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マーケターがエクスペリエンス・エコノミーにおいて成功するために必要なこと

【出典】4/9/2019

https://www.thedrum.com/opinion/2019/04/09/what-it-takes-marketers-thrive-the-experience-economyPicture1

デジタル変革により、エクスペリエンス・エコノミーは今日におけるビジネスのニーズに変化をもたらした。かつては、ブランド側の観点で商品(サービス)の物質的な価値を決め、競合他社と差別化するためにその価値を高めてきた。しかし、最近では消費者のインサイトを重要視し、カスタマーエクスペリエンスを管理する事を率先して行っている。IBMによるとカスタマーエクスペリエンスの管理はCMO(マーケティング最高責任者)が担う役割とされ、2019年のSalesforceによる米国マーケティングレポートでは、実際に45%のマーケターが事業全体においてカスタマーエクスペリエンスを率先して行っているということがわかった。

消費者がブランド側に多くの事を求めるようになった競争の激しい今日のビジネス環境において、ブランドは全てのタッチポイントを通じ消費者にパーソナルエクスペリエンスを与える事が不可欠である。今までは、数少ない限られた顧客データでカスタマーエクスペリエンスを提供していたが、それでは不十分だった。ブランドに対する信頼度を高め、より根強い支持を得るために、ブランドは、顧客を総体的に理解することが最善の方法であると見いだした。顧客の生活、考え、価値感を探ることで、顧客の真理を見つける事が出来る。そうすることで、ブランドと顧客の価値観を一致させ、感情的レベルのつながりを築くことができる。

しかし、ビジネスにおいてどのように顧客を総体的に理解するのか。この記事の作者がFocusVisionの最高マーケティング責任者として実行した3つの戦略は以下の通りである。

スモールデータをもって、ビックデータを補う。

エクスペリエンス・エコノミーにおいて、ビックデータ、またはオンラインショッピング行動から生まれた取引データはもはや充分ではない。このビックデータは「何」を明らかにするが、「なぜ」そうなったかまでは明らかにしない。そのため、作者はより細かいことがわかるスモールデータでビックデータを補強し、顧客ひとりひとりに合わせたエクスペリエンスを作り出す事を可能にした。ビックデータは人間の行動パターンを示すが、小さなデータはなぜそのアクションを起こしたのかという、人間の行動に対する姿勢、感情、動機の洞察を表す。

マーケティング担当者はビックデータとスモールデータの組み合わせ、顧客を洞察すべきである。そうすることで、ブランド、製品、またはサービスにおける顧客の動向をだけでなく、行動や意思決定を推進する動機を理解することがでる。定性的、定量的リサーチ研究を行うことにより、ブランドは顧客を真に理解する事ができ、その結果、ターゲットが商品やサービスに興味を持ってもらうためのカスタマーエクスペリエンスを提供出来る。

サイロ(組織内の孤立化)をさけリサーチャーとの共同を容易化する

ビックデータ、スモールデータを効果的に活用するために、リサーチチームと協働するべきだ。年に1、2回の大きな研究から製品、カルチャー、ブランドなど、異なるファンクションを報告してくれる研究者は、ビジネスにおいて変革を推進するためには必要不可欠な存在である。組織内のすべての部門が、インサイトをますます必要とすることを考えると、研究者による専門知識は大きな価値をもつ。専門家によって多くの情報源から得たデータを作り出す事ができ、その優れたデータを使うことにより、マーケティング担当者や他の部署はデータに基づいた最終決定を下すことが出来るようになる。

しかし、マーケターとリサーチャーの方法論、アプローチ、考察、そして個性は非常に異なる。マーケター、マーケティングスタックやビッグデータを基に、ターゲット設定、データの処理、および顧客への発信を機械化し簡単にしようとしがちである。一方で研究者はスモールデータに目を傾け、「なぜ」という疑問を追求し、人間の行動の裏にある動機を理解しようとする。この「なぜ」という疑問こそ、マーケターにとっても必要な要因である。マーケターと研究者は、お互いに学び合い、統一された目標に向かって働く。

常時対応のアプローチを確立する

ものに対する視点、考え、忠誠心、行動が常に変わってしまうのは人間の本性である。現在の膨大な情報と素早いリスポンスが溢れる現在のデジタルの世界において、消費者のものの見方、考え方はかつてないほど速く変化する。そのため、消費者の動向を洞察することは一度だけ行えばよいのではなく、むしろそれは常に行われ続けなくてはいけない。

顧客の声に耳を傾け、顧客と関わり合うための常時対応のアプローチを確立すべきだ。それにより、随時変わりゆく顧客の感情の変動を把握し続けることが可能になる。

顧客にフィードバックを求め、定期的にそのフィードバックをチェックすることで、マーケーターは、顧客の行動の変化を予測し理解するのに役立つ定性データを構築できる。その結果、マーケティング担当者はより良いカスタマーエクスペリエンスを効果的に生み出すことができ、なおかつ顧客との関係をより深いものにすることができる。

新しい物語

会社規模でインサイトの戦略を行っていくにあたり、マーケターと研究員は、カスタマーエクスペリエンスを率先して管理していく責任がある。この新たなビジネスの背景において、ビックデータとスモールデータを基にマーケターと研究者の両方が力を合わせて推進する、常時対応のアプローチは消費者を魅力しつづけることを可能にする。

 

Libertyによる、耳にしつこく残るジングルは消費者のブランドの認知度を高める;「四回ブランド名を復唱する手法を真似してくれても構わない」

【出典】2019/4/9

https://www.thedrum.com/news/2019/04/09/libertys-jingle-climbs-the-audio-logo-index-it-doesn-t-hurt-mention-the-brand-fourPicture1

「リバティー、リバティー…リバティー」というLiberty Mutual社のCMの最後に流れるメロディーは、マーケットに登場してから1年足らずで、Veritonicの年間オーディオロゴ・インデックスのトップに急上昇した。これは、そのジングルのシンプルさと耳から離れない中毒性のおかげである。

 

Veritonicは、米国および英国の1,600人以上の消費者を調査し、サウンドロゴによって、どう消費者のブランドリコール、エンゲージメント、およびブランドの認知度のレベルが異なる事を立証した。

 

米国では、LibertyのジングルはNationwideに続きに2番目に高い識別評価を得た。それは市場全体で6番目に効果的であると言われている。

 

Farmers InsuranceはNationwide、Old Spice、Intel、O’Reilly Auto Partsに続いて英国の世論調査のランキングの上位になった。また、ハリボー、マクドナルドとハインツビーンズはトップであった。

 

Veritonicは、レポートの中でLibertyのコンポジションを賞賛した。また、分析プラットフォームによると、より高いレベルのリコールとはるかに高いレベルのブランド識別をもたらす戦術であるとのこと。Libertyの新しいジングルにより、ブランドのオーディオロゴの評価は、インデックスが査定したほぼすべての測定基準で飛躍的に向上した。また、ブランドのリコールランクは7パーセントポイント増加した。

 

Libertyにとってこの成功は偶然もたらされたものではなかった。昨年CMOのEmily Fink氏が、保険ブランドのジングルを作り直すことにしたとき、彼女は12個以上のポテンシャルの高いメロディを作った。

 

「リコール、プレイバック、記憶性、好感度、そしてLibertyとの適合性を理解するための定量的研究において、私たちは消費者のことを第一に考えた。」と彼女は語った。

 

それは明確なものであった。ブランドの新たなジングルを、しつこく、耳に残るような音にし、また単なるキャンペーンではなく、Liberty Mutual社全体に結びつくようなものにしたということである。

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Elias Art Music Houseによるおなじみのジングルは、各広告の最後に少なくとも4回ブランド名を復唱しているが、この方法はテストした中で最もよく機能したオーディオロゴである。

 

Fink氏は、その「シンプルさと中毒性」が成功への鍵であると考える。CMOによると、CMに登場する新しいマスコットであるLimu EmuとDougも高評価、このユーモア溢れるパッケージは、Libertyのブランド認知度向上に貢献している。

 

「もちろん、あなたのブランドのジングルで四回ブランド名を復唱する方法をつかっても構わない。私たちは、その方法が効果的なマーケティングツールであるというだけでなく、世界中の人々がどのようにしてジングルを受け入れているかを知れることが嬉しい。」とFink氏は語る。この事について最近Harry Connick, Jr.氏もToday Show内でコメントした。

 

「私たちはLimuとDougと共に来年、他のCMにこの手法が使われる事を楽しみにしている」

AudiのBMWやT-MobileによるMetroのサウンドロゴは、ブランドの認知のためのジングルとしては最悪な物であった。今年の初めに自社のオーディオスティングを広く宣伝したMastercard社も、ブランドリコールスコアが26%という認知度が低い結果となった。しかし、VeritonicはMastercardのオーディオスティングはまだ新しい物であるため、このような結果になったとしている。

信頼がマーケティング・ストラテジーの原動力になる時代

消費者は、ブランドの目的と意図を理解している。

【出典】2019/04/09

https://www.adweek.com/brand-marketing/using-trust-as-the-driving-force-behind-marketing-strategies/Picture1

消費者が信用できる商品を欲しがるという事実は、企業側にしてみれば当然だろう。

2013年のノーベル経済学賞に輝いたRobert Shiller氏と2001年に同賞を獲得したGerorge Akerlof氏は、2015年に書籍を上梓した。書籍内では、市場操作や欺瞞、更には心理的な弱さを狙う売り手で満ちている市場に人々が囚われていることを唱えた。

Shiller氏とAkerlof氏の理論に賛同しようがしまいが、経済的な事実が揺るぐことはない。過去半世紀に渡り我々はブランド側が無知に漬け込むことで利益を得られる市場を形成してきた。マーケティングと広告は市場を都合の良い方へと導くツールであり、悪い評判の恰好の的となった。

しかしながら、潮流は変わりつつある。2030年までに合計年収が4兆ドルを超えると言われるミレニアル世代(19802000年代初頭までを指すことが多い)が力を持つ様になれば、企業はミレニアル世代への理解を深めるだけでなく彼らに従う必要性も出てくる。

Y世代(19801990年代生まれ)とZ世代(1990年代後半〜2000年代生まれ)を巡る多くの文献で、テクノロジーによってエンパワーされた世代の気まぐれに焦点を当てている。しかし、看過されがちなのはこの世代が要求をどれだけ明確に示し、定められたプリンシパルに沿ったマーケティングをどれだけ許容できるかという点である。

テクノロジーは、万能な解決策ではない。

ミレニアム世代は、プロダクトとサービスにこれ以上お金は支払わないだろう。彼らは信頼と透明性にお金を支払うが、この2つを偽ることは極めて難しいと言える。

マーテックとアドテックの進歩は企業の顧客理解、そして顧客へのリーチを容易にしたが、ここで注意しておかなければならないのは、これらのツールが格段に進歩したとしてもミレニアム世代を出し抜こうとするのは間違いということだ。「顧客以上に顧客のことを理解しよう」という言葉をマーケティングの基盤として考えるのは、今日では非常に危険である。過去と比較するとミレニアム世代は「誰かになりたい」という願望は薄れており、世界に与える影響について企業がどのような見解を持っているのかという点に興味を強めている。

優れたブランドは健全な市場から生まれる

まず、情報を隠したりするマーケティングは終わりを告げたと言えるだろう。販売するだけでなく情報を与え、教育にもなり得るコンテンツを生み出す必要があるのだ。もし、この種のコンテンツに時間をかける価値はないと判断するのであれば購買者の76%が商品ラベルで見つけられない情報をインターネットで探しているという調査結果が明かされたLabel Insight’s 2017 Shopper Trends Studyの閲覧を推奨する。

顧客とのタッチポイントが増える可能性の高いデジタル世界では、カスタマージャーニーをコントロールする難易度は高まっているだろう。企業としては、顧客が情報を容易に見つけられるよう、企業サイトなどに情報を掲載させておくべきである。その為に顧客がどこで情報を得ようとしているのかを知る必要があるがSEOやデータ、分析は大いに役立つだろう。

次にあげられるのは、最高のマーケターは社内にはいないという事実から目を背けない事だ。2012年の研究によればミレニアム世代では、広告よりも専門家の意見を重視する可能性が44%高く、ブログやSNSの影響を受ける可能性が広告に比べ247%高いと判明している。実際にDeloitteの調査で、製造元やサービス提供者を最も信頼できる情報源と考えている消費者は10人に1人しかいないと分かっている。

実店舗内にデジタル体験を組み込む方法

【出典】2019/04/08

https://www.thedrum.com/opinion/2019/04/08/five-ways-integrate-digital-store-experiencePicture1

毎日の様に、伝統的な小売企業の倒産や閉店のニュースを目にするが、それは購買体験を刷新できてないからだろうとWarby Parkerの創業者で最高責任者のDave Giboa氏は述べる。

消費者の購買習慣は大きく変わり実店舗を持つ個人商店は衰退していくとメディアは報じている。全ての商品はオンラインで購入できる。そして人々の認識ではオンラインの方が店舗で買うより安い。

だが、単純にオンラインとオフラインの戦いというわけでもない。今日、最も革新的な小売企業はデジタル技術を脅威に感じていない。実際にいくつかの企業ではうまく活用しており、買い手が本当に求めている没入型の体験が出来るブティックを作っている事例も現れている。

では、店舗内でデジタル技術を採用することで、どの様な変化が起こるのだろう。ここではいくつかの変化を紹介する。

驚くほど便利に。

デジタル技術の活用により購買体験はシームレスになるだろう。そう聞くとモバイル決済やワンタッチ決済などを想像するかもしれないが、まだまだ序の口である。McDonaldではチェックアウトのプロセスを早めることを目的にデジタルキヨスクを導入。2020年にはセルフで注文可能なキヨスクをアメリカ全土のMcDonaldで導入する予定だ。

カメラやセンサー、ビーコンなどを備えたAmazon Goストアが登場した当初、賛否両論だったが、支払いの必要のないスムーズな購買体験は新たな可能性を提示した。そして2019年は顔認識システムを利用して消費者の購買履歴や嗜好を判断するツールがブームになると考えられている。Picture1

コントロール可能に。

顧客がアドバイスやインスピレーションを求めている時は彼らをサポートする方が良い。オフラインとオンラインの融合は、小売店に顧客・商品のコントロール可能な範囲の拡大をもたらす。例えば、顧客とのやり取りや取引を容易にするためにタブレットを用意するなどである。

コミュニティーの形成。

テクノロジーにより店舗での体験が改善されたとしても、基本的に人々は店舗よりもオンラインで購入することを好む。そのため、他の来店動機を作る必要があるが、その1つの例として店舗を販売以外の場所にすることだ。店舗がブランドコミュニティのハブになり、ソーシャルにリンクすることで更に効果的になる。ライブストリーミングや教育に関するセミナー、もしくはSNSのブランドに対するツイート・ポストをデジタルウォールにアップするなど。

店舗がちょっとした劇場に。

今日のテクノロジーは顧客に対してエンターテイメント性の高いショーを提供することによりオンライン顧客をリアルな世界に引きつけることも可能になった。

VRAR360度のデジタルミラーは、店舗を画期的な展示会へと変貌させる。化粧品ブランドのCharlotte TibutyARミラーを店舗に設置しており、顔をスキャンすることでメイクの詳細を確認出来るようにしている。LEGOは何もない店舗をスナップチャットARを使用することにより商品が登場する施策を行った。予算に制約がなければ、選択肢は無限大だ。

なぜブランドがアマゾン・プライムビデオを利用して自社コンテンツを配信するのか?

【出典】2019/04/08

https://www.thedrum.com/news/2019/04/08/why-brands-are-turning-amazon-prime-video-distribute-their-own-contentPicture1

AmazonPrime Video Directは、当初プロダクションが動画を投稿出来るプラットフォームとして立ち上げられた。リリースから2年経つ現在、広告主はPrime Videoをブランドコンテンツの配信プラットフォームとして捉えている。

7,500万人の登録者を抱えるPrime Videoは本格的な配信プラットフォームとしての可能性だけでなく、コンテンツが多数の人々にリーチすることで配信側も収益を上げられる将来が待っているだろう。Amazonは視聴時間に応じてロイヤリティの支払いを行なうが、最近アメリカでは1時間あたり415セントから410セントへの値下げを実施した。収益構造の変更が行われたが、シェル、ジャガー、ランド・ローバーは引き続き活用する。シェルはオランダのEndemol Shineが制作した南極探査についての映画を配信しており、ジャガーは電気自動車分野への進出について取り上げた55分のドキュメンタリーを配信。

その一方Lexusでは、日本の職人が奮闘する姿を捉えた6,000時間のドキュメンタリーを中心に据えたキャンペーンを開始した。Amazonでフルバージョンの公開はされていないが、1時間バージョンが公開中である。

LexusPrime Video Directへと投稿を決めた理由の1つ目は、消費者が好んでストリーミングアプリを利用している状況でYoutubeFacebookTV放映よりも興味を惹きつけられる可能性が高いと踏んだからである。

2つ目に多くの人に届ける必要があったからだ。

LexusSpiros Fotinos氏は、我々は流通について考察を重ね数々の市場で運営をしてきたが、様々な市場でも通用するのかを確認する必要があった。そして、我々がどのような可能性を秘めているのかを考え多くの選択肢を比較した結果、Prime Videoが求めているオーディエンスにリーチできるプラットフォームだったと語る。

ブランドがいかにして多様な収益構造を築いていくのかという話は興味深い。Luxusのビデオを40,000人が1時間フルで視聴すれば約20万ドルの収益が出る。

達成できるかどうかはオーディエンス次第ではあるが、Amazon側で人々が投稿したコンテンツを見つけられる保証をしていない。コンテンツを投稿した企業がプロモーション費用を支払うことで視聴を促すこともできず、現在のアルゴリズムでは類似コンテンツを押し出す方針となっている。

Lexusの作品はディレクションをClay Jetter氏が担当、フィルムフェスティバルのDoc NYCで初公開。Lexusとしてのブランドは作品中4分の1も出ていない。そしてLexusCMとして認識されないよう意識したと語っている。

今のところ6つの五つ星評価を得ており作品は好評だ。

 

全ての企業に適しているわけではない。

ブランデッド・エンターテイメントは果たしてアマゾン側が各作品を広告か、広告ではないか検閲すべきなのか?

Fotinos氏は下記のように述べている。「ブランデッド・エンターテイメントという言葉は広告とほぼ同じ意味だ。重要なのは消費者が興味深いと感じ、ブランド側がブランドとして共感するストーリーを伝えることが重要だ。」

AmazonLexus間でのディールを統括していたThe&PartnershipのストラテジストのMatt Bamford-Bowes氏は、Prime Videoを配信ツールとして検討している企業は増えてきているが、慎重に考える必要があるだろうと語っている。

更に、Amazonの課題はLexusの様にブランドから配信されるコンテンツの質を他の作品と同程度に引き上げることだろう。そのために顧客価値を創造する必要があり、質だけでなく数も増やしていかなければならないと加えた。

全てのブランドにとって適切なプラットフォームではない。ブランド側が自身のコンテンツで少しでも収益を上げたいと思っているのであれば危険だ。視聴者側が少しでも広告と思った瞬間、そのコンテンツは二度と試聴されることはないうえ、ブランドとしての信用を落としてしまう。

 

2019年国際女性デーを記念したブランドのキャンペーンを紹介

March 2019 Report 22 A

国際女性デー:これを記念し、ブランドらは世界中の女性を全力で称えている。ブランドが国際女性デーを記念すべく、3月に新キャンペーンを開始したり、女性を助ける非営利団体への募金活動を行うのは近年恒例となっている。女性アーティストの奨励や性差別の撲滅など、本日行われている様々なキャンペーンを紹介する。

 

バドワイザー

現在、女性をポジティブに扱う広告は全体のたった61%だ。バドワイザーは、他社の広告を例に挙げ批判するのではなく、自社の過去のキャンペーンを使って、この事実を取り上げた。力強い女性の描写が稀であった1950年代のポスター3枚を、2019年に相応しくデザイン直したのだ。同社はイラストレーターや#SeeHerコミュニティ (アメリカの公告における性差別撲滅運動)と協力し、古いポスターの女性イメージよりも更に力強く独立したイメージに描き変えた。

March 2019 Report 22 B

HBO

『ゲーム・オブ・スローンズ』『ビッグ・リトル・ライズ』などHBOの大ヒットドラマにはパワフルな女性が多く出演する。そんな女性達を記念し、HBOクリエイティブサービスとMekanism New Yorkは「Make a Little Trouble」というタイトルのスポットを制作。このスポットは「Because of Her」キャンペーンの一部で、ノーラ・エフロンが1996年にウェルズリー大学の卒業式で行なったスピーチが流れる。March 2019 Report 22 C

ペイパル

3月中、ペイパルは女性が経営するビジネスにスポットライトを当て、またThirdLoveやFood52など特定のリテーラーでの購入につき$2がPayPal Giving Fundに贈られる。そして3月23日までに最高$3万ドルをチャリティーに募金するという。

 

また、ペイパルのEVPで最高商務・法務責任者のLouise Pentland氏が女性経営者にインタビューを行う様子も公開した。ThirdLoveの共同設立者でCEOのHeidi Zak氏、Hint Waterの設立者でCEOのKara Goldin氏、Stella & Dotの共同設立者でクリエイティブチーフのBlythe Harris氏、Benefit CosmeticsのグローバルブティックSVPのLisa Edwards氏、そしてSimple Habitの設立者でCEOのYunha Kim氏との会話の様子が見られる。

March 2019 Report 22 D

ModCloth

ヴィンテージを扱うオンラインリテーラーModClothは、ホールジーやオークワフィーナ、ダーシャ・ポランコ、ハリ・ネフといった大女性スターらを起用した「Against the Current (流れに逆らう)」キャンペーンを公開し、内に秘める強さを活かして人生の障害を乗り越えよう、と女性を応援する内容だ。アンセムバージョンは、障害物として各スターの行方を阻む4つのエレメント(大地・水・風・火) をそれぞれが克服するというストーリーで、ソロバージョンでは一人一人が過去に克服した困難について深く語る。

March 2019 Report 22 E

Brawny

ペーパータオル会社Brawnyが全世代のパワフルな女性にスポットを当てる企画「Strength Has No Gender (強さに性別はない)」は今年で開始から4年目。同社は今年も「Generations of Strength 」という、歴史上の輝かしい女性を讃える45秒スポットを制作した。

 

同社はまた、例年通りBrawny Manと呼ばれるブランドマスコットを女性に置き換える、限定版パッケージを発売。今年は、3つの異なる世代の女性を起用する。更に、同社は今年、非営利団体Girls Inc.との提携二年目に突入する。

March 2019 Report 22 F

Stacy’s ピタチップス

Stacy’s ピタチップスは、企画開始から三年目となる今年も、女性アーティストがデザインした限定パッケージを発売する。カラフルなそのパッケージは、女性アントレプレナーの成功までの道6段階を描く(インスピレーション、勇気、挫折、精神の養育、成功、コミュニティ)。更に、同ブランドは1ヶ月を通して最高40万ドルの募金を募るといい、内20万ドルは、United Wayという女性が設立したビジネスへのファンドの格差削減をミッションに活動する団体へ寄付され、もう20万ドルは女性アントレプレナーの援助金となる。

 

United Way WorldwideのCEO Lisa Browmanは声明の中で、「Stacy’s ピタチップスとの提携により、私たちはギャップを埋め、女性ビジネスオーナーが情熱を追求するのを援助している。各募金活動は、女性リードの新ビジネスを促進するだけでなく、彼女達の長期的な成長をサポートする。」と話した。

 

 

ユナイテッド航空

女性史月間を記念し、ユナイテッド航空は2人の女性アーティストが自由に描ける巨大なキャンバスを用意する。そのキャンバスとはボーイング757型機だ。The National Museum of Women in the Artsによると、アーティストの51%が女性にもかかわらず、女性によるアートは展示品の13%以下であるという。そこでユナイテッド航空はマーケティングエージェンシーのLaundry Serviceとそのメディア部門Cycle Mediaと提携し、「Her Art Here」キャンペーンをローンチした。このキャンペーンは更に、ニューヨークとロサンゼルスでのインテラクティブOOHも含む。

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オールドネイビー

オールドネイビーは今週土曜日、唯一の女性プロスカイライターLana CondorとSuzanne Asbury-Oliverとコラボし、セントラルパークやブルックリンブリッジ、ゴールデンゲートブリッジなどの名所上空に、感動的なフレーズを描く。 「昇進の壁を打ち破る」「限界なんてない」といったフレーズを空に描くことで、女性達を応援する。

「女性の日」のためにBudweiserは1950年代の3広告をアップデート

【出典】 2019/03/08

https://www.adweek.com/creativity/for-womens-day-budweiser-revived-and-reimagined-three-of-its-ads-from-the-1950s/Picture1

Budweiserは1950年代に発表された女性を専業主婦として見立てた3つの広告を再発行している。だが、そのオリジナルの宣伝と共により啓蒙的なメッセージ付きの新たな広告も発表した。

例として、上の宣伝では夫のニーズに応えられるかが不安な妻に向けの1956年らしいメッセージから、周りから大切にされ、自分がベストだと思う人生を生きるのを推奨するメッセージへと変化している。ビール自体の持つ役割も男性を喜ばせるものから、女性の楽しみの象徴を表すものへと変化を遂げた。

現在のBudweiserの宣伝の趣旨は幾重にも重なっている。Budweiserは近年マーケターにとって大切になってきたInternational Women’s Dayを意識している上、広告業界において女性のイメージ上昇に対し働きかける#SeeHerのプロモーションも行っている。

だが、Budweiserは自身のブランドの過去を消し去りたい訳でも、男性をバカにしようともしている訳ではない。マーケティングの副部長であるMonica Rustgi氏は「このプロジェクトは時代がどの様な変化を遂げ、ビールの背景にあるメッセージ(担当するマーケティングやエージェンシーは女性が過半数を占める)がどの様な進化をしたかについてである。」と述べる。

「Budweiserは過去のアイコニックな出来事も適切な形で未来へ生かすことができる。」とRustgi氏はAdweekに述べる。「今回のプロジェクトで示している通り、私達は今まで通ってきた道に誇りを持っている上、これからの広告業界をより良くする一員としての役割に対してもとてもワクワクしている。」と述べる。

Rustgi氏が個人的に気に入っているInternational Women’s Dayの広告は妻が電話を修理している夫のためにビールをいれてあげる1958年の広告の改訂版である。新しいバージョンでは、夫婦が新しい家の引っ越し作業の合間に取っている休憩シーンを描いている。元の広告のトンカチは健在だが、新たなコンテクストで使われている。

「この広告を作るのは楽しかった。」とRustgi氏は述べる。「元の広告はステレオタイプ路線をいってしまっていた。私たちのイニシアチブは男性もポジティブな描き方をすることでもある。」

改訂版の広告はBudweiserのエイ―ジェンシーであるVaynerMediaと、3人の女性イラストレーターによって制作された。

「個人的にも、責任者としても、このキャンペーンが世に出回るのがとても楽しみです。」とRustgi氏は述べる。

#SeeHerとのパートナーシップはBudweiserrの広告が男性・女性共にポジティブな描かれ方をされているかを判断され続ける運動である。#SeeHerによると、女性がポジティブな描かれ方をされている広告は全体の61%しかなく、その事実を踏まえた上でその数値が大幅に上がる様BudweiserはコミットしているとRusgi氏は述べる。

下記には改訂版と、比較用の拡大されたオリジナルの広告である。Picture1Picture1Picture1Picture1

 

英語専門TV局がスペイン語CMを放送へ

March 2019 Report 1

大手通信企業のベライゾンは2月に行われたアカデミー賞授賞式のTVCMで英語とスペイン語を話すカップルを起用したCMを放映した。CMを放送したTV局ABCの広告営業担当者によると通常スペイン語が使われている音声には字幕を挿入しなければいけないルールがある。しかし今回このルールを変え、あえて字幕をつけずに放送した。

2018年アメリカ人口の6〜34歳代の25%はヒスパニック、またはラテンをルーツにしている。2013年が23%だったのに対し徐々に上昇している。そして35歳以上の世代グループで見ると全体の約13%がヒスパニックで5年前より1%増えている。そして現在広告主が最もターゲットにしている世代は18歳〜49歳で、この世代にリーチできる番組一番広告費を稼ぐと言われている。

ベライゾンのCMOであるDiego Scotti氏は「年齢が高い世代も様々な言語でメディア消費をするが、ミレニアル世代やジェネレーションZ世代は文化的にもっと「流動的」で様々なグループに属しており、自分たちの文化のアイデンティティは1つだけではないと考えている」と語る。

10年前までは、白人以外の人種が広告に採用されることなどほとんどなかったが、近年は同性カップルや人種が違うカップル、チャレンジド(障がい者)まで様々な人々が広告に採用されている。アメリカ自体が多種多様になる中、それに合わせ広告も変化しているのだ。

英語以外の言語をCMで使用することに関し他のTV局も検討しているようだ。NBCUniversalやバイアコムはCMの内容を見てケースバイケースで判断している。FOXも字幕が必要か不必要かCMの内容で判断している。CBSは、CMがどの言語で放送されていたとしても視聴者が内容を理解できるよう対応しているとのこと。

スペイン語向けのTV市場は2018年時点で約6000億円、2017年から100億円上昇しており、ABCにとっても見逃せない市場だ。そしてスペイン語TV向け市場で最も大口顧客は通信・自動車メーカーでデッィシュネットワーク、スプリント、ニッサンなどだ。

アメリカにはスペイン語専門TV局でユニビジョンとテレムンドがあるが広告主はもちろんそちらにも広告出稿を続けるだろう。スペイン語の広告をスペイン語TV局で放映することが最も効率的だからだ。しかし、視聴者数のことを考えると、圧倒的に数が多い英語のTV局にも出稿のメリットがある。

広告主であるベライゾンのScotti氏は「違う言語の広告には字幕をつけなければならないという古いルールがあるが最終的には業界全体で変わっていくだろう。」と語る。ベライゾンは約1200億円近くの広告費を投入、2018年は最初の9ヶ月間で約800億円近くを投入した。

ディズニーの広告営業を担当するFerro氏によると最近は広告主に対し、テレビドラマ内に広告商品を登場させたりすることにより柔軟性を持って対応しているとのこと。「コマーシャルも素晴らしいストーリーを語ることができる。シンプルで人々をインスパイアする広告は必ず視聴者にメッセージを伝えることができる。」と彼女は語った。

ブランドの売り上げをヒットさせたいか?ミュージシャンと提携を試みろ

 

 

 

PepsiCoのスーパーボールでの広告は、コラボレーションがどれ程効果的かを証明した

March 2019 Report 9A

ミュージシャンのマイケル・ブーブレ氏、チャンス・ザ・ラッパー氏、カーディ・B氏は大成功におさめたPepsiCoのスーパーボールの広告に出演した。

 

スーパーボールの間、PepsiCoはミュージシャンとブランドとのコラボレーションする賭けにでた結果、利益をあげることに成功した。チャンス・ザ・ラッパー氏とバックストリート・ボーイズが主演したペプシコーラブランドの広告に続いて、他ブランドである、Doritosがスーパーボールの試合の間にSNS上で2番目に最も話題となった。Big Game spotにカーディ・ B氏、リル・ジョン氏、スティーヴ・カレル氏が映し出された後、ペプシは、ソーシャルネット上での「SOV(シェア・オブ・ボイス)」においてトップであった。そして、マイケル・ブーブレ氏の出演した、同社の製品である、Bublyの広告は、80億にも及ぶメディアインプレッションを獲得した。

PepsiCoのスーパーボールでの広告のように、ミュージシャンとブランドがコラボすることは、ミュージックビデオのプロダクトリプレースメント的な典型的な方法以上に双方にっとて非常に有益である。それでも、実際にコラボレーションがうまく効果をだすためには、アーティストとブランドの両方の個性が完全に結びつき、どちらかに偏ることなく、双方を尊重する事を必要とする。また、ブランドとミュージシャンの双方が、それぞれの支持者とセールスを失う危険性もある。

 

先月開催されたAdweek;Challenger Brandsにおいて、Cash Money Recordsで長年弁護士を勤めるVernon Brown氏は、共同創設者であるRonald “Slim” Williams氏と共催したパネルディスカッションの場で「ブランドと音楽をミックスさせる機会はたくさんある。もしブランドがミュージシャンとのコラボレーションを試みれば、彼らは売り上げを増大させるだろう。」と述べた。

 

Williams氏のレーベルはリル・ウェイン氏、ドレイク氏、ニッキー・ミナージュ氏のように100人のトップスターを抱えている。Brown氏は、「このレーベルは、主にミュージックビデオに自社の商品をのせたがっているブランドから、ステージ外において、たくさんの問い合わせを受けている。」と述べた。しかし彼は、アーティストとブランドのコラボレーションよりも、テレビCMをも超える、より効果的な方法があると主張した。Brown氏は、「これらのブランドは、もう少し深く考えるべきだ」と述べ、例えば、ブランドとアーティストが一つになるスポンサードオンライン動画を公開することを提案した。

 

レコードレーベルやマネージメントチームにとって、ブランドとアーティストとの間の契約が、アーティストのイメージや売り上げを傷つけることがないかを保証する事が、何より最も重要なことである。取引において、「お金は、時々価値がない」と彼は付け加えた。

 

 

「”アーティストとブランドの両方にとって”、理にかなっている事が決め手となる。」とRoc Nation Recordsの社長、Benny Pough氏は述べた。Jay-Z氏によって設立されたエンターテインメント会社は、昨年のAppleのCMにやり手のビジネスマンに扮した二歳の実の息子と共に出演したDJ・キャレド氏や、Fenty x Pumaを含め、たくさんのファッションディールにその名前が起用されている、リアーナ氏、Appleの「Behind the Mac」キャンペーンにおいて、Macを使い楽曲プロデュースする様子が特集された、グライムス氏などといった才能を現在抱えている。

 

世界でトップのFortniteプレイヤーであり、Twitchで一番人気のストリーマーであるTyler “Ninja” Blevins氏に挑戦するために、ラッパーのトラビス・スコット氏がドレイク氏やアメリカンフットボールチーム、Pittsburgh Steelerの一員であるジュジュ・スミス・シュースター氏らと結んだ取引が円滑にいくようにPough氏は手助けをした。Scott氏は、Fortniteと一緒に仕事をする事を以前から望んでいたため、彼のアーティストの1人がTwitchで「Ninja」と対戦する機会が浮上した時、その決定は簡単だったと語る。有名人が動画を公開したため、「Ninja」は、ソロストリーミング試合の同時視聴者数65万人という、驚くべき記録を更新した。「コラボレーションがうまくいったとき、アーティストとブランドの双方は、共に素晴らしい利益を得られる。」とPough氏は述べた。

 

 

「正当で正直なパートナーシップを探す。」シンガーソングライターのアンソニー・ハミルトン氏は、彼がブランドとの契約を結ぶ前に何を考慮するのか述べた。

 

 

現在、ハミルトン氏は10年以上にわたりNikeのAir Jordanのアンバサダーを務めている。噂によれば、マイケル・ジョーダン氏自身が、ハミルトン氏のパフォーマンスを見て、「彼と契約しなくては」と叫び契約を持ちかけたとか。

March 2019 Report 9 B

Adidasとビヨンセ氏の契約はブランドにとってどんな意味があるのか?

【出典】2019/3/4

https://www.complex.com/sneakers/2019/04/what-does-adidas-signing-beyonce-mean-for-brand

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Adidasはエイプリルフールに「4月4日に新たな始まりがあるであろう」と発表したが、嘘ではなかった。中にはポケモンとのコラボコレクションの発表であるだろうと予想した人もいた。Adidasの熱狂的なファンは、AdidasがZXキャンペーンを再開するのであろうという予想について様々な議論がなされた。更には、イングランドのサッカープレミアムリーグのチーム、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズのためのスエードスニーカーの発表であろうという、情報に欠けた結論をももたらすなど、世間では様々な憶測が飛び交った。しかし、この実際のアナウンスは、黄色い背景に黒の三つのストライプの画像と共に投稿されており、今振り返ってみれば、蜂、もしくはビヨンセ氏の愛称のBeyをモチーフにしたデザインであったとわかる。

 

このビヨンセ氏とAdidasとの提携は、AdidasのInstagramでの投稿ビデオにより、4月4日公式に発表された。CNBCの記者Jess Golden氏は、「Adidasとビヨンセ氏の双方は4月4日マルチレイヤー・パートナーシップを結んだ事を発表した。ビヨンセ氏は、ブランドのクリエイティブなパートナーとなり、新たに優れたフットウェアとアパレルを生み出し、そして彼女の手がけるブランド、Ivy ParkをAdidasとの提携をもって再起動させるであろう。」と語った。

 

プレスリリースにおいて、ビヨンセ氏は、「これは私にとって一生のパートナーシップである。Adidasはクリエイティブの境界を広げることに多大なる成功をおさめてきた。私たちは、創造性、成長、そして社会的責任を果たす事がビジネスにおいて一番大事な事であるという哲学的考えを共通して持っている。多大なる実績をもち、ダイナミックな業界のリーダーと共に、Ivy Parkを再起動させ、世界規模で拡大することを楽しみにしている。」と語った。

 

Adidas側も今回の提携においてビヨンセ氏と同じ考えをもっている。Adidasのグローバルブランド担当エグゼクティブボードメンバーであるEric Liedtke氏は、「クリエーター・スポーツブランドとして、Adidasは現状に挑戦し、そのオープンソースアプローチを通して創造性の限界を押し広げる。」とのべた。「ビヨンセは象徴的なクリエイターであると同時に、既に功績が認められているビジネスリーダーでもある。この二つが一緒になる事で、私たちは変化を引き起こし、次世代のクリエイターに力を与えることができる。」

 

それはAdidasにとって大きな動きであり、特に女性はこの話題にとても注目している。ここ数年の間、カイリー・ジェンナー氏、ケンダル・ジェンナー氏姉妹との間でブランド・アンバサダーとしての契約を結んでいる。そしてカイリー氏とコラボしたスニーカーAdidas Falconを発売している。しかし、ジェンナー姉妹はスニーカーのコラボのみで自身のラインはローンチしていない。彼らはブランドのために商品を実際に着て外出したり、キャンペーンに出演、インスタグラムにブランドに関する投稿する以外で特に目立った活動はしなかった。Picture1

Adidas Yeezy BoostsのZebraを履くカイリー・ジェンナー氏。インスタグラムより。

 

ビヨンセとアディダスのディールはジェンナー姉妹との提携よりはるかに大きい。彼女は自分のスニーカー、服を着て、そしてAdidasのサポートのもとで彼女のIvy Parkのスポーツブランドを再起動する。

 

去年はIvy Parkにとって激動の年であった。TopshopのオーナーであるPhilip Green氏は、2016年にビヨンセと提携を結び、Ivy Parkを立ち上げた。しかし、2019年にGreen氏は人種差別、セクシャルハラスメントで告発され、会社から退いた。その後、ビヨンセ氏はIvy Parkの所有権を取得した。

 

自身のファッションブランドを独自に経営する事は難しく、またAdidasのインフラストラクチャと技術を使用することはIvey Parkで使われる素材の品質を向上させることができる。さらにIvey Parkブランドの生産、品質管理はAdidasによってより向上することができる。

 

ビヨンセ氏がスニーカーコミュニティの中では大きな力を持っていなが、それは対して問題ではない。彼女の名前は十分な重みをもつ。とにかく、人びとは彼女の着ているものにこだわる。ビヨンセは世界で4番目に裕福な歌手としてランクされており、その純資産は約5億ドルだ。この純資産は今後、このAdidasとの契約でさらに上がることは間違いないであろう。

 

Adidasは近年、女性の市場を近年より積極的に取り入れようとしている。Adidasは3月、女性専用Instagramを立ち上げた。女性向けの靴を製造することになると、女性の消費者はフットウェアブランド特有の、男性用商品のサイズを小さくし、ピンクに塗り替えるだけというアプローチに不満を抱くことがよくあるが、ビヨンセのような人はそれをも変えうる。たとえ、ビヨンセがアディダスのスニーカー「スーパースター」よりヒールを普段履いていることで知られていたとしても、女性達が尊敬する理想的な人物によってデザインされた、あるいは少なくとも承認された女性スニーカーと服を販売し提供することは、女性達の購買意欲を刺激し、ブランドの繁栄につながる。

 

Adidasの大きな成功の1つは、有名人とのコラボだ。1986年にこのブランドがRun-DMCと提携し始めてから、カニエ・ウェスト、ファレル・ウィリアムス、ミッシー・エリオット、プシャ・Tなどのアーティストがコラボした。カニエ・ウェスト氏のYeezyラインは、2014年に提携して以来、今やブランドビジネスの一部として成長している。

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JAY-ZのPumaのスニーカーを履くビヨンセ氏。ビヨンセ氏のHPより。

ビヨンセ氏の夫JAY-Z氏がPuma Basketballのクリエイティブディレクターを務めているということをここで触れるのはタブーである。彼が保有するRoc Nationレーベルとスポーツ・エージェンシーもプーマとの継続的なパートナーシップを持っており、そして彼の長年の友人でありビジネスパートナーであるEmory Jones氏も9年間Pumaとの契約をむすんでいる。何故、ビヨンセがPumaと契約せず、同社の操業依頼からのライバルであるAdidasと契約したのか。おそらく、金銭面の問題か、ただ単に契約が上手くいかなかったのか。

ビヨンセ氏とAdidasがパートナーシップを結んだことは、やはり興味深い。彼女の夫と最高の関係を築いていたカニエ・ウェストのラインYeezyは大人気、Adidasがブランド力を取り戻すことに大きな貢献をしたと賛評されている。ビヨンセ氏はカニエ・ウェスト氏の妻、キム・カーダシアンと長年の親交をもっている。彼らが同じスポーツウェアブランドと提携を結んでいると考えると興味深い。

カニエ・ウェストとビヨンセが同じ政治的意見を共有していないことも興味深いことの一つである。ドナルド・トランプ大統領と会い、Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大に)の帽子かぶったこと、保守系の専門家であるCandace Owens氏を支持したことで知られている。ビヨンセ氏とは政治的意見ではでは反対の立場である。彼女は米国上院議員に立候補したBeto O’Rourke氏を支持したが、彼はそれを共和党の現職のTed Cruz氏に負けてしまった。さらには、彼女と彼女の旦那はバラク・オバマ前大統領とミシェル・オバマ氏とも親交がある。

Adidasがカニエ・ウェスト氏の保守的な考えがブランドのイメージとして、結びつかないようにするためにバランスを取ろうとしたならば、今回のビヨンセを契約相手として選んだ事は正しかった。プレスリリースの場で使われた、「社会的責任」という言葉をみると、次のことが汲み取れる。洋服やスニーカーはあらゆる人々によって意味を持って身に着けられている。Adidasは今回のビヨンセ氏との提携には隠れた左翼的な政治的考えを持つ人びとに向けたメッセージがあり、彼らを取り入れようとしている。ビヨンセは政治的な行動を起こし、そのときにAdidasとのコラボ洋服を着ていくであろう。政治的見方、世論の見方からみても、Adidasにとっていいマーケーティングである。

純粋にスニーカーが好きな熱狂的なファンの一部は、お気に入りのブランドの主要アンバサダーにビヨンセ氏がなることに眉をひそめているだろうが、この提携は彼らのための物ではない。大衆向けのものである。スニーカーオタクではない人々をブランドに結びつけるために創られている。ビヨンセ氏の音楽を好んで流している人びとは、それに合ったスニーカーも好むであろう。Reebokは最近Cardi B氏と契約した。この力強い動向は、Adidasが世間の注目を集めスニーカーを売り出すためだけでなく、彼らが真剣なブランド戦略を持ち、Nikeよりも進んだブランドである事を証明するためのものである。