空気が綺麗になるだけではない 電気自動車、アメリカで何十億ドルも節約できる可能性

【出典】2016/10/27
https://www.wired.com/2016/10/not-just-clean-air-electric-cars-can-save-us-billions/

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化石燃料を燃やして走行している車に依存しているアメリカでは、煙霧のような問題に対して対処することが困難である。しかし、汚染や気候変動による死亡者は、喘息発作、洪水死亡、呼吸器系疾患という分野で少しずつ増加している。全ての人が、車を使うことによる環境汚染の影響を受けているのだ。

カリフォルニア州にある米国肺協会(American Lung Association of California)の最新の報告書によると、自動車によって生じている健康と気候に関する支出は、毎年370億ドルに及ぶ。

この値には22万日もの失業日数や10万9千件の喘息関連の出来事、そして年2580件の若年死亡件数の影響による経済的コストが含まれているが、排出権ゼロの自動車販売プログラムを持つカリフォルニア州やコネチカット州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州の10州だけしかこの数に含まれていない。
たとえ喘息を持っていない人でも、経済面でダメージを受けているようだ。報告書によると、公衆衛生と気候を改善するために、ガソリンを燃焼すると毎タンクごとに税金が18.42ドル費やされているというのだ。

幸い、電気自動車が普及することで、この問題は解決できるようだ。報告書によると、2050年までに新たに購入される車は全て電気自動車になり、普及率も65%になるという。そうなれば気候改善のために使われていた政府の予算も210億ドルから157億ドルに減少すると言われている。また、完全に燃料エネルギーから決別できたとすると、最大40%も削減できるようだ。

「人々は、日常の選択肢として健康や気候を考慮するということに慣れていません」と米国肺協会の空気と気候変化の分野でシニアディレクターを務めるBonnie Holmes-Gen氏は述べる。「我々はこの隠れたコストを数値化したのです」と。

未来:Electric Boogaloo

米国肺協会はアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)や幹線道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)、さらにはアメリカ国内の企業平均燃費(CAFE)や温室効果ガスの排出基準の中間報告の準備で真っ最中のカリフォルニア待機資源委員会(California Air Resources Board)に影響を与える報告書をリリースした。

2018年4月までに、これらの期間はこれまでの規制を強化するか緩和するかを決めると考えられており、これが自動車製造業に大きな影響を及ぼすことは言うまでもない。

夏に発表された報告書では、規制がよっぽど変更にならない限り、自動車メーカーが2025年までに54.5 mpgを目標にした燃費の削減を実施しないとしている。一方、電気自動車業界にとってこの規制が強化されることはいいことであると考えられるだろう。

電気自動車を購入する理由は多くあるだろう。空気を綺麗に保つこともできるし、楽しく、Teslaのようにかっこいい車も多くある。しかし、こういった意見は売り上げに繋がってはいないようだ。

別に人々が電気自動車を毛嫌いしているわけではない。憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)や消費者組合(Consumers Union)は、カリフォルニアの運転手の内半分以上が次に車を買い替える時に電気自動車を検討していると発表している。北東部では55%の運転手の関心を集めており、43%が実際に電気自動車を生活に取り入れても問題ないと述べている(電気自動車は通常の車と比べて走行距離が短いので、長距離走行が必要な人には向かないのだ)。

しかし、カリフォルニアの補助金を以ってしても、電気自動車はセカンドハンドの車としては高すぎると感じる人も多いだろう。また、いくら範囲が拡大しているとはいえ、チャージするステーションを探すのも一苦労である。3万ドルのChevy Bolt EVは一回のチャージで240マイル走行できるものの、バッテリーがアメリカの典型的なロードトリップで活用できるほど持続力はないと考えている人も多い。

テクノロジーがますます改善されていく一方で、米国肺協会の報告書には政府が温暖化やヘルスケアで費やされる予算の改善を検討していると記されている。だからこそ、数々の機関が電気自動車業界を活気づけるためにHOVレーンのアクセスに力を入れたり電気自動車のインフラを改善したりすることを促しているのだ。だがもし、ヘルスケアや温暖化を精査する部署が何もしないと、打撃を被るのは我々納税者である。