Zhang Yimou監督作品『One Second』ベルリン映画祭での上映が中止に

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Zhang Yimou監督の最新作『One Second』がヴェルリン国際映画祭のコンペティション部門への出品が中止となった。公式サイトでは技術的な理由で中止されたことが発表され、代わりに2002年に公開された同監督の『HERO』が公開された。

技術的な理由という言葉は、中国政府からの承認を得なければ映画が完成しない現状を物語っている。ベテランであろうが、評価された監督やプロデューサーであっても権限は持っておらず、中国政府に委ねられている状況だ。

本作では毛沢東が主導した文化大革命をテーマとして扱っており、それが問題として抵触した可能性が考えられる。文化大革命は経済や社会に大きな混乱をもたらした出来事であり、非常にセンシティブなテーマなのである。

今回、問題なのは直前で映画祭への出品が中止された事だ。脚本に目を通す第一段階の時点で歴史的背景とストーリーを中国政府も認識していたはずだが、なぜ今回のような事が起きたのだろうか。

考えられる理由の1つとしては、管理上の問題である。国内の検閲が十分に機能していない可能性が考えられる。更に海外の映画祭に出展する場合必ず追加の許可を得なければならず、一度承認されてしまえば上映時間の変更や新たなプロデューサーや出資者が参加することはできない。

先述の決まりは、中国の映画産業振興法の一部として2017年に公表されたものであるが、今年から厳密に適用されるようになった。そのような状況のなか、Wang Quan監督作で、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門作品でもある『Ondog』とプレミア上映予定Wang Xiaoshuai監督の『So Long, My Son』の両作品は、許可を得られたと考えられる。しかし、『One Second』に至っては、許可を得られていたのかは未だ不明だ。

もう1つの理由としては政治的な理由が挙げられる。昨年から中国の娯楽部門の管轄が、国務院から共産党のプロバガンダ部門に移り、イデオロギーの監視強化の影響が出ている。暴動や崩壊、殺人を描いた婁イエ監督作の『The Shadow Play』は正式な許可を得るまで2年ほどの時間を要したことを監督自身が明かしており苦労の末、本作はパノラマ部門で上映される事が決まっている。

以前よりチャン・イーモウ監督と婁イエ監督は規制当局より問題児と扱われてきた過去があり、1994年公開のチャン・イーモウ監督作『活きる』がカンヌ映画祭で審査員大賞と主演男優賞をW受賞と高い評価を得たが、中国国内での上映は禁止となっている。『HERO』では、欧米人はメッセージを理解出来ないかもしれないが、同作品は共産党を支持しているのではないかと一部から批判されている。

2008年に開催された北京オリンピックの開会式と閉会式をチャン・イーモウ監督が演出したことにより規制当局と彼との関係性を修復した。2015年には一人っ子政策に反対していたことが発覚したことにより100万ドル以上の支払いが命じられたものの、翌年には政府より正式に取り消しの声明が発表された。

もしチャン・イーモウ監督が問題であるならば、なぜ前作『影』がヴェネチア映画祭とトロント映画祭で上映することができたのか?

『One Second』だけでなく、青春映画『Better Days』も出品中止となることが決定しており、関係者によれば検閲に関わることが理由とのことで、今回の映画祭では2本の中国映画の出品中止という事実が残る。

映画祭メンバーは今後中国映画を選出する際、不測の事態に備えておくべきだろう。なぜならば、どのような作品が禁止されるかは中国政府のみしか知らない。