広告主がいかに中国の変わったライブストリーミング文化に参入しているか お決まりのドタバタ劇から不合理な離れ業までに及ぶ試み

【出典】2016/8/26

http://adage.com/article/digital/advertisers-tapping-china-s-crazy-livestreaming-culture/305599/

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中国でOreoのダブルチョコレート味を発売するため、Mondelezはライブストリーム上で大げさに演技ができる中国のふたりの歌手を指名した。一人は、ラブソングのメロディに乗せてOreoの原料を口ずさんでいる間にクッキーを口の中に押し込んだDa Zhangweiである。ファンたちはもう一人の歌手、Xue Zhiqianが腐乳とワサビと一緒にOreoを飲み込まなければならないかと聞かれた。ファンたちはノーに投票したにもかかわらず彼は実行したのだが。

有名人とマヌケなおふざけの融合がスイート・スポットにヒットした。キャンペーンを進めてきた電通のCaratによると、その番組は今月の初めに放送された時に、4つのAlibabaのプラットフォームで450万ものライブ視聴者を獲得したという。

Huachuang Securitiesによると、ライブストリーミングはこの一年に中国で爆発的に流行し、2015年には18億ドル産業になり、2020年までには159億ドルまで発展するだろうと予想されている。そしてP&G、AdidasやSonyなどを含むさらにたくさんの広告主たちが参入しようとしている。マーケターたちの手の込んだパフォーマンスアートへの努力は分かりやすいもの(店舗のツアー・商品の実演)から信じられないものにまで及ぶ。コンドームブランドのDurexはベッドの中にいる50組のカップルとのライブ番組を約束した。そこには視聴者たちを困らせるような性的な行為はなく、柔軟体操やバナナを食べるなどして演じた。

OreoやCaratのようなキャンペーンの中には、世界最大のネット通販マーケットであり最大のインターネットマーケットの、7億1千万人がオンラインにいる中国のオンラインショッピングのマニアに直接働きかけるものもある。Caratによると、直近3週間2600万人もの人がAlibabaのTmall marketplace上にあるOreoの動画を視聴したという。

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この二人のユーモアな番組は、Oreoの陽気なブランドイメージとDouble Enjoymentと呼ばれる新登場の味を宣伝するために企画された。人々は携帯のスクリーンの買うボタンを押してOreoをショッピングカートに入れることができる。そのライブ配信はTmallのOreoの売上記録を更新したと、代理店が詳細な数字は明かさずに述べた。

お金と人のつながり

ライブストリーミングは中国のいくつかのトレンドの交差点に立っている。Carat Chinaの海外顧客マネージングディレクターのR.K. Mani氏は「若い中国人はアメリカに比べてたくさんの動画を視聴する」と述べる。「それは中国で人気な生放送で、相互作用のあるリアリティコンテンツである。そして、それは人々の注目を集めている」と。

ストリーマーは一般人であり、話したり歌ったりまたは日常のシーンを切り取ったりしていて、ボーイッシュに踊ったり、振る舞ったりしている魅力的な若い女の子たちがたくさんいる。

そのプラットフォームでの広告はまだ初期段階にある、そして業界は視聴者から配信のホストへ送られるバーチャルギフトで収益化されている。携帯電話決済を使って、人々はバーチャルな花や、ヨットまでもお気に入りの配信ホストに贈ることができるのだ。それが実際に現金となって、プラットフォームがその分け前を取っている。

その金銭のやりとりは興味深い。しかし、もしかしたらそこにはなぜライブストリーミングが人気を博しているのかの社会的要因があるのかもしれない。中国には単身赴任をしているたくさんの人たちがいる、と地元の代理店Amber CommunicationsのAmber Liu氏は言う。一人っ子政策の下で一人っ子として育てられた若者などのように、オンライン上でのつながりを探し求めている。ライブストリーミングは「新しくて重要な人と人とのつながりの形である」とAdidasのライブストリーミングを請け負う会社を持つLiu氏は述べる。

中国のプラットフォームはシリコンバレーのそれよりもさらにたくさんの反応や人々の関心を得ているようだ。視聴者、コメント、絵文字などが、多くの場合動画の上に流れ、そして配信ホストがギフトやコメントにリアルタイムで反応する。

Huajiao、Bilibili,、IngkeeそしてYYを含むたくさんの地元のライブストリーミングウェブサイトがあり、インターネット大手のAlibabaやTancentもこの部門に投資をしている。

注意書き

中国政府はライブコンテンツを注意深く監視している。中国のサイバー空間当局はライブストリーミングにおいて、さらに厳しい規制を敷こうと推し進めている。

4月に配信されたDurexの50組のカップルとの番組は決して挑発的なものではなかった。しかし、それが配信されてまもなくポルノ動画反対団体がこの下品なコンテンツをマーケティングの一環としてウェブサイトで配信するのはあまり関心できず「非健康的なコンテンツは撲滅しなければならない」とコメントしている。

ほとんどのブランドでは、一線を越えることは大きなリスクを冒すことにはならないだろう。そして、広告業界の人には規制されたコンテンツがさらにブランドにとってライブストリーミングの空間を安全なものにするだろうと議論している人もいる。

しかし、広告主を躊躇わせる他のいくつかの要因もある。彼らは生放送で、しかも中国では画面と被って表示されるユーザーたちのコメントを管理できない。それはネガティブなコメントまでもが前面に、そして真ん中に表示される危険性があることを意味する。「我々はそれがブランドに何をもたらすのかを注意しなければならない」と、北京にあるMediaComの顧客サービス部長のChristiana Liang氏は述べる。「生放送という性質もあって、他のキャンペーンよりもさらに高いリスクがいつもつきまとうのだ」と。

さらにいくつかの中国でのライブストリーミングキャンペーンの例

カスタマイズのできるZX Fluxを宣伝するために、Adidasはグラフィティアーティストがスニーカーの絵をライブペインティングするのをライブ配信した。彼はBilibiliを通して受けた視聴者のリクエストによってデザインやパターンを変えていったのだ。そのキャンペーンはAmber Communicationsからのものである(その代理店の最高経営責任者は、代理店がライブストリーミングキャンペーンとブランドのつながりを見つけるために努力をしなければならず、さもなければ彼らの努力はただの商品を売っている人が映っている「テレビショッピングチャンネルのように見えてしまう」だろうと述べる)。

AlibabaのTmallのプラットフォームでのアメリカのブランドの独立記念日のイベントに、Macy’s はマンハッタンの34番街にある店舗のバーチャルツアーを中国人客に対して行った。100近い店舗を持つMacy’s は中国でのネット通販を去年から試験的に展開するためにAlibabaと手を組んだのだ。

中国のXiaomiが、バッテリーが無くなるまで続いた19日間にも及ぶBilibiliのライブストリーミングでMi Maxというファブレットのバッテリー寿命を自慢した。「それは『つまらないライブ配信』の押し売りで、実際何も起こっていなかった」と広報担当者は述べた。

追記:以前のバージョンの文中では中国のLeo Digital Network の一部のAmber CommunicationsがSonyのライブ配信を行ったとあった。さらに、Carnivoという代理店もLeo Digital Networkの一部で、Sonyのプロジェクトに携わっている。