本年度アカデミー賞の作品賞候補は過去6年で最低収入

【出典】2/20/2018
http://variety.com/2018/film/box-office/best-picture-nominees-lowest-grosses-1202705662/

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興行収入の事となると、アカデミー賞は人気コンテストではない。

今年の多くの作品賞にノミネートされた作品は、批評家からの熱烈な賞賛を受け多くの賞を受賞している。しかし、その大部分が興行収入の成功に繋がっていない。 『ゲット・アウト』と『ダンケルク』だけが国内興行収入で1億ドルを突破し、疑いなく大ヒット作と言える。今のところ、作品賞候補作品において2011年以来最低の興行収入だ。

「オスカーはますます多くのニッチな映画に賞を与える傾向にある。」と、Exhibitor Relations社の興行収入アナリスト、ジェフ・ボック氏は語る。 「ソーシャルメディアの話題やポップカルチャーの影響はなかなか反映されない。」

公平のために言えば、これら映画のほとんどは、決して利益目的として制作されていない。 『シェイプ・オブ・ウォーター』、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 、『レディ・バード』を含む9作品候補のうち7作品がプラットフォームリリース(数週間から数ヶ月と拡大公開する前に適度な数の劇場で上映される、比較的小規模なインディー映画を呼ぶ業界用語)である。アカデミー会員がスーパーヒーロー映画に対する嫌悪感を捨て、『ワンダーウーマン』や『ローガン』を選出していれば話は別だったかもしれない。だが、「ワンダーウーマン」は完全にシャットアウトされ、フォックスの『ウルヴァリン』の続編は脚本賞候補に留まった。

映画芸術科学アカデミーが2009年に作品賞候補者リストを5作品のみから10作品までに拡大した際、アカデミー有権者がハリウッド大作を選出することを期待されていた。作品賞受賞に関わらず視聴者が実際に見たことのある映画が候補に選ばれるための意図に反し、アカデミー賞の有権者が『ダークナイト』を冷たくあしらったことに対し、会員たちは失望した。

しかし、comScoreの上級アナリスト、ポール・ダーガレベディアンは、『ダークナイト』効果は実際には決して起こらなかった。」と指摘した。 『アバター』、『オデッセイ』などの大作がオスカーにノミネートされたことはあるが、コミック実写化映画は未だに作品賞へのノミネートがない。ますます、アカデミー賞とインディペンデント・スピリット賞との間に差が無くなってきた。

アカデミー賞は以前、メジャー¥スタジオによって制作された映画が主役であった。 10年以上前は、『グラディエーター』や『タイタニック』などの人気作品が作品賞のトロフィーを持ち帰ることができた。しかしこれらのスタジオがアメコミヒーローに執着するにつれて、オスカーの有権者は、インディー映画に親近感を示し始めた。昨年の作品賞受賞作品である『ムーンライト』は、歴代2番目に低い興行収入の作品賞受賞作品だった。 最後に興行収入で1億ドルを上回り作品賞を受賞したのは、2012年の『アルゴ』である。

オスカーにノミネートされる事は、映画の商業的見通しを晴らす。『シェイプ・オブ・ウォーター』は、作品賞候補に選ばれた結果興行収入が181%増、『スリー・ビルボード』は81%、『レディ・バード』は61%の増収となった。それだけではない。受賞することはまた、劇場上映期間からしばらく経った後にも映画の価値を高めるのに役立つ。 「映画レンタルやケーブルTV放映などは今後数年収入を上げることができる」とボック氏は述べた。