにした洋服やアクセサリーを特別販売している。LGBTQ+の平等権を長年サポートするプレイボーイは、7人のクイアアーティストがデザインしたプレイボーイバニーの付け耳やTシャツをオンライン、並びにニューヨークのワールドプライド開催中のポップアップショップで発売する。売り上げは全てトレバー・プロジェクト(若い世代のLGBTQをサポートする団体)に寄付される。メキシカンフードチェーンChipotleやシェイク・シャックもプライドグッズをオンラインで販売している。

カミソリブランドのHarry’sは今年も「Shave with Pride」セットを販売、MACコスメティックスは#MACLOVESPRIDEリップスティックコレクションを新発売、ペプシの炭酸飲料Bublyは「All For Love Pride Pack」と呼ばれる、並べれば虹色になる18缶パッケージを販売、レストランチェーンのJust Saladは今年も「Just Pride Salad」という名のレインボーサラダをメニューに載せ、1皿売れるごとに$1ドルをNYC Prideなど地元の支持団体に募金する。グラノーラバーブランドのKindは、新発売の「プライド・バー」(虹色のパッケージに入った、ダークチョコレートとナッツ、シーソルト味のバー)の店舗売り上げの全額を若いLGBTQ+ のホームレスをサポートする団体Ali Forney センターに寄付する。

image17

グッズだけではない

パリのディズニーランドでは、ディズニーランド初の試みとしてプライドパレードを園内で行った。パレードの様子を報じたGay Timesによると、Corine や Boy Georgeといったアーティストや、プライドの色調を纏ったディズニーキャラクターがパレードに参加したという。更に、ディズニーはオンラインと各国のディズニーパークスでレインボーコレクションを販売し、その売り上げの10%をGLSENという、LGBTQ+の学生たちの安全・平等な学校生活を確保するための団体に寄付する。

image18

スミノフは「Welcome Home」キャンペーンを遂行。Netflixオリジナルドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の女優Laverne Coxが出演するデジタルビデオシリーズや、同じくオリジナルドラマ『クイア・アイ』のJonathan Van NessがホストでLGBTQ+をオマージュにした内装のポップアップバーの出店、リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』の出演者Alyssa Edwardsが「Lady Liberty」に扮してパレードのフロート車に登場、など一連のキャンペーンを行なっている。更に、スミノフは6ヶ国語で「ようこそ」と書かれた6種類限定ボトルを発売した。デジタルビデオはSNSと、ニューヨークシティーの空港で放送され、到着客を出迎える。

image19

大手電気通信事業者のベライゾンは、もっと真剣なアプローチのデジタルキャンペーンでプライド月間を祝う。一般の人々が家族や親戚にカミングアウトした時の様子や決断した時の辛さを語る、マッキャンニューヨーク製作のスポットは、ドキュメンタリー映画『追いつめられて ~アメリカ いじめの実態~』のリー・ハーシュ監督によって撮影された。カミングアウトの思い出を語った後、家族や親戚に電話をかける様子を映すそのスポットは、「It’s never too late for love to call back.(愛の折り返し電話に遅すぎることなんて決してない。)」というコピーで幕を閉じる。このキャンペーンはPFLAGという、LGBTQ+.の人々と家族や仲間を再び繋ぐことを目標とする団体と提携して行われた。ベライゾンは今年ロサンゼルスで開催されるプライドパレードのタイトルスポンサーである。

image20

プラットフォームもプライド

これまでに、インスタグラムはプライドスタンプやGIFに加え、ストーリー投稿内に#Prideを使用するとリングが虹色になるという機能が追加された。フェイスブックは虹色のフレームやフィルターを追加し、スナップチャットは4月に新搭載されたランドマーカーAR機能にプライドテーマを追加した。スナップシャットカメラを向ければ、ワシントンD.C.のアメリカ合衆国議会議事堂や、ニューヨークのフラットアイアンビルディング、ロサンゼルスのチャイニーズシアターがカラフルに変身する。また読書サイトWattpadとTモバイルが協力して、作文コンテストを実施。LGBTQ+として、またそのサポーターとして記憶に残る思い出を綴るようユーザーに促した。#UnlimitedPrideのハッシュタグ付きのストーリーが投稿される度に、Tモバイルから1ドル、最高1万ドルがGLSENに募金される。

ストリーミングサービスもサポートの姿勢を見せる。HuluはLGBTQ+コンテンツにフォーカスしたサイトを設立し、LGBTQ+に関するトピックを扱う子供向けアニメシリーズ『The Bravest Knight』を放送開始する。Amazon.com が提供するライブストリーミング配信プラットフォーム、ツイッチは、アマゾン上でオリジナルTシャツを販売し、そのデザインはそれぞれゲイ、バイセクシャル、アセクシャル、トランスジェンダー、パンセクシャル、レスビアンコミュニティーを表現する。売り上げの全額が、TwitchUnityという、ダイバーシティとインクルージョンを促進するプログラムに充てられ、またオンライン上ではトレバープロジェクトに寄付するようユーザーに呼びかけている。

  image21

YouTubeは、右翼コメンテーターSteven Crowder氏の動画への対応について、矢面に立たされている。Crowder氏はVoxメディアのゲイのジャーナリストCarlos Maza氏を「舌足らずなしゃべりのクィア」などと呼び個人攻撃していた。同プラットフォームは、LGBTQ+ユーチューバーのドキュメンタリーの無料配信を開始した。

今すぐに知っておくべき5つのイノベーティブなアイデア

【出典】2019/6/7

https://adage.com/article/special-report-creativity-top-5/top-5-creative-brand-ideas-you-need-know-about-right-now-june-3-2019/2174736

image85

AdAgeが選定した今すぐにあなたが知っておいた方がいい5つのブランドアイデアを紹介する。

第5位 『9GAG:Happy Poo』 by LOLA MullenLowe Spain

クリエイティブ・エージェンシーのLOLA MullenLoweは、香港を拠点にコンテンツ共有プラットフォームを運営する9GAGのプロモーションの一環として、キャッチーで面白おかしいミュージックビデオを作成した。9GAGはこの動画を視聴した人が笑う事を望んでいるが、もし笑わない人がいればその人はおそらく死んでいるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=N-6R-b2arJ0

image86

第4位 『V8+Hydrate:Dr.Ken Jeong and The Center for Hangover Research』 by Edelman

医師から俳優へ転身し、『コミ・カレ!!』や『クレイジー・リッチ!』『ハングオーバー!』シリーズにも出演したKen Jeong氏。V8+Hydrateのキャンペーンでは、The Center for Hangover Reserchという架空の施設で働く外科医を演じる。動画内では馬鹿げた実験が繰り返されるが、最後には1つの治療法がKenJeong氏扮する医師の承認を獲得する。それが、V8+Hydrateである。

image87

https://www.youtube.com/watch?v=Nlqo9CR-d64

第3位 『Googele:The Offsite Museum』 by AKQA

サッカー史における女性の立場は、サッカー界から何十年間にも渡り排斥されていた史実や女性の貢献を軽視する傾向にある社会を背景に長い間文書化されることはなかった。今回Googleでは、オンラインミュージアムとして女性サッカー選手関連の情報を収集する。6月中にはGoogleのArts & Culture platformで開始される予定となっており、FIFA女子ワールドカップ2019の開催までには間に合わせるとのこと。

image88

第2位 『Coca-Cola:Recycling Billboards』 by Publicis Italy

Coca-Colaと言えばリボンのグラフィックが有名ではあるが、2008年にはダイナミックリボンから物を掴もうとする手に変えて大きな注目を得た。Publicis Italyによる最新の広告では、リサイクル用ゴミ箱を指し示す指に変更した屋外広告を展開。

image89

第1位 『Ikea:Real Life Series』 by Publicis Spain

Ikeaは人気TVシリーズの『ザ・シンプソンズ』『フレンズ』『ストレンジャー・シングス』に登場するリビングをIkeaで購入可能な家具のみで再現した。再現するにあたりPublicis Spainと共に数千にも及ぶ自社製品を調べ尽くした。再現された部屋はポスターやオンライン広告で展開され、中東を感じさせる部屋になっている。

image90 image91 image92

アップルストアが驚き要素を失ったわけ

ショッパーへの奉仕より、ブランディングの方が重要になったと現・元従業員は話す。

【出典】5/8/2019

https://adage.com/article/cmo-strategy/how-apple-store-lost-its-wow-factor/2170081

image19 

Web Smith氏は、オハイオ州コロンブスの田舎のアップルストアを訪れた時、不満足な体験をしたと言う。

彼が11歳の娘にパソコンを購入するため訪問したEaston Town Centerのアップルストアでは、クレジットカードの認証に約20分もかかったことがあると言う。また1月にモニター購入のため支払いを済ませようと、ストアの従業員に話しかけても、自分はジーニアスバーの担当者で会計はできない、と断れたこともあると言う。

Eコマース研究・コンサルを行う2PM社のSmith氏は、「商品購入に時間がかかりすぎだ。」と話す。「最近は、店内が混み合っていない時も商品の購入が難しくなった。昔はアップルストアで何かを購入することに特別な意味があったが、今はむしろ店舗の不便さを回避したいほどだ。」

Smith氏だけではなく、ソーシャルメディアやカスタマーフォーラム、レポーターへの話などで多くの人々が不満を露わにしている。数年前までは、アップルへの好意が不便さを紛らわしていたが、今はそうでもなさそうだ。

アップルストアの従業員経験者は様々な要因が積み重なった結果だと言う。彼らが言うには、店舗はSmith氏のようなショッパーへの奉仕よりも、ブランディングを行う場所へと化したようだ。18年間に渡って拡大し、現在では500店舗を超え7万人の従業員を抱えるストアのカスタマーサービスは悪化していると言う。かつて店舗といえばジーニアスバーの優れた技術サポートで有名だったが、今はスタッフが歩き回るだけの場所となった。人々がデバイスを以前より長期的に使用したがり、故障すれば購入より修理を希望する今、この変化は残念なことである。

1月に報じられた、iPhoneの売れ行きの低迷により10~12月期の売り上げが予想を下回るというニュースがウォール街に激震をもたらした。同社が最も売りとする商品の売れ行き低迷は、スマートフォン市場の成熟を反映していて、ストアに見られる問題はそれを悪化させるのみだ。その数週後、CEOのTim Cook氏はリテールチーフのAngela Ahrendts氏がApple社を去り、ベテランのDeirdre O’Brien氏が引き継ぐことを発表した。

52歳のO’Brien氏の部署は依然として窮地に立たされたリテール業界の羨望の的であり続ける。昨年、同社の直販からの収入77億ドルの大部分を占めたのは、アップルストアとウェブサイトでの収入だ。また2017年には、1平方フィートあたり5,500ドルの収入という計算で、ライバルブランドを簡単に上回った。しかし最近では滞りが見え、4月30日の収益報告の際、同社のエグゼクティブらは割引や低金利、破格のトレードイン制度など、今まで避けていた販売方法を導入しiPhoneの購入意欲をあげざる得ないことを認めた。

O’Brien氏が即座に取りかかかるべきなのは、ショッパーフレンドリーな店舗開発だ。それはきっと、「粋な集いの場」という従来のアップルストアのコンセプトを離れ、購入をスムーズに行える店内に作り変えるかもしれない。また彼女はHRチーフのポジションに同時に就くことになるので、リクルートやトレーニングを徹底的に見直すべきだ。

2001年にロサンゼルスとヴァージニア州フェアファックス群にアップルストア初店舗が開店した際、疑念は成功に変わった。オンライン商法がすでに頭角を現していたのにも関わらず、アップル社は独自のデザインとジーニアスバーでリテール体験に革新をもたらし、うまくやってのけた。

そしてiPhoneやiPadの新機種が発売される毎に、店舗前に数日前から行列ができたり、Macのフォトブースアプリで学校帰りの子供達が写真を撮って遊んだりしていた。またマイクロソフトやサムスン、テスラなどがアップルストアの整頓されたデザインを模倣し始めた。

その後10年ほどに渡り大型スーパーチェーン、ターゲット社出身のRon Johnson氏のもとでアップル社のリテールは大繁盛し、Johnson氏はリテールのパイオニアとしての名誉を得た。在職期間、350店舗以上の開店と、日本、オーストラリア、イタリア、中国、そしてカナダを含む10カ国以上への拡大を監督した。そして2011年にデパートチェーンのJ.C. Penny社に移り同ブランドの再興を図ったが、上手くいかず解雇された。

2012年頭にイギリスの家電販売チェーンDixonsの経営者であったJohn Browett氏がアップル社でJohnson氏の後を継いだ。彼は大型チェーンのやり方に習い、周辺機器や保証販売を推奨した。その結果、売上は上昇したが、カスタマーへの販売よりも援助を重視する同社のスタイルが弱化した。さらにはコスト削減のため、従業員の解雇、労働時間の短縮、残業時間の削減や、小数人のみの昇進などを行った。結果Browett氏はクリスマスシーズン前にCook氏に解雇され、2014年5月にAhrendts氏が就任するまでCook氏本人がリテール運営を監督した。

バーバリー社の元チーフであったAhrendts氏の就任は大々的に賞賛された。この時期のアップル社は自社をファッションブランドと位置付けていたので、500ドルのカシミヤのマフラーや3千ドルのトレンチコートを売りつけることで名を馳せた彼女が、今度は高価なアップルウォッチを販売することになる。Ahrendts氏のもと、アップルストアはジュエリーショップのようになり、1万7千ドルの特別仕様アップルウォッチが置かれても違和感を感じない程だった。販売員らはその頃初めて「小さいサイズがあなたの腕に合いますよ。」などと言って商品販売を進めるようになった。

彼女が初期に行った改革の一つが、ストアを町の広場のような存在に変え、業界用語で言えばショッパーが「ブランドとの時間を過ごせる場」を作った事だ。ジーニアスバーへの列はその雰囲気を壊すので、ジーニアスグローブと呼ばれるソファ付きの待合場や、テーブルの設置、また技術サポート担当たちが店内を歩き回るなどの対処が行われた。キャッシャーは無くなり、会計は販売員がモバイルデバイスで行うのみとなった。

アップルストアをより高級なショールームのように仕立て上げ、会計やクレーム処理などビジネス面を見せないようにするのが狙いだ。そんな中、Ahrendts氏はウェブ販売にも力を入れ始め、ストアスタッフに「オンラインでも購入可能ですよ。」とショッパーに伝えるよう促した。消費者らはアップルのウェブサイトで商品を予約し、店舗でピックアップというシステムだ。ある従業員によると、アップル社は「流れを良くしようとしていたが、一部のカスタマーにはそれが複雑に感じられた。」という。

Ahrendts氏の就任以前、アップルストアは3つのキータスクに秀でていた。それは、商品販売、デバイスのトラブルシューティング、そして商品を最大限に活用してもらうようカスタマーを教育する事だ。アップル社で以前リテールエグゼクティブであり、匿名でこの記事への協力を申し出た人は、「店舗に歩み入ったら何をすべきかカスタマーが把握している、ということがスティーブ・ジョブスにとって重要であった。」と語る。ヘッドフォンやiPhoneを購入しに来たカスタマーは入店・退店がスムーズであった。商品についてもっと知りたいカスタマーはクリエイティブと呼ばれる従業員から1時間ほどのレッスンを受けられ、故障したiPhoneを持ち込んだカスタマーはジーニアスバーの技術サポートがすぐに対処できた。

現従業員並びに元従業員によると、Ahrendts氏がこのバランスの取れたシステムを乱したという。」過去にリテールエグゼクティブであった人は、「店舗内でのエンゲージメントが全く感じられなくなった。ストアでは、カスタマーの目の前でアップグレードが起きているべきなのに。」と語る。

ジーニアスバーの見直しが特に物議を醸している。技術サポートを求めてきたカスタマーはまず従業員に話しかけ、iPadにリクエストを打ち込んでもらう。技術サポートメンバーの準備が整うと、店内をうろつくそのカスタマーを探し、見つかればやっとサービスが始まる。Ahrendts氏の方針は店内の行列をなくす代わりに、iPhoneの修理やバッテリーを交換しにきた人が店内に溢れかえるようになった。

ジーニアスサービスの人間味も減った。技術サポートメンバーらはかつてMacやiPhoneの修理をバーにて行い、世間話も交えながらサポート説明をカスタマーに行なっていた。元リテールエグゼクティブは、「今は技術サポートのスペースが足りず、しばしば彼らは店舗裏にデバイスを持って行ってしまう。」と話す。

Ahrendts氏が行ったカスタマー教育の方針変更は賛否両論だ。長い間、年間99ドルでいつでも好きな時にマンツーマンのトレーニングセッションが受けられた。Ahrendts氏はそれを、Today at Appleという、ガレージバンドやアップルウォッチの使用法を学んだりコンサートを楽しめる無料のグループセッションに変えた。前者より後者の方が人気で、Today at Appleのセッションは毎週18,000回行われているという。従業員らによれば、セッションの進みの遅さに不満を感じており、マンツーマンのセッションに戻してほしいというカスタマーの声もあるという。

Ahrendts氏のおかげで、カスタマーの注目はMacからモバイルデバイスに移った。これはメインの収入源がiPhoneであるアップル社にとって必須である。また業界の人々は、引き出しの中にiPhoneケースが並ぶアクセサリーエリアを大いに賞賛する。また大画面で商品紹介を行うのも驚きの要素の一つだ。さらに従業員らによると、現在のストアが抱える問題の全てがAhrendts氏のせいというわけではないという。彼女が就任したのが、アップルウォッチのローンチという波乱の時期だったことを悔やむ人もいる。彼らによれば、アップルウォッチの需要に生産が追いつかなかったことで、店内で在庫が十分に用意されていなく、ストアスタッフやAhrendts氏がそれについて責められたそうだ。

ストアのクオリティー低下はAhrendts氏就任により起こったことではないが、悪化したのは事実である、と従業員は語る。「以前は従業員はがより技術的に優れていた。ストアに入店し話しかけた従業員が偶然ミュージシャンやビデオグラファー経験者で、知識に豊富であることが良くあったものだが、今ではアップル社は人の良い、技術的にはそこまで優れていない人を雇う。」とある従業員は述べた。Johnson氏のもとでは新入スタッフ向けに3週間から1ヶ月に渡るトレーニングが行われたが、今は既存のストアに従業員が加わる場合、トレーニングは1週間のみである。以前は、時給22ドルのジーニアスバースタッフは、アップル社のクパチーノ本社でトレーニングを受けたが、現在はストアでのみのトレーニングを受けている。

2月にAhrendts氏の退職が発表される前から、アップル社は彼女の戦略からそれていた。ストア内に出現した、新商品やイニシアチブを推奨するステッカーやポスターなどは、もはやAhrendts氏のミニマリストな考えに全く反する。高価な特別仕様のアップルウォッチは姿を消し、iPhone XRのような定価のデバイスが発売され始めた。

Ahrendts氏を継ぐ者は過去の例を引き継ぐだろう、と元エグゼクティブは言う。初代のアップルストアは、Macで音楽、写真のスライドショー、ホームビデオの制作を学べる場所があったりと、セクションごとにはっきり分けられていた。O’Brien氏はApple MusicやApple News+、近々ローンチ予定のTV+、そしてiCloudストレージのプロモエリアを作るのではないか、とこの人物は憶測する。またある従業員らは、初代のジーニアスバーを甦らせるのではないか、と言う。

アップル社の新リテールチーフO’Brien氏は最近、ストアにおけるヒアリングツアーを行い、彼女のインスタグラムフィードはパリや香港、テキサス州オースティンのストアスタッフとの楽しそうな写真でいっぱいである。一般の人は知名度の高い彼女の昇格を温かく迎え入れたと従業員は語る。彼女は20年前にJobs氏、Johnson氏、Cook氏と共にアップルストアのローンチを行ったメンバーである。彼女こそが、アメリカ大陸の商品棚にアップル製品を並べた人物なのだ。

O’Brien氏は就任後の第1店舗として5月11日に、ワシントンD.C.のカーネギー図書館に505店舗目のアップルストアを開く予定だ。元エグゼクティブは、「Deirdreはストアの顔になったことがないだけで、ストアに関する知識を豊富に持つ。」と言う。善かれ悪しかれ、ついに彼女が顔となる。

不適切コメントへのYoutubeの対応に広告主は納得せず

不適切なコメントの削除は進められているが、不十分だと指摘する声も聞こえてくる。

March 2019 Report 15

Youtubeが動画からペドフィリア(小児性愛者)のコメントを削除することを発表したが、一部の広告主は抜本的な措置が行われるまで広告を停止する意思を固めている。

 

先日Youtubeは、ペドフィリアによる子供に言及した不適切なコメントが散見されるという報告に基づき新たなガイドラインを策定し、未成年者が登場する動画へのコメントを無効にすることを発表した。動画自体は健全な内容だが、性的なコメントや児童ポルノサイトへのリンクが投稿されていた。このような状況に対してAT&TやDisneyなどいくつかの企業が広告の取り下げを決定した。Youtube側では、広告代理店やトップブランドに対し説明を行い、健全な環境を維持できるように努めている。

 

しかしながら、新たに策定されたガイドラインは形骸化することも考えられ、過去2年間でYoutubeが犯した多くの失敗の内の1つに過ぎないだろうと業界関係者は語る。2017年にも、過激論者やテロに関する動画に広告が掲載されたことでいくつかのブランドがYoutubeへの広告出稿を一時停止している。

 

今回10のブランドが広告出稿を停止している中、広告代理店の幹部は今回のYoutube側の対策を受けて直ぐにプラットフォームに戻る判断はできないと語る。

 

親会社のGoogleは最重要事項として取り組むべきであるのに加え、数年前に行われるべきであったブランド保護が出来ていないと今回の対応への不満を露わにしている。

 

更に、現状ブランド保護という観点での達成度は半分程度だろうと指摘している。

例えば、Youtubeは一部ブランド(アルコールと関連のないブランドも含む)に広告をアルコールカテゴリーに分類するよう伝えており、アルコールカテゴリーに属する広告は自動配信システムで子供や家族向けの動画では配信されない仕組みが構築されている。そのため今回の問題は発生し得ないが、全ての企業がアルコールカテゴリーとして広告を出稿しなくてはいけないのだろうかと皮肉交じりに語った。

 

Youtubeは広告代理店との協議内容の公開は控えたが、新しいポリシーをオンラインで公開し不適切コメントへの対応を明確にしている。

 

広報担当者は、「数千万もの動画のコメントを無効にすることも含め、子供達を保護するための措置を数多く講じてきた。コメント欄を自主的に健全に保とうとするチャンネルなど一部例外もあるが、コメントの無効化を進めている。我々は、コメントが視聴者との繋がりを作りクリエイターにとって重要な機能である事は理解しており、健全なコミュニティーを維持するには今回の対応は間違っていないと捉えている。」とYoutube側の意見を表明した。

 

FacebookやHuluなどの競合にとってはYoutubeに先んじる機会であり、事実Facebookは既に広告代理店とコンタクトを取っており顧客の獲得に乗り出している。

 

しかしながら、広告主はFacebookにも疑問の目を向ける必要があるだろう。彼らはYoutubeの問題についてピッチ中に言及しなかったと関係者は語る。

 

そういった点では、YoutubeとFacebook共に誰もが楽しめるようにプラットフォームをコントロールで

今知っておくべき最もクリエイティブなブランドのアイデアトップ5

https://adage.com/article/special-report-creativity-top-5/top-5-creative-brand-ideas/316725/

あなたが今知っておく必要がある最も革新的なブランドのアイデアトップ5を紹介したい。(各ブランドの動画は出典の記事から視聴可能。)

5.シャッターストック:「ポップ・アートオスカーポスター」

アカデミー賞に間に合うように、シャッターストックはオスカーにノミネートされた映画に触発されたバージョンのポップ・アートを発表した。その中でも、「ROMA ローマ」を取り上げたコミック、ウォーホルを彷彿とさせる「ボヘミアンラプソディ」、そしてロイ・リキテンスタインに触発された「女王陛下のお気に入り」の作品は見事である。Picture1

4.クイックブック:「『Backing You』オスカー広告」TBWA / Chiat / Day L.A.

オスカーの放送から賞賛されるべきプロダクション関連者がカットされてしまっている、という近年の論争に対して、QuickbooksとTBWA / Chiat / Dayは、そのような才能のある人たちにスポットを当てる新しい広告で応えた。典型的な映画の制作クルーの約85%を占めている、自営業者や中小企業のオーナーに対するメッセージである。Picture1

  1. チェリオス:「家族みんなで(It’s All in the Family)」72andSunny New York

チェリオスは、ネクサスのジョニー・ケリー監督による72andSunnyの魅力的なアニメーションキャンペーンで、家族の多様性を祝福した。”Right on Tracks”には、養子縁組である家族、独身の両親、同性愛​​者の両親、混血の家族などを含む複数の家族が登場する。オーディエンスは、歌詞字幕の上で弾むチェリオをたどることによって、それぞれのビデオでカラオケスタイルで一緒に歌うことができる。Picture1

2.フォックスネットワークスグループラテンアメリカ:「性別中立字幕」Astillero Buenos Aires

フォックス・ネットワークは、#MeToo時代のラテンアメリカでの懸念の高まり−スペイン語が性差別主義であること−に対処した。スペイン語では、特定の単語が性別で分類されており、男性のものが主に優先される。しかし、「Pose」の番組放送時に、フォックスは標準の文法規則を覆し、性別に中立な新しいバージョンの言葉を紹介した。たとえば、友人グループを説明するために「amigos」という単語の男性バージョンを使用する代わりに、「amigues」という字幕をあて、「all」という男性バージョンの「todos」は「todes」とした。

Picture1

1.イケア:「大きなお風呂場のおもちゃSmakrypMother London

イケアは、プラスチック製のおもちゃの船Smakrypを、ロンドンのテムズ川に浮かぶ実際の乗り物にした。しかし、それは楽しむだけのためではない。ボートが、川の汚染された水からゴミを取り除くのだ。Mother Londonからのこのアイデアは、イケアのGreenwich店のオープンのプロモーションのためである。これは、これまでの中で最も「持続可能な」内容であると主張した。一般の人々は遠隔操作で船のコントロール権を獲得するために集められ、回収されたゴミの一部はGreenwich店の彫刻にアップサイクルされる。Picture1

 

キャデラック、ベライゾン、マリオットなど、いくつかのオスカーの広告

https://adage.com/article/media/a-ads-airing-oscars/316724/

アカデミー賞を取り巻く様々なドラマ− ホストがいないテレビ放送や、ショーを短縮しようとする試みの失敗を含む− があるにもかかわらず、広告は依然として堅調に推移している。

今週の初めにディズニーABC TVグループは、オスカー中のコマーシャルの枠が売り切れたことを認めた。ABCは、日曜日の夜の放送のわずか4日前に売り切れを発表したが、内部の人間は2週間前にはすでにクローズしていたという。これは近年のペースと一致している。

今年の放送の30秒広告は昨年と同様で、広告主には約220万ドルの費用がかかる。

視聴率が低下しても、オスカーのライブ配信での比較的大規模なオーディエンスは広告主にとって魅力的なままである。昨年の番組は平均で2,750万人、14.9世帯による視聴で、2017年の授賞式と比較して19%減少した。

広告主は、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(バドワイザー)、キャデラック、グーグル、ヘネシー、IBM、マリオット、マクドナルド、マイクロソフト、ロレックス、サムスン、ベライソン、ウォルマートである。

日曜日の夜に放映されるコマーシャルのいくつを紹介する。

キンダー・ジョイ

2018年にアカデミー賞の広告デビューを果たした後、フェレロのキンダー・ジョイはオスカーに戻ってきた。小さなおもちゃが付いてくるココア、クリーム、ウエハースを紹介している。今年の30秒スポットは、両親と充実した時間を過ごし、キンダー・ジョイを楽しんでいる子供たちの楽しそうな顔にフォーカスしたようだ。このスポットは、ニューヨークの広告代理店パブリシスが制作した。

キャデラック

ゼネラルモーターズの高級ブランドは、日曜日の放送中に4分の広告を放映するだろう。その際に、SUVポートフォリオを特色とする「Rise」と呼ばれる新しいキャンペーンをローンチする。この広告購入には、チャイルディッシュ・ガンビーノの「Me and Your Mama」にセットされた4つの新しい広告が含まれている。これでアカデミー賞のスポンサーをするのは、6年連続の取り組みとなる。

ベライゾン

ベライゾンは日曜日のアカデミー賞の間に、2つのスペイン語のスポットを含む6つのコマーシャルを放映する。伝統的なセレブリティのスポークスマンを起用する代わりに、ベライゾンは実際のカスタマーのリアルなストーリーを特集する。字幕がないオスカーの間に、スペイン語でコマーシャルを放送するのは今回が初めてである。

マリオット

マリオットはオスカーを活用し、さらに効率化された新しい特典プログラム、Bonvoyを紹介する。マリオットのコマーシャルは個別に放映さされる。オスカーのテレビ放送に戻る前に、ホテルチェーンの30秒のプロモーションがあり、次にBonvoyの60秒の広告がある。マリオットはそのスポットのために、オブザーバトリー・マーケティング社と一緒に働き、パブリシスグループのマリオットワンメディアはメディア業務を担当した。

バドワイザー

バドワイザーはもともと、第53回スーパーボウルでシャーリーズ・セロン主演のスポットを放映するつもりだったが、それをホールドしオスカーで60秒の広告を流すことに決めた。同社のコアブランドのマーケティング担当バイスプレジデントであるリカルド・マーカス氏は、オスカーのオーディエンスは「よりプレミアなブランドを探している可能性が高い」ため、オスカーの放送が適していた、と述べている。VaynerMediaによるコマーシャルは、その限定版ビールであるバドワイザー・リザーブ・コッパー・ラガーを宣伝する。Picture1

ヘネシー

ヘネシーにとって、初めてのオスカー広告である。「7つの世界(7 Worlds)」と名付けられたこのスポットは、リドリー・スコットによって監督され、ヘネシーX.Oコニャックを宣伝する。ビデオはX.Oの7つの香りを強調し、オスカー像に似たような巨大な黄金像を映像に織り交ぜ、オスカーに敬意を払っている。

 

 

バーバリーやその他ブランドへ捧ぐ:脱・人種差別的マーケティング入門書

あらゆる部門を多様化する事で、バッシングを受けやすい失敗を防止

March 2019 Report 10

アディダスが黒人歴史月間を記念し、真っ白の「Uncaged (解放された)」シリーズのスニーカーを発売した際、速攻で社会からの反発を受けた。

 

ツイッターでは多くの消費者が同ブランドに対しての怒りを示し、例えば@DigitalFile_Deeは「黒人歴史月間中に白一色の靴?@adidas本気か?しっかりしてくれ!」とツイートした。

 

それはこの商品の販売中止につながった。

 

この件のみならず、他のブランドの失敗も同じパターンである。例えばプラダが昨年12月に発売した、大きな赤い唇を持つサルのキャラクターがモチーフの商品や、今月発売された、グッチの目出し帽風で口の部分が赤く縁取られたトップスは、黒人を揶揄するブラックフェイスを思い起こさせるとして即販売中止になった。セレブが運営するブランドでさえ叩かれる。ケイティ・ペリーのアパレルブランドが発売した靴のデザインがブラックフェイスだとして批判を浴びた。

 

 

もちろんこういった問題は商品開発の時点だけでなく、マーケティングの最中にも起こる。2017年は、Black Lives Matter運動など政治的トピックを扱う事によって注目を集めようとしたペプシによる、ケンダル・ジェンナー出演のCMや、黒人モデルが洋服を脱ぐと白人に変身するダヴのCMなどが問題になった。また2018年の3月には、ハイネケンの「Sometimes Lighter Is Better (たまには薄い方がいい)」というキャッチコピーが、人種による肌の色の違いを連想させる差別的文句だとされた。

 

 

この問題は一時的なものではない。ブランドらは多文化な市場が新商品やマーケティングをどう捉えるかしっかり予測出来ていないのだ。商品の大失敗やそれに続くPRの厄介事を防ぐため、ブランド内のあらゆる部門が人種的、文化的多様である必要がある。以下、専門家らが多様化の方法や役立つ新ツールを紹介する。

 

多様化

専門家は、意思決定を行う人々が人種的、文化的多様性に欠けている事が、こういった失敗に繋がると言う。例えばCMOがかっこいいと思うアイデアも、消費者は違う風に捉えるかもしれない。そして消費者からのバッシングはブランド側の不意をつくケースが多い。

 

ブランドらは、商品開発の部門やマーケティング部門の意思決定機関が、性別、年齢、人種、そして地理的に多種多様であるよう気をつけるべきだ。

 

シカゴのエージェンシーで文化的多様なエージェンシーBurrell Communicationsのシニア・デジタル戦略Michael Street氏は、「グッチの件では、人々はただ単にかっこいいファッションアイテムだと思うかもしれないが、あるコミュニティにとっては違った風に見えるのだ。」と述べた。

 

グッチを所有するKeringの会長でCEO François-Henri Pinaultはウォールストリートジャーナルに対して、社内にアジア系の市場調査を行うチームは存在するが、アフリカ系アメリカ人のコミュニティを担当するチームがいないことを明らかにし、「それは我が社の誤りだ。」と認めている。

 

マルチなカルチャーやミレニアル・Z世代の消費者を扱うのに特化したエージェンシーTen35のCEOで業務執行社員のAhmad Islamは「カルチャーに関するトピックを扱うマーケティングをブランドが行う際、その意思決定機関に専門家が存在しない、という件が多すぎる。我々は今や文化を扱うどんなトピックに対してもセンシティブな環境にあるのに。」と話した。

 

彼はさらに、「ブランドらは消費者のインサイトやデータを収集する際、古いやり方はやめて、そのデータが何を意味するのがもっと深く理解できるような調査モデルを取り入れるべきだ」と述べた。

 

早い段階から企画のリサーチを行うこと

マーケティングに関しては、初期段階から様々なバリエーションの消費者を対象にできるようなツールの使用を検討すべきだ、と専門家は言う。

 

カンターの成長戦略部門VP Anne Hunter氏が紹介するBrandstageとは、市場調査会社のカンターとシカゴの即興コメディークラブSecond Cityが提供し2年前から開始された市場調査の場である。そこでは、ブランドが新商品の広告を撮影する前に、コンセプトを試験しオーディエンスからの反応を確認する事ができる。

 

「広告を展開する前に、コンセプトや対象となる消費者が在る環境について考察するのは、ブランドにとって非常に重要である。」とHunter氏は話す。カンターは更に、広告のコンセプトについて消費者とビデオインタビューを行う事が可能なSpotlightと呼ばれるサービスも提供する。

 

Burrellによって約2年前に開始されたサービス、Social Listening Labでは、アフリカ系アメリカ人のインフルエンサー1万人のソーシャルメディアへの投稿を調査し、その情報をもとに現在のトレンドなどをマーケターへ毎月提供する。このサービスによりマーケター達は、インフルエンサーの考えや意見を垣間見る事ができ、どのプラットフォームの使用を好むか (例えばInstagramとYouTubeの比較) などといった情報も知る事ができる。Burrellは流行中のブランド、キャンペーン、ハッシュタグ、またはトピックを追跡できるので、マーケター達はリアルタイムで流行に乗る事ができる。

 

Street氏は、「我々は、現代のソーシャルメディア会社としての意義をうまく活用し、消費者内での話題を捉えている。全ての人が自分のブランドに関する話題に対して常に敏感であるべきだ。」と話す。

 

創設から1年弱の市場調査会社Gaugeは、ブランドが人種的に過激な広告制作を防止するために、マーケターを多文化なコミュニティーの流行発信者達と繋げている。同社はインフルエンサーにお金を払い、アプリを使ってアンケートに答えてもらうことで「rapid mobile focus group (モバイルで迅速に市場調査に参加してくれる消費者)」からデータを収集し、ブランドにフィードアバックを届ける。同社は最近ハッシュタグ#NoMoreBadAdsを使用し自らの宣伝も行なっていた。GaugeのCEO Joshua DuBois氏は最近行われた電話会議において、ブランドが失敗する理由に、「市場調査の段階で適切な消費者を選別していない」ことをあげた。

 

データを理解すること

ブランドは広告が放送された後もリサーチを継続するべきである。ブランドらは消費者からの非言語シグナルにも注目している。カンターは例えば、広告に表情認識システム

を導入することで、消費者の直感的反応を深く理解するのを可能にする。もちろんこれは多文化コミュニティーだけでなくあらゆるオーディエンスに便利な機能だが、ブランドにとっては、キャンペーンの失敗の兆候にすぐ反応でき、クリエイティブに適切な調整を加える事が可能になる。

ネスレとディズニーがYouTubeから広告を取り消しーYouTubeの子供に関するビデオの取り扱い方が発端に

https://adage.com/article/news/nestl-disney-pulled-ads-youtube/316710/Picture1

あるブロガーが、Googleが所有するビデオサイトYouTubeでのコメント欄がどのように「ソフトコア(性描写が露骨でなく暗示的な)の小児性愛者たち」を促進するために使われていたかを説明した後、ネスレやウォルト・ディズニーはYouTubeでの広告を下げたという。問題があるビデオのいくつかに、ディズニーやネスレの広告があったのだ。

ネスレの広報担当者はメールで、「米国のすべてのネスレ関連会社はYouTubeでの広告の掲載を一時停止した」と話した。ビデオゲームメーカーのEpic Games Inc.とドイツの食品大手Dr. August Oetker KGも、彼らのブランドの広告がそれらのビデオの前に再生されることが示された後、YouTubeへの広告投下を延期したと述べた。情報筋によると、ディズニーは広告支出を保留にしたようだ。

ビデオブロガーのマット・ワトソン氏は日曜日に20分のビデオを投稿し、若い女の子が鏡の前でのポージングや体操を行うなど性的なことを連想させる行動をしているようなビデオを特定するために、YouTubeのコメントがどのように使われているかを詳しく説明した。ワトソン氏のビデオでは、ユーザーがいずれかのビデオをクリックした時に、どのようにYouTubeのアルゴリズムが似たような動画をお勧めするか、を説明している。水曜日までに、ワトソン氏のビデオは170万回以上見られている。

YouTubeの広報担当者は、「コメントを含む全てのコンテンツにおいて、未成年者を危険にさらすようなコンテンツは不適切であり、YouTubeではこれを禁止する明確なポリシーを設定している」とメールで話した。これらの動画への広告費用の合計は過去60日間で8,000ドル未満であり、YouTubeは払い戻しを予定している、と広報担当者は述べた。

2年前、Alphabet Inc.のGoogleが所有するビデオサイトであるYouTubeで、過激な暴力的なコンテンツの横に広告が掲出された後、いくつかの主要な広告主がYouTubeからの広告支出を取りやめた。YouTubeはまた、子供向けの不適切な動画をホストしているという批判にも直面している。Googleはこの問題について、広告主に安心感を与えるために過去2年間でいくつかのステップを踏んでいる。P&GやAT&Tなど、YouTubeをボイコットしたブランドの多くは、その後YouTubeでの広告を再開している。

YouTubeは、適切さの「境界を越える」コンテンツをどのように扱うかについての、最新の方針を発表した。

ウォルマートが自社でオンライン広告の販売を行うことで、WPPグループに大きな打撃を与える

3年前にWPPに買収されたトライアドは、ウォルマートへの移行を阻止するために競合禁止契約を発令

https://adage.com/article/digital/walmart-takes-online-ad-sales-huge-blow-wpp-unit/316689/

Picture

ウォルマートは、WPP傘下のトライアドが管理しているWebサイトの広告販売および関連する分析作業を、自社で行おうとしている。それは何百人もの仕事に影響を及ぼし、WPPがたった3年前に買収したビジネスの仕事の大部分を取り除くことになる。

この問題をよく知っている人々によると、トライアドは社員に対し、広告運営を引き継ごうとしているウォルマート・メディア・グループへの移行を阻止するためにも、競合禁止契約を強制するだろう、と話した。また、ウォルマートはこの動きの一環として何百人もの社員を雇用すると予想されている、とこれらの人々は言う。トライアドからウォルマートへの移行は少なくとも5月まで続くと予想される。

ウォルマートの広報担当者はアカウントの移動を確認したが、競合禁止契約についてはコメントを控えた。トライアドの広報担当者はコメントを控えた。

WPPが49パーセントを所有しているHaworthが、ウォルマートおよびSam’s Clubのメディアバイイングを行なっていたとしても、WPPユニットの競合禁止契約に対する姿勢は変わらない。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トライアドの2016年10月の販売時点での年間総売上高は5億ドル、従業員数は約700人であった。2017年までにトライアドは、取引当時2番目に大きな顧客であったeBayが自社で広告運用を開始した後に500人の従業員となったという。その他の主要なトライアドのクライアントには、ステープル、オフィスデポ、Kohl、CVS、Wayfair、Searsが含まれ、これらを合わせるとWalmartのリテールの売上高の約半分となる。

トライアドは、XMisと並んでGroupMのマーケティンググループの一員である。トライアドは先週、社名から「リテール・メディア」という言葉を削除し、コンサルティングに新たに焦点を当てることを発表した。この会社はフロリダ州セントピーターズバーグを拠点としているが、このことに影響を受ける従業員は国内外のオフィスに分散している。

AmazonやKroger Coを含む他の大手小売業者は最近、独自のメディア販売事業を営んでいる、またはそれらを自社運用に持ち込んでいる。

利益率が高く、急成長しているデジタル広告ビジネスは、利益率が低い小売業者にとって戦略的に重要になってきている。しかし、ガートナー(IT分野の調査・助言を行う企業)グループのL2社は昨年、ウォルマートがデジタル広告ビジネスのアクションに満足していない理由を発見した。Amazonはそのウェブサイトでの検索の16%をマネタイズできているのに比べ、ウォルマートはわずか1%だったからである。