女性のポジティブなイメージを掲げた広告キャンペーンが消費者の購買意欲と売上の向上に

【出典】6/24/19

https://www.marketingdive.com/news/positive-portrayal-of-women-in-ads-sparks-sales-lift-study-finds/557325/

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アメリカのマーケットリサーチ会社IRIと全米広告主協会の調べによると、大手CPG(消費財)ブランド6社で、女性のポジティブなイメージを掲げた広告キャンペーンが消費者の購買意欲と売上の向上に繋がったという。この研究結果は、全米広告主協会(ANA)のSeeHerイニシアチブ(メディアでのジェンダー平等を推進する運動)によって開発されたジェンダー平等指数(GEM)に基づく。参加ブランドはアンハイザー・ブッシュ、クロロックス、ハーシー、ケロッグ、クーリグドクターペッパー、ロレアルの6社である。

この研究では18のクリエイティブと、428のテレビ番組が検証され、売上の伸びが最大であった広告は最高のGEMスコアであり、またGEMスコアが100以上の広告は100以下の広告よりも売上を5倍伸ばしたという研究結果であった。また、GEMスコアの高い広告が同様のスコアのテレビ番組のスポットとして放送されると、さらに高い売上の向上が見られたという。

『Early Today』『Today with Kathie Lee & Hoda』『Blue Bloods』など売上上昇率の高いテレビ番組の70%が高GEMスコアを算出した。ケロッグ社のSpecial Kブランドによる広告「Own It」(2017年)と「Eat Special to Feel Special」(2015年)は今回の研究で売上上昇率が最高の広告キャンペーンであり、最高のGEMスコアであることがわかった。

IRIとANAによる今回の研究結果は、女性を自然体かつポジティブに描く広告がいかにブランドのマーケティングに効果的かを知る上で大いに役立つ情報であり、特にマーケティング業界が男女平等や職場でのインクルージョン、ダイバーシティというような一般消費者が興味を持つ社会問題に大いに注目する今、重要な研究結果となってくる。

ユニリーバが行なった別の研究によると、女性の40%は広告上の女性と自分を重ね合わせることがないという。また、ANAの研究に引用されるTivoの調べによれば、成人の55%はメディアが女性をネガティブに描写していると感じるそうだ。このような事実により、SeeHerイニシアチブはメディアにおける女性の描写と売上の相関性の研究を開始したのだ。

この研究に用いられたGEMスコアは、広告上の女性の描写に対する消費者の4つの反応を基に算出される。女性キャラクターの描写に対する見解、女性に敬意のある描写か否か、不適切な描写であるか、そして女性キャラクターが人々のロールモデルとなるような設定であるかを消費者が判断した。

消費者が男女平等を求める中、多くのブランドや代理店が自社の広告キャンペーンに偏見的であるか検証している。チョコレートブランドのMarsは、自社の広告に起用された男女比が3:2であったことを明らかにし、不平等さを認めた。バドワイザーも最近SeeHerと提携して、性差別的な50年代の自社の広告をリメイクするというキャンペーンを行なった。メルセデスベンツとマッテルも最近手を組んで、女の子たちに車のおもちゃを与えるCM「No Limits」を制作した。

2017年のFacebookによる研究も消費者は男女平等に対し良い印象を持つと発表し、デジタルマーケティングソフトウェアの会社Choozleも、広告でジェンダーの固定概念を変えていくことが可能だと立証した。しかし、女性を好印象に描こうとする上で、その信ぴょう性に気をつけ、いかに女性の自然体を描写するかが重要になってくる。例えばニューヨークタイムズ誌によると、ナイキはセレーナ・ウィリアムズ選手がテニス界の女王となるまでの道を描いたスポット「Dream Crazier」を放送した際、他の女性アスリートが妊娠した時に同ブランドからフィナンシャルペナルティを与えられたという報告が浮上し、批判を浴びたことがある。

女性のポシティブな描写が推進される中、正反対の事を行う広告に対する批判が最大化している。イギリスは6月14日に、”有害な”ジェンダーの固定概念を扱う広告を禁止した。ニューヨークタイムズ誌によると、差別的なジェンダー描写や言葉使いが人々の生活における不平等さに繋がるという研究結果を基に、この方針が成立したそうだ。