月別アーカイブ: 2018年6月

2018年カンヌライオンズグランプリレポート

受賞作品の特徴

各受賞作品において共通して言えるのは、斬新かつクリエイティブで、実用性があり考えこまれているということ、そして、単に芸術性が高いだけでなく、世界を、価値観を、生活を、経済・産業を変える作品であるということだ。そしてこの4つは相互に関わり合っており、それぞれを完全に区別して切り離すことは難しい。部門や作品によって、どの要素を特に重視しているかが異なっている。

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-世界を変える-

カンヌライオンズにおいては、社会問題への意識がひとつの重要なポイントとして位置付けられている。そこで、その作品が思い切ったテーマに踏み込んでいるか、それを企業(組織)として解決する責任を感じられるか、その作品に社会を変えるほどのインパクトがあるか、そしてそのメッセージが世界的に共通して受け入れられるようなものか、が非常に重要となってくる。

審査員コメント抜粋

作品タイトル:Trash Isles

部門:PR

クライアント:LADbible and Plastic Oceans Foundation

海に投棄され続けているプラスチックゴミの問題を世に投げかけるため、太平洋上に実在する、ゴミが集まった地帯をゴミ諸島=Trash Islesとして実際に国連に国家登録申請したキャンペーン。

「『ゴミ諸島(原題:“The Trash Isles”)』は、長年存在し続けた、「声」を持たない問題に「声」を与え、主張を形にした」「このキャンペーンは、『ゴミ問題に目を向けさせるため、海に捨てられたプラスチックごみを国として認識するよう国連に働きかけよう』と若い世代を鼓舞するものだ」

https://www.youtube.com/watch?v=u9Ne9VnZ7fsPicture1

作品タイトル:The Talk

部門:フィルム

クライアント:P&G

黒人の子どもたちが周囲から受ける偏見について、勇気を持って親子で話し合うことを勧める動画。「地域限定的な問題が幾分か含まれているものの、『The Talk』は、グローバルに使うことができる素晴らしいプラットフォームだ。」「昨今ユーモアの要素は徐々に失われている。しかし私たちは同時に、責任感というものも必要なのだ。人々を大きなメッセージに巻き込まなければならないのである。」

https://www.youtube.com/watch?v=E4bGnHF30ig

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作品タイトル:Soccer Song for Change

部門:ラジオ&オーディオ

クライアント:AB-InBev Africa

サッカースタジアムで一人の女性が立ち上がり歌い始めると、女性たちが入場し、合唱を始める。歌っているのは、人気のサッカー応援歌。その一部の歌詞を替えて、サッカーチームが負けた後に、泥酔した夫に虐待された女性について歌っている。メッセージは「NO EXCUSE」。彼女は、ラジオ&オーディオのカテゴリーと、この作品がただのラジオの枠を大きく広げ、その部門をどれほど変えたかについて話した。「『Soccer Song』は、間もなく本当に世界に影響を与えるものとして際立っていた。」

https://www.youtube.com/watch?v=xKJZujl7usw

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作品タイトル:Palau Pledge

部門:ダイレクト

クライアント:Palau Legacy Project

ダイレクト部門グランプリを受賞したのは、Palau Legacy Project「Palau Pledge」。パラオに入国するすべての旅行者に、世界初の環境保護誓約である「Palau Pledge(パラオ誓約)」への署名を義務付けるキャンペーン。旅行者はパスポートにスタンプが押されて、そこに自ら署名する。「この広告はただのメッセージというものを越えた。そしてそのプロセスを邪魔するのではなく、深く結びついている。それには政府の意思を変え、持続可能なことをさせる力があった。ほかのチタニウム部門受賞作品から私たちが好む要素をすべて拾い集め、世界を変えるようなこのアイデアに集約したといえる。この作品は、私たちが一歩前に進んで考えなければならない事柄のように感じられた。」

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=X-aWWM6Zhpo

Picture1作品タイトル:Blood Normal

部門:Lion for change

クライアント:Essity / Bodyform/Libresse

生理用品ブランドLibresseのキャンペーン、”Blood Normal”が受賞。映像で生理の血を見せることは今までタブーとされ、青い液体で代用されてきた。しかし、生理現象や血は忌み嫌うものではなく、自然でノーマルなものでポジティブに捉えようと訴えたキャンペーン。「それは精巧なアートであり、よく考え抜かれた、重層的なキャンペーンだ。月経の恥ずかしさというあまり触れられてこなかった問題にスポットを当てたキャンペーンだ。」

https://www.youtube.com/watch?v=lm8vCCBaeQw

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-価値観える-

「世界を変える」大前提として、それが個人個人の感情に訴えかけるものでないと、そのような大きな影響を社会に与えることはできないであろう。私たちの心を揺さぶるようなパワーを持ち、共感を呼び起こすような深いメッセージが、私たちの考えを一歩前に進ませ、文化を変えるような新たな価値観を生み出す。

 

審査員コメント抜粋

作品タイトル:Corruption Detector

部門:モバイル

クライアント:Reclame Aqui

「『The detector』は、人々の手に力を与えた。」

モバイル部門のグランプリは、ブラジルのReclaim AQUIという、商品やサービスに関して消費者からのクレームを受けるサービスサイトが行った”Corruption Detector”が獲得。政治家の汚職が蔓延しているブラジル、悪名高い国会議員の顔を顔認識システムで検知し、その議員がやった悪行が一目で情報として分かるアプリ。

https://vimeo.com/269656484

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作品タイトル:Hope

部門:フィルムクラフト

クライアント:International Committee of the Red Cross

赤十字国際委員会のグローバルキャンペーンとして制作されたショートフィルム「HOPE」。戦闘地域で病院や医療従事者が毎日のように攻撃的されている現実を伝えている。戦争とはいえ、やりたい放題は許されないことをメッセージ。

「私たちはより深い意義と、作品が共感的なつながりで私たちと結びつく方法を探し求めた。それは偉大な作品の頂点―私たちを人間性へ、人間の深層へ結びつく作品である。グランプリの映像は、我々を新たな世界に運び、他の誰かの立場に立たせるものだった。」

https://www.youtube.com/watch?v=mag-jlqeGAU

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作品タイトル:Corazon

部門:health & wellness

クライアント:MONTEFIORE / Donate Life America

医療センターMONTEFIOREの「CORAZÓN – GIVE YOUR HEART」。トライベッカ映画祭に出品された8分の映画だ。臓器提供を呼びかけ、「Donate Life America」への登録を促すためのキャンペーンである。「胸に電話を押し当てるシーンから始まり、ものの15秒以下で、人々をDonate Life Americaに登録するよう急がせることで、『Give Your Heart』というキャッチコピーを、より確実な行動喚起に高めた。」「『Corazon』は、グランプリの5つの審査項目を明確に満たした作品であった。その項目とは、・ヘルスとウェルネスの認識を高めていること・部門を推し進める術を発掘していること・技術的正確さ・責任感・ヘルスとウェルネスを日常生活にまで落とし込んでいること、である。」

https://www.youtube.com/watch?v=U7Qa5Vs-6NI

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-生活をえる-

世界や価値観というのはいささか抽象的ともとれる概念だが、作品が紹介する商品やサービスが実際に人々の生活にインパクトを与えているか、もひとつの指標となる。また、消費者のブランドエンゲージメントも、その変化に関する重要な視点だ。

審査員コメント抜粋

作品タイトル:Evert_45

部門:エンターテイメント

クライアント:KPN

エンターテインメント部門グランプリは、少年EVERTが1945年からソーシャルメディアを使って、自身の戦争物語を伝える「EVERT_45」。オランダの通信ブランドKPNとエージェンシー N = 5が制作したもので、5月4日と5日の戦死者を悼む記念日に、戦争から生き延びた人たちの話を若い世代に伝えるべく制作された。

「グランプリ作品は、他の作品の中から直ちにトップに躍り出た。私たちがこの作品に決定した決め手は、ブランドが様々な方法で人々の生活の一部を担っていることを映し出しているという事実である。人々にとって重要な存在になるために、ブランドをあらゆるコンテンツに忍び込ませる必要はない。」

https://www.youtube.com/watch?v=F0hGuu7cV6U

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作品タイトル:Savlon Healthy Hands Chalk Sticks

部門:クリエイティブエフェクティブネス

クライアント:ITC

この作品は、商品アイデアの巧妙さが優勝の鍵になった。インドの子どもたちは、石鹸で手を洗う機会や、あるいはそれへの興味さえほとんどない。そして、彼らは手を使って米でも何でも食べる。しかし子どもたちは学校でチョークを使う。そこで、ITCは子どもらが手を洗う時に泡が立つように、石鹸を含ませたチョークを発案した。

https://www.youtube.com/watch?v=VVWUlWEfJ1k

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-経済・産業を変える-

「コマーシャル」である以上、その取り組みや商品がビジネス的かどうかも、ある程度求められる。実は、クラフトのカテゴリーの部門以外は、チャリティー活動の作品は認められておらず、何らかのビジネスであり、経済的な目的がなければならない。「世界を変える」項で述べられたような社会問題への取組みが、産業の中での自社のブランドの位置づけをどのように高めるか、あるいは産業そのものを前進させていくか、ということがひとつのポイントになる。

審査員コメント抜粋

作品タイトル:The Franchise Model

部門:クリエイティブeコマース

クライアント:マイクロソフト

グランプリを受賞したのは、マイクロソフトの自分だけのコントローラーを作成できるサービス「XBOX DESIGN LAB ORIGINALS: THE FANCHISE MODEL」だ。「カンヌライオンズの今年の新たな部門であるエクスペリエンス・クリエイティブeコマース部門は、消費者の生活の中でイノベーションが、より強いブランドエンゲージメントとビジネスの成功にどのように繋げているかを表彰する。」「これは産業の動力源であり、新たな経済の戦場でもある。人々がeコマースのための彼らの戦略を理解しなければ、彼らはブランドやビジネスを確立することはないだろう。」

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作品タイトル: JFK Unsilenced

部門:クリエイティブデータ

クライアント:The Times / News U.K and Ireland

1963年にダラスで銃弾を受けて倒れたJ・F・ケネディ。当日話す予定だった演説を、入手可能なケネディのスピーチを収集し、AIを使って再現した。制作はアクセンチュア・インタラクティブの傘下のデジタルエージェンシー ロスコ。

「プロジェクトの複雑さ、キャンペーンの幅広いメディアにおけるインパクト、そのテクノロジーがALS患者を助けるために今まさに使われているという事実など、これらすべてが本作の優勝に貢献した。」「このプロジェクトが営利目的かただの芸術かを巡って、いくらか議論が繰り広げられた。もしただの芸術作品だと判断されていたら、きっとグランプリ候補には入らなかったであろう。それがタイムズ紙の『Find Your Voice』キャンペーンの一部だと判断されたからこそ、審査員たちはこの作品を審査対象としたのである。」

https://www.youtube.com/watch?v=wZF59wIIBLI

 

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2018年のベスト・アウトドア広告トップ12

https://www.adweek.com/creativity/the-12-best-outdoor-ad-campaigns-of-the-year/

カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルの金賞、審査員特別賞を見逃すな

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広告黄金期、『アウトドア』というカテゴリーは屋外広告を意味した。もちろん今年カンヌライオンズで優秀作品に選ばれたものの中には工夫された看板広告もちらほら見えたが、ほとんどの金賞作品は通行人の目に止まるユニークなものであった。

Greenpeace Philippinesと電通の共同制作で作られた巨大な『Dead Whale( 鯨の死体)』が良い例だ。一見ではビーチの巨大な死骸に見えるが、よく見ると海の素晴らしい生命を奪っている、プラスチックのゴミ塊でできた彫刻である。

金賞を受賞した二作はおそらく、伝統的なシンプルさの追求と、屋外広告とブランドアクティベーション間の曖昧な線引きを、最もうまく調和した作品であろう。

2018年カンヌライオンズ金賞、審査員特別賞受賞作品の中で、野外制作されたものはこちら。

Greenpeace Philippines『Dead Whale(鯨の死体)』

エージェンシー:Dentsu Jayme Syfu、Etnikolor Makati、 Dentsu X Makati、IProspect Makati、Grenroom Inc.、Upprgrnd Makati、Hit Productions Makati City

国:フィリピン

https://www.youtube.com/watch?v=o6u6HJYRv-k

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Louvre Abu Dhabi美術館の『Highway Gallery(高速道路ギャラリー)』

エージェンシー:TBWA\RAAD Dubai, Hertz Radio Manila, Rama International Limited Dubai,  Abu Dhabi Media Company

国:アラブ首長国連邦

https://www.youtube.com/watch?v=scrHrh5oIkU

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HBO、『HBOサウスバイサウスウェストワールド』

エージェンシー:Giant Spoon New York, Mycotoo California, Glass Eye London

国:アメリカ合衆国

https://www.adforum.com/award-organization/6650183/showcase/2018/ad/34569346

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バーガーキング『不気味なピエロの夜(Scary Clown Night)』

エージェンシー:LOLA MullenLowe Madrid, F16 Madrid, Only 925 Madrid, Weber Shandwick London, Alison Brod Marketing and Communications New York

国:スペイン

https://www.youtube.com/watch?v=qI-IRzzoBfw

 

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全米ダウン症候群会、『C21』

エージェンシー:Saatchi & Saatchi New York, Spark Foundry New York, Jones PR Oklahoma City, MSL New York, Powell Communications

国:アメリカ合衆国

https://www.youtube.com/watch?v=adk17-ZUNP8

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ディーゼル、『ニセモノを採用しよう(Go With the Fake)』

エージェンシー:Publicis New York, Publicis Italy, Rival School Pictures New York, Cosmo

国:イタリア

https://www.youtube.com/watch?v=3pqRgD5Dg4c

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国立安全評議会、『Prescribed to Death(死ぬための処方箋)』

エージェンシー:Energy BBDO, m ss ng p eces New York, PHD Chicago, Ketchum New York

国:アメリカ合衆国

https://www.youtube.com/watch?v=0jmDHoPUGKI

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広告代理店JC Decaux、『The Route(経路)』

エージェンシー:Y&R ブラジル

国:ブラジル

https://www.youtube.com/watch?v=X_WL62UVp8EPicture5Picture6

KFC香港、『Hot & Spicy(ホット&スパイシー)』

エージェンシー:Ogilvy Hong Kong, Illusion Bangkok

国:中国

 

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Stabilo Boss ハイライターペン、『The Remarkable…(なんとも驚くべき…)』

エージェンシー:DDB Group Düsseldorf

国:ドイツ

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対象:コメディーセントラル、『The Daily Show Presents: The Donald J. Trump Presidential Twitter Library(デイリーショーが送る、ドナルドトランプ大統領のツイッターライブラリー)』

エージェンシー:23 Stories X Conde Nast

国:アメリカ合衆国

https://www.youtube.com/watch?v=dqUCJTVTYykPicturePicture1Picture2

グランプリ:マクドナルド・カナダ、『Follow the Archesアーチを追え)』

エージェンシー:Cossette, Novus Media Canada, OMD Canada

国:カナダPicture3 Picture4 Picture5

国際オリンピック委員会、eスポーツに関心

https://techcrunch.com/2018/06/28/the-international-olympic-committee-is-curious-about-esports/Picture1

eスポーツが主流になりつつあるということにまだ疑いを持っているのなら、世界最大のスポーツイベント、オリンピックに目を向けてみよう。

国際オリンピック委員会(IOC)と国際スポーツ連盟機構(GAISF)は、eスポーツをオリンピックで行う余地があるか判断するため、eスポーツのフォーラムを開催すると発表した。

発表によると、IOCGAISFeスポーツ選手、ゲーム出版社、チーム、メディア、イベント主催者及び、国内オリンピック委員会、国際競技連盟、アスリート、IOCなどを招待する。団体は、全体として「eスポーツ・ゲーム産業・オリンピックムーブメント間の将来の結びつきを強めるために、相乗効果を探し求め、共同理解を確立し、プラットフォームを設置し」ようとしている。発表において、GAISFの社長であるPatrick Baumann氏はこう述べた。

IOCとともに、GAISFeスポーツとゲームコミュニティーをオリンピックの首都・ローザンヌに迎えることを心待ちにしている。我々は、スポーツは変化を止めることはなく、またeスポーツとゲーム産業の驚異的な成長が、その終わりなき進化の一端を担っているということを理解している。eスポーツフォーラムによって、私たちはeスポーツやその影響力、将来起こりうる発展への理解を深める、重要かつ非常に貴重な機会を得ることになる。これによって、これから先に全てのスポーツ同士の相互利益に協力できる方法を、一緒になって考えることができるのだ。」

フォーラムのパネルの中には、「Twitchの成功の鍵」や「未来の協働の機会」、「エリート選手の一日」についてのインタビューや、「すべてのスポーツでの男女平等」に関するパネルなどが含まれる。

eスポーツは目を見張る速さで成長を続けてきた。オーバーウォッチリーグが市を拠点とするチーム同士の試合を行なった一方、フォートナイトはE3にて巨大なプロアマトーナメントを開催したが、その試合にEpic100万ドルもの賞金を拠出したのは言うまでもない。

バイアスロンのように、いくつかのオリンピック競技が異様なことを考えてみれば、将来オリンピックにeスポーツを導入することになっても、別におかしいことはないように思える。

Yoobic社、小売業の店舗での販促キャンペーン管理を助けるアプリ開発のため、2500万ドルを調達

https://techcrunch.com/2018/06/28/yoobic-retail-therapy/Picture1

コマースの世界で目にしてきたイノベーションの多くは、ビジネスの最先端とも言える次のことに焦点が当てられてきた。それは、「オンライン・オフラインの両方において、顧客体験をより良くし、最終的にはより多くを購入してもらうために、どのようにデジタルツールを利用するか」ということだ。しかし今日は、売り手そのものを助けるアプリを作ってきた新事業への出資についてのニュースを紹介する。Yoobicは、SaaS(Software as a Service)のプラットフォームを使い、販売スタッフが本社とやり取りをして、コンピュータビジョンのようなテクノロジーを活用した販売・マーケティングキャンペーンを企画、実行できるようにする事業を行なっている。これによって、店舗でのオフラインの体験を、オンラインと同じように素早いものにできるのだ、とCEO兼共同創業者は語る。この会社は、資金調達で2500万ドルを集めた。この資金はロンドンやヨーロッパといった本拠地の市場を越え、アメリカにまで事業を広げるために使われる予定である。

この資金調達は、現在特に勢いのある多作の投資ファンド、Insight Venture Partnersによって主導されている。

Yoobicの力強い成長に続くように、資金は集まっている。収益は、2016年から2017年の間に143%増加し、製品は現在100の小売業者と、彼らが持つ幅広い範囲の、44か国20万店舗にて取り扱われている。毎月10万ほどの業務がアプリを利用して完了されており、これは2017年から250%の増加である。顧客には、多くの高級ブランド、Lacoste、the Casino Group、Aldi UK(アメリカでも営業しているドイツのディスカウントチェーン、Aldi Sudの一部である。Aldi Nordは別会社であり、Trader Joe’sを所有している。)、PeugeotやCitroenのような自動車会社などがある。

Yoobicは、テクノロジーの力で、小売業界の難しい問題にピンポイントで対処している。ブランドそのものが商品を売るにしろ小売業者が売るにしろ、企業が商品を複数の場所に渡って販売するとき、それらを一貫した方法で売るのは難しくなる。

セールや、何かのキャンペーン、あるいは単に商品レイアウトの独自のやり方などはすべて、様々な販売員を擁する際に、一貫してかつ効率的に行うことが難しい事柄である。小売販売員の入れ替わりの平均は年に50%であり、尚上昇している。本社や、直接関われる距離にいない人物から、彼らにコミュニケーションをとる必要が生まれている。

Yoobicによる解決策は、モバイルアプリで使えるプラットフォームだ。あるいは、大多数の販売員は机に座ることはないためモバイル端末を使用しているが、コンピュータでも使用できる。このアプリでは、どのように商品を見せるかの指示とともに、様々なキャンペーンに関する相談を行える。

「大事なことだが、この使い方は大変シンプルだ。従業員の入れ替わりが激しいからというだけではなく、キャンペーンやセール、商品レイアウトの変更は一日中起きる可能性があるものだからこそ、シンプルなものが必要なのである。」と、YoobicのCEOかつ共同創業者のFabrice Haïat氏は話した。「相談するために、電車に乗って会いに行く暇などはないでしょう。」

離れたところにいる販売員たちは、端末のカメラを使って店内のレイアウトを撮影し、与えられた指示と照らし合わせて確認することができる。そして、アプリのアルゴリズムがこれらを自動でチェックし、変更が必要かもしれない箇所を提示してくれる。すべて指示と一致しているときは、本社のマネージャーに通知が送信され、レイアウトが完了したと報告してくれる。

将来的には、在庫確認、店舗の来店数の更新、その他店舗にいない際見ておくことが難しい詳細な事柄に対し、同じシステムを使うことができる可能性がある。「今はまだ表面を擦っているだけにすぎない。」と、Haïat氏は語った。

Haïat氏は、「かつてなら会社は、マネージャーの評価、またはちゃんと問題なく運営されているか店舗で直接見て確認したものを、信頼しなければならなかったであろう。しかしこれらは一貫性がなく、あるいはきちんと行うにはコストがかかる。同様に、メッセージのやり取りは毎回遅くて煩わしい。」と付け加えた。「店舗と本社の連絡手段は今までeメールをベースとしてきた。この製品は、スマートなタスク管理の解決策によって、eメールの存在から取って代わるものである。」

Yoobicの躍進―実際そのデビューを果たしたのはTechCrunchのイベントDisruptのステージだが―は、小売産業が業務の効率化・有益化のためにどのようにテクノロジーの進歩を利用しようとしてきたか、その発展をまさに反映している。この発展は、単に顧客体験を改善するためだけでなく、ブリックアンドモルタルが、オンラインセールスやAmazonなどその巨大企業が持っているであろうあらゆる強みについていけるようにするためである。

しばらくすれば、商売の活動に人間が一切介入しなくなる時が訪れるであろう。Amazonのような企業がすでに試している、大詰めの段階だ。しかしそれまでに、顧客に合うと思われるもの、顧客が店で買いたいものの見つけ方、より効率的な勘定のフローや、購買とユーザーのネット閲覧方法との強固な繋がりなどを理解しようとすることによる、より良い顧客体験のようなイノベーションを目の当たりにしている。現在それらはすべてデジタル化され、顧客のデジタルプロフィールを精密に組み立てた、膨大なデータを作り上げている。

Yoobicは顧客体験と直接結びついているわけではないものの、それが成す仕事は膨大なデータ要素を確実に活用し、より大きなマーケティング戦略の達成に貢献している。「例えば、店頭のシステムから、コーラの売上が落ちているとデータを得たが、同時に間もなく猛暑が訪れることも分かっているとしよう。」とHaïat氏は説明する。「売り手はYoobicを用いて、コーラの販売を促進するディスプレイを展開し、その過程で潜在的な需要を満たしてコーラの売上を押し上げることができる。」

「さらに、Yoobicはこのサービスを他のシステムと統合できるAPIも提供している。現に、すでにWorkplaceとSlackは統合されている。」と、Haïat氏は語った。つまり、Yoobic自体は、基本的なメッセージ・チャットサービスや、単なる小売・マーケティング・販売ビジネスのためには使用されていないということだ。

「YOOBICのチームは最高クラスの製品を作り上げた。我々は、社の未来と米国での拡大に取り組むことを心待ちにしている。」と、Insight Venture Partnersの専務取締役であるJeff Lieberman氏は、文書の中で述べた。「我々は、このような解決策は小売業にとって必須になること、またYOOBICはそのカテゴリーにおいてリーダーとなる機会と可能性を持っていることを確信している。」

興味深いことに、Yoobicの創業者であるFabrice、Avi、Gilles Haïat兄弟は、シリアルアントレプレナーである。彼らが前回創業したVizeliaは、Schneider Electricに売却された。そこには、彼らがYoobicで作り上げたものとの面白い共通点がある。それは、Vizeliaはビルのエネルギーモニタリングの解決策であったということだ。「当初我々はエネルギーをモニタリングしていたが、現在では小売業のモニタリングをしている。」とFabriceは話す。「概念的には、そこには繋がりがあるのだ。」

有色人種のテレビ脚本家データベースを、CAAが開始

https://variety.com/2018/tv/news/caa-amplify-database-1202860582/

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CAA(Creative Artists Agency)が雇用機会増加のため、有色人種のテレビ脚本家についての、検索可能なデータベースを開始したと発表した。

公になっている様々な情報源から集められた、通称Amplify Databaseには、過去5年間でテレビ放送、ケーブルテレビ、もしくはストリーミング放送作品において最低一回でも脚本でクレジットされた脚本家800名以上が記載されている。そこには代表者情報も含まれる。CAAは、データベースに載っているアーティストたち全員を代表しているわけではない。

「我々は当初、Amplify Databaseは、クライアントやバイヤーが番組のニーズに寄り添って、最大限の情報をもとに最も包括的な決断を下せるよう手助けするリソースとして認識していた。」と、CAAの多文化経営企画部長であるChristy Haubegger氏は語った。「市場が過去最高に幅広い要望を求めたため、このリソースにさらなる秘められた価値を感じ、これをエンタメ業界にシェアすることで効果を最大限に引き出そうと決めた。」

このオンラインデータベースは、今日よりネットワーク、スタジオ、ショーランナー、その他産業における重要な意思決定者たちが利用可能になる。

ここへはhttp://www.amplifydatabase.com からアクセスできる。このデータベースに係る登録料やその他費用は一切かからない。登録したユーザーは、性別、国籍や、直近もしくは最も高い役職経験によってデータベースを絞り込み、ユーザーの必要に応じたリストを作り出せるようになる。脚本家や代表者は、情報の更新、訂正、削除の要請をAmplifydatabase@caa.comに送信することができる。

 

Studio71、Podcast界にYouTubeクリエイターを使い新しい風を吹かせる

https://variety.com/2018/digital/news/studio71-podcasts-harley-morenstein-christine-sydelko-1202859432/

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Studio71は、YouTubeのコンテンツクリエイター集団のリーチを新たなメディアにまで広げることで、ポッドキャストを開拓して広告収入を増やそうと試みている。

ここ二ヶ月で、このデジタルメディア会社はクリエイターパートナーたちと11のポッドキャストを開始した。この中には、Epic Meal Timeの所有者兼クリエイターであるMorenstein氏(写真)を特集した『Fanboi with Harley Morenstein』もある。Morenstein氏のポッドキャストは先週開始され、iTunesのゲーム&趣味カテゴリーでトップ5に躍り出た。他の作品には、『Kalyn’s Coffee Talk』『Don’t Mess with Christine Sydelko』や、Nikki LimoSteve Greeneが出演する『Sh*t They Don’t Tell You』などがある。

「この施策でStudio71は、デジタルインフルエンサーを取り込み、広告収入で支えられたオーディオコンテンツをミレニアル世代とZ世代の視聴者(18-34歳)に届けることができるようになる。」とCEOReza Izad氏は述べた。Podcastの視聴者は、今まで若い人たちより年配の人に偏っていた。

「この大きく、目まぐるしく成長するオーディオビジネスを目の当たりにしたとき、今こそ我々がこの領域に入り込むときなのだと感じられた。」と彼は語る。「真のビジネスチャンスとは次のことにある。デジタルネイティブ世代のYoutuberは本当に喋りが上手く、実に効果的に観客を広げていく術を知っているということだ。」

今週Interactive Advertising Bureau PwCが発表した調査によると、米国でのPodcast広告収入は、2017年の31400万ドルから、2020年には二倍以上の65900万ドルになると予想されている。

Studio71は、PodcastAppleSpotifyやその他のサービスに流通させるため、PodcastのプラットフォームであるCastboxと協働関係を結んだ。さらに、動画版のPodcastはクリエイターのYouTubeチャンネルに投稿することができる。Izad氏は、「Studio712018年の終わりまでにPodcastのラインナップを2025にまで拡大しようと試みている。」と語った。

「我々の広告主との関係を広げるのももう一つの方法だ。」とIzad氏は言う。「我が社は広告を流しはじめているが、この試みは始まったばかりだ。」

序盤でヒットしたPodcastのひとつには、1話につき75万~100万人の視聴者を獲得したChristine Sydelko氏のPodcastがある。Studio71はこれを「現代社会を柱としつつ過去の社会の遺産と組み合わせた」Podcastだと表している。Studio71Podcast部門は現在、グローバルディストリビューションと経営企画の副社長であるAdam Boorstin氏が監督しているが、この部門がオーディオプロダクションの社員を雇用した。「我が社はStudio71のポッドキャスト部門を運営するゼネラルマネージャーを雇う予定である。」とIzad氏は話した。

これまでにStudio71が開始したその他のPodcastには、Be Busta出演の『Be.Scared』、『Tré MelvinBottoms Up!』、SteveLarsonの『Going In Raw』、Julian Smithが出演する『Spellbound』、『What’s Underneath with StyleLikeU』、『Educating Josh』、Motoki Maxted出演の『Exposed』などがある。

Studio71は、ドイツのメディアコングロマリットであるProSiebenSat.1によって所有されている。201712月には、当社はStudio71Red Arrow Entertainment Groupを統合し、Red Arrow Studiosとした。

Pelotonが、新たな音楽ビジネスNeurotic Mediaを買収

https://techcrunch.com/2018/06/27/peloton-acquires-music-startup-neurotic-media/Picture1

ストリーミング配信されている授業をユーザーが受けられるという、エアロバイクのビジネスを展開するPelotonが、初めて買収を行なったと発表した。当社が買収したのはNeurotic Mediaという、楽曲の収集とストリーミングサービスを行うBtoB企業である。

アトランタに拠点を構えるNeurotic Mediaは、2001年にShachar “Shac” Oren氏によって創業された。彼は、Pelotonの副社長になり、Pelotonの音楽部門の部長Paul DeGooyer氏の下で働くことになる。Neurotic Mediaの社員とオフィス全体はアトランタに留まり、サードパーティーのクライアントに対応する独立子会社として営業を続ける。

Neurotic Mediaは、流通とマーケティングのホワイトラベルプラットフォームで、人気の音楽を通して、ブランドが顧客を動かし、引き込むのを手助けする会社だ。元々当社は、ブランドと、そのブランドの使命に沿った人気の楽曲を繋げるという仕事をしている。

ここにあるのは、音楽は運動に不可欠だというアイデアだ。Pelotonが、ユーザーの自宅の落ち着いた環境(やスタジオの一つ)にハイクオリティなエクササイズを取り入れることにフォーカスしているうえで、音楽は大きな役割を果たす。しかし、大抵は1)経験もしくは2)十分な資金がなければ、音楽産業に手を出そうとはしない。

以下は、DeGooyer氏が、用意された声明の中で述べた言葉だ。

「私たちの顧客は、音楽というものをPelotonでの顧客体験の中心として抱き続け、一貫してブランドの最重要の側面として位置付けている。Shacと彼の素晴らしいチームがPelotonに加わることで、顧客が気に入るだろうと思われるユニークなイノベーションの数々とともに、彼らが求めていると分かっている新しい楽曲を急速に発展させることができるだろう。」

Pelotonは現在変化のさなかにある。当社はPeloton Digitalという拡張されたiOSアプリを開始し、秋からはイギリスとカナダにまで広げる計画を発表した。さらに、Pelotonは新たなエアロバイクスタジオをニューヨークシティにオープンしたが、来年にはマンハッタン西部に巨大なマルチスタジオスペースもオープンする計画である。

Peloton2012年に創設され、合計44470万ドルの売上を上げてきた。取引条件は公開されなかった。

United Talent Agency社が、eスポーツ会社Press XとEveryday Influencersを買収

https://variety.com/2018/gaming/news/uta-press-x-everyday-influencers-1202859594/

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アメリカの大手エージェンシーUnited Talent Agency (UTA)は、ビデオゲーム産業にまでその歩みを広げている。当社は、2社のeスポーツ会社、タレントエージェンシーのPress Xとマネジメント会社Everyday Influencersを買収したと、27日水曜日に発表した。

この買収により、90ものトップeスポーツアスリートや配信者がUTAのポートフォリオに加わることになる。中には、ゲーム『League of Legends』のスター、Aphromoo氏やsOAZ氏、また配信者のImaqtpie氏、Pokimane氏やDisguised Toast氏が含まれる。これによってUTAは、現在eスポーツタレントと配信者の双方、およびゲーム開発者を抱える、唯一のタレント・エンタメ会社になると伝えられている。

「このデジタル世界において、新たな流行を見つけ採用していく中、我々はPress XとEveryday Influencersの獲得が、先を見据えた成功のチャンスになるだろうと気付いた。」と、UTAのCEOである Jeremy Zimmer氏は述べた。「ゲーム部門の規模は、今年1350億ドルに達すると予想されており、eスポーツと配信は成長戦略において決定的な要素だ。UTAにとって、これらのカテゴリーはわが社の既存のゲーム関連業務やビジネス全体に対して補完的な役割を果たすのだ。」

UTAのゲーム部門は、出版取引、雇用契約、知的財産取引などを執り行う。Press XやEveryday Influencerの力を借り当部門はいまや、出版契約、講演といった幅広い機会をクライアントに提供することができるようになるだろう。クライアントには、『BioShock』のクリエイターKen Levine氏やBioWare社のゼネラルマネージャーCasey Hudson氏、Klei Entertainment社、Big Huge Games社、Panache Digital Games社、Moon Studios社、『Her Story』のクリエイターSam Barlow氏が含まれる。

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Press XとEveryday Influencersの共同創業者であるDamon Lau氏は、UTAの新たなeスポーツグループを率いることになると、UTA Gamesの社長Ophir Lupu氏(写真)とUTA Venturesの社長Sam Wick氏に報告する予定だ。UTAの弁護士には、エンターテインメントパートナーのDavid Eisman氏や、提携者であるSkadden, Arps, Slate, Meagher & Flomの Allison Hunter氏が含まれた。Manatt, Phelps & PhillipsのNed Sherman氏は、Press XとEveryday Influencersに代わって交渉した。

これがUTAの最新の拡大施策だ。以前UTAは、音楽、ニュース放送、ライブ演説に力を注いでいた。UTAは昨年秋に最も影響力のある演説者の事務所the Greater Talent Networkを買収した後、トップの電子音楽会社のひとつCircle Talent Agencyを今年の始めに買収した。

Everyday InfluencersとPress Xの弁護士・アドバイザーの中には、Manatt, Phelps & Phillipsの弁護士兼理事であるNed Sherman氏や、パートナーのSarah Chambless氏が含まれた。

EuropaCorp社が、純損失9540万ドルと収益49%増を発表

https://variety.com/2018/film/news/europacorp-valerian-luc-besson-net-loss-95-million-1202859407/Picture1

Luc Besson氏のEuropaCorp社は、331日付の年度総決算を発表し、純損失は8250万ユーロ(9540万ドル相当)、連結収益は前年比49%増の22650万ユーロであると明らかになった。

先月告知されたように、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主(原題:Valerian and the City of a Thousand Planet)』が、フランス、アメリカにおける映画配給およびビデオ・ビデオオンデマンドの売上によって当社の収益に大きく貢献した。当社の海外販売ビジネスは57.1%増の7670万ユーロ(9千万ドル)に上り、これは前年度の総売上高の約34%にあたる。

また当社は、間接費用を削る近年の施策により、これまで1590万ユーロを削減した。一時解雇計画は来年度を予定されており、20193月に終了する。

損失は、昨年の記録11990万ユーロには至らないものの、歴代二番目に大きな数値である。EuropaCorp社は、米国で英語版作品が振るわなかったことや、米国での映画配給コストに原因があるとした。

当社の事業キャッシュフローは、昨年の240万ユーロに比べ、1740万ユーロにまで増加した。これは、『ヴァレリアン』の売上のため、およびLionsgate配給で米国にて上映される、Besson氏が監督した米国EuropaCorp社の次回の大作『(原題)Anna』のP&Aにおいて、それほど大金を費やさなかったためである。

Anna』に加え、当社の上映間近の映画作品には、Thomas Vinterberg監督、Matthias SchoenaertsColin FirthLéa Seydoux出演の『(原題)Kursk』、Guillaume Canet監督の『君のいないサマーデイズ2(英題:Little White Lies 2)』や、David Lowery監督、Robert RedfordCasey Affleck出演の『(原題)The Old Man and the Gun』などがある。

EuropaCorp社のTVシリーズ一覧には、『(原題)AI (Artificial Intelligence)』、David Baldacciの原作のコンセプトを基にした『(原題)Gray』、Jacques Tardiによるフランスの古典漫画を基にした『アデル/ファラオと復活の秘薬(英題:The Extraordinary Adventures of Adele Blanc Sec)』やHoward Chaykinの漫画を基にした『(原題)American Flagg!』が含まれる。

当社は、Besson氏が現在フランスで直面しているレイプ疑惑については言及しなかった。また、当社が約23千万ユーロ相当の負債を返済するため、現在資本を集めていることに関しても触れることはなかった。

 

ヨーグルトビジネスの文化戦争

http://adage.com/article/cmo-strategy/culture-wars-yogurt-biz-fights-competition-inside/314007/

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地元のスーパーで乳製品コーナーを歩いていると、たくさんのヨーグルトの値引きや販促がされている。例えば先週、シカゴのチェーンのJewelというスーパーはChobani、Dannon Light & Fit、Dannon Oikos、Siggi’sそして自社のプライベートブランドLucerneのうち、5個買うと一つ無料というプロモーションを行っていた。

 

そう、ヨーグルトファンにとってはたまらなく嬉しい時代に突入した。ヨーグルトのマーケッターにとっては、そうではないが。このカテゴリーはセールスが落ち続けて今年で三年目になる。巻き返す為に、各ブランドは価格を下げ、 またその値下げによる損失を取り戻すために広告費を削減した。それだけではない。次に流行りそうなものを探すために(ギリシャヨーグルトのような)、ブランドは新しい商品を次々に生み出す。そうすると、今すでにたくさんの商品が並んでいるヨーグルトコーナーにさらに商品を増やす事になるので、また割引をせざるを得なくなる。

この悪循環は業界大手のChobani、Dannon、Yoplait やFageといったブランドにおいて驚くほどの広告費の変化を引き起こしている 。Ad AgeのデータアナリシスセンターのKantar Mediameasured氏によると、2017年、代表的なヨーグルトメーカーは一斉にメディア費を39.5%も抑え、どこのメーカーも二桁降下した。この数字はデジタル広告を除くが、これらのブランドがどこに費用を充てるかを改めて考え直していることは明らかだ。

 

費用投下先を変えることで、マーケッターは顧客のブランドロイヤリティを高めようとしている。10年前にChobaniのギリシャヨーグルトが流行ったときに、 他のブランドでは数十年間買い求めていた客が離れてしまった事態になり、そのようなことを避けたいからだ。

ヨーグルト産業はこれから成長が見込める分野である。「アメリカ人は他の西洋の国と比べてもヨーグルトの消費が多い。」と New England Consulting GroupのCEOであるGary Stibel氏は語る。「今は残念ながら、業界は人々に安さでものを売りつけている。しかし、いいマーケティングは「買いたい」と思わせるブランドを育てることだ。」

プロテインの問題

つい最近まで、アメリカ人はヨーグルトを比較的楽しみながら食べていた。アメリカ合衆国農務省の発表では、1975年には国民一人当たり2 pounds (900グラム)のヨーグルトを食べ、その後数十年の間で消費量は増え続けた。2013年と2014年には一人当たりの消費は14.9 pounds (6.7キログラム) まで膨れ上がった。しかし2015年には14.4 pounds (6.5キログラム) 、2016年には13.7 pounds(6.2キログラム)にまで落ちた。

リサーチ会社のIRIによるとアメリカでのヨーグルトの売り上げは2016年に0.8%、2017年に1.6%落ち、74.4億ドルだった。(複数の専門家はIRI が計算に含んでいない電子商取引、自然派食品を合わせると年間売上は90億ドルとしている。)今年5月20日付のデータによると、売り上げは昨年より4.1%落ちている。

ヨーグルト業界の最大の痛手はプロテイン系の栄養補助食品の到来である。ジャーキーやプロテインバーは長年人気で、ミックスナッツ、フルーツ、チーズや加工肉など軽食類がたくさんお店に陳列されている。

「高プロテインの栄養補助食品の人気が増し、ヨーグルト産業はそれとの競争に苦しんでいる。」とEuromonitor International の食品業界担当マネージャーのJared Koerten氏は言う。

もう一つの難関は、『クリーンイーティング』に影響された、乳製品を含まない商品への興味の移り変わりである。乳製品を含まずに製造されたヨーグルトの数は増えつつあるが、売り上げは産業全体の3%以下に過ぎない、とKoerten氏は言う。

有名なヨーグルトメーカーは売り上げを保つために努力している。数字がそれを証明している。 マーケットリサーチのEuromonitorによると、Chobaniに2016年にトップの座を奪われたYoplaitを製造する General Millsの売り上げは、2017年5月時点で18%下がったという。Ad Age のデータセンターアナリシスとによると、Yoplaitのメディアへの費用は43.2%も落ちた。iSpotの推定によると、テレビコマーシャルへの費用投下は55%カットの、3530万ドルとなった。

General Millsは2018年のヨーグルトカテゴリーの目標を定めた。Yoplaitは糖分を抑えたヨーグルトの生産を始め、ガラスの容器に入ったフランス風のヨーグルト、Ouiというシリーズの販売を開始した。3月にGeneral Mills のCEOの Jeff Harmening氏は、Ouiはヨーグルトカテゴリーの中で、今年の一番大きいローンチだと発表した。 6月に発表された低糖シリーズのYQは、極度にろ過された牛乳を使うことでプロテインの量を多くし、乳糖と砂糖の量を少なくしている(どちらの商品も普通のYoplaitの二倍ほどの値段で売られている)。General MillsはAnnieのオーガニックヨーグルトの販促をしていて、Go-Gurtというラインのパッケージを変えた。どちらも子供用のものだ。

General Millsは6月27日になるまで2018年度の結果について言及をしないだろう。ただし、パニックになるほど下がり続けていたヨーグルトの売上の低下率は少しずつ小さくなってきている。最初の四半期が22%、次に11%、その次に8%の低下率だ。

Ad Ageのデータセンターアナリシスによると、 2017年のChobaniの広告費用は16.5%で 3170万ドル近くまで下っているが、iSpotによると、 テレビ広告が多くなっており全体の47.7%であった。「値段のコントロールではなく、自然派で本物のヨーグルトを作ることを大切にしている。他のブランドが新しいトレンドを作ろうと目の前のことに集中している中、私たちは一つのことにフォーカスしている。」とChobaniのシニアバイスプレジデントのMichael Gonda氏は言う。さらに、Chobaniはターゲットしている販売チャネルに費用を投下している、と加えた。

しかし、Chobaniはまだ割引を行っている。今年の最初の方、ヨーグルトをタダで配ったり、一つ買うともう一つが無料でももらえる、といったディールをコストコで行っていた。Chobaniの150 グラムのカップは、スーパーで10個10ドルで売られている。今月、JewelにてDannon、Chobani、Yoplait、シカゴエリアのチェーンのヨーグルト商品が売られている近くの棚に、二つのChobaniの商品の1ドル引きのクーポンが一緒に陳列された。Ad Age のデータアナリシスによるとChobaniギリシャヨーグルトの競合であるFageは、2017年に23%の広告費をカットした4510万ドル を投下した。NoosaやSiggi’s(フランスのLactalisという会社に買収される予定)などの比較的小さな会社も、広告へかける費用を二桁も落とした。

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アメリカで最大のヨーグルトブランドはどうだろうか。北米のダノンはDannon, Activia, Dannon Light & Fit, Dannon Oikos and Danimalsなどを扱い、昨年の広告費用は52.2%カットの、4830万ドルだった。iSpot dataによると、 Activiaの広告だけをとっても、テレビ広告の費用は昨年だけで40.5%も減り、1350万ドルだった、という。

そのような数字では全体像を把握するのは難しく、 北米ダノン 社長のSergio Fuster氏は「全体的に、 メディア投資額を減らすつもりはない。測定できないチャネルに大きくシフトしてきている。」 ダノンはWavemakerを今年から広告エージェンシーとして選び、デジタルのコンテンツを改善しようとしている。ブランドが人々、そして彼らの興味とどうマッチするかを見ているところだ、とFuster氏はいう。例えば、IBM WatsonとInfluentialというインフルエンサーマーケティングの会社と一緒に、ダノンのLight & Fit brandのプロモーションをおこなっている。

また、ダノンは最近のトレンドの、乳製品を使っていないヨーグルトや、アイスランドやオーストラリアのヨーグルトなどの食料品を先取りしようと努力している。そして、2017年にSilkやSo Delicious(Horizon Organicに加えて)を発売し、人気が出ているという。

「私たちが今見ているのは、数年前に消費者が普通のヨーグルトからギリシャヨーグルトにシフトチェンジしたのと変わらない変化である。」とFuster氏は述べた。低糖やビーガン、オーガニックのヨーグルト、プロバイオティック、そしてキッズなどバラエティーが豊かだ。DanoneはHappy Familyブランドの子供用オーガニックヨーグルトも発売し、「とてもうまくいっている。」と同氏は語っている。今浮かんできている疑問は、マーケッターが新しく派手なことすることで、ギリシャヨーグルトの時のように大流行するだろうか、ということだ。

Fuster氏は社内で使うたとえを教えてくれた。「 2010年っぽい感じになってきた。」である。2010年は、アメリカでギリシャヨーグルトが流行りだし、Chobaniが人気になった年だ。

「その時私たちはギリシャヨーグルトの人気がどれくらい持つかわからなかった。私はいま、プレミアムヨーグルト、低糖、自然派、オーガニック、ビーガンを全て合わせると20から25%ほどのマーケットの売り上げを占める可能性があると信じている。」と語る。「このシフトは大きいと思う。次のギリシャヨーグルトになるかって?それは時が経てばわかるだろう。」