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ディズニー:すべてのメディアセールスとTV配給を集約

【出典】2019/07/18

https://variety.com/2019/digital/exec-shuffle-people-news/disney-justin-connolly-media-tv-channel-distribution-1203271895/

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ディズニーは長年ESPNのエグゼクティブを務めたJustin Connolly氏をメディア配給、すべてのメディアセールスをまとめる組織の監督、TVの配給業務を率いる、新しく設置された社長の座に昇進させた。Connolly氏は以前ディズニーとESPNメディアネットワークのアフィリエイトセールスとマーケティングでESPとして務めた。ニューヨークを拠点とし、今後はティズニーのD2Cと海外セグメントの会長であるKevin Mayer氏へ報告をすることになる。

この新設された役職で、Connolly氏はD2Cのストリーミングサービスに関する海外でのアプリにおける配給の取引を率いる。この中にはDisney+やESPN+、Movies Anywhereも含まれる。さらに、ホームエンターテイメントや、ブロードキャストプラットフォーム、デジタルプラットフォーム、SVOD、有料放送ネットワークにおける、映画・テレビ番組の配給に関する取引も担当している。

Connolly氏は、現在直接各地域の代表とやりとりをしているDTCIの海外コンテンツセールスチームと共に働くことになる。ディズニーによると、Connolly氏は以下のプラットフォームについて、すべてのコンテンツのセールス契約の最終承認権を担うことになる。ディズニー、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ、ピクサー・アニメーション・スタジオ、マーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、20世紀フォックス、フォックス・アニメーション、ディズニー・ネイチャー、ABCスタジオ、ABCエンターテイメント、ナショナルジオグラフィック、FXプロダクションズ、20世紀フォックステレビジョン、WABC、フリーフォーム、ディズニー・チャンネル、ディズニーXS、ディズニージュニア。

Connolly氏は引き続き北アメリカの配給、アフィリアエイト・マーケティング、さらに、ディズニーとESPNのメディアネットワークによって提供される全てのサービスのアフィリエイト関係のビジネスを管轄する。これにはディズニーやESPN、ディズニー・チャンネル、フリーフォーム、FX、FXX、ナショナルジオグラフィック、Nat Geo Wild が含まれる。

我々の持つメディア、アフィリエイト、コンテンツ、シンジケーション・セールス、配給をすべてD2Cや海外セグメントに集約することで、ウォルト・ディズニーのスタジオやメディアネットワークの持つ素晴らしいストーリーやキャラクターを届ける方法を変化させ続ける。「Justinと働くことは長年非常に光栄なことだった。そして、彼の経験がディズニーのメディアセールスと配給を率いるのにふさわしい存在にしていると信じている。彼は熟練したプロフェッショナルで、素晴らしい交渉役、そして最高のリーダーだ。」

ESPNとディズニーの20年のベテランであるConnolly氏はディズニー&ESPNのアフィリエイトセールスとマーケティングヘッドとして2015年に任命され、2017年6月にはESPNの戦略チームとビジネス開発チームの監督となった。それ以前には、Connolly氏はESPN、大学内ネットワークのSVPや、ディズニーとESPNのメディアネットワークで国内経理として務めた。

Connolly氏はもともとESPNに2003に入社し、ESPN戦略・業務監督やVP、配給戦略を含む様々な分野で活躍した。ESPN入社以前は、カリフォルニア州バーバンクにあるディズニーのファイナンス企業でチーフとして働いた。ハーバード大学で経済学士、ハーバードビジネススクールでMBAを取得している。

 

顧客データを管理するAmperity5,000万ドルを調達

【出典】2019/07/15

https://techcrunch.com/2019/07/15/amperity-series-c/


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顧客データプラットフォームを運営するAmperityはシリーズCでの5,000万ドルの資金調達を発表した。発表のタイミングで共同創業者兼CEOのKabir Shanhani氏のコメントも公開され「顧客に関わるデータを原子レベルで取得することができる。」と述べている。

Amperityがビジネスの現場でどのように役立つかを説明するために、Shahani氏はクレジットカード会社であれば顧客の生活に合わせた営業メールができ、小売業者であれば来店を促すプロモーションを一人一人に向けて送ることが可能だと述べた。

明確なのは、ブランドが自力で収集した情報のみを使用しており他社からのデータ購入は行っていないということである。実際に会社の立ち上げ時にShahaniは顧客とブランドの関係性に非常に強い信念を持っていると説明している。

2018年には前年比で355%の成長を実現し、2016年創業の同社だが、StarbucksやGap Inc,TGI Fridays,Planet Fitnessなどの大手企業を顧客として抱えている。

Amperityと契約を締結した時点でほとんどの企業がすぐに改善をしようとするが、改善はリアルタイムに瞬時に頻繁に行うことは出来ない。更に、異なった経路のデータを効率良くマージすることも困難である。SalesforceとAdobeが同じ市場に参入するとした計画にも言及し、一種の意図的な発表だろう。本当の顧客はいなく、ユースケースも展開されていない。とShahani氏は自信をのぞかせている。


大規模なマーケティングクラウドが構築されるにつれAmperityにはネットワーク効果が働くようになるだろうとShahani氏は語っており、企業はお互いのプラットフォームを推奨し合うことで優れたプロダクトからの利益を享受できるだろう。

10〜15年前のマーケティングクラウドの推進により多くの企業が倒産に追い込まれたとShahani氏は当時を述懐。1年前までセールスチームの採用に腰を入れておらず3ヶ月前まではCMOも不在であったことを鑑みれば、調達資金はマーケティングとセールスの強化に投下すべきであろう。

ブランドはどのようにしたら大企業同士の争いを乗り越えられるか

【出展】2019/6/2

https://www.thedrum.com/opinion/2019/06/03/how-can-brands-survive-the-digital-clash-the-titans

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GoogleとAppleは戦争中だ。どちらもそれぞれ独自のビジネスモデルの開発に専念しており、表向きには「プライバシー」のためにブラウザの変更を行っている。しかし実際には、この変更はユーザーの選択も制限するためでもある。

GoogleとApple、どちらのデバイスを活用して、どのブラウザやデバイスでも広告を展開したいと考えるブランドにとって、この戦争はどのような影響があるのか。現在のWebトラッキングに頼り、新たな顧客と既存の顧客どちらにも広告を発信するやり方で、ブランドは苦戦している。しかし、なぜ私たちは最終的にGoogleとApple、どちらでも広告を発信することができたのか?そして、どのようにしてブランドはこのデータ戦争で生き残っていけるのか?

ディスプレイ広告業界にとって厳しかった2年間

ディスプレイ広告業界にとっては難しい数年であった。2017年、AppleはIntelligent Tracking Prevention(ITP)を発表した。これは、30日後にCookieを削除することにより、Webサイトの所有者と広告プラットフォームがドメインを越えてユーザーを追跡できる機能が制限された。

さらに、今年初めにAppleは1stパーティー・クッキーの利用可能日数を最大で7日間のみに制限するITP 2.1を発表した。

今月Googleもこのバトルに参加し、Chromeユーザーがオンライン広告に利用されるクッキーを、1stパーティーのデータを失うことなく削除できるようにしたと発表した。そして勿論、昨年遂行されたGDPRやこれから遂行されるePRなどのデータ制限もブランドに大きな影響を与えている。

データバトルにおいて、最大の損害を得たのは誰であるか?

それでは、このデータ戦争で最大の損害を得たのは誰であるか。残念なことに、広告を出そうとしているブランド、欲しい商品やサービスを探している消費者、そして広告にたより無料のコンテンツモデルをサポートしている企業、すべてである。

調査によると、消費者は自分に関連していない広告より、より関連性の高い広告を見たいと考えている。広告はインターネットの無料コンテンツモデルの本質であり、すべてのブランドは適切なパーソナライゼーションを備えた適切なメッセージが、適切なタイミングで表示されることで、よい結果と顧客のロイヤルティが獲得できる。

では、ブランドが明確に法的に認められている手段で広告を発信しているにもかかわらず、情報を望む顧客に対して広告を配信すべきではないのはなぜか。また、広告に頼っている企業が、なぜ、消費者の動向・思考に関連する広告を表示することができないのか。三者全員がWebトラッキングを利用した広告の表示に同意する限り、それは三方にとって利益なものである。

GoogleとAppleが、ブランドやコンテンツの所有者が全てのブラウザに関連広告を配信、帰属付けすることを規制する決定は戦略的な意図をもって行っていると私たちは考えている。そしてその結果、消費者を含め、全員が見逃している、この巨大企業同士の競争の影響は何か?

このデータ戦争の影響の度合いを調べるために、イギリスで開催された7日間にわたるクロスブラウザキャンペーンのためのハイブリッドソリューションに対してのCookie IDに基づくソリューションを分析した。イギリスでは、モバイル通信市場ではiPhoneやSafariの普及が高く、デスクトップの市場ではChromeの普及が高いため、結果は明らかにIDベースとハイブリッドのアプローチの課題を示している。

トラッキングしてわかったCookie IDのみに基づくアトリビューション

  • Chromeで35%減少
  • Safariで95%減少

Cookie IDがデバイスに与える影響を感じられたか

  • デスクトップでは37%減少
  • モバイル通信では75%減少

そのため、Cookieだけに頼るブランドは、Safariで最大95%、Chromeで最大35%のアトリビューションを失う。つまり、SafariのCookieに基づいたターゲティングやアトリビューションは、現在では役に立たない。

透明性のあるライフサイクルベースのモデルに移行する必要がある理由

ならどうしよう?生き残るためには、ブランドは、すべてのブラウザでのユーザーの選択、ePR、その他の法律をサポートする、ユーザーに関連し承認された広告を通じて、マーケットシェアを維持し拡大する方法を見つけないといけない。

いかなる取り組みも、データの使用方法に関するユーザーのプライバシーと透明性をサポートし、関連広告に対するユーザーの選択を尊重する必要がある。また、ユーザーに関連性のある広告は、IDに対するターゲティングだけではない。

ターゲティングとアトリビューションのためのハイブリッドアプローチが今後のディスプレイ広告には必要となってくる。このハイブリッドアプローチは新規顧客の発掘、購買へと導くのに一番効果的であり、消費者の生活バリューを高めることができることがわかった。

各ブラウザで利用可能なマルチデータポイントまたはアイデンティファイアを組み合わせて、AppleとGoogleのさまざまなアプローチをも完全にサポートする。個人を特定できる情報や完全に最小化されたデータを保存しない場合でも、ブランドがそれを同意したユーザーに対し、関連する(パーソナライズされていない)広告をあらゆるブラウザで配信することは可能である。

そして、ライフサイクルマーケティングにおいて、ユーザーに関連性のある承認された広告を配信する能力はブランド、消費者、そしてコンテンツ所有者、全てが望むものである。GoogleとAppleが自身達の戦いを繰り広げている間でも、この能力によって誰もがいつものようにビジネスを続けることができる。

AlibabaソーシャルビデオアプリVmateに1億ドルの投資を決める

【出典】2019/05/27

https://techcrunch.com/2019/06/09/week-in-review-google-makes-a-losing-bet-bezos-details-his-space-plan/

2018 Jack Ma Awards Rural Teachers & Headmasters In China

中国の巨大テック企業Alibabaはインドの動画市場においてByteDanceやGoogle,Disneyとの激戦を制し盤石な体制構築を目指す。第一歩として同社の子会社UC Webが運営するVmateへ1億ドルの投資を行うことが発表された。

Vmateは2016年にビデオストリーミングとショートビデオの共有が可能なアプリとして開始され、その後ダウンロード機能と3D絵文字機能を追加。現在では世界3,000万ユーザーを突破し、インド市場での成長に向けて資本投下を進めて行く。アプリの所有権に関しての質問には、Alibabaグループから答えを得られなかった。

急激に成長するビデオ市場へ注力するにつれて復興に向け進み出すが、中国市場では手遅れだろう。TikTokに類似したVmateはインドでのギャップを埋めるポテンシャルを秘めているものの、TikTokはインドで既に1.2億ものアクティブユーザーに利用されている。時価総額750億ドルのByteDanceはAlibabaとTencentどちらからもお金を取ることなく成長を遂げてきた。TencentでもTiktokと類似したサービスを運営しており、一定の成功を収めている。

Alibabaはインドのeコマース領域とフードテック領域に莫大な金額を投資済みだ。具体的な会社としてはPaytm,BigBasket,Zomato,Snapdealが挙げられる。チェンナイ拠点のオンライン・チケットサービスTicketNewの株式を取得した後には、インドで動画ストリーミングサービスを開始するのではないかと予想されていた。

UC Webはインドを世界最大規模の市場として捉えており、近年ではニュースと動画を組み合わせたアプリにしようと試みている。直近2年間では、ブロガーと小規模の出版社の記事を直接プラットフォーム上で配信できないかの交渉を進行中である。

フィーチャーフォンの時代にはスターダムまでのし上がったUC Webであったがgoogle Chromeの台頭により勢いを失った。現在ではAndroidスマートフォンの多くがChromeを標準ブラウザに採用している。

Alibaba Groupによる投資もインドで動画アプリの人気が高まっている証となる。インドでの消費データ量に着目すると、料金が格段に下がったことで動画視聴量が増加したことが伺えGoogle Play Storeのチャートでも動画アプリは急激に順位を伸ばしている。

昨年末に開催されたマーケティングのイベントでYoutubeは、親会社であるGoogleよりもユニークユーザー数が多い唯一の国としてインドに言及。2017年の終わりにはインドで2.5億アクティブ・ユーザーがYoutubeを利用していた。全世界では20億人以上に利用されており、インドでの利用人数は公開されていない。

先日、インドで最大規模のレコードレーベルT-SeriesのYoutubeチャンネルが世界で初めて登録者1億人を突破した。更に特筆すべきは、T-Seriesは登録者1千万人までに10年要しているが、残りの9千万人は2年間で達成した点である。Disneyの運営するHotstarチャンネルも注目を集めており、今月上旬にはライブストリーミングで同時視聴数の世界記録を更新した。

インフルエンサー探し?:B2Bブランドの成功の手法

【出典】 2019/05/21

https://contentmarketinginstitute.com/2019/05/looking-industry-influencers/

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インフルエンサーを用いたマーケティングと聞いて、どんなブラントが思い浮かぶか?旅行、ファッション、テクノロジーがまず挙がるだろう。

溶接、木工、鍛冶はどうか?違うって?ぜひこのまま読み進めてほしい。Craig Coffey氏とLincoln Electricのチームが行ったことは、まさしくインフルエンサーマーケティングに他ならないからだ。

インフルエンサーがいない?問題ない。

最初は困難からのスタートだった。Lincoln ElectricのマーケティングディレクターのCraig氏は、溶接用具の製造会社でインフルエンサーマーケティングプログラムを立ち上げようとしていた。

しかし、溶接と良いコンテンツの制作方法の両方を知っている人材のタレントプールは小さかった。「考えてみてほしい。世界の0.1%の人しか溶接方法を知らない。0.1%だ。悲観的な人はなんて難しいんだと思うだろうが、私は楽観的なので、『つまり99.9%の人がターゲト市場だ。』と考える。だから、もし少しでもその0.1%を伸ばすことができれば、それはとても大きなことだ。」

Craig氏はSpring Makeを活躍中のインフルエンサーとゲストスピーカーをLincoln Electricのエリアに招き、クリエイターがビジネスゴールに到達する助けとなるような授業を提供することで、プロのクリエイターを目指す木工、溶接工、蹄鉄工クリエイターたちを呼び集めるためのイベントだと捉えている。特に、自身のブランドのインフルエンサーとして採用するのにポテンシャルのあるコンテンツクリエイターをターゲット層とした。授業の内容としては、例えばオンラインプレゼンスの向上方法、インフルエンサーとして自身を売り出すためのプレスキットの作り方、Lincolnを含むインフルエンサーを探しているブランドの目に止まるようなクリエイターとしての技術の育成が挙げられる。

この春の二日間のイベントは木工、溶接、鍛冶作業から始まった。スポンサーとインストラクターは、有給のイベント参加者たちの技術向上を促進した。

Crow Creek Designs のオーナーであるJess Crowは、アラスカからクリーブランドまでこのイベントのために飛んだ。彼女はインスタグラムやフェイスブック、最近では短い動画を制作しシェアできるプラットフォームのTik Tokで活動している。

「Tik Tokから、『インスタグラムでの活動が気に入ったため、我々のDIYキャンペーンにぜひ参加してほしい。』と言われた。 プロジェクトの内容や価値のある情報を12秒にまとめるのは困難だったが、面白い試みだし、そのうちコツをつかめる。」

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Jessにとって、Spring Makeの利点は以下の2点だ。

インフルエンサーを探しているブランドと繋がること

実践的なトレーニングをエキスパート達から学び、新しい道具や機材を試すこと。

JessはSpring Makeのクリエイターをインフルエンサーにする試みにおける、135名の招待された参加者のうちの一人だ。

自分のブランドではなく、業界に焦点を当てる

Spring Makeを見てみると、Lincoln Electricは強い存在感を放っていた。ノベルティバッグ、溶接ワークショップにある機材、Lincolnのロゴとともに展示された販売用の溶接機材。しかし、Lincoln Electricは唯一の参加ブランドではなく、他にもRidgid Tools、Jet Tools、PFERD、その他機材や時間、人材を投資したスポンサーたちも参加していた。スポンサーブースは、制作エリアの外に設立されていた。

この二日間はLincoln Electric にとってセールスピッチのための時間ではなく、成長中のタレント、関係やコネクションを築くこと、何か新しいことを学ぶためのものだった。

業界内の有名企業からの質の高いサポートによって、イベントに影響力と信頼性が付いた。Jessによると、「インフルエンサーの成長を手助けしてくれるこういったブランドに対しては甘くなってしまう。『Lincoln Electric』と、ブランドの名前が書かれているのを見ると、このイベントが特別でハイエンド、そして専門的なものなのだと感じさせてくれる。」

「ここに来ている会社は一流だ。そういった会社はここで働いている人たちにしっかり投資をし、会社がスポンサーとなったり、話したりしているのを見ると、イベントが素晴らしいものになるのは明確だとわかる。長い間業界にあり続けている会社を見ればわかる。」

強化する

溶接(Lincoln Electricの業界)のみならず、業界を超えて視野を広げた。これによって、観客の増加や、自身の作品のために他の工作業界について学びたい溶接クリエイターの勧誘、新たなスピーカーや人材の発見の機会を得ることができた。

「さらに、溶接というのは矛盾した工作ではないことを示したい。」とCraig氏は語る。「溶接は様々なものとうまく組み合わさる。織物であれば、金属を溶接して作られた椅子にかかったレザーのスリングシートを思い浮かべてみてほしい。木材であれば、上の部分が木製で足が金属でできたテーブルなど、まだまだある。しかし、多くの人は「どうやったらこれらが上手く合わさるか」を考えるのではなく、別のものだと分けて考えがちだ。

「木工作業場が溶接作業場の近くに意図的に設営されてあった。参加者にこのことを伝えたかったんだ。『よし、君の木材を使ったプロジェクトをここに持ってきて。次はこの金属のストラップを周りにつければ、完成だ。』」

Craig氏は、旅行や仕事を通じて知りあった人々をゲストスピーカーやインフルエンサーとして招いた。中にはクリエイターコミュニティを繋げている人物とも言える、デザイナーでクリエイターのJimmy DiRestaを含む。その他スピーカーやソートリーダーは、成功までの道のりやアドバイス、どのようにビジネスを成長させたかについて話した。

Crafted Workshop のJohnny Brooke氏は、どのように注目を集めてスポンサーを獲得するのかについて話した。インフルエンサーがどのようにプレスキットを作り、アクセスを解析・分析してポテンシャルのあるスポンサーと交渉するのかについて話した。

Ugly Duckling House のSarah Fogle氏は、借りた土地に家を建てるなという概念について解説した。この考えはしばしばCMIの創設者であるJoe Pulizzi氏が用いている。メールマガジン登録数とウェブサイト訪問者数を伸ばすべきか、アルゴリズムのなすがままにSNSに集中すべきかについて語った。

Fix This Build That のBrad Rodriguez氏は、ソーシャルプレゼンスについて参加者に語った。何が上手くいき、何が改善できるのか、そして参加者のメディアと業界両者へ向けてベストプラクティスについて語った。

汚れよう

インフルエンサーマーケティングのビジネス面について理解することは重要だが、このタイプのクリエイターは実際にすることが好きだ。Craig氏、イベントチーム、スポンサー、専門家はワークショップを行った。クリエイターの流儀に従い、自由で、自主的に進めることができる機会を作り、それぞれの専門分野における著名人をファシリテーターとした。専門家は手順、道具などについて時間をかけて解説をした。実際に手を動かしながら学ぶことが、観客を引き込むための鍵だ。

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楽しむ

Spring Makeは体験型イベントだった。プログラムやワークショップの他に、以下のイベントを開催した。

Spring Make やスポンサーブランド普及のためのTシャツやノベルティを扱ったショップ

参加者の使用、SNS掲載用の写真撮影のための無料ステッカー、ポストカード、ペン等の配布

カメラマンを用意した撮影スタジオでは、ヘッドショットなどの写真を無料で撮影することが可能

参加者、スポンサー、登壇者が繋がるためのネットワーキングイベントが可能だ。

参加者は以下の新しい知識を得ることができる。

  • インフルエンサーマーケティングの技術
  • ブランドとの関係構築
  • 最新オンラインプレゼンスに関する資料
  • コネクションとさらなる連帯意識

関係を深める

イベント後の盛り上がりが冷めてきたら、その次は?Spring MakeはLincoln Electricとは別のコンテンツブランドへと進化した。多くの写真がインスタグラムやツイッターの投稿されている。コンテンツはクリエイターやインフルエンサーが制作をし、Spring MakeのSNSが拡散をする。こうして、Spring Makeのイベントチームは、会話を途切れさせないよう再利用することが出来て、2020年のSpring Make参加促進にも使える1年分のコンテンツを獲得することが出来たのだ。

うまくいくのか?

Craig氏は、100台以上の機械を販売すること(イベント参加のための費用と同じ)ができれば成功と呼べると語る。

「このイベントから儲けを出すことは考えていなかった。それは意図ではない。もし、セールスに今日以前と今日以降で違いが生まれるとすれば、それは自信を持ってこのイベントと直接的に関係していると答えるだろう。」

Craig氏はもう一つの利点について説明した。「たくさんの人たちが私の元へ来て『Lincolnでの君は、社会的影響力の点で、他の競合者のはるか先を行っていたよ。レーダースクリーンでも捉えられないほどだ。』と言ってくれて、私は非常に元気つけられた。」

「だから、今はこの差を維持したいと考えている。そして、競合他社が追いつけないように、もしくは、デジタル空間においてクリエイターについて考えた時にLincolnと溶接が同義になるよう

前に進み続ける。0.1%の成長を見せる、大きな可能性のある市場に集中するつもりだ。

そして、このようなインンフルエンサーたちの支援は、成功へと繋がるだろう。」

活動の成果を見る

インフルエンサーマーケティングで素晴らしい点は、インフルエンサーの活動の様子を見ることができるところだ。Spring Makeの開催期間中は、多くのインフルエンサーがLincoln Electricに関するコンテンツを丁寧かつ具体的にSNSでシェアした。

Jimmy DiRestaはインスタグラムのストーリー機能を使い、自身の名前とビジネスをプロモーションする一方で、Lincoln Electricの溶接機材を実際に使っている様子を紹介した。

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Jess Crowは、Lincoln ElectricのPOWER MIGという商品について話題に出す一方、どの道具や機材を買いたいか質問をするなど、24,000人以上ものインスタグラムのフォロワーと会話をした。公開時には「いいね」が1,542まで伸び、コメント数は114を超えた。

ブランドはもっと社会的影響を重要視すべきだ

Lincoln Electricが0.1%の成長に焦点を当てている一方で、多くのB2CやB2Bブランドは業界の数字に注目するべきだ。結局、インフルエンサーマーケティングは流行ではなく、今の時代やらなければいけないことだ。Spring Makeでは、Craig氏が全ての業界においてSNSの影響力の必要性と価値を示すべく、以下の7の統計をシェアした。

  • 40%の顧客が広告ブロックを使用している(Marketing Land)
  • 70%のミレニアル世代はセレブではないブロガーが指示する商品を好む(Collective Bias)
  • インフルエンサーマーケティングは、従来のマーケティングと比べて11倍ROIが高い(Invesp)
  • 94%の優秀なマーケターは社会的影響力に投資している(Invesp)
  • 48%のマーケターは社会的影響に焦点を当てたキャンペーンの予算を高く設定する(Invesp)
  • 2020年までに、50%のコンテンツがマーケティング外から制作される(CMO Kathleen Shaub)
  • 71%のマーケターはアンバサダープログラムが最も有効なインフルエンサーマーケティングだと考えている。

アップルストアが驚き要素を失ったわけ

ショッパーへの奉仕より、ブランディングの方が重要になったと現・元従業員は話す。

【出典】5/8/2019

https://adage.com/article/cmo-strategy/how-apple-store-lost-its-wow-factor/2170081

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Web Smith氏は、オハイオ州コロンブスの田舎のアップルストアを訪れた時、不満足な体験をしたと言う。

彼が11歳の娘にパソコンを購入するため訪問したEaston Town Centerのアップルストアでは、クレジットカードの認証に約20分もかかったことがあると言う。また1月にモニター購入のため支払いを済ませようと、ストアの従業員に話しかけても、自分はジーニアスバーの担当者で会計はできない、と断れたこともあると言う。

Eコマース研究・コンサルを行う2PM社のSmith氏は、「商品購入に時間がかかりすぎだ。」と話す。「最近は、店内が混み合っていない時も商品の購入が難しくなった。昔はアップルストアで何かを購入することに特別な意味があったが、今はむしろ店舗の不便さを回避したいほどだ。」

Smith氏だけではなく、ソーシャルメディアやカスタマーフォーラム、レポーターへの話などで多くの人々が不満を露わにしている。数年前までは、アップルへの好意が不便さを紛らわしていたが、今はそうでもなさそうだ。

アップルストアの従業員経験者は様々な要因が積み重なった結果だと言う。彼らが言うには、店舗はSmith氏のようなショッパーへの奉仕よりも、ブランディングを行う場所へと化したようだ。18年間に渡って拡大し、現在では500店舗を超え7万人の従業員を抱えるストアのカスタマーサービスは悪化していると言う。かつて店舗といえばジーニアスバーの優れた技術サポートで有名だったが、今はスタッフが歩き回るだけの場所となった。人々がデバイスを以前より長期的に使用したがり、故障すれば購入より修理を希望する今、この変化は残念なことである。

1月に報じられた、iPhoneの売れ行きの低迷により10~12月期の売り上げが予想を下回るというニュースがウォール街に激震をもたらした。同社が最も売りとする商品の売れ行き低迷は、スマートフォン市場の成熟を反映していて、ストアに見られる問題はそれを悪化させるのみだ。その数週後、CEOのTim Cook氏はリテールチーフのAngela Ahrendts氏がApple社を去り、ベテランのDeirdre O’Brien氏が引き継ぐことを発表した。

52歳のO’Brien氏の部署は依然として窮地に立たされたリテール業界の羨望の的であり続ける。昨年、同社の直販からの収入77億ドルの大部分を占めたのは、アップルストアとウェブサイトでの収入だ。また2017年には、1平方フィートあたり5,500ドルの収入という計算で、ライバルブランドを簡単に上回った。しかし最近では滞りが見え、4月30日の収益報告の際、同社のエグゼクティブらは割引や低金利、破格のトレードイン制度など、今まで避けていた販売方法を導入しiPhoneの購入意欲をあげざる得ないことを認めた。

O’Brien氏が即座に取りかかかるべきなのは、ショッパーフレンドリーな店舗開発だ。それはきっと、「粋な集いの場」という従来のアップルストアのコンセプトを離れ、購入をスムーズに行える店内に作り変えるかもしれない。また彼女はHRチーフのポジションに同時に就くことになるので、リクルートやトレーニングを徹底的に見直すべきだ。

2001年にロサンゼルスとヴァージニア州フェアファックス群にアップルストア初店舗が開店した際、疑念は成功に変わった。オンライン商法がすでに頭角を現していたのにも関わらず、アップル社は独自のデザインとジーニアスバーでリテール体験に革新をもたらし、うまくやってのけた。

そしてiPhoneやiPadの新機種が発売される毎に、店舗前に数日前から行列ができたり、Macのフォトブースアプリで学校帰りの子供達が写真を撮って遊んだりしていた。またマイクロソフトやサムスン、テスラなどがアップルストアの整頓されたデザインを模倣し始めた。

その後10年ほどに渡り大型スーパーチェーン、ターゲット社出身のRon Johnson氏のもとでアップル社のリテールは大繁盛し、Johnson氏はリテールのパイオニアとしての名誉を得た。在職期間、350店舗以上の開店と、日本、オーストラリア、イタリア、中国、そしてカナダを含む10カ国以上への拡大を監督した。そして2011年にデパートチェーンのJ.C. Penny社に移り同ブランドの再興を図ったが、上手くいかず解雇された。

2012年頭にイギリスの家電販売チェーンDixonsの経営者であったJohn Browett氏がアップル社でJohnson氏の後を継いだ。彼は大型チェーンのやり方に習い、周辺機器や保証販売を推奨した。その結果、売上は上昇したが、カスタマーへの販売よりも援助を重視する同社のスタイルが弱化した。さらにはコスト削減のため、従業員の解雇、労働時間の短縮、残業時間の削減や、小数人のみの昇進などを行った。結果Browett氏はクリスマスシーズン前にCook氏に解雇され、2014年5月にAhrendts氏が就任するまでCook氏本人がリテール運営を監督した。

バーバリー社の元チーフであったAhrendts氏の就任は大々的に賞賛された。この時期のアップル社は自社をファッションブランドと位置付けていたので、500ドルのカシミヤのマフラーや3千ドルのトレンチコートを売りつけることで名を馳せた彼女が、今度は高価なアップルウォッチを販売することになる。Ahrendts氏のもと、アップルストアはジュエリーショップのようになり、1万7千ドルの特別仕様アップルウォッチが置かれても違和感を感じない程だった。販売員らはその頃初めて「小さいサイズがあなたの腕に合いますよ。」などと言って商品販売を進めるようになった。

彼女が初期に行った改革の一つが、ストアを町の広場のような存在に変え、業界用語で言えばショッパーが「ブランドとの時間を過ごせる場」を作った事だ。ジーニアスバーへの列はその雰囲気を壊すので、ジーニアスグローブと呼ばれるソファ付きの待合場や、テーブルの設置、また技術サポート担当たちが店内を歩き回るなどの対処が行われた。キャッシャーは無くなり、会計は販売員がモバイルデバイスで行うのみとなった。

アップルストアをより高級なショールームのように仕立て上げ、会計やクレーム処理などビジネス面を見せないようにするのが狙いだ。そんな中、Ahrendts氏はウェブ販売にも力を入れ始め、ストアスタッフに「オンラインでも購入可能ですよ。」とショッパーに伝えるよう促した。消費者らはアップルのウェブサイトで商品を予約し、店舗でピックアップというシステムだ。ある従業員によると、アップル社は「流れを良くしようとしていたが、一部のカスタマーにはそれが複雑に感じられた。」という。

Ahrendts氏の就任以前、アップルストアは3つのキータスクに秀でていた。それは、商品販売、デバイスのトラブルシューティング、そして商品を最大限に活用してもらうようカスタマーを教育する事だ。アップル社で以前リテールエグゼクティブであり、匿名でこの記事への協力を申し出た人は、「店舗に歩み入ったら何をすべきかカスタマーが把握している、ということがスティーブ・ジョブスにとって重要であった。」と語る。ヘッドフォンやiPhoneを購入しに来たカスタマーは入店・退店がスムーズであった。商品についてもっと知りたいカスタマーはクリエイティブと呼ばれる従業員から1時間ほどのレッスンを受けられ、故障したiPhoneを持ち込んだカスタマーはジーニアスバーの技術サポートがすぐに対処できた。

現従業員並びに元従業員によると、Ahrendts氏がこのバランスの取れたシステムを乱したという。」過去にリテールエグゼクティブであった人は、「店舗内でのエンゲージメントが全く感じられなくなった。ストアでは、カスタマーの目の前でアップグレードが起きているべきなのに。」と語る。

ジーニアスバーの見直しが特に物議を醸している。技術サポートを求めてきたカスタマーはまず従業員に話しかけ、iPadにリクエストを打ち込んでもらう。技術サポートメンバーの準備が整うと、店内をうろつくそのカスタマーを探し、見つかればやっとサービスが始まる。Ahrendts氏の方針は店内の行列をなくす代わりに、iPhoneの修理やバッテリーを交換しにきた人が店内に溢れかえるようになった。

ジーニアスサービスの人間味も減った。技術サポートメンバーらはかつてMacやiPhoneの修理をバーにて行い、世間話も交えながらサポート説明をカスタマーに行なっていた。元リテールエグゼクティブは、「今は技術サポートのスペースが足りず、しばしば彼らは店舗裏にデバイスを持って行ってしまう。」と話す。

Ahrendts氏が行ったカスタマー教育の方針変更は賛否両論だ。長い間、年間99ドルでいつでも好きな時にマンツーマンのトレーニングセッションが受けられた。Ahrendts氏はそれを、Today at Appleという、ガレージバンドやアップルウォッチの使用法を学んだりコンサートを楽しめる無料のグループセッションに変えた。前者より後者の方が人気で、Today at Appleのセッションは毎週18,000回行われているという。従業員らによれば、セッションの進みの遅さに不満を感じており、マンツーマンのセッションに戻してほしいというカスタマーの声もあるという。

Ahrendts氏のおかげで、カスタマーの注目はMacからモバイルデバイスに移った。これはメインの収入源がiPhoneであるアップル社にとって必須である。また業界の人々は、引き出しの中にiPhoneケースが並ぶアクセサリーエリアを大いに賞賛する。また大画面で商品紹介を行うのも驚きの要素の一つだ。さらに従業員らによると、現在のストアが抱える問題の全てがAhrendts氏のせいというわけではないという。彼女が就任したのが、アップルウォッチのローンチという波乱の時期だったことを悔やむ人もいる。彼らによれば、アップルウォッチの需要に生産が追いつかなかったことで、店内で在庫が十分に用意されていなく、ストアスタッフやAhrendts氏がそれについて責められたそうだ。

ストアのクオリティー低下はAhrendts氏就任により起こったことではないが、悪化したのは事実である、と従業員は語る。「以前は従業員はがより技術的に優れていた。ストアに入店し話しかけた従業員が偶然ミュージシャンやビデオグラファー経験者で、知識に豊富であることが良くあったものだが、今ではアップル社は人の良い、技術的にはそこまで優れていない人を雇う。」とある従業員は述べた。Johnson氏のもとでは新入スタッフ向けに3週間から1ヶ月に渡るトレーニングが行われたが、今は既存のストアに従業員が加わる場合、トレーニングは1週間のみである。以前は、時給22ドルのジーニアスバースタッフは、アップル社のクパチーノ本社でトレーニングを受けたが、現在はストアでのみのトレーニングを受けている。

2月にAhrendts氏の退職が発表される前から、アップル社は彼女の戦略からそれていた。ストア内に出現した、新商品やイニシアチブを推奨するステッカーやポスターなどは、もはやAhrendts氏のミニマリストな考えに全く反する。高価な特別仕様のアップルウォッチは姿を消し、iPhone XRのような定価のデバイスが発売され始めた。

Ahrendts氏を継ぐ者は過去の例を引き継ぐだろう、と元エグゼクティブは言う。初代のアップルストアは、Macで音楽、写真のスライドショー、ホームビデオの制作を学べる場所があったりと、セクションごとにはっきり分けられていた。O’Brien氏はApple MusicやApple News+、近々ローンチ予定のTV+、そしてiCloudストレージのプロモエリアを作るのではないか、とこの人物は憶測する。またある従業員らは、初代のジーニアスバーを甦らせるのではないか、と言う。

アップル社の新リテールチーフO’Brien氏は最近、ストアにおけるヒアリングツアーを行い、彼女のインスタグラムフィードはパリや香港、テキサス州オースティンのストアスタッフとの楽しそうな写真でいっぱいである。一般の人は知名度の高い彼女の昇格を温かく迎え入れたと従業員は語る。彼女は20年前にJobs氏、Johnson氏、Cook氏と共にアップルストアのローンチを行ったメンバーである。彼女こそが、アメリカ大陸の商品棚にアップル製品を並べた人物なのだ。

O’Brien氏は就任後の第1店舗として5月11日に、ワシントンD.C.のカーネギー図書館に505店舗目のアップルストアを開く予定だ。元エグゼクティブは、「Deirdreはストアの顔になったことがないだけで、ストアに関する知識を豊富に持つ。」と言う。善かれ悪しかれ、ついに彼女が顔となる。

新たな働き方ギグエコノミーを主導する企業のIPO次々に控える

【出典】 2019/03/29

https://www.wired.com/story/lyft-ipo-filing-ridership-revenue-losses-costs-charts/Picture1

329日にライドシェアサービスを運営するLyftNASDAQへの上場を果たした。公開価格72ドルに対し初値は87.24ドル。終値は78.29ドルを付け公開価格より8.7%もの上昇を見せた。その結果、時価総額は264億ドルで交通機関を担うUnited and American AirlinesHertzAvisをも凌ぐ巨大企業が誕生した。

一方で、今回のIPOへの市場の熱狂具合はUberAirbnbPinterestなどIPOを控えている他のテック企業にとっても吉報となるだろう。Lyft最大のライバルであるUberは昨年の8月に760億ドルのバリュエーションが付いており、IPO時には1,200億ドル程度の評価を求める可能性が高い。IPOに向け書類提出は完了済み。

しかしながら、両社ともに黒字化までの詳細は明かしてない。

3月上旬にLyftが証券取引委員会に提出した財務情報からは、順調な売上高に対し黒字化までの道のりは前途多難という印象を受けざるを得ない。

Lyftに登録しているドライバーは過去2年で急速に増加。2016年の終わりには660万人だったが2018年の終わりには1,860万人まで増えている。Lyftによればアメリカの成人人口の9%Lyftを利用していると言う。更に、今年の12月には前年比47%増のドライバーを見込んでいるとのことだ。

利用者数は2016年の終わりには5,260万人だったのに対し2018年終わりには17,840万人を突破した。2018年には前年売上11億ドルから2倍の22億ドルを売り上げており、劇的な成長を遂げている。

Lyftでは、過去3年間の成長はUberのブランディング面での失敗も少ながらず影響しているのではないだろうかと考えている。2017年の第一四半期と第二四半期の1アクティブユーザーあたりの収益が大きく増加しているが、ブランドとバリューがドライバーに浸透してきていることで、競合に代わりLyftを選んでもらえるようになってきていると成長の理由を説明する。また先述の通り、トランプ政権の指定国への旅行禁止令や難民受け入れ禁止令へのUberのコメントがトランプ政権に賛同していると取られ、アカウント削除を促すムーブメントDeleteUberやエンジニアのSusan Fowler氏が投稿した性差別問題などのUberの失敗がLyftに影響したのではないかと分析している。

Lyftが投資を緩める事はなく、2016年の2倍程度にあたる8400万ドルを新規ドライバー/顧客獲得の為に費やしている。

その結果、昨年には91,110万ドルもの莫大な損失を計上。競合のUberでは18億ドルの損失を報告している。2社にとってIPOは黒字へと転換させようとしている最中に必要以上に注目されることを意味する。

2018年、ケーブルTVを追い越したストリーミングサブスクリプション

デジタルエンターテインメントの支出は、映画館への支出をも上回った

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ケーブル会社はストリーミングサービスについてしばらくの間、神経質になっていた。しか現在、神経質になる、特定の「良い理由」がある。IHS Markitのデータを引用したMPAAのレポートによると、2018年のオンラインビデオサービスへの加入数は6億1,330万であり、ケーブルTVの登録数の5億5,660万を上回っている。ストリーミングサービス加入数に関しては、2017年と比べると27%増加している。IPTVも衛星放送を追い越し、全体的にデジタル分野への移行が大きく進んでいることを示している。

 

 

そのデータはまた、人々が映画館で支払う金額よりも、自宅でのデジタルビデオにもっとお金を費やしていたことを示した。2018年、人々が映画館で費やしたのは、昨年と比べわずかに増えて411億ドルであったが、世界中の人々はストリーミング、ダウンロードおよびビデオオンデマンドに合計426億ドルを費した。その間、DVDなどのディスクは131億ドルまで落ち込んだ。この数字は、2014年のちょうど半分程度である。

 

これはオンラインビデオにとって決定的な勝利ではない、少なくとも、まだ。ケーブルTVと衛星放送を組み合わせた場合は、ストリーミングよりもまだ大きい割合を占めているからだ。さらに重要なことには、必ずしも利益ではないにしても、収入に関してはケーブルと衛星は依然としてトップだ。2018年のケーブルの収入は、62億ドル増加の1,180億ドルに達した。これは、ケーブルにこだわった人々がこれまで以上にお金を払っていたことを示唆している。 MPAAのレポートは、インターネットサービスに加入している人々のほとんどが従来のテレビも保有しているとし、コードカッターの数はあなたが思うほど多くはないことを示唆している。

 

それにもかかわらず、これらはインターネットビデオにとって大きなマイルストーンだ。今やそれはサブスクリプションという点で最も人気のある個々のテレビフォーマットであり、可能な限り広いリーチを望んでいる会社は注意を払う必要があるかもしれない。同様に、映画スタジオやアワード関連の団体は、ストリーミングのリリースをもっと真剣に受け止めなければならないかもしれない。従来のテレビや映画館はなくなっていないが、変曲点に達したかもしれない。

世界的に興行収入が低迷する一方で、Netflixやサブスクリプションサービスの登録者は増化している

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『ブラックパンサー』や『インクレディブル・ファミリー』といった大ヒット作のおかげで、2018年のアメリカ国内の興行収入は再び上昇した。アメリカ映画教会 (MPAA)の新たなレポートによると、アメリカのチケットセールスは7%増加し、過去最高である119億ドルに達した。更には、ヨーロッパやラテンアメリカでの海外市場の興行収入低下をも回復させ、世界での興行収入を411億ドルに押し上げ、前年比で1パーセント改善させた。

 

MPAAの調査は、エンターテインメント業界の業界団体によって作成されており、映画業界の全体的な状況を包括的に把握することを目的としている。

 

 

MPAAの調べによると、興行収入に加えて、世界のホームエンターテイメント事業による収益は16%増加し、557億ドルに達した。これは主に、デジタルレンタル、デジタルセールス、およびNetflixなどのストリーミングサービスへの加入が増加したことによるものである。米国におけるデジタルホームエンターテイメントの支出は、175億ドルを記録し24%増加、また、国際的には、34%増加し251億ドルを記録した。この、増益はDVDとBlu-rayの販売とレンタルの大幅な売り上げ減少によるダメージをもカバーした。ディスクの売上は、米国内では15%減少し58億ドル、国際的には14%減の73億ドルであった。4年前、米国のDVD市場の売上高は103億ドル、国際的に149億ドルであった。このデータから、DVD市場が急激に落ち込んだことがわかる。一方で、同じ期間に、デジタル市場の売り上げは世界全体で170%増加した。その上昇の多くは、Netflix、Amazon Prime、およびその他のサブスクリプションサービスの人気によるものである。世界全体で、デジタルサブスクリプションサービスの利用登録者は27%増加し、6億1,330万件人を記録した。2018年には、初めてオンラインビデオのサブスクリプション数がケーブル契約数を上回った。ケーブル契約数は5億5,600万件と2%減少した。

 

DVDセールスが衰退しているため、スタジオは消費者が映画や番組のデジタル版を購入し続けることを促進している。顧客は観たいデジタル動画を一つずつ購入するのではなく、単にNetflixでコンテンツをストリーミングすることを好むため、デジタル版の購入はそこまで上手くいっていないようにみられる。2018年にはサブスクリプション支出は28%増加して133億ドルとなり、デジタル販売とレンタルは5%減少して100億ドルとなった。この成長する市場から利益を得ることを期待して、WarnerMedia、Disney、Comcastなどの大手メディア企業がそれぞれ独自のサブスクリプションサービスを準備しているときに、このレポートは発表されている。

March 2019 Report 21 B

Netflixの人気は、映画館主にとって、悪いニュースである。映画館主は動画のストリーミングサービスにより、人びとが映画館に行かずに、家で映画を見ながらお酒や食事を楽しむようになることを恐れている。同社は、映画の伝統的な劇場公開モデルを遵守することを拒んでいるため、映画館主の不安をさらに悪化させてきた。『ローマ』や『Triple Frontier』のようないくつかのNetflix映画は、Netflixのサービス上で公開される数週間以内前に映画館で上映された。

 

劇場ビジネスは、少なくとも月に1回映画を見に行く熱狂的な映画ファンに大きく依存し続けている。こういった熱狂的映画ファンは米国とカナダの人口のわずか12%であるにもかかわらず、全てのチケット販売の49%を占めている。全体として、米国とカナダの人口の75%が、2018年の1年のうち一回は映画館を訪れた。また、チケット購入者の51%は女性であり、男性がその他の49%を占めている。

 

12~17歳と18~24歳の年齢層が最も映画館で映画を鑑賞しており、昨年は一人あたり平均5.1本の映画を見たという統計がある。また、25~39歳、60歳以上の年齢層を除くすべての年齢層の劇場鑑賞数が増加した。最も劇的な伸びは、40歳から49歳までの年齢層で、前年の一人当たり平均3.6本の映画を劇場で鑑賞したという記録に対して、平均4.3本と増加した。March 2019 Report 21 C

民族ごとの統計では、ラテン系アメリカ人とアジア人のオーディエンスが最も映画館で映画を鑑賞しており、昨年は、一人当たり平均4.7本(ラテン系)と4.5本(アジア系)の映画を鑑賞したという統計がでた。アフリカ系アメリカ人の映画館で映画を鑑賞した本数の一人当たりの平均は、毎年の3.4本から、2018年には3.7本に増加した。『Black Panther』は、黒人のオーディエンスの間で、特に人気であり。彼らのチケット購買が、マーベルの大ヒット作のチケット販売の35%を占めた。

 

海外では、中国が主な映画市場の成長要因であった。中国でのチケット売上は12%増加し、90億ドルを記録した。日本は20億ドルの収益を持つ2番目に大きな海外市場であり、英国は17億ドルで3番目に入っている。

カプコン2018年のトップ・ゲームパブリッシャーに輝く

March 2019 Report 18

映画やゲームなどのレビューサイトであるMetacriticが先日2018年のゲームパブリッシャーランキングを発表した。日本企業であるカプコンが見事1位にランクインした。

 

 

通常ほとんどのパブリッシャーが1ランクのみの上げ下げが生じることが多かったが、2017年のランキングでは5位のカプコンが急上昇で今回は1位の座に輝いている。2018年にリリースしたゲーム6本のうちの5本で高い評価を得ており、高評価率83.8%という驚異的な数字を考えれば今回の結果は当然だとMetacriticは評す。

 

カプコンの2018年最大のタイトルが『モンスターハンター:ワールド』で、Metacriticではスコア90を獲得している。累計販売本数は1,000万本以上で同社にとって最も売れたゲームソフトとなった。その他に評価の高かったゲームはリマスター版などが多かったと言う。

 

 

ランキング作成にあたりMetacriticはパブリッシャーを年間の販売タイトル数に応じて2つのグループに分類を行った。カプコンは年間で12本以上をリリースしたトップグループに振り分けられ、セカンドグループは5〜11本が基準となる。

 

カプコンは既に2019年も幸先の良いスタートを切っている。3月8日には人気タイトルの続編である『デビルメイクライ5』が発売予定で、『モンスターハンター:ワールド』に次ぐタイトルになるだろうとゲームメディアのTwisted Voxelは予測する。

 

 

ランキングは以下の通り。

 

1.カプコン (307.3)
2. セガ(293.5)
3. Electronic Arts (292.9)
4. 任天堂 (289.1)
5. Ubisoft (262.9)
6. ソニー(260.7)
7. Square Enix (253.8)
8. バンダイナムコエンターテインメント (250.9)
9. Digerati Distribution (242.4)
10. NIS America (240.6)