月別アーカイブ: 2019年5月

Netflix, Amazonは英国TV放送局のストリーミング配信サービスの2倍の収益を得ている

【出典】 2019/05/30

https://variety.com/2019/tv/global/netflix-amazon-double-revenue-uk-broadcaster-streaming-services-bbc-sky-1203228903/?jwsource=cl

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イギリス国内でのNetflixとAmazon Primeの総収入を合わせた金額は、2018年の英国5大メジャーTV放送局ストリーミング収益の2倍以上に及ぶ。その一方、巨大IT企業のGoogleやFacebookは英国のオンライン広告市場で強い影響力を持ち、2018年にはオンライン広告収入のうち2/3を占めた。

イギリスのマスコミ規制機関Ofcom によるVOD市場に関するレポートでは、NetflixとAmazon Primeがどれほどまでに存在感を大きくしているのかについて報じている。2018年には13.8億ドル(10.9億ポンド)の収入を上げており、6.69億ドル(5.30億ポンド)の収入を得ているSkyのNOW TVやBBCのiPlayer, ITVのITV Hub, Channel 4のAll 4, Channel 5のMy5に比べて約2倍だ。

Netflixは、スタンダードプランとプレミアムプランの価格をつり上げている。HD視聴が可能のスタンダードプランの月額費を1ポンド(1.26ドル)値上げすることを発表した。これは12.5%の値上げとなり、7.99ポンドから8.99ポンドとなる。プレミアムプランについては、UHD視聴やデバイス4台まで使用することが可能だが、20%となる2ポンド値上げをし、月額費は7.99ポンドから8.99ポンドに変更される。この値上げは新規会員には即時、既に登録している会員には数週間以内に適応される。通常の画質での視聴を提供するベーシックプランに関しては、5.99ポンド(7.55ドル)のままだ。

Ampere Analysis 調べによるOfcomの報道は、Netflixの昨年の収入は8.75億ドル(6.93億ポンド)に及ぶと見込まれており、これはイギリスのTV放送局のストリーミング配信サービスのメジャー5社の合計を上回ると伝えている。Amazon Primeはイギリスでの収入は5億500万の見込みで、これもITVのITV Hubの約3億1600万、Skyの NOW TVは約2億1500万、All 4の約1億100万、My5の3800万を上回る。

公共放送局であることから、BBCはiPlayerからは収入を得ていない。しかし、iPlayerはイギリスで最も使用されている放送局のストリーミング配信サービスだ。Netflixの990万、ITV Hubの880万、Amazon Primeの770万、All 4の680万、My5の400万、NOW TVの150万を抑え、イギリスのVODプラットフォームでは、1億3400万家庭という最も高いリーチ率を誇っている。

アメリカの巨大配信サービスに対抗すべく、BBCとITVは2月にBritboxという北アメリカとのジョイント・ストリーミング・サービスを発表した。Ofcomのレポートでは、2023年までにBritboxはDisney PlusやApple TV Plusのような新規参入サービスと同様、イギリス国内で最低でも登録者200万人に達するだろうと予測している。

Ofcomはさらにイギリス国内でのインターネットの使用に関する報告書を公開した。報告書では「イギリスでのオンライン広告市場における変化は、GoogleとFacebookという2社の成長動態によって引き起こされている。」と書かれている。2社の合計収入はイギリスにおける2018年のオンライン広告収入総額のうち2/3である134.4億ドル(170億ポンド)に到達する勢いだ。Googleは39%と大部分を占め約52億5000万ポンド(66億ドル)、Facebookは22%(37億ドル)となった。

TikTokを運営するByteDanceスマートフォンの開発に乗り出すか

【出典】2019/05/28

https://mashable.com/article/tiktok-bytedance-phone/

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TikTokの運営会社ByteDanceで自社スマートフォンの開発計画が浮上していることが明らかになった。The Financial Timesが報道し、情報ソースはプロジェクトに詳しい関係者からであることが判明。ByteDanceが提供するアプリケーションを事前にインストールさせておくことで、競合との差別化を図る。

ByteDanceでは、TikTokの他にニュースアプリであるJinri Toutiaoや中国版TikTokのDouyin、そしてメッセージアプリのFlipchatなどを手がけている。そんなByteDnaceは、Apple MusicやSpotifyなどのような音楽ストリーミングサービスへも興味があるようだ。

The Financial Timesによれば創業者Zhang Yiming氏の発案である最新プロジェクトでは中国メーカーSmartisanからの特許取得だけでなく、一部スタッフの採用も行われたと言う。

Zhang氏は事前にByteDanceのアプリがインストールされたスマートフォンを熱望しているとのこと。Zhang氏の理想が実現するかどうかは別問題であり、現にAmazonとFacebookのスマートフォン・プロジェクトは頓挫している。さらに、SnapchatがSpectaclesで大失敗に終わった過去も忘れられてはならないだろう。

ByteDanceにはいくつかの課題が立ちはだかっている。インドから高い人気を誇るTikTokは、一時的にインド国内で禁止されていた。

プライバシーに関わる問題も発生しており、Douyinは中国政府の厳しい監視下に置かれている。2018年にはテレビアニメの『ペッパピッグ』に登場する豚が破壊的とのことで、Douyinから『ペッパビッグ』関連の動画数万件が削除された。

米中貿易戦争の影響も見られ、米スマートフォン市場での計画が狂わされる可能性も考えられる。実際に、米商務省は中国のHuaweiを締め出している。その結果Microsoftはパソコンを回収することになり、Googleでは中国との取引を一時的に中断する事態となった。

ByteDanceがアプリケーションの成功をハードウェア市場でも再現できるかは未知数だが、現状は厳しい状況と言わざるを得ない。

映画レビューサイトRotten Tomatoesチケット購入の確認手続を導入

【出典】2019/05/27

https://techcrunch.com/2019/05/23/rotten-tomatoes-verified-audience-score/

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映画レビューサイトRotten Tomatoesが、レビュー投稿前にレビュー投稿者が作品を視聴したか否かを確認する仕組みを導入する。今回は、評論家のレビューであるTomatometerとは違い、映画リリース前に未鑑賞の映画に対して悪評価を与えるユーザー対策向けだ。

今年の初めには映画リリース前のコメント投稿を禁止する事が発表されたが、議論を遅らせただけの印象だ。仮に鑑賞していない作品の批評をしたければ、時間を置く必要があった。

Rotten Tomatoesは、過去にチケットサービスFandagoに買収されており、今後新作映画のレビュー投稿にはFandangoでチケットを購入したことを証明しなくてはならない。

認証なしでの投稿は現時点でも可能だが認証済みのレビューにはマークが付与され、作品のオーディエンス・スコアには認証済みレビューのみが反映される。

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Fandangoでの評価システムはRotten Tomatoesのオーディエンス・スコアと入れ替えられる予定で、鑑賞後にチケット購入者に対してレビューを促す新サービスもリリースされる。

Fandangoのプロダクト責任者であるGreg Ferris氏は、今回の取り組みに期待を膨らませる。

「Fandangoの流通規模も手伝って、一刻でも早く認証済み評価が閲覧できることを望んでいる。また、今年の末には劇場でも視聴済みかどうかの認証ができるよう、AMC Theatres/Regal/Cinemark Theatresとも提携済みだ。」

チケット以外にもストリーミングサービスやテレビで視聴した場合の承認方法も検討中とのこと。更に、現行の仕組みでは1度の購入につき1つのレビューのみを認証済み扱いとしているが、グループで複数枚購入の場合は、複数のレビュー投稿ができる仕組みにすることを考えていると言う。

AlibabaソーシャルビデオアプリVmateに1億ドルの投資を決める

【出典】2019/05/27

https://techcrunch.com/2019/06/09/week-in-review-google-makes-a-losing-bet-bezos-details-his-space-plan/

2018 Jack Ma Awards Rural Teachers & Headmasters In China

中国の巨大テック企業Alibabaはインドの動画市場においてByteDanceやGoogle,Disneyとの激戦を制し盤石な体制構築を目指す。第一歩として同社の子会社UC Webが運営するVmateへ1億ドルの投資を行うことが発表された。

Vmateは2016年にビデオストリーミングとショートビデオの共有が可能なアプリとして開始され、その後ダウンロード機能と3D絵文字機能を追加。現在では世界3,000万ユーザーを突破し、インド市場での成長に向けて資本投下を進めて行く。アプリの所有権に関しての質問には、Alibabaグループから答えを得られなかった。

急激に成長するビデオ市場へ注力するにつれて復興に向け進み出すが、中国市場では手遅れだろう。TikTokに類似したVmateはインドでのギャップを埋めるポテンシャルを秘めているものの、TikTokはインドで既に1.2億ものアクティブユーザーに利用されている。時価総額750億ドルのByteDanceはAlibabaとTencentどちらからもお金を取ることなく成長を遂げてきた。TencentでもTiktokと類似したサービスを運営しており、一定の成功を収めている。

Alibabaはインドのeコマース領域とフードテック領域に莫大な金額を投資済みだ。具体的な会社としてはPaytm,BigBasket,Zomato,Snapdealが挙げられる。チェンナイ拠点のオンライン・チケットサービスTicketNewの株式を取得した後には、インドで動画ストリーミングサービスを開始するのではないかと予想されていた。

UC Webはインドを世界最大規模の市場として捉えており、近年ではニュースと動画を組み合わせたアプリにしようと試みている。直近2年間では、ブロガーと小規模の出版社の記事を直接プラットフォーム上で配信できないかの交渉を進行中である。

フィーチャーフォンの時代にはスターダムまでのし上がったUC Webであったがgoogle Chromeの台頭により勢いを失った。現在ではAndroidスマートフォンの多くがChromeを標準ブラウザに採用している。

Alibaba Groupによる投資もインドで動画アプリの人気が高まっている証となる。インドでの消費データ量に着目すると、料金が格段に下がったことで動画視聴量が増加したことが伺えGoogle Play Storeのチャートでも動画アプリは急激に順位を伸ばしている。

昨年末に開催されたマーケティングのイベントでYoutubeは、親会社であるGoogleよりもユニークユーザー数が多い唯一の国としてインドに言及。2017年の終わりにはインドで2.5億アクティブ・ユーザーがYoutubeを利用していた。全世界では20億人以上に利用されており、インドでの利用人数は公開されていない。

先日、インドで最大規模のレコードレーベルT-SeriesのYoutubeチャンネルが世界で初めて登録者1億人を突破した。更に特筆すべきは、T-Seriesは登録者1千万人までに10年要しているが、残りの9千万人は2年間で達成した点である。Disneyの運営するHotstarチャンネルも注目を集めており、今月上旬にはライブストリーミングで同時視聴数の世界記録を更新した。

カンヌ・フィルム・マーケットの参加者数が過去最高に

【出典】2019/05/25

https://variety.com/2019/biz/global/cannes-market-record-visitor-numbers-1203225930/

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2019年5月14日〜5月25日に開催されたカンヌ国際映画の商業部門にあたるカンヌ・フィルム・マーケットに12,527人が来場し、来場者数記録を更新した。

国別での来場者数を見ると、アメリカが最大の2,264人。次いで、フランス1,943人、イギリス1,145人の順となっている。

ヨーロッパ圏からは前年比4%増の7,076人が来場した。アフリカ圏からの来場者数が22%増で175人が買い付けに参加。カメルーン、エチオピア、スーダン、タンザニアからの来場者は今回が初となる。カンヌ・フィルム・マーケットでは、96カ国/56のパビリオンが設けられエクアドル,ポーランド,アフリカやシルクロード周辺の国が初参加。

857本と693本のプレミア上映が行われ、合計で1,464本が上映。主催者によると2,768本の配給権が売り出され、その内ドキュメンタリー作品は332本。カンヌXRでは52本がセレクションされ累計で4,741人が鑑賞。

参加者同士で連絡が取り合えるアプリが用意されており、1,623人により49,000メッセージがやり取りされ500以上のミーティングが開催された

自宅でのパーソナルトレーニングを可能にするLivekick300万ドルを調達

https://techcrunch.com/2019/05/24/livekick-seed-funding/

【出典】2019/05/24

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自宅やホテルの部屋などで1対1のパーソナル・トレーニング/ヨガが受けられるサービスを運営するLivekickが、シードラウンドで300万ドルを調達したことを発表した。

同社は、起業家のYarden Tadmor氏とフィットネスの専門家Shayna Schmidt氏の2人によって創業された。元々は、Tadmor氏が出張により乱れたトレーニング・ルーティンを正そうとSchmidt氏に遠隔でトレーナーを依頼したのが始まり。当初は、FaceTimeでのトレーニングが行われていた。

そんな中、他の人にも遠隔でのトレーニングを提供できるのではないかと気づいたとTadmor氏は語る。LivekickのiOSアプリかWebサイトを介してトレーナーと接続でき、1ユーザーにつき最大で3回セッションを受講できる。1セッション30分単位で行われ、2週間のトライアル後は1週間32ドルから契約可能。ワークアウトは空間の広さとユーザーの持っている器具に合わせて行われ、トレーナーはそれ以降の週のワークアウトメニューも提供する。

Tedmor氏とSchmidt氏は、PelotonやMirrorと自社事業を比較するが、トレーナーと1対1でのトレーニングは両社ともに提供していない。(Pelotonはフィットネス・バイクを提供。Mirrorは、トレーニング動画を提供)

Tadmor氏は、トレーナーとの1対1でのトレーニング方法が顧客の多様なニーズに適合するわけではない事を理解する一方で、顧客のモチベーションを効率的に保つ方法としては最適解だと捉えている。Schmid氏もトレーナーの存在により他社に比べ正確に、そして安全なトレーニングを実施できると自社のアプローチについて説明した。

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Schmidt氏によればトレーナーにとってもメリットが存在すると言う。

「トレーナーからしてみれば、空き時間の顧客を見つけるための新たな手段として活用できるだろう。通常、正午から16時頃は顧客の多くが仕事中のため顧客が見つかり難い。そこで、我々はその時間帯のロンドンのトレーナーにニューヨークの顧客を紹介することにしている。なぜなら時差が発生することによりニューヨークでは朝の時間帯に該当するからである。トレーナーのスケジュールを埋め収入を増加させる助けとなる。」

Livekickでは、C向け以外にもB向けサービスLivekick for Workを提供している。Tedmor氏は、「サービスのターゲットは、頻繁に旅行をする人だけでない。ニューヨークなど大都市に住んでいる人々はフィットネスの選択肢は幅広いだろうが、それ以外の人の選択肢は限られている。限られた中で優れたトレーナーとのトレーニングをしようとすれば移動に多くの時間を取られてしまうので、我々のサービスを活用してもらうことで自宅でのトレーニングを実現させる。最近、類似サービスのFutureがTechCrunchで取り上げられたが、Livekickがリリースされたのは9月である。現時点で、Livekickの継続日数は平均で6ヶ月を超えてきた。」

Firstime VCが今回のラウンドでのリードインベスター。その他にも、RhodiumやDraper Frontierが参加している。

最新テクノロジーなどにより快適で安価にトレーニングを受けられるようになる。Livekickには、数百万人の健康を改善する可能性が秘められているとFirstimeのNir Tarlovsky氏は力強く語った。

Appleオンライン広告のプライシー保護による健全化を進める

https://techcrunch.com/2019/05/22/apple-online-ads-private/

【出典】2019/5/22

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オンライン広告の恩恵を受ける我々は、長い間ウェブを無料で利用することが可能であった。そこに問題があるならば、多くの人にとってオンライン広告が不愉快な点だろう。広告が画面全体を覆っていない時や自動再生されていない時であれば、オンライン接続中は常に追跡されている状態が続く。

先述したように技術的には追跡することが可能であり、クリックしたかどうかに関わらず利用者の特性を構築していく。ECで買い物をすれば履歴は他のサイトにも共有され、キャットフードやアイスなどを購入するタイミングがいつもより遅いかどうかを認識する。

アド・ブロッカーは有効な対処法ではあるが、インターネットを維持しようと考えれば障害にしかなり得ない。そんな中、Appleは中立の立場から執拗なトラッキング行為を行わないオンライン広告を成立させられないかを模索していた。

現在では、プライバシーの保護を担保したオンライン広告の開発に成功している。ECなどで何かを購入した際には、広告主や過去にその広告を掲載したサイトに何を購入したのかの情報が共有される。通常、広告を出稿したお店はどのサイトで広告がクリックされたかというアトリビューションを望んでいる。そこで、多くのサイトではトラッキング用の目には見えないタグが設置されており、タグでは複数のページ間での追跡を容易にするcookieを保持している。このような仕組みで広告をクリックしたのか、何を購入したのか、何に興味を持っているかなどの情報を纏めていく。

Appleは、オンラインストアでの購入履歴は共有する必要がないと考えており、識別することなく誰かが広告をクリックした事や、何かを購入した事が把握できれば充分だと言う。

新技術により広告の効率を落とすことなく、ユーザーのプライバシー保護が可能となる。近々Safariに組み込まれる新技術だが、4つの要素に分解できると言えよう。

1つ目に、広告がクリックされた際にも識別可能にしないということである。従来の広告ではサイトの訪問履歴や購入履歴を取得するため長くユニークなコードが使用される。しかし、キャンペーンIDの発行を制限することでクリック毎のトラッキング・コードの割り当てが難しくなり追跡が困難になる。

2つ目に広告がクリックされたサイトのみが情報を取得し、第三者には情報が渡らない状況にすることである。3つ目に、クリックやコンバージョンデータの送信をユーザーのログインや購入から最大で2日ほど遅延させランダムに行うことで識別可能性を低くする必要がある。データの送信はプライベート・ブラウジングを介して行われ、その他のブラウザは経由しない。

そして最後に、Appleではブラウザレベルでこれらのことを行えるため広告ネットワークと広告主へのデータ提供には制限を設ける。

新技術により、誰が何をいつ購入したかを知ることなくクリックデータとコンバージョンデータを報告することが可能となる。AppleのエンジニアJohn Wilander氏は、本プロジェクトについてブログに投稿している。

「ますます複数サイト間でのトラッキングを問題視する人が増えている。プライバシーを侵害するオンライン広告は、過去の遺物となるだろう。」

今回の技術のコアとして、取得できるデータの制限が挙げられる。

WIilander氏は、「現在のアトリビューションではビット数に制限は設けられていないため、全ての行動を追跡できる状態にある。しかし、アトリビューション・データの拡散を支障の出ない程度まで制限する事でプライバー保護を実現しながら、かつデータ報告もできると。」と続けて投稿。

新技術の概要としては、以下の通り。

・キャンペーン数とコンバージョンIDを限定し、広告主は複数サイト間を追跡するための長くユニークなコードが使えなくなる。

・制限が加わったとしても、広告のパフォーマンスを測る情報が不足する自体には陥らない。

・過去48時間で特定のサイトに広告が出稿されている時は他の広告に比べ、新技術を用いた広告の方が購入までより多く至っている。

Appleは、技術が広く普及すればリアルタイムの追跡は廃れていくと認めているが納得はしづらい様だ。なぜなら、最大で2日間のデータ送信の遅れにより、いつ誰が何を購入したのかというリアルタイムでのインサイトが得られなくなるからである。しかし、プライバシー保護を最優先するならば、それ以外に方法は存在しない。

2019年の後半にはSafariのデフォルト機能として搭載される予定だが、このまま進めば孤軍奮闘が続く。今後の加勢を期待しWeb技術の標準化を行う非営利団体であるW3c(World Wide Web Consortium)に対して提案も行なった。

過去の事例を忘れがちな人は、スタンダードまでの道のりは遠い事を知るだろう。不適切なDo Not Trackはユーザーが追跡を希望しないシグナルを出すことで追跡を拒否するという機能であった。実際に採用もされたが物議を醸したこともあり、スタンダードにはなっていない。

Appleは、今回の技術は広く普及するのではないかと予測する。主な理由としては、Do Not Trackと違い、その他のプライバシー技術を用いながらブラウザに組み込む事ができるからである。Safariであれば、ITP(intelligence tracking prevention)がそれに該当する。Google Chromeやmozilla Firefoxなどその他のブラウザでも、数多あるプライバシー技術から抜きん出ようとプライバシー技術に注力している。新技術をユーザーが積極的に望んでいると考える一方で、抜本的な対策を恐れる広告主への配慮もAppleは忘れていない。

インフルエンサー探し?:B2Bブランドの成功の手法

【出典】 2019/05/21

https://contentmarketinginstitute.com/2019/05/looking-industry-influencers/

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インフルエンサーを用いたマーケティングと聞いて、どんなブラントが思い浮かぶか?旅行、ファッション、テクノロジーがまず挙がるだろう。

溶接、木工、鍛冶はどうか?違うって?ぜひこのまま読み進めてほしい。Craig Coffey氏とLincoln Electricのチームが行ったことは、まさしくインフルエンサーマーケティングに他ならないからだ。

インフルエンサーがいない?問題ない。

最初は困難からのスタートだった。Lincoln ElectricのマーケティングディレクターのCraig氏は、溶接用具の製造会社でインフルエンサーマーケティングプログラムを立ち上げようとしていた。

しかし、溶接と良いコンテンツの制作方法の両方を知っている人材のタレントプールは小さかった。「考えてみてほしい。世界の0.1%の人しか溶接方法を知らない。0.1%だ。悲観的な人はなんて難しいんだと思うだろうが、私は楽観的なので、『つまり99.9%の人がターゲト市場だ。』と考える。だから、もし少しでもその0.1%を伸ばすことができれば、それはとても大きなことだ。」

Craig氏はSpring Makeを活躍中のインフルエンサーとゲストスピーカーをLincoln Electricのエリアに招き、クリエイターがビジネスゴールに到達する助けとなるような授業を提供することで、プロのクリエイターを目指す木工、溶接工、蹄鉄工クリエイターたちを呼び集めるためのイベントだと捉えている。特に、自身のブランドのインフルエンサーとして採用するのにポテンシャルのあるコンテンツクリエイターをターゲット層とした。授業の内容としては、例えばオンラインプレゼンスの向上方法、インフルエンサーとして自身を売り出すためのプレスキットの作り方、Lincolnを含むインフルエンサーを探しているブランドの目に止まるようなクリエイターとしての技術の育成が挙げられる。

この春の二日間のイベントは木工、溶接、鍛冶作業から始まった。スポンサーとインストラクターは、有給のイベント参加者たちの技術向上を促進した。

Crow Creek Designs のオーナーであるJess Crowは、アラスカからクリーブランドまでこのイベントのために飛んだ。彼女はインスタグラムやフェイスブック、最近では短い動画を制作しシェアできるプラットフォームのTik Tokで活動している。

「Tik Tokから、『インスタグラムでの活動が気に入ったため、我々のDIYキャンペーンにぜひ参加してほしい。』と言われた。 プロジェクトの内容や価値のある情報を12秒にまとめるのは困難だったが、面白い試みだし、そのうちコツをつかめる。」

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Jessにとって、Spring Makeの利点は以下の2点だ。

インフルエンサーを探しているブランドと繋がること

実践的なトレーニングをエキスパート達から学び、新しい道具や機材を試すこと。

JessはSpring Makeのクリエイターをインフルエンサーにする試みにおける、135名の招待された参加者のうちの一人だ。

自分のブランドではなく、業界に焦点を当てる

Spring Makeを見てみると、Lincoln Electricは強い存在感を放っていた。ノベルティバッグ、溶接ワークショップにある機材、Lincolnのロゴとともに展示された販売用の溶接機材。しかし、Lincoln Electricは唯一の参加ブランドではなく、他にもRidgid Tools、Jet Tools、PFERD、その他機材や時間、人材を投資したスポンサーたちも参加していた。スポンサーブースは、制作エリアの外に設立されていた。

この二日間はLincoln Electric にとってセールスピッチのための時間ではなく、成長中のタレント、関係やコネクションを築くこと、何か新しいことを学ぶためのものだった。

業界内の有名企業からの質の高いサポートによって、イベントに影響力と信頼性が付いた。Jessによると、「インフルエンサーの成長を手助けしてくれるこういったブランドに対しては甘くなってしまう。『Lincoln Electric』と、ブランドの名前が書かれているのを見ると、このイベントが特別でハイエンド、そして専門的なものなのだと感じさせてくれる。」

「ここに来ている会社は一流だ。そういった会社はここで働いている人たちにしっかり投資をし、会社がスポンサーとなったり、話したりしているのを見ると、イベントが素晴らしいものになるのは明確だとわかる。長い間業界にあり続けている会社を見ればわかる。」

強化する

溶接(Lincoln Electricの業界)のみならず、業界を超えて視野を広げた。これによって、観客の増加や、自身の作品のために他の工作業界について学びたい溶接クリエイターの勧誘、新たなスピーカーや人材の発見の機会を得ることができた。

「さらに、溶接というのは矛盾した工作ではないことを示したい。」とCraig氏は語る。「溶接は様々なものとうまく組み合わさる。織物であれば、金属を溶接して作られた椅子にかかったレザーのスリングシートを思い浮かべてみてほしい。木材であれば、上の部分が木製で足が金属でできたテーブルなど、まだまだある。しかし、多くの人は「どうやったらこれらが上手く合わさるか」を考えるのではなく、別のものだと分けて考えがちだ。

「木工作業場が溶接作業場の近くに意図的に設営されてあった。参加者にこのことを伝えたかったんだ。『よし、君の木材を使ったプロジェクトをここに持ってきて。次はこの金属のストラップを周りにつければ、完成だ。』」

Craig氏は、旅行や仕事を通じて知りあった人々をゲストスピーカーやインフルエンサーとして招いた。中にはクリエイターコミュニティを繋げている人物とも言える、デザイナーでクリエイターのJimmy DiRestaを含む。その他スピーカーやソートリーダーは、成功までの道のりやアドバイス、どのようにビジネスを成長させたかについて話した。

Crafted Workshop のJohnny Brooke氏は、どのように注目を集めてスポンサーを獲得するのかについて話した。インフルエンサーがどのようにプレスキットを作り、アクセスを解析・分析してポテンシャルのあるスポンサーと交渉するのかについて話した。

Ugly Duckling House のSarah Fogle氏は、借りた土地に家を建てるなという概念について解説した。この考えはしばしばCMIの創設者であるJoe Pulizzi氏が用いている。メールマガジン登録数とウェブサイト訪問者数を伸ばすべきか、アルゴリズムのなすがままにSNSに集中すべきかについて語った。

Fix This Build That のBrad Rodriguez氏は、ソーシャルプレゼンスについて参加者に語った。何が上手くいき、何が改善できるのか、そして参加者のメディアと業界両者へ向けてベストプラクティスについて語った。

汚れよう

インフルエンサーマーケティングのビジネス面について理解することは重要だが、このタイプのクリエイターは実際にすることが好きだ。Craig氏、イベントチーム、スポンサー、専門家はワークショップを行った。クリエイターの流儀に従い、自由で、自主的に進めることができる機会を作り、それぞれの専門分野における著名人をファシリテーターとした。専門家は手順、道具などについて時間をかけて解説をした。実際に手を動かしながら学ぶことが、観客を引き込むための鍵だ。

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楽しむ

Spring Makeは体験型イベントだった。プログラムやワークショップの他に、以下のイベントを開催した。

Spring Make やスポンサーブランド普及のためのTシャツやノベルティを扱ったショップ

参加者の使用、SNS掲載用の写真撮影のための無料ステッカー、ポストカード、ペン等の配布

カメラマンを用意した撮影スタジオでは、ヘッドショットなどの写真を無料で撮影することが可能

参加者、スポンサー、登壇者が繋がるためのネットワーキングイベントが可能だ。

参加者は以下の新しい知識を得ることができる。

  • インフルエンサーマーケティングの技術
  • ブランドとの関係構築
  • 最新オンラインプレゼンスに関する資料
  • コネクションとさらなる連帯意識

関係を深める

イベント後の盛り上がりが冷めてきたら、その次は?Spring MakeはLincoln Electricとは別のコンテンツブランドへと進化した。多くの写真がインスタグラムやツイッターの投稿されている。コンテンツはクリエイターやインフルエンサーが制作をし、Spring MakeのSNSが拡散をする。こうして、Spring Makeのイベントチームは、会話を途切れさせないよう再利用することが出来て、2020年のSpring Make参加促進にも使える1年分のコンテンツを獲得することが出来たのだ。

うまくいくのか?

Craig氏は、100台以上の機械を販売すること(イベント参加のための費用と同じ)ができれば成功と呼べると語る。

「このイベントから儲けを出すことは考えていなかった。それは意図ではない。もし、セールスに今日以前と今日以降で違いが生まれるとすれば、それは自信を持ってこのイベントと直接的に関係していると答えるだろう。」

Craig氏はもう一つの利点について説明した。「たくさんの人たちが私の元へ来て『Lincolnでの君は、社会的影響力の点で、他の競合者のはるか先を行っていたよ。レーダースクリーンでも捉えられないほどだ。』と言ってくれて、私は非常に元気つけられた。」

「だから、今はこの差を維持したいと考えている。そして、競合他社が追いつけないように、もしくは、デジタル空間においてクリエイターについて考えた時にLincolnと溶接が同義になるよう

前に進み続ける。0.1%の成長を見せる、大きな可能性のある市場に集中するつもりだ。

そして、このようなインンフルエンサーたちの支援は、成功へと繋がるだろう。」

活動の成果を見る

インフルエンサーマーケティングで素晴らしい点は、インフルエンサーの活動の様子を見ることができるところだ。Spring Makeの開催期間中は、多くのインフルエンサーがLincoln Electricに関するコンテンツを丁寧かつ具体的にSNSでシェアした。

Jimmy DiRestaはインスタグラムのストーリー機能を使い、自身の名前とビジネスをプロモーションする一方で、Lincoln Electricの溶接機材を実際に使っている様子を紹介した。

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Jess Crowは、Lincoln ElectricのPOWER MIGという商品について話題に出す一方、どの道具や機材を買いたいか質問をするなど、24,000人以上ものインスタグラムのフォロワーと会話をした。公開時には「いいね」が1,542まで伸び、コメント数は114を超えた。

ブランドはもっと社会的影響を重要視すべきだ

Lincoln Electricが0.1%の成長に焦点を当てている一方で、多くのB2CやB2Bブランドは業界の数字に注目するべきだ。結局、インフルエンサーマーケティングは流行ではなく、今の時代やらなければいけないことだ。Spring Makeでは、Craig氏が全ての業界においてSNSの影響力の必要性と価値を示すべく、以下の7の統計をシェアした。

  • 40%の顧客が広告ブロックを使用している(Marketing Land)
  • 70%のミレニアル世代はセレブではないブロガーが指示する商品を好む(Collective Bias)
  • インフルエンサーマーケティングは、従来のマーケティングと比べて11倍ROIが高い(Invesp)
  • 94%の優秀なマーケターは社会的影響力に投資している(Invesp)
  • 48%のマーケターは社会的影響に焦点を当てたキャンペーンの予算を高く設定する(Invesp)
  • 2020年までに、50%のコンテンツがマーケティング外から制作される(CMO Kathleen Shaub)
  • 71%のマーケターはアンバサダープログラムが最も有効なインフルエンサーマーケティングだと考えている。

ソニーがプレイステーションのゲームを映画やTVドラマにすべくスタジオを設立

【出典】 2019/05/20

https://www.complex.com/pop-culture/2019/05/sony-to-turn-playstation-games-into-movies-and-shows

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度重なるゲームの映画化の失敗に、ソニーがついに歯止めを打つ。Hollywood Reporterによると、ソニーがPlayStation Productionsと呼ばれる自社スタジオを設立し、25年分のゲームの数々のTVドラマ化や映画化に乗り出す。さらに、Hollywood Reporterはこのスタジオはすでに設立・運営されており、カリフォルニア州カルバーシティーのソニー所有地にて第1作目となるプロジェクトに取り掛かっていると報じている。

「我々には25年に及ぶゲーム開発の経験があり、素晴らしい作品、フランチャイズ、物語を生み出してきた。」と、Sony Interactive EntertainmentのWorldwide Studios社長Shawn Layden氏は語る。「今こそがストリーミング配信や映画、ドラマといった他のメディアを考慮すべき良きタイミングだと感じている。」

ソニーは100以上もの作品を所有しており、SF、ホラー、カーレースといった様々なジャンルを手がけている。もしうまく選択すれば、確かなポテンシャルがあると考えられるだろう。特に、ビデオゲームとそれに従うファンの存在は彼らの武器だ。ソニーはよく分かっている。

「我々の所有するIPを他のスタジオにライセンシングするのではなく、自社で開発し制作する方が良いアプローチ方法であると感じた。」と、Playstation Productions部門ヘッドのAsad Qizilbash氏は語る。「まず、我々の方が作品に対し馴染み深いということ、そしてPlayStationファンは何が好きかということを理解していることが理由として挙げられる。」

ソニーはそれに加えて、姉妹会社のソニー・ピクチャーズを抱えていることに利点がある。これによって、ソニー・ピクチャーズは配給を行い、PlayStation Productionsはライセンシングすることなく制作を行うことができる。

「この1年半で、我々は業界、脚本家、監督、プロデューサーの理解に時間を費やしてきた。」とQizilbash氏は語る。「業界に関する理解を深めるため、映画プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラやケビン・ファイギとも話した。」

Layden氏はさらに、マーベルのコミックからスクリーンへの移行に影響を受けており、多少言葉を濁しつつも「マーベルの軌跡を追っていると言うのは、非常に高い目標となる。」と話した。また、ハリウッドはここ数年で変化しており、昨今のフィルムメイカーはゲームがメインストリームとなる時代に到達している。そして、このことが野心的なプロジェクトに挑戦する完璧なタイミングにしているとも話した。

「ゲームが映画化された昔の作品を見てみるとわかるが、脚本家や監督はそのゲームの世界観を理解していない。」と、Layden氏は語る。「本当の挑戦というのは、80分のプレイ時間をどのように映画にするか、というところにある。答えは、しないことだ。やるべきことは、明確に原作から脚本に落としたその精神を映画の観客へ届けることだ。ゲームをそのまま映画にして同じことを伝えようとしてはいけない。」

映画/TVドラマは、何年も待ち続けたゲームのプレイを終え、続編までにまた数年待たなければならない現実からやってきたファンに居場所を与えると、Layden氏は語る。

「我々のフランチャイズにもっと接することができる機会を、ゲームのファンたちに作ってあげたいと考えている。」と語った。「40〜50時間のプレイを終えると、ファンは大好きなキャラクターが成長する姿を見るまでに3年〜4年は待たなければならない。」

どの作品が映画になり、どの作品がTVドラマになるのかについては、どの作品が最も適切なIPかという点で現在検討中だ。また、会社としては脚本家されたプロジェクトについて、公開を急ぐつもりはないという。原作に従った作品にするために、十分な時間を与える姿勢だ。

「我々は適切な監督、役者、脚本家をマネジメント、コントロールするためにこのエンティティを設立した。」と、Qizilbash氏は話す。

グーグル社、アンドロイドOSを搭載したスマートグラスを発表

【出典】2019年5月20日

https://www.engadget.com/2019/05/20/google-glass-enterprise-edition-2/

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米グーグル社(以下同社)が第3世代の新型グーグルグラスを発表した。最新版は、外観の変化はないが、ハードウェア&ソフトウェアの両方が大型にアップデートされている。OSには汎用性の高いアンドロイドが搭載されており、デベロッパーにとってグーグルグラス向けのアプリがより開発しやすくなった。

ハードウェア側のアップデートとして、クアラコム社製の省エネかつAIに向いているプロセッサを実装している。他にもカメラ画質も向上しておりビデオストリーミングなどビデオ機能を使った業務が改善、充電ケーブルもUSB-Cとなり充電スピードも改善された。メガネやスキーのゴーグルを製造するSmith Optics社と提携、より過酷な環境でも使用できるグーグルグラスとして強化された。

同社は未だ公式に値段を発表していないが、業務向け専用でしか販売されていないので価格は企業によって異なる。過去のバージョンはグーグルグラス専用のOSが搭載されていたが、アンドロイドOSに変更されたことによりアプリ開発がしやすい環境となった。まだ一般に出回ることはないだろうが、業務用向けとして今後より活躍するだろう。