フェイスブックの銀行

【出典】5/26/2015

http://techcrunch.com/2015/05/26/the-bank-of-facebook/

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テクノロジーが全人類に関わる最も基本的なある物を変化させている。お金だ。Bitcoinの台頭は、世界中で利用可能な電子通貨の需要がどれほど高まっているのか物語っている。

bitcoin導入をためらわせる全ての懸念に対し、世界のソーシャルネットワークによって商業での受け入れや即座の業務(bitcoinでは1時間かかる)、安全性などが確立されようとしている。フェイスブックは無料で行えるユーザー間の支払いを本格的に展開し、世界で最も力のある金融機関の一つになりつつあるのだ。

なぜお金になるのか

昨年、外国人労働者が自分の故郷に送ったお金の総計は5830億ドルにものぼった。この送金は、発展途上国において最大の資本流入となっている。GDPの30%に値する国もあるのだ。

しかし、送金には高い手数料がかかる。現状、この市場はWestern UnionとMoneyGram によって支配されている。手数料は平均8%であるが、ある国では最高で29%もかかることがある。最近の調査では、世界銀行は「外国人労働者が200ドル送金する際、50ドルも手数料として払わなければならないのは間違っている。特に母国の家族のために自分の給料を送っているのであればなおさらだ」という結論を出している。

このような点において、フェイスブックであれば手数料がかからない。銀行から受取人に渡るまでの費用を会社が負担することになるが、フェイスブックはそれを消費者には負わせないという。

現時点では、アメリカ国内のユーザー同士に限られているが、近い将来必ず国境を越えたて広がっていくという。国境を越えた送金と通貨変換による手数料を請求するかは未だ定かではないが、ほとんど無料に近いことは確かであろう。フェイスブックの製品マネージャーのSteve Davis氏は「我々はこの電子送金から収益を得ようとはしていない」と述べている。

フェイスブックは、すでに世界的な金融機関として順調に稼働している。Financial Timesによると、去年の夏にはthe Central Bank of Irelandによって、ヨーロッパにおける電子通貨機関になる許可を得る直前にまでこぎつけたようだ。これにより、ユーザーはソーシャルネットワークを通してお金を貯めたり、誰かに送金したり、インターネットでものを買うことができるようになる。

長い目で見ると、フェイスブックでのお金のやり取りはWestern UnionとMoney Gramを完全に崩壊させ(いい厄介払いだが)、途上国にいる何百万人もの人々を助け、何十億ドルものお金が途上国に自由に流入することとなる。そして、フェイスブックはグローバル間での送金において王座に君臨することになるだろう。市場利率を下回る送金と、モバイルでの素晴らしい利便性を提供することになるからだ。ソーシャルネットワークにとっては素晴らしいことであり、これからの成長のために途上国にフェイスブックを普及させるという点においても好都合である。

この2年間、フェイスブックにとってすでに飽和状態になっていた北アメリカとヨーロッパにおける市場は厳しいものだった。途上国で新たなユーザーを探すためには、事実上海外からお金のやり取りができるアプリとなる他ないのである。

これがフェイスブックにとって、「ゴールドラッシュだ」という人もいるかもしれない。

海外送金が成長の足がかりになる一方で、様々な問題も浮上している。例えば、現在銀行を利用していない人にどのように電子商取引を提供するかについては未だ解決されていない。McKinsey氏によると、銀行や金融機関を使っていない人は世界中で25億人いるという。彼らはほとんど現金で生活を送っているのだ。そのような人々は現金をデジタル化しようとしていないので、送金する側も電子送金を手段として活用できないのだ。電子通貨によるシステムを支える環境が整っているわけでもないので、いつまでたっても受け入れられないのだ。

しかし世界は変わりつつある。これから5年の間に、世界中全ての人がインターネットにアクセス可能となり、2019年までにスマートフォンの利用者が世界で59億人にのぼるとEricsson氏 は予測している。全世界の家庭に高速インターネットが使えるスマートフォンが普及すれば、状況は一変するだろう。物理的な銀行、プラスチックのクレジットカードや紙幣が不可欠であるという考えが消えてなくなるだろう。この変化はもう起こり始めている。中国の旧正月にあたる2月には、WeChatのユーザーによって10億以上の“紅包” が電子通貨で他のユーザーに送信されたという事実もある。

発展途上国の労働者たちがフェイスブックを通してインターネットでお金を管理したり、お金を貯め商品を購入したり、支払いを済ませることのできる世界はもうすぐそこまできている。また、フェイスブックが電子金融機関として世界に与える影響は、非常に大きい。

巨大な給料日

では、なぜフェイスブックは何百万もの送金や購入をほとんど無料で促進しようとしているのか?これによってフェイスブックがユーザーのお金の使い道に関するデータを持つ必要不可欠なものになるというのが一つの理由であろう。結局のところフェイスブックは広告ネットワークであるということを忘れてはならない。

ブランドに「いいね」ボタンを押したからといって、その人が必ずしも客増加につながるわけではない。例えば、フェイスブック上にランボルギーニのファンが1100万人ほど存在するが、そのうち一体どれほどの人が実際に車を買えるだろうか?これの答えは経験に基づく推測は可能だが、確実な答えを出すことはフェイスブックにも不可能である。

しかし、金融取引とソーシャルグラフを組み合わせることができれば、広告主は自分たちの顧客に関するほとんど正確な情報を得ることができるようになる。フェイスブックほど購買行動や収入、貯蓄等を組み合わせて宣伝が提供できる広告ネットワークは他になくなるだろう。

電子通貨を見せる

問題もまだまだ多いが、未来がこれほど明るく見えた事はないだろう。我々は今、巨大な社会的経済成長の真っ只中にいる。2009年には19億人が中産階級に属していたが、15年後にはそれが49億人になるとまで言われている。

何十億もの人々が貧困から抜け出し一般消費者となった場合、未来の新しい経済はどのように変化するのだろう?3500年使い続けたコインと紙幣にまだ固執するのだろうか?モバイルやインターネットはそんな状況を変えられるのだろうか?

私は後者を信じたいと思う。この実現には何十年もかかるだろうが、私が生きている間にもそのうちの多くが実現されると信じている。フェイスブックには素晴らしい可能性があり、テクノロジーを使って世界の通貨に対する考え方を変革することができるのだ。私は何年か前にフェイスブックを使うのをやめてしまっていたが、もう一度始めるための説得力ある理由をMark Zuckerberg氏が見せてくれることを期待している。