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キャデラック、ベライゾン、マリオットなど、いくつかのオスカーの広告

https://adage.com/article/media/a-ads-airing-oscars/316724/

アカデミー賞を取り巻く様々なドラマ− ホストがいないテレビ放送や、ショーを短縮しようとする試みの失敗を含む− があるにもかかわらず、広告は依然として堅調に推移している。

今週の初めにディズニーABC TVグループは、オスカー中のコマーシャルの枠が売り切れたことを認めた。ABCは、日曜日の夜の放送のわずか4日前に売り切れを発表したが、内部の人間は2週間前にはすでにクローズしていたという。これは近年のペースと一致している。

今年の放送の30秒広告は昨年と同様で、広告主には約220万ドルの費用がかかる。

視聴率が低下しても、オスカーのライブ配信での比較的大規模なオーディエンスは広告主にとって魅力的なままである。昨年の番組は平均で2,750万人、14.9世帯による視聴で、2017年の授賞式と比較して19%減少した。

広告主は、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(バドワイザー)、キャデラック、グーグル、ヘネシー、IBM、マリオット、マクドナルド、マイクロソフト、ロレックス、サムスン、ベライソン、ウォルマートである。

日曜日の夜に放映されるコマーシャルのいくつを紹介する。

キンダー・ジョイ

2018年にアカデミー賞の広告デビューを果たした後、フェレロのキンダー・ジョイはオスカーに戻ってきた。小さなおもちゃが付いてくるココア、クリーム、ウエハースを紹介している。今年の30秒スポットは、両親と充実した時間を過ごし、キンダー・ジョイを楽しんでいる子供たちの楽しそうな顔にフォーカスしたようだ。このスポットは、ニューヨークの広告代理店パブリシスが制作した。

キャデラック

ゼネラルモーターズの高級ブランドは、日曜日の放送中に4分の広告を放映するだろう。その際に、SUVポートフォリオを特色とする「Rise」と呼ばれる新しいキャンペーンをローンチする。この広告購入には、チャイルディッシュ・ガンビーノの「Me and Your Mama」にセットされた4つの新しい広告が含まれている。これでアカデミー賞のスポンサーをするのは、6年連続の取り組みとなる。

ベライゾン

ベライゾンは日曜日のアカデミー賞の間に、2つのスペイン語のスポットを含む6つのコマーシャルを放映する。伝統的なセレブリティのスポークスマンを起用する代わりに、ベライゾンは実際のカスタマーのリアルなストーリーを特集する。字幕がないオスカーの間に、スペイン語でコマーシャルを放送するのは今回が初めてである。

マリオット

マリオットはオスカーを活用し、さらに効率化された新しい特典プログラム、Bonvoyを紹介する。マリオットのコマーシャルは個別に放映さされる。オスカーのテレビ放送に戻る前に、ホテルチェーンの30秒のプロモーションがあり、次にBonvoyの60秒の広告がある。マリオットはそのスポットのために、オブザーバトリー・マーケティング社と一緒に働き、パブリシスグループのマリオットワンメディアはメディア業務を担当した。

バドワイザー

バドワイザーはもともと、第53回スーパーボウルでシャーリーズ・セロン主演のスポットを放映するつもりだったが、それをホールドしオスカーで60秒の広告を流すことに決めた。同社のコアブランドのマーケティング担当バイスプレジデントであるリカルド・マーカス氏は、オスカーのオーディエンスは「よりプレミアなブランドを探している可能性が高い」ため、オスカーの放送が適していた、と述べている。VaynerMediaによるコマーシャルは、その限定版ビールであるバドワイザー・リザーブ・コッパー・ラガーを宣伝する。Picture1

ヘネシー

ヘネシーにとって、初めてのオスカー広告である。「7つの世界(7 Worlds)」と名付けられたこのスポットは、リドリー・スコットによって監督され、ヘネシーX.Oコニャックを宣伝する。ビデオはX.Oの7つの香りを強調し、オスカー像に似たような巨大な黄金像を映像に織り交ぜ、オスカーに敬意を払っている。

 

 

革新的なジャンル映画は今年のオスカーレースを引っ張る

http://variety.com/2018/film/features/innovative-genre-movies-goose-oscar-race-get-out-shape-water-1202687793/Picture1

今年は珍しく「ジャンル映画」がオスカーに愛される、レアな年となるのだろうか?

確かに、今年の最優秀作品賞の多くがインディーフィルムのスピリットを持っていて、「ジャンル映画」のカテゴリーを超えている。そして映画を高める現代的な感性と重ね合わされている。

ホラーとコメディという、オスカーが特に嫌いな2つのジャンルを組み合わせた『ゲット・アウト』を考えてみよう。脚本兼監督のジョーダン・ピールは、この二つのジャンルを、人種という今最もホットな話題の1つに混ぜ込み、賞総なめ作品を作り上げた。

先に進む前に、用語を定義してみよう。言葉フランス語の「ジャンル」は芸術作品を分類しカテゴリ分けする方法を指すが、「ジャンル映画」というのは、キザな批評家達がが西部劇、SF映画、スポーツ物語、戦争物語、その他いくつかのカテゴリを呼ぶ軽蔑的な言葉だ。「まあ、これはただの西部劇だよ。」とは言わずにも、「これはジャンル映画だ。」といってしまうことで、ある映画を却下するようなものだ。

オスカーはSF映画やファンタジー映画にはほとんど賞賛しないが、ギリモ・デル・トロの心温まるモンスター映画『シェイプ・オブ・ウォーター』は、シンプルなSF映画の分類を超越する。この混合種間ロマンスと冷戦のスパイストーリーは、去年の秋に映画祭デビューして以来、賞賛され続けてきた。
このような作品はまだまだある。『ダンケルク』は戦争映画であり、革新的なストーリーテリング方法を使用して、一か八かのアクション作品を作り上げた。 『スリー・ビルボード』は復讐の話であるが、タフなヒロインと実は正しい心を持つ警官が対立するという設定だ。

このようなバリエーション豊かなジャンル映画は、伝統的なドラマ映画と、最後までギリギリの賞レースを行うだろう。

『君の名前で僕を呼んで』:これは 「同性愛」映画をアートハウスから、おそらく、主流に動かす。

『レディ・バード』:成人向けのジャンルは、オスカーの餌になることはなかった。

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』:『スポットライト』は別として、ジャーナリズム映画はめったに勝てない。

『ファントム・スレッド』:ディレクターとキャストの経歴にもかかわらず、結局はファッションとデザインに関する映画なのだ。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』:オスカーは確かに伝記映画を愛する。 『ビューティフル・マインド』『ブレイブハート』『アラビアのロレンス』『ラストエンペラー』『ガンジー』そしてかなり昔の『エミール・ゾラの生涯』『巨星ジーグフェルド』など、最優秀作品賞は伝記映画で溢れている。

叙事詩でない限り、ジャンル映画は最優秀作品賞のお気に入りではなかった。 『風と共に去りぬ』(1939年)から『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)まで、長編物語は12回以上最優秀作品賞に選ばれた。ミュージカルは、『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)『シカゴ』(2002年)、そして昨年惜しくも受賞を逃した『ラ・ラ・ランド』など、8回も受賞している。戦争映画は、『西部戦線異状なし』(1930年)から『ハート・ロッカー』(2008年)に至るまで、7つの最優秀作品賞を獲得した。その他のこととなると、アカデミーはジャンル映画に対して当たり前のように興味を示さなかった。

作品賞を受賞した純粋なアクション映画を挙げてみよう。最初の受賞作品であるサイレント映画『つばさ』(1927年)をアクション映画として数えない限り、何もない。

最優秀作品賞受賞者のこととなると、アカデミーは真面目なドラマ、特にベストセラーの本や長年続く演劇が映画化された作品、何と言っても実話に基づいたもの(過去10
受賞作品中5作品)を特に好む。

唯一のミステリー受賞作品はアルフレッド・ヒッチコックの『レベッカ』(1940年)だ。ホラー映画?ジョナサン・デミの「羊たちの沈黙」(1991年)をホラーとして数えるならば、それが一つだ。果たして『ゲット・アウト』が25世紀ぶりにオスカー像を獲得するホラー映画になるのだろうか?

その点では、何本のコメディ映画が受賞しただろうか? 『或る夜の出来事』(1934年)、『我が家の楽園』(1938年)、『アニー・ホール』(1977年)などのような作品以外を見つけるのは困難だろう。西部劇も同じである。 『シマロン』(1931年)、 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年); 「許されざる者」(1992年)のみだ。

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ギャングや犯罪映画は、若干人気がある。『ゴッドファーザー』シリーズの初2作品(1972年と1974年)『ディパーテッド』(2006年) 『フレンチ・コネクション』(1971年)が受賞している。こじつけだが、『ノーカントリー』(2007年)も含められるかもしれない。スポーツ? 『ロッキー』(1976年)、『炎のランナー』(1981年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)の他に受賞作品を探すのは難しいだろう。

あなたが俳優であれば、あなたがノミネートされたいジャンルは常に人気の伝記映画だ。ゲイリー・オールドマンがウィンストン・チャーチルを演じた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は本命だ。2000年以来、10人の主演男優賞と8人の主演女優賞受賞者が実在の人物を演じた。助男優賞も助演女優賞も、それぞれ6人が実在の人物を演じて受賞した事は言うまでもない。その点では、『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』で出版者のキャサリン・グラハムを演じたメリル・ストリープ、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』でトーニャ・ハーディングとその母を演じるマーゴット・ロビーとアリソン・ ジャニー、そしてより一般的なドラマ映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』でJ.ポール・ゲッティーを演じるクリストファー・プラマーが有力候補である。

ジャンル映画の監督らは、作品賞(クリント・イーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』、マーティン・スコセッシの『ディパーテッド』)でなくても(『グラビティ』でアルフォンソ・キュアロンが監督賞)受賞履歴がある。

アカデミーがSF、アクション、ファンタジー映画に敬意を示す唯一のカテゴリが技術分野だ。興行収入の低い『ブレードランナー 2049』は、技術部門において5つ(ロジャー・ディキンズの驚くほど素晴らしいシネマトグラフィーを含む)にノミネートされていて、それは批評家に人気の作品『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(1つ)や興行収入チャンピオンである『ワンダーウーマン』(ノミネート無し)よりもはるかに多い。

今年のノミネートは、非常に多くの監督が個人的なビジョンを追求する機会を得ている。 『シェイプ・オブ・ウォーター』は、イギリスのインディペンデント映画の熱烈な支持者サリー・ホーキンス、アメリカのインディー映画の象徴マイケル・シャノン、そして前年のオスカー候補(オクタビア・スペンサーとリチャード・ジェンキンス)を使用しているので、他のSF映画と違い却下しづらい作品だ。『スリー・ビルボード』は果たしてただの犯罪復讐映画だろうか?そうかもしれない、しかし、この映画が描く悲しい人道と、人生との不安な戦いが、『ノー・カントリー』よりも『ムーンライト』寄りなのかもしれない。

今年のアカデミー賞は、ジャンル映画に有利になるだろうか?
こう言おう:ジャンル映画ということを忘れてしまうような、このような素晴らしい映画をこれから作ろう。

オスカーの夜までにオスカー候補作品たちはどれだけの結果を残せるか?

http://deadline.com/2018/01/the-shape-of-water-the-post-greatest-showman-oscar-nominees-box-office-boost-2018-1202268847/Picture1

3月4日のオスカーの日まで、有力候補作品たちは現在も映画館で公開され、今年のノミネート作品が火曜(1/26)に発表されてから1億5000万ドルの興行収入を稼ぎ出している。

20世紀フォックスとフォックス・サーチライト・ピクチャーズが製作した作品2作を加えた5作品:『シェイプ・オブ・ウォーター』(13部門ノミネート)、『スリー・ビルボード』(7作品)、『グレイテスト・ショーマン』(1作品)、 『フェルディナンド』(1作品)、 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2作品)の興行収入はこの数字の65%に迫ろうとしている。

メディアは中規模の予算のドラマとコメディ作品はストリーミング配信に負けると頻繁に報道している。しかし、オスカーは私たちにまだ映画館に足を運ぶ人がいるということをいつも思い出させてくれる。主要な映画チェーンであるAMCシアターズ, リーガル・エンターテインメント・グループ、シネマーク・シアターズはオスカーにノミネートされた作品の今後5週間上映する計画で、映画ファンたちは作品賞にノミネートされた映画を全て見ることができる。

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大抵の場合、配給会社はオスカー候補決定のニュースを利用し、スクリーン数を増やすことによって、利益を出してきた。フォックス・サーチライト・ピクチャーズの『シェイプ・オブ・ウォーター』は全米1854ヶ所で拡大公開され、毎週ごとに売り上げを伸ばしている(+181% or $590万ドル)。『シェイプ・オブ・ウォーター』は今年最多のオスカー獲得が予想されている。サーチライトは9週間、賞候補の映画たちが同じ映画館で上映できるよう、長期に渡り予約しており、ギレルモ・デル・トロの海の怪物とラブストーリーは良い成績を収めている。

映画リサーチ会社 ComScore社のPostTrakによると、『シェイプ・オブ・ウォーター』は女性の間で高評価で84%のスコアを獲得し、そして全体の観客のスコアは80%と好意的だった。観客のうち25歳以上の女性が40%を占め、25歳以上男性が36%だった。しかし、このR指定映画は最初の2週間の上映では、25歳以下の若い男性(全ての映画ファンの12%を占める)からの高い支持は集められなかった。

しかしながら、興味深いことに、オスカーノミネート作品群の中で今季一番高い興行収入をあげると言われている20世紀フォックス製作の『グレイテスト・ショーマン』とドリームワークス、パーティシパント・メディア共同製作の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はオスカーのノミネーションが少なかった。

P・Tバーナムのオリジナル・ミュージカルの『グレイテスト・ショーマン』について言えば、この映画の成功はヒュー・ジャックマンとザック・エフロンの歌に熱狂してくれるファンたちにかかっている。Picture1

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』はタイミングが非常に良く、スティーヴン・スピルバーグのスリラー・ストーリーテリング:ニクソン政権のベトナム戦争の陰謀を巡るワシントン・ポスト紙の戦いを描いた本作は現在の扇動的なトランプ政権に “フェイク・ニュース”と糾弾されているメディアを想起させ、多くの観客の心に届くだろう。これと似たような興行収入の現象は3年前の『アメリカン・スナイパー』で起きた。しかし、共和党支持の強い中部アメリカでは映画は成功した。このクリント・イーストウッドの監督した映画は作品賞を含む6つのオスカーノミネーションを受賞した;多くの人々がこの映画の愛国主義に感動し、アメリカ国内だけで3億5000万ドルを稼いだ。

フォックス・サーチライト・ピクチャーズは『スリー・ビルボード』の可能性を信じており、フランシス・マクドーマンド、ウディ・アレルソン、サム・ロックウェルらのタフなキャラクター達が、共和党と民主党両支持者にウケると狙い強力に宣伝している。マーティン・マクドナーが監督したこの女性の改革運動を描いたドラマは4度目の拡大公開を行い、1457ヶ所で公開、週末ごとに380万ドル売り上げ、収益は100%UP、アナリストはオスカーの夜までに4500万ドルを稼げるだろうと予測している。Picture1

タイミングのことについていえば、次の興行収入で成功しそうな冬季オリンピックの季節に合う映画はNeonと30WEST共同製作の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』だ。この映画は編集を含む3つのオスカーノミネーションを獲得した。マーゴット・ロビーは、2回オリンピックに出場し、さらに汚名を着せられたトーニャ・ハーディングを演じる。161館から960館、さらに現在は1500館にまで拡大公開した。このクレイグ・ガレスピーが監督した映画はNeonと30WESTが権利をTIFF(カナダ拠点の映画スタジオ)から500万ドルで獲得、オスカーの夜までに3000万ドル稼ぐと見られている。

A24製作の『レディ・バード』とフォーカス・フィーチャー製作の『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を見ていない人たちは疑いなく映画館に駆けつけ、映画は多くの観客を獲得するだろう。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、オスカーのノミネーションを6つ獲得し、ゲイリー・オールドマンの最優秀主演男優賞ノミネートで、第二次世界大戦でのイギリス首相ウィンストン・チャーチルを演じるオールドマンの演技が光り、作品賞にもノミネート、ジョー・ライト監督の作品の中で一番の興行成績を上げ、彼のオスカー受賞映画(作曲賞受賞)『つぐない』の興行収入を超えた。(興行収入5090万ドル)Picture1

しかしながら、いくつかの映画賞協会や評論家はフォーカス・フィーチャーズ製作でポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』が作品賞、最優秀男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)、助演女優賞(レスリー・マンヴィル)、監督賞などの主要部門などのノミネートを受けて、オスカーの夜に躍進するのではないかと予想している。Deadlineのアナリストによると、この多数のノミネートは映画のチケットの売り上げを促進し、3月4日までに2000万ドルを超えることができるだろう。Picture1ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスの『君の名前で僕を読んで』の興行を酷評してきた。このゲイ・ロマンス映画はかなりの利益を生んだと考えられており、秋にはゴッサム・インディペンデント映画賞(ティモシー・シャラメがブレイクスルー俳優賞、そして作品賞をそれぞれ受賞)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞も受賞し名声を得た。ライバルたちはソニー・ピクチャーズ・クラシックスは拡大公開の時期が遅かったと判断している。
しかし、オスカーの後押しは全てがオーガニックではないということだ。配給会社はオスカー候補作品に平均約3000万ドルの広告宣伝費を出す。もしスタジオが1億ドル以上費やそうとしたら、彼らは4000万ドルを払うだろう。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスは昔から、費用対効果が高い作品にしか投資をしないことで知られている。彼らのオスカー受賞作品の中で1億ドルの大台を突破したのは18年も前の『グリーン・ディスティニー』の一作品だけだ(興行収入1億2800万ドル)
ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』(アメリカ国内興行成績約1億8800万ドルと8部門ノミネーション、作品賞含む)とユニバーサルとブラムハウス・プロダクションの『ゲット・アウト』(約1億7500万ドルと4ノミネーション、作品賞含む)が映画館で再上映されているが、両作品ともDVDがすでに発売されているのに総売上は少ない(ジョーダン・ピールのホラー映画はすでにHBOでも放映されている)。今回の彼らのオスカーのノミネーション効果ははホームビデオ市場に影響が出るだろう。『ゲット・アウト』は今週末で471館で公開し、16万5000ドルしか稼いでおらず、ワーナー・ブラザーズの『ダンケルク』は売り上げた額を公開していない。Picture1

米アカデミー協会:ネットフリックスのアカデミー賞ノミネート資格の有無などを協議

http://deadline.com/2017/10/oscars-academy-netflix-eligibility-in-question-membership-meeting-1202180576/

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第90回アカデミー賞の準備が始まり、映画芸術科学アカデミーは、ストリーミングサービスの台頭から賞レースキャンペーンの規制まで、全面的な業界の変化に対して、全体的にイライラモードのようだ。これらの懸念はアカデミーの長い歴史の中で2回目の会員限定ミーティングに集まった、約300人のメンバーから浮かび上がった。

かつて伝統に縛られていた組織が多様性と新しい透明化を目指し、新しく募集された候補者775人のメンバーを選考する協議が行われた。その中で会員は、緊急事案になってきた重要な課題を明らかにしていった。 「何が映画なのか、それを明確にする必要がある」と一人の会員は述べ、それは、一般的なストリーミングサービス、特にNetflixの映画業界参入に関するメンバーの懸念を反映した発言だった。

一部の会員は、 最低でも1週間劇場公開したNetflixの映画は、従来の映画と同じように扱うべきかどうか、という点に関して言及した。アカデミー委員会は、同じ年にエミー賞とオスカー賞の両方を獲得する映画の可能性に重点を置いて、この問題に取り組んでいる 。1人の著名なオスカー会員は、Netflixが「オスカーの価値を下げるもの」になりえる、と意見した。

そして多くの会員が多様性に関して、組織の閉鎖性に対する苛立ちをあらわし、「我々は映画を製作しない、 映画を称賛する」と1人の理事(17支部から各3人、合計で54人の理事がいる)は言った。

「Oscar-so-whiteはうんざりする作り話だ」と別の理事が言い、 いくつかのアウトリーチ活動の成功を指摘した。(第87回、第88回のアカデミー賞を振り返り、オスカーにノミネートされ、受賞されるのは白人ばかり、という批判があった。だがオスカー側は、オスカーで黒人俳優がノミネートされないのは、黒人俳優が出演する映画があまり製作されていないためで、 問題の根源は、アカデミーよりも、映画の製作決定権を持つハリウッドのスタジオ側の問題である、ということを指摘している。)

複数の会員は、昨年、アカデミーが「emeritus status(名誉ステータス)」メンバーの審査の際、古くからいる会員が新会員に「emeritus status」を譲らなかったことを指摘し、彼らは新しい会員のために道を譲らなければならないと主張した(投票権を失った人はごくわずかだった)。会員の会談では、オスカー賞をより厳しく管理する方向に強い支持を示し、「実際に映画を見ることなく賄賂次第で投票する会員もまだまだいる。」と、1人の会員は発言した。

オスカーの共同プロデューサーJennifer Todd氏とMichael de Luca氏は、オスカー授賞式の新たな展開を考えていて、食べ物を配ったり、観光バスの使用など新しくて大胆な事を考案しようとしている。また、クラシック映画の利用についても計画が進んでいる。作品賞の受賞作を誤って伝えた失敗があるにもかかわらずPricewaterhouseCoopers社はまた投票数の集計を担当する予定であるため、万一に備えて、今回は会計士を1名追加する。

会員はまた、アカデミーの雄弁な新代表で優秀な映画撮影技師であり、熱心な映画歴史家であるJohn Bailey氏のゆるぎない支持を口にした。アカデミーCEOのBailey氏とDawn Hudson氏の両氏は、 新しい透明化と多くの新会員の歓迎の意を示し、会員ミーティングを締めくくった。

ミーティング前のレセプションでは、何人かの若い会員が、この新体制移行のタイミングに好印象を示した。消費者が従来のメディアからストリーミングサービスに移行した為、13の主要メディア企業の株価が9月に3.5%低下した。Comcast社だけでも、第3四半期に15万人ものビデオ加入者を失うことが予想され、すでにコード・カッティング(ケーブルテレビの契約を止めてインターネット経由の動画視聴を選択すること)やハリケーンの為にComcastの株価は6%、Viacomは4%下落した。

「地面は私達の足下で変形していっている。継続性と伝統がある組織の一員であることは良いことだ。」とある新会員は述べた。

アカデミー賞のルール変更:来年からどのような影響を及ぼすのか

【出典】2017/4/7

http://www.hollywoodreporter.com/race/oscars-how-academys-rule-changes-will-impact-next-race-analysis-992184

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映画芸術科学アカデミーは金曜日、アカデミー賞のルールを変更したと発表した。特に、長編ドキュメンタリーと長編アニメーション映画のカテゴリでルールが変更されたようだ。今回の変更は、今年のアカデミー賞の作品賞の発表中に起きたアクシデントほど注目を集めなかったようだが、来年のアカデミー賞に大きな影響を与えることは間違いないとされている(ルールは毎年カテゴリ別の審査委員会によって精査され、アカデミーの理事会で承認される前に提出された変更点を検討するが、今年はそれが3月28日に行われた)。

このドキュメンタリー部門に影響を与えるルールは、ESPNが制作し今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー部門を受賞した5幕7.5時間の長編映画「O.J.: Made in America」からインスピレーションを得たことから「The O.J. Rule」と呼ばれる。この映画が素晴らしくなかったわけではないが、多くの審査員がこの映画をノミネートするかどうかを悩んでいた。というのも、今回のノミネートにより、テレビネットワークやテレビ局の映画部門がアカデミー賞を受賞するような作品を制作することを促進させてしまう可能性があり、そうなるとアカデミー賞にノミネートされる可能性のある作品の幅が一気に広がってしまう恐れがあったからだ(今年のアカデミー賞同部門では145の長編ドキュメンタリー作品が審査された)。

アカデミーのドキュメンタリー部門は金曜日、「複数幕ある作品やシリーズ作品は賞の候補に入らない」とし、そのルールに引っかかりそうな際どい作品はドキュメンタリー部門の審査委員会が決定権を持つことを発表した。今回の新しいルールでも「O.J.: Made in America」は規定を満たしていたと思われる。というのも、テレビで初めて放送される前に映画館で公開され、その前にSundance Film Festivalでスクリーニングも行われているからだ。

2017年に公開された作品の中には、Netfllxの「Five Came Back」のように、このルール変更によってすでに受賞対象外になってしまった作品もある。(187分の映画として)劇場でも公開されたことを考慮すると、同作品がアカデミー賞を狙っていたことは間違い無いだろう。Mark Harris原作でMeryl Streepがナレーションを務める同作品は、Steven Spielbergを含め第二次世界大戦を生き抜いた5人のハリウッドフィルムメーカーについて描かれており、素晴らしい高評価を得ている。この作品がアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門の審査委員達を魅了することは間違いないが、Netflixでストリーミングされていたことを考えると、ノミネートの対象外であることは明らかであると言えよう。

しかし、「Five Came Back」が他のどの映画祭でも賞を受賞しないとは考えにくいだろう。少なくとも、今年の末に行われるエミー賞にはノミネートされると考えられている。

また、今回アニメーション映画部門でもルールが変更された。長編アニメーション映画部門のノミネート作品を選ぶことができるアカデミー会員を先例のないほどの数にまで引き上げたのだ。これは、過去8年間で9作品もアカデミー賞にノミネートされた作品を制作しているニューヨークに拠点を持つ会社にちなんで「The GKIDS Rule」と呼ばれている。同社は、同部門の他のノミネート作品のように大型映画スタジオを後ろ盾に持つこともなく、予算や人員に雲泥の差があるのにも関わらず、ここまでの偉業を成しているのだ。その上、大型映画スタジオの作品の中には、Warner Bros.の「The Lego Movie」やParamountの「The Adventures of Tintin」、Disneyの「Tangled」、DreamWorks Animationの「Rise of the Guardians」、Universal/Illuminationの「Sing」のように、ノミネートを果たさなかったものもあるというのだから、驚きである。

2002年のアカデミー賞で長編アニメーション映画部門が発足してから今年に至るまで、長編アニメーション部門は短編アニメーション映画と長編アニメーション映画の部門内外の様々なアカデミー会員によって構成される審査委員会によってノミネート作品が選ばれてきた(この部門には長年5,000名が所属していたが、現在は150人程度である)。審査委員会に所属するには、Linwood Dunn Theaterで行われるアカデミー賞対象作品の試写会のうち3分の2に出席することが必須条件とされており、これをクリアしないと投票権が与えられない。こうした理由から、審査委員を探すのに苦労しており、そのほとんどが高齢者か引退した人間である。それにより、GKIDSのような従来のアニメーション作品がノミネート作品に選ばれることが多く、時代の最先端を行くようなアニメーション作品は選ばれにくいのだ。

アカデミーは金曜日、会員なら誰でも審査委員会に参加することができ、作品はDVDやアカデミーによってセキュリティを保証されたウェブサイト上のストリーミングで見てもよいと発表した。これは、英国アカデミー賞でも取り入れられているシステムであり、アカデミー賞受賞作が受賞しなかった作品に比べて長期間人の目に触れるようになることを考えると、同然の変更かもしれない。これは、審査委員が投票前に見なければならない作品を見ていることを確実にする「栄誉システム」以外の何物でもないだろう(この変更により、今後アカデミー賞受賞対象作品のPR企業に在籍する多くのアカデミー会員が審査委員会に名乗りをあげるようになるだろうと考えられている)。

つまり、これはGKIDS作品が長編アニメーション映画部門で受賞するための道がますます険しくなったことを意味している。また、Disney/Pixarだけでなく、Universal/Illumination(「Despicable Me 3」)やWarner Bros.(「The Lego Batman Movie」と「The Lego Ninjago Movie」)、Fox(「Ferdinand」)、DreamWorks Animation(「The Boss Baby」)等、大型映画スタジオからのアニメーション作品が受賞する可能性が確実に高くなったと言えるだろう。

アカデミー賞ノミネート作品初のバーチャルリアリティ作品

【出典】2017/1/24

http://www.polygon.com/2017/1/24/14370892/virtual-reality-first-oscar-nominated-short-film-pearl

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「Pearl」は、アカデミー賞で初めてノミネートされたバーチャルリアリティ作品となった。この短編アニメーション映画は、Google Spotlight StoriesとEvil Eye Picturesによって制作された。現在は、HTC ViveやYouTube等のプラットフォームにて同360度コンテンツを無料で楽しむことができる。

今朝このVRコンテンツを視聴してみたが、このプラットフォームで人を感動させるのがいかに大変かを実感した。

「Pearl」はシングルファザーが若い娘を育てるというストーリーである。彼女の名前はSaraで、タイトルにもなっているPearlは彼らが家と呼んでいる1970年代式のハッチバックのことである。5分程度の同作品の中で、Saraが成長していく間の喜びや苦悩を描いている。また、ハッチバックの車内という限られた場所で収められた同作品に色をつけているサウンドトラックの使い方も素晴らしいと言えるだろう。

同作品を見ながら、私は昨年のGame Developers Conferenceにてエミー賞も受賞したOculus Story Studioの設立者であるMax Planck氏と交わした会話を思い返していた。彼は、こうした人の心に直接語りかけるようなVR短編作品の重要性を強調していた。「Pearl」は文字通りこれを行ったと言えるだろう。

「La La Land」が注目を集める中、VR業界も快挙だったと言えるだろう。同作品の監督を務めたPatrick Osborneは、Twitterで自身の制作チームに感謝のコメントを残している:

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これは、Osborneにとって2回目のノミネーションである。彼の最初のノミネーションは2014年の短編映画「Feast」に向けられたものであり、この作品は翌年の2015年のアカデミー賞アニメーション短編映画部門で受賞を果たしている。

同じカテゴリでノミネートされた作品には、「Blind Vaysha」や「Borrowed Time」、「Pear Cider and Cigarettes」、「Piper」がある。「Piper」はPixarからの短編映画で、昨年劇場にて「Finding Dory」の前に流される短編アニメーション作品として公開されていた。Pixarは今年のアカデミー賞でアニメーション長編映画部門でのノミネーションを逃している。代わりに、Disney作品の「Moana」と「Zootopia」の他に、「Kubo and the Two Strings」や「My Life as a Zucchini」、「The Red Turtle」がノミネートを果たしている。

Amazon、アカデミー賞で大健闘 「Manchester by the Sea」が作品賞候補

【出典】2017/1/24

https://techcrunch.com/2017/01/24/amazon-nabs-the-first-best-picture-oscar-nomination-for-a-streaming-service/

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今年のアカデミー賞でAmazonはNetflixに大きく差をつけた。 Amazonは質の高いオリジナル映画やテレビ番組を製作する努力を続けてきたが、今回「Manchester by the Sea」がアカデミー賞作品賞候補になるという栄誉を受けた。Casey AffleckとMichelle Williams主演で、Kenneth Lonerganが監督を務めた同映画は、昨年のサンダンス映画祭で公開されている。Amazonはこの作品の配給権獲得に1000万ドルを支払ったものとみられる。

「Manchester by the Sea」はアカデミー賞で合計6部門にノミネートされた。作品賞に加えて主演男優、助演男優、助演女優、監督賞などが含まれる。この映画は劇場公開されたが、これはAmazonが配給する作品では通例だ。Netflixはストリーミングサービスで最初に公開する権利を得る場合が多い。この点がアカデミー賞など映画賞の受賞に影響してくる。

「Manchester by the Sea」は批評家からもきわめて高い評価を得た。Casey Affleckにはセクハラで訴えられるというごたごたがあったが、2010年に和解している。一方、Netflixはドキュメンタリー部門で黒人差別問題を扱った「The 13th」がノミネートされた。アカデミー賞はこの部門でNetflixを気に入っているらしく、たびたびノミネートされている。